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2021年7月12日 (月)

奇演、シルヴェストリのチャイコフスキーの交響曲第4番

曇り一時にわか雨。

記温と湿度が高く蝉が本格的に鳴き始めた。

梅雨は空けぬがもう夏だ。

散歩途中に悩み事のあるようなポコ。


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どうも昨日朝から腹の具合がおかしい。

おかしなものを食べたらしい。
腰痛も再びぶりかえしてきた。

生来の不摂生がここへきて出ているのだろうか。

狩野川の堤防沿いを歩いていたらしきりに川面に魚が跳ねていた。

ボラが中流にまで遡上しているようだ。

 

先日聴いたN響が演奏したチャイコフスキーの交響曲第4番を聴く。

 

取り出したのはルーマニアの巨匠コンスタンチン・シルヴェストリの演奏。

手持ちは70年代に出た東芝のセラフィムシリーズの廉価盤LPとEMIから出ていたシルヴェストリEMI録音BOX.

今回はLPで聴いた。

 

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・交響曲第4番 ホ短調      :チャイコフスキー
・大序曲「1812年」      :チャイコフスキー

 コンスタンチン・シルヴェストリ(指揮)
 フィルハーモニア管弦楽団
 ボーンマス交響楽団*
 ロイヤルマリーンズバンド*

録音1957年2月.15-18日 ロンドン キングズウェイホール
  1968年1月5-7日 ウィンター・ガーデンズ・パヴィリオン (ボーンマス)*

 

この演奏、過去に聴いているはずだが印象が全然残っていなかった。

このLPが発売されたときのレコード芸術誌の月評子がかなり酷評していたことのみが記憶に鮮明。


特に「1812年」については「書くべきことは何もない」と一刀のもとに切り捨てられていた。

だが酷評された演奏にはそれなりに面白いものがあることを経験済み。

 

シルヴェストリはチャイコフスキーの後期の3曲の交響曲とマンフレッド交響曲の録音を残していて4番はN響とのライヴもCD化されている。

そこでこの演奏。

 

交響曲の冒頭から思わずのけぞるようなことが起きていた。

最初のホルンのファンファーレで2拍目の3連符の二つ目の音符に付点が付いた形。

ターン・タタタ タタ ターンがターン・タタッタ タタ ターンになっている。

これはこの曲の主要な運命の動機で何回も出てくる。

だがこの部分を除けばオケを自在にドライヴしたロマンティックで濃厚な演奏。

かなりの名演だ。

豪快に突き進むフィナーレなどなかなか良い。

かつて指揮者のニコライ・マルコに来日時のインタヴューで、シルヴェストリの話を出したら露骨に嫌な顔をされたとか、N響アワーで指揮者、作曲家の外山雄三氏がシルヴェストリを絶賛していたことなどを思い出した。

N響とのライヴでも同じようにやっているのだろうか。

 

カップリングの「1812年」も豪快で壮大な演奏。

中間部の入念な歌わせ方や落ち着いた中にも絶妙のテンポ運びなどは良いし、最後のロシア国歌の部分の改変など個性的だけれど恣意的には感じられない。

 

フォルティシモでもオケとバンドとのバランスは見事。

この演奏のどこが悪いのかさっぱりわからない。

レコ芸術の当時の月評には奇抜な第4番のリズムの処理のことも全く言及されていなかったし、ちゃんと演奏を聴いて書いていたのだろうか?

 

この「1812年」の録音に関してはかなり特殊なマイクアレンジが使われたという。

別働隊のロイヤルマリーンズバンドの音などなかなかうまくミックスされていた。

大砲の音は明らかに別取りだけれど大きな広がりのある雷鳴のような巨大な音。

 

この曲にはこれで良いと思う。

Youtubeはそのシルヴェストリの「1812年」終結部

 

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