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2022年4月28日 (木)

大学祝典序曲、聴き比べ

終日曇り空、風が強い。

今年はツバメたちが姿を見せない。


我が家の車庫の天井にあった巣から巣立っていったツバメたち。


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2年前に車庫を改装、その時に巣を撤去せざるをえなかった。

一昨年に巣立ったツバメたちが昨年この時期に帰ってきて、巣を探して空しく我が家の周辺を乱舞していたのは悲しい思い出だ。


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同じ場所に巣を作りやすいような棚を作っておいてはいたのだが・・・・・

ツバメの寿命は一年余りだという。

20年以上続いていた、我が家から巣立ったツバメたちがこれで絶えてしまった。

 

沼響の第38回定演は今週末。

プログラムはモーツァルトのピアノ協奏曲第26番「戴冠式」に、ブラームスの「大学祝典序曲」と交響曲第4番というもの。

 

ちょうど先日の日曜に、東の隣町の三島フィルが定演でブラームスの交響曲第1番を取り上げている。

西の隣町にもアマオケ富士フィルがあり、昨年12月に沼響と同じようなプログラムで演奏会を開いている。

不思議なことに演奏曲目でこの3団体は作曲家や曲目がよく競合する。

 

今日は自分のホルンパートの確認を兼ねて「大学祝典序曲」の手持ちの音源のいくつかを聴いてみた。

この曲は「悲劇的序曲」や「ハイドンの主題による変奏曲」とともに、交響曲の全集録音や交響曲単独の穴埋めとして一緒に録音されることが多い曲。

いろいろと手持ちを見ていて気が付いたのだけど、「悲劇的序曲」や「ハイドンの主題による変奏曲」は録音しているのに「大学祝典序曲」は録音していないという指揮者が意外と多い。

フルトヴェングラーやシューリヒト、カラヤンには録音がない。

ケンペの2つの全集にも含まれていない。

この曲のネアカな曲想がなんとなくブラームスらしくないし、様々な曲想をつなぎ合わせたポプリだとブラームス自身のコメントも残っていて、なんとなくシリアスな「悲劇的序曲」や「ハイドンの主題による変奏曲」に比べて軽い印象なのも事実。

以前FM放送である邦人指揮者が、木に竹を接いだような曲と評していた。
なるほど。

 

聴いた演奏は古いものばかり3種類。

ギリシャ系の指揮者モーリス・アブラヴァネル指揮のユタ交響楽団の全集録音米ヴァンガード盤。

フランスの指揮者ジャン・バプティスト=マリ指揮のラムルー管弦楽団による仏Mandala盤。

イギリスの指揮者、サー・トーマス・ビーチャム指揮ロイヤルフィルの英EMI盤。

 

・大学祝典序曲

 モーリス・アブラヴァネル(指揮)
 ユタ交響楽団
 

 ジャン・バプティスト=マリ(指揮)
 ラムルー管弦楽団

 録音 1960年

 サー・トーマス・ビーチャム(指揮)
 ロイヤルフィルハーモニック管弦楽団
 録音1956年11月

 

奇しくも全て非独逸系の指揮者ばかり。

 

この3種の中ではアブラヴァネルの演奏が素晴らしい。


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速いテンポでスマートに格調高く歌い上げるブラームス。
各楽器が実に正確に見事なバランスで鳴り響き、ベートーヴェンの音楽にも似た厳しさも感じられるのが良い。

アブラヴァネルとユタ響の録音では、このブラームスのほかマーラーやシベリウス、チャイコフスキーなどの主要な作曲家の全交響曲や管弦楽曲、そしてルロイ・アンダーソンまで膨大な数が残されていて、中にはつまらないものもあるけれどもどの演奏も平均的な高いレベルの演奏を聴かせてくれる。

アブラヴァネルの録音では、この「大学祝典序曲」はマーラーの交響曲全集とイッポリトフ=イワーノフの「コーカサスの風景」に並ぶ名演。

 

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アブラヴァネルと比べるとバティスト=マリはずいぶんと緩く感じられる。
オケの力量以上にマリのノンキな人柄がそのまま演奏に出ているような趣だ。

マリは一度実演を聴いたことがある。
札幌交響楽団の定期演奏会で、ラヴェルの組曲「マ・メール・ロア」にプロコフィエフのピアノ協奏曲第3番。ピアノソロはドミトリー・アレクセーエフ。


メインがR.コルサコフの「シェラザード」だった。
この中ではラヴェルが美しい演奏が印象に残っている。

アンコールは「シェエラザード」の第4楽章だった。

以後マリは気になる指揮者の一人。

 

このブラームスはマリがラムルー管の首席指揮者だった頃の録音。

遅いテンポでロマンティックに歌い上げた演奏だった。
管楽器がヴィヴラートたっぷりのまさにおフランスといった雰囲気で、濃厚な甘さを感じさせるかなり異質なブラームス。

オケの技量はユタ響に比べるとかなり落ちる。

前任者のマルケヴィッチの厳しいトレーニングに解放された安心感からか、伸び伸び自由に演奏している様子は感じられるけれど、その分ダルなアンサンブルになってしまった。


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最後のビーチャムはテンポはゆったり、マリと似ているけれども、さすがにこちらは大人(たいじん)のブラームス。
おおらかな風格が感じられ、でっぷりとしたイギリス紳士の姿が目に浮かぶような演奏だった。

今回はスコアを見ながら聴いていないけれども、打楽器あたりにかなり手を加えているようだ。
ホルンセクションのアンサンブルはこのロイヤルフィルが一番上手い。

Youtubeはネーメ・ヤルヴィ指揮ベルリンフィルの「大学祝典序曲」

 

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