森正のドヴォルザーク
昨晩遅くから激しい雨、今日も一日雨模様。
気温も下がり、しまいかけた冬物を出したりしていた。
散歩をせがむポコ。雨で出かけることができなかった。
森正の指揮でドヴォルジャークを聴く。
東京音楽大学の1983年ヨーロッパ楽旅の記録。
・交響曲第8番 :ドヴォルザーク
・弦楽のための三章 :芥川也寸志
・越後獅子 :杵屋六左衛門九世~池辺晋一郎編曲
森正(指揮)
東京音楽大学オーケストラ
杉浦弘和(三弦)
録音 1983年 ライヴ
森正はN響の正指揮者のほか国内の数多くのオーケストラの常任指揮者を歴任。
録音も放送音源を含めれば膨大なものがあるけれども、一般に入手できるものといえば小品や協奏曲の伴奏指揮ばかり。
きっちり端正で几帳面、手堅い職人気質の芸風が災いして実力の割には忘れられた存在かもしれない。
自分は若い頃にテレビで見たN響とのシベリウスの交響曲第2番の名演が忘れられない。
明快な打点でスパッと断ち切るような迷いのない指揮ぶりが見事だった。
他にはNHKの大河ドラマ「国盗り物語」のテーマ音楽の演奏も印象深い。
このドヴォルザークは一昔前の音大のオケ。
音楽を専門に学んでいるとはいえ、個別の技量はともかくオケの合奏体としての訓練はさほどされていないように思える。
アンサンブルの詰めが甘くトランペットが飛び出したりと、あちらこちらで事故が頻発。
だが音楽は極めて明快。
森正独特の丁寧なフレージングに学生オケが懸命に食い付いていくのには一抹の爽やかさも感じられる。
フィナーレの熱い盛り上がりも感動を誘う。
それにしてもアンコールに演奏された芥川也寸志の「弦楽のための三章」が凄い名演。
このべらぼうにうまいヴァイオリンソロは誰だろう?
Youtubeは大河ドラマ「国盗り物語」のテーマ音楽、林光作曲。森正指揮のNHK交響楽団
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コメント
はじめてコメントさせて頂きます。
森正さん。
最近まで知らなかったのですが、たまたま見たネットの動画であまりにも端正な指揮振りなのにオケがノリノリなのに驚き、ミュンシュに近いものを感じて大好きになりました。
シベリウスは、N響のリストでは1982年6月のライブ録音が残ってるようで、私もぜひ聞いてみたいものです。
森さんがタクトを振った録音はNHKに沢山残ってるようですね。個人的には近年亡くなられた井内澄子さんとのラフマニノフ・ピアノ協奏曲第2番と、イェルク・デームス氏とのシューマンのピアノ協奏曲を死ぬまでに聞けたらな、と願ってます。
森さんの秘蔵音源がもっともっと世に出てもらいたいものですね。
投稿: もちすけ | 2022年4月20日 (水) 00時22分
もちすけさん、コメントありがとうございます。
森正さんは私がクラシック音楽に親しみ始めた頃に、いろいろな国内オケを振った演奏がFMでかなり放送されていました。
ほとんど有名曲の小品ばかりでしたが、今思えば、どの曲も高い水準の演奏だったと思います。
入手できるのは協奏曲の伴奏ばかりですが、最近は大きな曲も聴いてみたいと思っています。
投稿: 山本晴望 | 2022年4月20日 (水) 21時10分