リンデンバーグ、2種の「運命」
氷雨降る日曜日。
階段の小上がりの電球か切れたので、雨の中灯油を買いながらホームセンターへ。
LEDに買い換えようと物色したけれど、どうもこの店は高いようだ。
そこで車で20分ほどの別の店に行くと同じLED電球で200円も安かった。
得した気分になって電球を交換。
この場所の電球を替えた記憶が無い。
どうやら新築以来30年、一度も切れなかったようだ。
今日もベートーヴェン。
エドワルド・リンデンバーグのベートーヴェンを聴いた。
Édouard Lindenberg,(1908~ 1973)はルーマニアの指揮者。
ルーマニアでキャリアを築いた後パリに居を移し、モノラル期にパリ音楽院管やラムルー管などと少なからずの録音を残している。
スゼーの歌ったドビュッシーに伴奏を付けたLPも手持ちにあり、影は薄いながら良い雰囲気の伴奏を付けていた。
リンデンバーグでは、70年代に日本コロンビアからエラートレーベルの名で出ていたブラームスの交響曲全集が思い出深い。
地味ながら堅実な音楽造りのブラームスだった。
ブラームスの時のオケは北西ドイツフィル。
モノラル録音でパリ音楽院管を振ったシャブリエの録音もあり、未聴だけれど、なんとなく良い演奏のような予感がする。
今日最初に聴いたのは、ウィーンフォルクスオパー菅を振ったバジェッドプライスのイタリア盤LP。
曲は「運命」のみの収録。
・交響曲第5番 ハ短調
エドワルド・リンデンバーグ(指揮)
ウィーンフォルクスオパー管弦楽団
おそらく低予算で製作された入門用の名曲シリーズの類いの録音。
このコンビでは「田園」「エロイカ」の録音もあるようだ。
さほどリハーサルもせずに一発取りの録音か。
ひなびた素朴な響きのオケで、アンサンブルの精度ももの足りない。
力強さよりもよく歌う演奏。
あまりにも地味な演奏で、ちょい聞きにはずいぶん下手な演奏と誤解されかねないけれど、第2楽章の後半の、のびやかでおおらかな歌など「運命」の別の側面をスポットを当てているようにも聞こえる。
後半二つの楽章は聞いていて変化の乏しさが感じられるのも事実。
「運命」がことさら長い曲に感じられた。
フィナーレのティンパニの突然のクレシェンド付加は、特別な効果を狙ったんだろうか。
リンデンバーグの「運命」にはもう一枚手持ちがあって、ブラームスと同じ北西ドイツフィルを振ったAPEXのCD。第7番とのカップリング。
十分に 鳴りきったオケ、確信に満ちた絶妙のテンポ感に支配された勢いのある素晴らしい演奏だった。
るで別人のようだ。
グッとタメてからのティンパニの、ここぞの一発も見事。
第1楽章終盤の音を割ったホルンも凄まじく、第2楽章では一転穏やかな歌の中に一本筋の通った緊張感が見事。
まさに手練れのベテランの至芸。
残響豊かな品の良い録音。
Youtubeはリンデンバーグのシャブリエ、「田園組曲」から牧歌
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