ミュンシュのラヴェル、イベールのことなど
曇り夜から雨の日曜日。
昨日近くの裾野市に住む親戚夫婦が母を見舞いに家に来た。
父の従兄弟で古くからの付き合い。
母は足腰が弱ってきたけれど日常会話は元気。
楽しく喋っての2時間余り。
その中で本日市長選挙が行われる裾野市政の話が出た。
裾野市といえばトヨタの企業城下町。
今盛んにCMが流れている実証都市「ウーブンシティ」の町。
さぞや盛り上がっていると思いきやさにあらず。
「ウーブンシティ」が建設される広大な場所は、一昨年までトヨタ自動車東日本の東富士工場があった地。
この東富士工場の機能が一昨年暮れに東北へ移転。
工場が閉鎖されることによって一挙に1000人の雇用が失われ、周辺の関連する諸企業も次々と移転。
人が減って景気が一挙に冷え込んでしまったのだという。
裾野市の税収も激減、併せてこのコロナ禍もあり繁華街はシャッター通りと化して市は「財政非常事態」を宣言する事態になってしまったとのこと。
市の施設も次々と閉鎖され、いくつかの市民サービスも廃止。
目に見えて住みにくい町になってしまったという話をしていた。
ウーブンシティが完成すれば2000人のトヨタ関係者が居住すると言われているけれど、地元ではかなり冷ややかだ。
今日はミュンシュのフランス音楽集から。
70年代はじめにRVCから出ていたRGC規格の廉価盤LPで聴いた。
① ボレロ
② ラ・ヴァルス (ラヴェル)
③ 牧神の午後への前奏曲 (ドビュッシー)
④ 組曲「寄港地」 (イベール)
シャルル・ミュンシュ(指揮)
ボストン交響楽団
録音:①1956年1月23日②1955年12月5日
③1956年1月23日④1956年12月9,10日
ボストン、シンフォニー・ホール
RGC-1021
このシリーズ、音があまりよくない印象だったけれど、EQカーヴを可変できる再生環境となってからはベールが剥がれたかのようにはっきりとした音で聴けるようになった。
モントゥーやミュンシュの手持ちのLPが鮮明な音で聴けるのが嬉しい。
ミュンシュのドビュッシーやラヴェルはかつて聴いた時はキツイ音の印象があったけれど、今聴きなおしてみると柔らかさとは異なるけれども粒立ちのはっきりとした艶のある響きだったということがわかる。
この中ではラヴェル、特に「ラ・ヴァルス」が凄い。
音の粒子が煌びやかに散乱し華麗な音の絵巻を展開。
一音一音に熱の込められた、まさにアツイ演奏の数々を堪能。
「寄港地」はこの時期唯一の廉価盤だった。
やがてパレーの演奏も出てきたけれど今でも色褪せない名盤だ
Youtubeはミュンシュのラヴェル、1966年の来日公演から「ダフニスとクロエ」
| 固定リンク
「音盤視聴記録」カテゴリの記事
- ディヴィッド・マンロウ、中世ルネサンスの楽器(2023.11.28)
- テンシュテットのエロイカ(2023.11.16)
- スーストロのトランペットでテレマンほか(2023.11.14)
- パリ、ノートルダム大聖堂のクリスマスライヴと朝比奈隆の第九(2023.11.12)
- ジュライチスのプロコフィエフ、ロミオとジュリエット(2023.11.08)
コメント