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2022年4月に作成された記事

2022年4月29日 (金)

本日の練習、第38回定演明日は本番

曇りのち午後から激しい雨。

本日からGW。

コロナ禍も3年め。
Withコロナも定着しつつあり、いろいろな制約の中でも社会に生活を楽しむ余裕が出てきた気配。

 

最近雨ばかりで畑作業が進まない。

出遅れ気味だけれど午前中に園芸ショップに行き、ナスやトマトなどの苗を購った。

 

明日は沼響の本番。
午後、降りしきる雨の中、前日練習のために文化センターへ。


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練習前にプログラムへチラシの折り込み作業など。

 

予定より遅れて練習は始まった。

最初は岩間優希さんのピアノで「戴冠式」のリハーサル。

フレッシュで瑞々しく美しいモーツァルト


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降り番の自分は客席で観戦。


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そして指揮の喜古恵理香先生の誕生日が数日前にあり、皆でハッピバースディーを演奏するサプライズ。

 

十分なウォーミングアップ時間が取れたので自分としては比較的順調。

果たして明日の出来は・・・・

 

Youtubeは「戴冠式」から第3楽章、グルダのピアノ

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2022年4月28日 (木)

大学祝典序曲、聴き比べ

終日曇り空、風が強い。

今年はツバメたちが姿を見せない。


我が家の車庫の天井にあった巣から巣立っていったツバメたち。


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2年前に車庫を改装、その時に巣を撤去せざるをえなかった。

一昨年に巣立ったツバメたちが昨年この時期に帰ってきて、巣を探して空しく我が家の周辺を乱舞していたのは悲しい思い出だ。


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同じ場所に巣を作りやすいような棚を作っておいてはいたのだが・・・・・

ツバメの寿命は一年余りだという。

20年以上続いていた、我が家から巣立ったツバメたちがこれで絶えてしまった。

 

沼響の第38回定演は今週末。

プログラムはモーツァルトのピアノ協奏曲第26番「戴冠式」に、ブラームスの「大学祝典序曲」と交響曲第4番というもの。

 

ちょうど先日の日曜に、東の隣町の三島フィルが定演でブラームスの交響曲第1番を取り上げている。

西の隣町にもアマオケ富士フィルがあり、昨年12月に沼響と同じようなプログラムで演奏会を開いている。

不思議なことに演奏曲目でこの3団体は作曲家や曲目がよく競合する。

 

今日は自分のホルンパートの確認を兼ねて「大学祝典序曲」の手持ちの音源のいくつかを聴いてみた。

この曲は「悲劇的序曲」や「ハイドンの主題による変奏曲」とともに、交響曲の全集録音や交響曲単独の穴埋めとして一緒に録音されることが多い曲。

いろいろと手持ちを見ていて気が付いたのだけど、「悲劇的序曲」や「ハイドンの主題による変奏曲」は録音しているのに「大学祝典序曲」は録音していないという指揮者が意外と多い。

フルトヴェングラーやシューリヒト、カラヤンには録音がない。

ケンペの2つの全集にも含まれていない。

この曲のネアカな曲想がなんとなくブラームスらしくないし、様々な曲想をつなぎ合わせたポプリだとブラームス自身のコメントも残っていて、なんとなくシリアスな「悲劇的序曲」や「ハイドンの主題による変奏曲」に比べて軽い印象なのも事実。

以前FM放送である邦人指揮者が、木に竹を接いだような曲と評していた。
なるほど。

 

聴いた演奏は古いものばかり3種類。

ギリシャ系の指揮者モーリス・アブラヴァネル指揮のユタ交響楽団の全集録音米ヴァンガード盤。

フランスの指揮者ジャン・バプティスト=マリ指揮のラムルー管弦楽団による仏Mandala盤。

イギリスの指揮者、サー・トーマス・ビーチャム指揮ロイヤルフィルの英EMI盤。

 

・大学祝典序曲

 モーリス・アブラヴァネル(指揮)
 ユタ交響楽団
 

 ジャン・バプティスト=マリ(指揮)
 ラムルー管弦楽団

 録音 1960年

 サー・トーマス・ビーチャム(指揮)
 ロイヤルフィルハーモニック管弦楽団
 録音1956年11月

 

奇しくも全て非独逸系の指揮者ばかり。

 

この3種の中ではアブラヴァネルの演奏が素晴らしい。


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速いテンポでスマートに格調高く歌い上げるブラームス。
各楽器が実に正確に見事なバランスで鳴り響き、ベートーヴェンの音楽にも似た厳しさも感じられるのが良い。

アブラヴァネルとユタ響の録音では、このブラームスのほかマーラーやシベリウス、チャイコフスキーなどの主要な作曲家の全交響曲や管弦楽曲、そしてルロイ・アンダーソンまで膨大な数が残されていて、中にはつまらないものもあるけれどもどの演奏も平均的な高いレベルの演奏を聴かせてくれる。

アブラヴァネルの録音では、この「大学祝典序曲」はマーラーの交響曲全集とイッポリトフ=イワーノフの「コーカサスの風景」に並ぶ名演。

 

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アブラヴァネルと比べるとバティスト=マリはずいぶんと緩く感じられる。
オケの力量以上にマリのノンキな人柄がそのまま演奏に出ているような趣だ。

マリは一度実演を聴いたことがある。
札幌交響楽団の定期演奏会で、ラヴェルの組曲「マ・メール・ロア」にプロコフィエフのピアノ協奏曲第3番。ピアノソロはドミトリー・アレクセーエフ。


メインがR.コルサコフの「シェラザード」だった。
この中ではラヴェルが美しい演奏が印象に残っている。

アンコールは「シェエラザード」の第4楽章だった。

以後マリは気になる指揮者の一人。

 

このブラームスはマリがラムルー管の首席指揮者だった頃の録音。

遅いテンポでロマンティックに歌い上げた演奏だった。
管楽器がヴィヴラートたっぷりのまさにおフランスといった雰囲気で、濃厚な甘さを感じさせるかなり異質なブラームス。

オケの技量はユタ響に比べるとかなり落ちる。

前任者のマルケヴィッチの厳しいトレーニングに解放された安心感からか、伸び伸び自由に演奏している様子は感じられるけれど、その分ダルなアンサンブルになってしまった。


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最後のビーチャムはテンポはゆったり、マリと似ているけれども、さすがにこちらは大人(たいじん)のブラームス。
おおらかな風格が感じられ、でっぷりとしたイギリス紳士の姿が目に浮かぶような演奏だった。

今回はスコアを見ながら聴いていないけれども、打楽器あたりにかなり手を加えているようだ。
ホルンセクションのアンサンブルはこのロイヤルフィルが一番上手い。

Youtubeはネーメ・ヤルヴィ指揮ベルリンフィルの「大学祝典序曲」

 

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2022年4月26日 (火)

ヘンデルの「ジョージ2世の戴冠式のためのアンセム」

今日は朝から雨。夕方から強い風。


夏のような暑さの合間の雨模様。


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今年も梅が沢山実を付けた。

 

日曜日は次女の結婚式。

入籍して一年余り。
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コロナ禍で、両家初顔合わせがリモートだったり披露宴も延びたままになっていたけれど、感染対策と招待客をできるだけ絞った中で東京での開催。

多数の方々の助けとご理解があって開催することができました。

 

長女夫婦が前日から我が家に泊り、ワンボックスカーをレンタルしておばぁちゃん用の車椅子を積み込みこんで早朝に出発。

東名高速を順調に飛ばしてお昼前には到着。

女性たちは和服に着替えるために別室へ。

自分もレンタルしたモーニングコートに着替え、式の開始までホテル内をぶらぶらしていた。

 

やがて式が始まり会場ではオルガン伴奏に聖歌隊、そしてヴァイオリンとコルネットによる讃美歌が流れている。

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直前まで大泣きしていた孫は生演奏を聴いたらぴたりと泣き止んだ。

 

同じ会社同士のカップルなので来賓は会社関係が中心。

娘の招待客の中に、幼稚園や小学生の時に我が家に遊びに来ていた友人たちがいる。

皆さん眩しいばかりの美しい娘さんに成長していた。


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娘の高校時代の恩師にご挨拶に行くと、拙ブログを読んでいるとのことで驚くやら恐縮するやら。

活き活きとした多くの若者たちに接することができて、久しぶりに心身ともにリフレッシュ。

 

お開きの後に次女夫婦としばし談笑。

娘は出張のため、翌日前泊先に向かうという。

帰りの車内では、運転する長女の婿殿の隣で四方山話。

我が家に到着して時計を見るとほぼ午前零時。

 

 

今日はヘンデルを聴く。

 

Hyperionから出ていたCDで「ジョージ2世の戴冠式アンセム」。


ロバート・キング指揮のキングズ・コンソートによる演奏。


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・ジョージ2世の戴冠式のためのアンセム
・王宮の花火の音楽 (オリジナル版)

 ロバート・キング指揮
 キングズ・コンソート
 オックスフォード・ニュー・カレッジ合唱団

  録音 1989年1月

第1曲の「司祭ザドク」は現在もイギリス国王の戴冠式には必ず演奏される曲だ。

「王宮の花火の音楽」は管楽器のみによる初演版による演奏。

 

一昔前のピリオド系の演奏だけれど編成はかなり大きいようだ。

「王宮の花火の音楽」はオーボエ24本その他、トランペット、ホルンの金管群はそれぞれ9本ずつ。

 

華麗にして壮大。

威力のある合唱団も力強く祭典気分を盛り上げている。

 

youtubeはキングズコンソートの「ジョージ2世の戴冠式のためのアンセム」

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2022年4月23日 (土)

本日の練習、あと10日

本日夏日。


ストーヴを部屋に置いたままで午後は今年初めて冷房を入れた。


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今日の富士山は大きく見える。


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上の娘夫婦と孫が来て賑やかになってきた。

明日は東京、下の娘の結婚式。

 

木曜の夜はオーケストラ🎵


沼響、定期演奏会に向けて大ホールでの練習だった。

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喜古恵理香先生の指揮でブラームスの交響曲第4番。

今回は第4楽章から練習開始。
壮大なパッサカリア。


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本番まで10日を切り、演奏全体が良い感じになってきた。

喜古先生の指揮も気合いの入ったもの。

 

自分も十分なウォーミングアップで練習を迎えたのですこぶる調子が良い。

Youtebeはサラステ指揮フィンランド放送響のブラームス、交響曲第4番から第4楽章

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2022年4月20日 (水)

ハンニカイネンのシベリウス、4つの伝説

暖かくなってきた。

なたね梅雨の合間の晴天。
明日から再び雨の予報。


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裏山の山藤が咲いている。

 

今日は愛犬ポコをトリミングに連れて行くついでに韮山の願成就院に行ってみた。


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願成就院は北条時政建立。

この地はNHK大河「鎌倉殿の13人」の舞台となった場所。


自宅から車で20分程度の場所で何度か訪れている。。

 

前回なかった大河ドラマの幟が正門の横に立っていた。


平日の朝でもあり参拝客は自分のほかは初老のご夫婦一組のみ。


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観光ガイドさんもおらず、ご本尊の運慶作の阿弥陀如来像は見ることはできなかったけれど、南塔跡の周辺などをしばし散策。


静かで落ち着いた雰囲気に癒やされる気分。

 

帰宅途中でブックオフに寄って本数冊を購入。
CDコーナーには見るべきものなし。

 

フィンランドの指揮者、タウノ・ハンニカイネンのシベリウスを聴く。

原盤はロシア・メロディアのもの。

手持ちはメロディアのロシア国内仕様のLPと、新世界レーベルとして日本国内で出ていた2種のLP。


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「四つの伝説曲」
・レンミンカイネンと島の乙女たち
・トゥオネラの白鳥
・トゥオネラのレンミンカイネン
・レンミンカイネンの帰郷

 タウノ・ハンニカイネン(指揮)
 モスクワ放送交響楽団】

 

手持ちのハンニカイネンのディスクはシベリウスばかり

交響曲は第2,4,5の3曲。
「カレリア」組曲に「タピオラ」、「悲しきワルツ」「フィンランディア」、スピヴァコフスキーのヴァイオリンでヴァイオリン協奏曲など。

 

正直なところ、ハンニカイネンは世界中に客演して名声を上げるようなタイプではない指揮者だと思う。

シカゴ響の副指揮者ではあったり一時はアメリカで活動していたけれど、やがて主な活動の場はロシアと北欧周辺、イギリスなど。

地道に活動したローカルな指揮者という印象。

 

こちらは沼響のホームページに連載している聴き比べでのハンニカイネンのシベリウスの交響曲第2番の感想。

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この演奏もほの暗い響きの中で淡々と進めている本場のシベリウス。

後半の2曲が良い。

ロシアのオケでありながら野放図にフォルティシモで咆哮させるのではなく、じっくり慎重に取り組んでいる滋味のある演奏だ。

 

有名な「トウネラの白鳥」の演奏がショボイので損をしているけれども、残されたハンニカイネンのシベリウスでは、この「4つの伝説」が最も出来が良いと思う。

 

ハンニカイネンは1964年2月に来日して分裂前の日本フィルに客演し、この「4つの伝説」を含めた2回の演奏会を開いている。

2月23日のプログラムは


・J.S.バッハ(ハンニカイネン編曲):トッカータとフーガ ニ短調 BWV565
・R.シュトラウス:交響詩《死と変容》 op.24
・シベリウス:組曲《レンミンカイネン》-4つの伝説 op.22

そして「2月13日
・シベリウス:交響曲第5番 変ホ長調 op.82
・ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 op.68

この中ではハンニカイネン編曲のバッハが興味深いところ。

「4つの伝説」としての演奏はおそらく日本初演に近いのではなかろうか。


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メロディア録音の「4つの伝説」はモノラルで音の明瞭度に欠ける。

この3種の盤ではロシア・メロディア盤が良い音だ。

 

Youtubeはハンニカイネンのシベリウス、組曲「カレリア」から

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2022年4月19日 (火)

ネリー・メルバ、コンプリート・アメリカン・レコーディングス

先週末まで続いた冷たい雨はなたね梅雨。

今日は晴れて再び気温は上昇。

 

昨日休みで、午前中は以前使用していたホルン、YAMAHAの87Dをオーバーホールのために市内の楽器店に持ち込んでいた。

今回の定演はアレキサンダーの103で吹く。

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このYAMAHAは購入以来20年近く使用して、沼響の舞台で数々の名曲を楽しませてもらっていた。

けれどもアレキサンダーに浮気して、しばらく使わなかったらロータリーの回転がおかしくなっていた。

これからサブとして使うこともあるだろう。

 

ある方からオペラ関連のレコードをいただいた。
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フルトヴェングラー指揮フィルハーモニア管による「トリスタンとイゾルデ」。
仏EMI盤LP5枚組。

これはCDや国内LPは架蔵済み。天下の名盤。


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ファリャの「はかなき人生」、デ・ブルゴス指揮スペイン国立菅、デ・ロスアンヘレスの同曲2度目の録音。国内盤LP.

こちらもCDとハイライトは国内盤LPで架蔵済み。

臨場感溢れる録音が楽しめる名盤。


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ブリテンの最後のオペラ「ヴェニスに死す」。

ブリテンと親交がありこの曲の初演者であるスチュアート・ベッドフォード指揮イギリス室内管の国内盤ロンドンレコードLP3枚組。

 

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フランスのクラヴサン奏者、ローランス・ブーレィの弾くクープランのクラヴサン曲全集。

バッハと並ぶ大作曲家、フランシス・クープランの230を超えるクラヴサン曲を納めたエラート原盤の国内盤LP12枚組。


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デザートのピーチ・メルバに名を遺す、往年の名歌手ネリー・メルバのコンプリート・アメリカンレコーディングス。

シリンダー録音の1901年から1916年までの録音の記録。

メルバの故郷オーストラリアRCAのLP5枚組。

豊富な写真と解説付き。

故国のメルバに対する敬意あふれるアルバム。

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ベーム指揮ベルリン・ドイツオペラ管によるベルクの「ヴォツェック」、

スプラフォン盤LP2枚組。

ベームの独グラモフォンへの最初のスタジオ録音。
スプラフォン盤は珍しいと思う。


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ロバート・クラフト指揮の「シェーンベルク全集」第3巻、米コロンビア盤LP2枚組
室内交響曲第2番ほかを収録。

クラフトにはNAXOSにシェーンベルク全集の再録音がある。

 

音盤増殖未だ止まらず。

 

Youtubeはクープランの名作、「神秘的なバリケード」、ヴェイロン・ラクロワのクラヴサン

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2022年4月17日 (日)

ディーン・ディクソンのガーシュイン

金曜から週末にかけて雨模様。

気温も低い、昨日は午後から晴れてきたので畑と庭の草取りをしていた。

今日は日曜日。

この4月から非常勤となり出勤する日も減ったので曜日の感覚が薄れてきている。

人生の新たなフェイズに入ったのを実感。

 

沼響のホームページに連載している聴き比べコラム

ここ数年更新ができずに休眠状態だったけれども、先日、記事を読んでいただいている方から情報提供があった。
マーラーの「巨人」の初期の録音のひとつ、ボルサムスキーに関する情報だった。

自分はてっきりポーランド出身だと思っていたら、ウクライナ生まれの指揮者だった。

8年ほど前に書いた記事だけれど、未だに読んでくれる方がいることを知って嬉しくなった。

早速訂正させていただきました。ありがとうございます。

 

先日ブラームスを聴いたアメリカの指揮者、ディーン・ディクソンのガーシュインを聴く。

ウィーン交響楽団を振った演奏で伊Jokerから出ていたLP.


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・パリのアメリカ人
・ラプソディ・イン・ブルー*

 ディーン・ディクソン(指揮)
 ウィーン交響楽団
 ヴィヴィアン・リフキン(ピアノ)*

   録音 1952年

 

標記はステレオだけれどオリジナルはモノラル。

ディクソンとリフキンは1953年にマクダウェルのピアノ協奏曲の録音をWestminsterに残している。

こちらのオケはウィーン国立歌劇場管弦楽団。

このガーシュインも同じ頃のVOXへの録音。

 

「ラプソディ・イン・ブルー」は聴衆ノイズが聞こえる。

ライヴ録音のようだ。

 

ディクソンのいくつかの演奏を聴くと、生真面目というか幾分曲に距離を置いた冷たさを感じる瞬間がある。

けれどもこのガーシュインは生き生きとした躍動感にハチャメチャな遊び心に満ちた演奏だった。

おもちゃ箱をひっくり返したような喧騒感が「パリのアメリカ人」では良い雰囲気を出しているし、「ラプソディー・イン・ブルー」の中間部も木管楽器のカエルの声のような歌わせ方やトランペットのフラッターも強烈。

確かな技巧で聴かせるピアノソロも良い。

シンフォニックな響きで狂乱怒濤の波状攻撃で迫る終盤もなかなかのもの。

ピアニストのヴィヴィアン・リフキンはディクソンの妻だった人だが1953年に離婚している。

ピアノとオケの丁々発止のぶつかり合いは、この翌年に破局になるとは思えぬほど。

 

「ラプソディ・イン・ブルー」はカットなしの演奏。

 

Youtubeはディーン・ディクソン指揮のブラームス、交響曲第1番

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2022年4月15日 (金)

森正のドヴォルザーク

昨晩遅くから激しい雨、今日も一日雨模様。
気温も下がり、しまいかけた冬物を出したりしていた。

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散歩をせがむポコ。雨で出かけることができなかった。

 

森正の指揮でドヴォルジャークを聴く。

東京音楽大学の1983年ヨーロッパ楽旅の記録。

同大学の自主製作LP.
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・交響曲第8番    :ドヴォルザーク
・弦楽のための三章  :芥川也寸志
・越後獅子      :杵屋六左衛門九世~池辺晋一郎編曲
 
  森正(指揮)
  東京音楽大学オーケストラ
  杉浦弘和(三弦)

   録音 1983年 ライヴ

森正はN響の正指揮者のほか国内の数多くのオーケストラの常任指揮者を歴任。

録音も放送音源を含めれば膨大なものがあるけれども、一般に入手できるものといえば小品や協奏曲の伴奏指揮ばかり。

 

きっちり端正で几帳面、手堅い職人気質の芸風が災いして実力の割には忘れられた存在かもしれない。

 

自分は若い頃にテレビで見たN響とのシベリウスの交響曲第2番の名演が忘れられない。

明快な打点でスパッと断ち切るような迷いのない指揮ぶりが見事だった。

他にはNHKの大河ドラマ「国盗り物語」のテーマ音楽の演奏も印象深い。

 

このドヴォルザークは一昔前の音大のオケ。
音楽を専門に学んでいるとはいえ、個別の技量はともかくオケの合奏体としての訓練はさほどされていないように思える。

アンサンブルの詰めが甘くトランペットが飛び出したりと、あちらこちらで事故が頻発。

 

だが音楽は極めて明快。

森正独特の丁寧なフレージングに学生オケが懸命に食い付いていくのには一抹の爽やかさも感じられる。

フィナーレの熱い盛り上がりも感動を誘う。

 

それにしてもアンコールに演奏された芥川也寸志の「弦楽のための三章」が凄い名演。
このべらぼうにうまいヴァイオリンソロは誰だろう?

 

Youtubeは大河ドラマ「国盗り物語」のテーマ音楽、林光作曲。森正指揮のNHK交響楽団

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2022年4月13日 (水)

ディーン・ディクソンのブラームス

ここ数日は初夏のような天気で半袖でも十分なほど。
明日から天気は下り坂。

通勤途中の小学校で見かけたベニバナマンサクのピンクの花。


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今日は朝早くに目覚めたので出勤前にホルンの朝練。
手持ちのマウスピースをいろいろ変えてみたりしていた。

 

月曜は休みで昼に母を沼津港近くの「山正」に連れて行った。

山正は本店が中心市街地にあり、行列のできる人気店。

かつては普通の鮮魚店で、まかないのような形で狭い店の一角で近所の人たち相手に食事を出していた。
自分のオフィスの至近距離でもあり、時々自分もお昼を食べに通っていた。

そのうち口コミで評判が広がり夜にお酒も出すようになった。

良心的な値段と食材の質の新鮮さでたちまち人気が上がっていき、魚が旨い沼津の店の中でもとりわけ全国に知られた名店に成長。

今では夜の部は予約もなかなか取れない。

 

今年の初めには支店が沼津港近くに開業している。

その沼津港店、開店30分前に到着したら既に予約表の6番目だった。

幸い開店と同時に入ることができて一日限定30食の山正丼をオーダー。


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これはぶつ切りの新鮮な魚介類を散らした創業以来の人気メニュー。

ここで母が入れ歯を忘れた、と言い始めて焦ったけれども、食材が新鮮で細かく切ってもあり、老人でも不自由なく食べることができた。

 

黒人指揮者の草分けディーン・ディクソンの指揮するブラームスを聴いた。

曲は「ハンガリー舞曲集」。
チェコ、スプラフォンのLPで、全21曲中17曲を収録。

 

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ハンガリー舞曲集

No. 1 In G Minor
No. 3 In F Major
No. 10 In F Major
No. 11 In D Minor
No. 12 In D Minor
No. 13 In D Major
No. 14 In D Major
No. 15 In B Flat Major
No. 16 In F Minor
No. 17 In F Sharp Minor
No. 18 In D Major
No. 19 In B Minor
No. 20 In E Minor
No. 21 In E Minor
No. 2 In D Minor
No. 5 In G Minor
No. 6 In D Major

ディーン・ディクソン(指揮)
プラハ交響楽団

 

ディクソンは黒人指揮者として初めて国際的な名声を得た指揮者。

今では都響の指揮者だったデプリーストをはじめ黒人指揮者はさほど珍しくないけれど、ディクソンが指揮活動を始めた頃は人種差別による偏見が大きく、特にアメリカ国内での活動には大きな障壁があったようだ。

ディクソンが人種差別に悩んでいた様子やその人柄については、岩城宏之の著書「棒ふりのカフェテラス」(文春文庫)に詳しい。

 

ディクソンの録音は今ではほとんど目にすることはなく、国内盤ではLP時代にこのブラームスのハンガリー舞曲集から数曲が廉価盤に紛れていた程度。

LP初期にはウエストミンスターにウェーバーやシューベルトの交響曲を録音していた。

CDでは来日時にN響を振った協奏曲の伴奏録音がある。

 

ディクソンは気になる指揮者の一人。
それでも手持ちはシューマンの「ライン」や、ガーシュインの「ラプソディ・イン・ブルー」など10指に満たない。

数年前にはベートーヴェンの「第九」という大物ライヴがCDで登場している。

このCDもヴィンダーリッヒやテオ・アダムといった豪華な歌手陣揃えていなければ、果たして日の目を見たかどうかはわからない。

 

このブラームスは、レコード・エンジニアとプロデューサーのクレジットが複数あるので異なる時期の録音を集めたものかもしれない。

曲順は1番から始まり、最後から2番目にもっとも有名な第5番、最後に第6番を配した独特の順番。

 

カチリと妥協を許さぬ硬派の演奏。
オケのアンサンブルは多少粗く音がザラザラしているけれども、音楽の流れは良い。

ただ強い個性は感じられず、今となっては多少面白みには欠ける。

 

Youtubeはディーン・ディクソン指揮フランクフルト放送響のマーラー、交響曲第7番のライヴ

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2022年4月11日 (月)

フェリックス・スラトキンの「動物の謝肉祭」ほか

南からの暖かな大気が入り各地で季節外れの夏日を記録。


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お花畑のポコ。


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昨晩、滅多に吠えることがないポコが咆吼。

尋常でない様子に外に出てみると、犬小屋と家との隙間に頭を突っ込んで吠えている。

中から別の動物の唸り声。

最初、野良猫かと思って懐中電灯で照らすと細い顔に縦に白い線。

 

ムジナ(ニホンアナグマ)だ!


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冬眠から目覚めて腹を空かし山から降りてきたのだろう。

それをポコが捕捉して大騒動。

ムジナには長い爪があって危険なのでポコをなんとか引き離し、箒の竿でムジナを追っ払った。

 

通勤途中の車中でフェリックス・スラトキンのCDBOXを聴いている。


SCRIBENDUMから出ているCD13枚組。


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主に米Capitol音源を集めたもの。

フェリックス・スラトキンはN響にもたびたび来演しているレナード・スラトキンの父。

 

偶然にも一年前の今日入手している。

 

長い間現役の「グランド・キャニオン」やガーシュインなどのほか、クラシカルな作品でも比較的軽い作品を納めているけれども、ディーリアスやアンドレ・カプレ、イベールなどのシリアスが曲も入っている。

F.スラトキンは軽い音楽専門の音楽家のような印象だったので意外な思いがする。

もっともスラトキンは指揮者に転じる前にはハリウッド弦楽四重奏団のリーダーとして、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の録音も残している。

 

このアルバムのオケは、当時ハリウッドで映画音楽のプレーヤーとして高いギャラを得ていた、腕っこきのフリーランサー達を集めたハリウッドボウル管にコンサート・アーツ管。

 

1枚目はウィンナワルツ集。

ウィーンフィルの演奏に代表されるような2拍目が早めに来る伝統的な演奏ではないけれど、すっきり清潔な雰囲気があってこれは良い。

 

今日は「動物の謝肉祭」を聴いていた。

小編成のオケによる演奏。

水族館ではオリジナルのとおりにハーモニカを使用。

ベラボーにうまいオケ、ピアニストでのずっこけぶりには思わずニヤリ。

どの曲も基本に忠実なのに生真面目でなくスラットキンの引き締まった指揮に多少の遊び心もあって、時としてゴージャスそして清楚で暖かさも感じられスラトキンの幅広い音楽性が堪能できるアルバムだ。

 

Youtubeはフェリックス・スラトキンのガーシュイン、「ラプソディ・イン・ブルー」

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2022年4月 9日 (土)

有賀誠門のチャベスほか

今日も晴れた。ヒノキ花粉が盛大に飛んで目が痒い。

コロナ感染者は高止まりから増加へ転じ、沖縄では第7波の到来だという。

 

ウクライナの戦争は膠着状態。

 

先日、市内のオーディオショップに行って旧知の店主さんと四方山話。

店には高価なヴィンテージオーディオがずらり。

 

新たにオーディオセットを求める人はほとんどおらず、最近はもっぱら修理の依頼ばかりだという。

ここはアナログレコードも販売している。

稀少盤から一般盤まで全て500円均一。

クラシックのLPも相当な数があったけれど、今は度を越えた手持ちの音盤数に加え、懐具合も隙間風。

見ると寝た子を起こしそうだったので早々にその場を離れた。

 

店を出たその足で最近知り合った旧家の当主の方のお宅を訪問。

江戸時代の古文書や明治初期の書籍が蔵から出てきたので見て欲しいとのこと。

 

広大なお屋敷の一角の離れの中に江戸後期から明治初期の書籍がぎっしり。

代々名主の家系で、ご先祖は武田氏の重臣山県昌景配下だったらしい。


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福沢諭吉の「西洋事情」の明治初期の版や、初めて見るような明治5-6年頃の出版物がずらり。

壮観だった。

 

部屋の片隅に蓄音機を見つけた。

その上にはSPの分厚いアルバム。

見るとフルトヴェングラー指揮ベルリンフィルの「運命」だった。

おそらく1937年録音のコロンビア盤。


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当主さんが蓄音機のねじを巻いて聞かせてくれた。

 

 

そして水曜には買い物ついでにハードオフ。

ジャンクコーナのLPには見るべきものはなく、CDコーナーも変わり映えしないラインナップ。


早々に店を出ようとCD棚から離れて出口に向かうと、目に入ったのは床置きダンボールにCDの山。

 

はて?こんな場所に・・・・

 

よく見るとジャンル分けしておらず、おそらく1個人の放出品。

半分以上はクラシックで残りはジャズと民俗音楽。

内容を見て、おそらく自分と同年配かそれ以上の方と想像。

 

以前ならばパブロフの犬状態。

テンション舞い上がりで買いまくるところだけれど、ぐっと抑えて冷静に見分。

 

ジャンク扱いで100円かな???と期待を込めて中身を見ると1枚当たり440円。
ブーニンや中村紘子などは770円。

うーん、甘くなかった。

ますます慎重になって1枚1枚を吟味すると、多くはCD初期の80年代のもので当時の定価で3800円、4400円のものが大多数。

 

持ち主は、この価格のCDが余裕で買えた自分より年配の方なんだろう。

 

初期のCDは経年劣化で再生できないものが出てきている。

 

CDが登場したときは、半永久的に音楽を楽しむことができる画期的な媒体。
などと喧伝されていた。

以後30年以上経過して、実際は錆びたりして再生不能のものが手持ちでも何枚か出ている。

LPは1950年代のものでも今でも立派に聴ける

 

慎重に?選んだ結果は4点ほど。

 

N響の首席打楽器奏者だった有賀誠門主催の打楽器アンサンブルによるチャベスのトッカータほかの打楽器による現代作品集。キング盤。


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これは録音の優秀さでCD初期の一種のデモンストレーション的な存在だったもの。


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ザイフェルトと並ぶベルリンフィルのホルン奏者、ハウプトマンとベルリンフィルのメンバーによるモーツァルト。

ホルン五重奏曲と「音楽の冗談」そのほかのDENON盤。

 

ツィンマーマンの弾くラフマニノフ。グラモフォン盤。


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曲はピアノ協奏曲第1番と第2番を収録。

伴奏は小澤征爾指揮ボストン交響楽団。

 

そしてミュンシュのモノラル期のスタジオ録音とライヴを集めたTahra盤2枚組。


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これはパガニーニのカプリス全曲の初録音を残しているオシー・レナルディのヴァイオリンでブラームス、オークレールのヴァイオリンでチャイコフスキーのそれぞれのヴァイオリン協奏曲のライヴにベートーヴェンの交響曲第7番のRCA録音ほか、4種あるミュンシュの幻想交響曲のスタジオ録音のうち第1回目のフランス国立放送管との演奏など。

 

2枚組にもかかわらず440円だったのは、薄いケースだったので気が付かなかったのだろう。

 

いずれも440円ならばよいかな。

また増えてしまった。

 

Youtubeはチャベスのトッカータ

 

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2022年4月 7日 (木)

本日の練習、うっかり失念そして遅刻

三寒四温も過ぎて初春の良き天気。

出勤途中では入学式に向かう親子を見かけた。
桜は各地で散り始め。

入園式が終わった孫は昨日から慣らし保育。

やはり大号泣だったとのこと。
本日送られてきた画像を見ると、この一日でなんとなく成長したような感じ。

 

昨日は非勤務日。

天気も良く布団を干してリハビリに出かける母を見送り。



畑に行くと放置していたダイコンとブロッコリーが盛大に花を咲かせていた。

もうこうなると食べることはできない。

全て引き抜いて周囲の雑草を取って畑を整地。

畑の隅には水仙の花。


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その後買い物ついでにハードオフ。

 

帰宅して風呂から出て夕飯にしようとしたところで・

・・LINEを見るとオケの仲間のやり取りが目に入った。

 

今日はオケの練習だった!!!

今週は変則的に木曜日の練習から水曜日に練習日が変わっていたことをすっかり忘れていた。

時計を見ると19時。

ちょうど始まったところだ。

 

急いで着替えて楽器担いで市民文化センターへ。

ホールに着くとブラームスの交響曲第4番の第1楽章が鳴っている。

指揮は喜古先生。


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今回は第2楽章以外を部分的に練習。

なんとなく不安を感じている箇所を不思議と何度かやり直し。

だんだんと自分の責任のような気になってきた。

 

慌てていたので写真は撮れず以前の写真です。

 

Youtubeはブラームスの交響曲第4番第2楽章、指揮者無しのLes Dissonacesの演奏。ウィンナホルンで吹いています。

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2022年4月 5日 (火)

ブルーノ・ワルター「ミラベルの庭園にて」

二十四節気の「清明」 Img_20220405_082240

その言葉そのままの蒼い空と清らかな富士。

今日は孫の入園式。

娘からは幾分緊張気味の孫の姿がスマホに送られてきた。

コロナ感染は高止まりで終息の気配はまだ見えない。

このところ睡眠不如意。

夜の10時を過ぎると目が冴えて日付が変わった1時、2時頃まで眠くならない。
結局睡眠時間は5時間弱。

早めに就寝しても5時間ほど寝たところで目が覚めてしまう。
困ったものだ。

 

今日はブルーノ・ワルターのモーツァルトを聴く。

「ミラベルの庭園にて」のタイトルで、「アイネクライネ」のほかポピュラーな歌劇の序曲を集めたアルバム。

 

手持ちはLP,CD何種かあるけれど、昨年いただいたアルゼンチン盤初期LPで聴く。
録音はモノラル。


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(1)セレナード第13番ト長調K.525「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
(2)メヌエット ヘ長調K.599(3)同ハ長調K.568
(4)3つのドイツ舞曲K.605
(5)フリーメイソンのための葬送の音楽K.477
(6)歌劇「魔笛」序曲K.620
(7)歌劇「フィガロの結婚」序曲K.492
(8)歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」序曲K.588
(9)歌劇「劇場支配人」序曲K.486(10)

  ブルーノ・ワルター(指揮)
  コロンビア交響楽団

  録音 1954年12月

往年の巨匠による定評のあるモーツァルト演奏。

ロマンティックな歌わせ方にワルターの音楽独特の暖かな音が広がる。

「フリーメイソンのための葬送音楽」では、この太く重い音がことさら深刻な音楽に聞こえてくる。

古楽器系の演奏に慣れた現代の耳にはさすがに重い。

歌劇「魔笛」序曲の序奏もかなり遅い、一転して主部の快速 調の切り替えは鮮やか。

序奏が回帰する部分の大きな間が特徴的。

 

それにしてもこのLP、モノラルながら音は非常に良い

国内盤初出盤と演奏の順序が多少違うけれども、どちらがオリジナルかわからない。

 

Yiutubeはワルターのモーツァルト、交響曲第40番からフィナーレ。オケはベルリンフィル

 

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2022年4月 4日 (月)

桜は散り始め。ハイメ・ラレードのメンデルスゾーンのことなど

朝から冷たい雨。ここ数日の雨で桜は散り始めた。


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土曜日に見た裏山の崖っぷちに咲く野生のオオシマザクラが今年も見事。


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オオシマザクラはソメイヨシノほか、数多くの日本の桜の原種


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野生のオオシマザクラは珍しい。
伊豆半島が島だった時代のサクラの子孫か・・・

 

メンデルスゾーンとチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を聴く。

 

LP時代は、いわゆるメンチャイと呼ばれて「運命」「未完成」とともにクラシック入門レコードの黄金の組み合わせ。

 

聴いたのはヘンリク・シェリングのチャイコフスキーにジェレミー・ラレードのメンデルスゾーン。
伴奏は両曲ともシャルル・ミュシュ指揮のボストン交響楽団

 

70年代に日本ビクターから出ていたRCAクラシカル・グランプリシリーズ廉価盤LP中の1枚。

 

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・ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.35(チャイコフスキー)
・ヴァイオリン協奏曲ホ短調 Op.64(メンデルスゾーン)*

 ヘンリク・シェリング(ヴァイオリン)
 ハイメ・ラレード(ヴァイオリン)*

 シャルル・ミュンシュ(指揮)
 ボストン交響楽団

  録音:1959年2月9 1960年12月24,26日*
     ボストン、シンフォニー・ホール

 

シェリングのチャイコフスキーから聴く。

さすがに安定の大家の至芸。

そして堂々たるミュンシュのサポート

良い音楽を堪能したと、自然に感じ取れる名演だ。

 

後にヴィオラ奏者としても名高くなったラレードのメンデルスゾーンは、ラレード19歳の時の録音。

ラレードは、1959年エリザベート王妃国際音楽コンクール1位。

この録音の直前の10月にはカーネギーホールでリサイタルを開いていて、その評価を受けてのメジャーレーベルの録音かもしれない。

初出はバッハのヴァイオリン協奏曲第1番とのカップリング。

 

さすがにシェリングを聴いた後では分が悪い。

線の細さはかなり気になったけれども、キリリと引き締まったヴァイオリンの音と節度のある歌は良いと思う。

包み込むようなミュンシュのサポートも見事なもの。

 

それにしてもラレードのCDショップその他ネット上での演奏者紹介は、ほとんどウイキの丸写し。

大きな飛翔のきっかけとなったエリザベート王妃国際音楽コンクール1位の記載が落ちている。

 

Youtubeはラレードの弾くバッハ、ヴァイオリンソナタ第3番から。ピアノはグレン・グールド

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2022年4月 2日 (土)

喫茶「あずみ野」で聴く、ヘンデルとバッハ

晴れのち曇り。4月最初の週末は花冷え。

冬並みの気温に朝にはセーターを着込んでポコの散歩。

午前中に近くのスタンドでタイヤの交換。
4月からタイヤが大幅に値上がると言うことで、支払いは3月中に済ませている。

ウクライナ情勢の影響で今月から値上げラッシュ。
大幅なインフレ到来の予感。

 

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タイヤの交換が一時間ほどかかるということで、近くの名曲喫茶「あずみ野」に行くことにした。

家から歩いて行ける至近距離にあるのに久しぶりの訪問。


前回行ったのはコロナ禍の前だったので4年ほどのブランク。

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外観もお店の中も民芸調のままで変わらず。

奥に古いタンノイのスピーカーと真空管の林立する風景も以前のまま。

バッハのチェロソナタが静かに流れている。
チラっとLPジャケットを見るとトウトウリエの弾くエラート盤。

 

いつものカウンター席に座ろうとすると。
店主「あちらにお座りください」とテーブル席を勧められた。

コロナ禍だからかな???

 

しばらく私の顔を見て

店主「あ。やっぱりカウンターへどうぞ」
私「????」

そして店主さんはターンテーブルに行くと、なにやらLPを取りだした。

 

聞えてきたのはエネスコの弾くヘンデルのヴァイオリンソナタ第4番。
1929年の録音。
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私がこの店に来ると必ず聴かせてくれる神の如き演奏。

90年以上前の録音なのに、あたかもエネスコ自身が目の前に現れたかのような生々しさ。

我が家のオーディオではどうしてもこの音は出ない。

 

余りの神々しさに涙が出そうになってきた。

第一楽章が終わったときに。
店主「すいません、マスクで最初わかりませんでした。」

私「大変ご無沙汰していました」

 

しばし沈黙して二人で演奏を拝聴。

後ろのテーブル席では常連らしきご老人が新聞を読んでいる。
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続いて取りだしてくれたのは、デニス・ブレインの吹くモーツァルトのホルン協奏曲第2番。

この英Referance盤LPは自分の架蔵LPと同じ。

何度も聴いている演奏なのに、デニス・ブレインは調性が変わるところで微妙に音色を変えているのに初めて気がついた。

 

トドメはメンゲルベルクの「マタイ受難曲」。

以前3時間喃々とするこの曲を全曲聴かされそうになって、さすがに閉口したことがある。

 

有名なアルトのアリア「憐れみたまえ、わが神よ」が始まる直前から。

20世紀最大の悲劇、第二次世界大戦直前の1939年録音実況盤。

会場の中からすすり泣きの声が聞えてくることで有名な演奏だ。

 

自然と今のウクライナの状況とオーバーラップして厳粛な気持ちになった。

店主「世界遺産になっても良いような演奏ですよね」

私「本当ですね・・・」

 

続く壮大なコラールの途中でスマホが鳴った。

「タイヤの交換終わりました」とのこと。

 

コラールが終わったところで失礼することにした。

いつのまにかお客さんが増えている。

 

持参した沼響のチラシを置いて下さった。


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私「また、来ます」

 

お店の近くの塚田川のほとりの桜が満開だった。


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Youtubeは「マタイ受難曲」から「憐れみたまえ、わが神よ」、ヴァイオリンソロはゲルハルト・ボッセ

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2022年4月 1日 (金)

本日の練習、ソリストとの初合わせ

雨のち晴れ。

今日から4月。

昨日は退職する何人かから挨拶を受けた。

皆自分よりも年が下。

そのまま残る人、別の道を歩む人。

自分の同期でも完全リタイア組と、引き続き残るものと行き先が別れた。

人生それぞれ。
自分は引き続き今のセクションに残留。

人事異動で管理職を含むオフィスの一割以上が入れ替わった。
中堅の多くが変わりこれだけ数が多いとオフィスの雰囲気も一変する。

新規採用は完全に自分の子供の世代。

世代交代と時間の流れの無情を如実に感じた一日。

 

昨晩はオケの練習。


曲はモーツァルトの「戴冠式」をソリストの岩間君と初合わせ。

自分は降り番。
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後半はブラームスの交響曲第4番から第1,2楽章。


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沼響の定演が地域新聞に紹介されていた。
いよいよ本番まで一ヶ月を切った。

 

Youtubeはグルダの弾き振りで「戴冠式」第3楽章

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