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2021年7月 3日 (土)

ドウアットのドビュッシー

朝から豪雨の土曜日。

今年は空梅雨かと思っていたら今週に大きなものが来た。
水曜日当たりからずっと雨。

太平洋高気圧が梅雨前線を押し上げて停滞中。
だんだんと雨量が増えてきて昨日から大雨洪水警報に緊急避難情報も出た。

 

典型的な梅雨末期の大雨で今朝は狩野川付近を歩くとかなりの増水だった。


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正午のNHKニュースではトップで沼津の様子が紹介されていた。

旧東海道上の沼津と三島を結ぶ黄瀬川大橋がクラッシュ。

 

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ここは主要なバス路線道であり近隣市町の生活道路。

復旧するまで通勤通学への影響はかなり大きい。

付近の家も流された。

我が家から離れた地にある畑も冠水したようだ。
見に行きたいけれど遭難の危険があるのでやめておく。

 

このところ腰痛に悩まされ木曜は最寄りの整形外科病院へ行っていた。

レントゲン撮影の結果では骨には異状なし。
神経や筋肉はレントゲンでは映らない。

医師の見立てでは骨と神経の間の筋肉が腫れて神経に触っているようだ。

飲み薬を処方されたが一向に治まらない。

 

以前やったぎっくり腰に近い痛みだ。

昨日も仕事に出たものの座りっぱなしのデスクワークがキツイ。

 

金曜も午後から早退して早めに帰宅


外は豪雨で駐車場に行くまでずぶ濡れ。

 

一昨日はサティの命日だったということでサティを聴く。

聴いたのはサティの曲として最も有名なジムノペディ。

それを友人で会ったドビュッシーがオーケストラ編曲したもの。

 

最初にプレヴィン指揮ロンドン響による録音を聴いた。

フランセ、イベール、サティの作品でオーボエが活躍する曲を集めたもの。

オーボエソロはフィラデルフィア管の首席奏者だった。ジョン・デン・ランシー。

手持ちはRCA現場の日本ビクター盤。


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・花時計             :フランセ:
・ジムノペディ第1番、第2番  :サティ/ドビュッシー編
・協奏交響曲          :イベール

  ジョン・デ・ランシー(オーボエ)
  アンドレ・プレヴィン(指揮)
  ロンドン交響楽団

   録音:1966年8月30日、9月2日 ロンドン、
      ウォルサムストウ・タウン・ホール

 

このアルバムについては2年前にも言及している。

今でも聴いた感想は変わらない。

ランシーの直截にして色彩豊かな音質。

 

もう一枚はフランスの指揮者ローラン・ドウアット指揮のもの。

ドビュッシーの作品を集めたLPでサティ作ドビュッシー編のジムノペディを併録。


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・小組曲
・シランクス
・神聖な舞曲と世俗的な舞曲
・ジムノペディ第1番
・ジムノペディ第2番

 マリー・クレール・ジャメ(ハープ)
 アントン・ツィピジェ(フルート)
 ローラン・ドウアット(指揮)
 スイス・イタリア語放送管弦楽団。

 

ロラン・ドウアットRoland Douatte/(1922~1992)はLP初期から自ら組織したパリ・コレギウム・ムジクム合奏団を率いて、自らのレーベル仏CRITEREに数多くの録音を残している。

それは中世・ルネサンス期からシェーンベルクまでに及ぶ膨大なもの。

多くはエラートやムジディスク、フィリップスを通じて発売され、その中のバロック音楽の多くは70年代に日本コロンビアから廉価盤でたくさん出た。

自分はこの一連の録音で多くの曲を知った。

ドウアットの録音の多くはCDの到来とともに忘れ去られてしまった。

ドウアット自身は晩年に活動の場を南米に移し、その地で生涯を終えたという。

ドウアットのサティは以前このブログでも紹介している。

 

このドビュッシーの手持ちも日本コロンビアから出ていた廉価盤LP.
録音年代はわからない。

再生環境が一変した中での聞き直し。

ラックスマンのフォノイコでNABの位置で聴いた。

 

こんなに良い音良い演奏だったのかと驚く。

編成は小さく各声部の動きがよくわかる。
テンポは非常にゆっくりで野暮ったい田舎風の雰囲気もあるけれど弦楽器に溶け込む管楽器の音が美しい。

管楽器の綾なす美しさが印象的なのびやかなメヌエット

おもちゃ箱をひっくり返したようなカラフルでお祭りの喧噪のような楽しさあふれる終曲。

 

ファゴットは明らかにフランス式のバソン

ホルンの明るい音色はコルではなかろうか。

 

シランクスを吹くツィピジェ(Anton Zuppiger)についてはよくわからない。

 

美しい音に確かなテクニック。

小組曲冒頭のフルートソロなど派手さはないけれど明るく艶やかで見事なものだ。

おそらくこのオケの首席奏者と推測。

 

サティのオーボエもまっすぐストレート、絹のような落ち着いた音色。

オケは超一流とは言えず、テンポの遅さが管楽器にはかなりきつい面もあるけれど、この録音では見事に乗り切っている。

 

どの曲も古く雅やかな雰囲気で聴かせる名演だ。

 

Youtubeはドビュッシー編曲のサティ、「ジムノペディ」

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コメント

ご無事でしたか。

 テレビに流れた映像はものすごくて、詳細土地勘がないので、どの辺りに被害があったのかわかりませんでした。

 腰とかいろいろタイヘンそうで、ご自愛ください。

投稿: 林 侘助。 | 2021年7月 4日 (日) 07時46分

林さん、ご心配して下さりありがとうございます。

幸い拙宅は川から離れており被害は受けませんでした。
最近大雨の頻度が増して雨量も信じられないほど増えているので、今までは大丈夫だろうと思っていた所で被害が出ていて心配です。
熱海の土砂災害もそうですが、今回クラッシュした黄瀬川大橋も誰もあんなになるとは想像していませんでした。あの橋は東海道上の大動脈なので影響は大きいです。
腰痛はあいかわらずです。

今日はこれからN響の沼津公演。
プログラムの曲目解説を書かせていただいたので楽しみにしているのですが、長時間腰が耐えられるのか心配です。

投稿: 山本晴望 | 2021年7月 4日 (日) 12時00分

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