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2022年5月に作成された記事

2022年5月31日 (火)

シューベルトの「アルペジョーネソナタ」、カサド編の協奏曲版

昨晩から雨が降り始め出勤時には小糠雨。

今日から半袖にしたら外に出ると寒かった。


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お昼にオフィス近くの老舗そば処にいくと閉店の張り紙が・・・・


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ご主人に話しかけると、跡継ぎもおらず自分も年なのでこれが引き際ですとのこと。

庶民的で親しみやすい良いお店だった。


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老舗の名店の後継者不足による閉店、それがこのコロナ禍で加速しているようだ。

先日芥川賞作家宇佐見りんさんが閉店を惜しんだ、市内の創業100年を超える書店も今日限りで繁華街の店舗を閉店する。

 

シューベルトの名作「アルペジョーネ・ソナタ」の協奏曲版を聴く。

今は消滅してしまった楽器、アルペジョーネの為に作曲された、もっとも有名にしておそらく現存する唯一の有名曲。

今では音域が近いチェロで演奏される。

 

シューベルト没後100年の記念の年に、この曲を名チェリスト、ガスパール・カサドがオケの伴奏を付けた協奏曲として編曲している。

この版ではカサド自身の演奏で3種の録音が残されている。

1928年のハーティ指揮、ペルレア指揮の1954年録音の二つめのスタジオ録音に1940年メンゲルベルクとのライヴ。

 

HMVのサイトにはミハル・カニュカのチェロによる録音の紹介があるけれども、こちらは弦楽合奏編曲版となっている。

カサド自身の録音を聴く限りでは管楽器がかなり活躍する編曲なので、この録音は本当にカサド編なのだろうか。

それともカサド編で弦楽合奏版が存在するのだろうか。

 

この中からペルレアとのスタジオ録音を聴いた。


手持ちは米VOX原盤でDOTレーベルで出た国内盤モノラルLP.


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・アルペジョーネとピアノのためのソナタ イ短調 D821 :シューベルト~カサド編曲版

・チェロ協奏曲 イ短調作品129     :シューマン               :

  ガスパール・カサド(チェロ)
  ヨネス・ペルレア(指揮)
  バンベルク交響楽団

カップリングは同じイ短調のシューマンのチェロ協奏曲

カサドの編曲は単純にピアノ伴奏部分をオケに置き換えたものではなく、ソロパートも含めて再構築した、いわばアルペジョーネ・ソナタ幻想曲のような趣。

特に加工の度合いは第1楽章に顕著。

 

数小節をカットしたり加えたりしていて、カサドの創作の部分もかなりある。

とはいえ、ある程度の曲の原型は保っていた。

ロマンティックな歌いぶりで聴かせる第2楽章などなかなか良い。

 

カサドはファリャとラヴェルに作曲を師事している。

この編曲を聴くかぎりではこの二人の影響はあまり感じられず、できるだけシューベルトの語法に近づこうと苦心している様子が聞き取れる。

 

いくぶん厚めのオーケストレーションは、シューベルトよりもシューマンの音楽を彷彿させるもの。

カサドのチェロは、のびのびと歌い気品も感じさせるのが良い。

録音もモノラルながら聴きやすい。

 

このカサド編のアルペジョーネ・ソナタの自筆譜は、原智恵子夫人により玉川大学に寄贈された。

 

Youtubeはシューベルトの「アルペジョーネソナタ」、ペレーニのチェロにシフのピアノ

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2022年5月30日 (月)

ジョン・セルミナーロのホルン

過ぎゆく5月、今日も晴れて暑かった。


夜遅くから雨。


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先日、土曜のポコ。


傍らに早咲きのヒマワリ。


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本日休みで午前中は風呂の改修の立ち会いで、午後は家電量販店のノジマに行き誕生日プレゼントのエコバッグをもらったりしていた。

5千円以上買うと千円引きという話だったけれども、特に欲しいものもなくそのまま帰宅。

 

アメリカのホルン奏者、ジョン・セルミナーロを聴く。

米Crystal社が出していたLP.

 

ホルンのための近現代の有名曲を集めた変化に富んだ選曲


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Intermezzo, Op. 35, No. 11  : グリエール
En Foret            :ボザ
Romance, Op. 36        :バーンスタイン
Romance             : スクリャービン
Elegie             :ボザ
Evening Voluntaries      :W.クラフト
L'Oiseau Des Bois For Flute And Horn Quartet

                :ドップラー

  Flute – Nadine Asin
  Horn – Brian Drake, Carol Bacon, Frøydis Ree Wekre, John Cerminaro
  Piano – Zita Carno

 

セルミナーロは16歳でダラス響の伴奏でコンチェルトを吹いてソロデビュー。

バーンスタイン時代のニューヨークフィルの首席奏者を経て、ジュリーニに引き抜かれロスアンジェルスフィルの首席奏者。

その後シアトル響の首席奏者。

 

このディスクはセルミナーロ全盛期の記録。

幾分固めの音色で朗々と響きわたる自由闊達なホルン。

 

Youtubeはストラヴィンスキーの「火の鳥」終曲からセルミナーロのソロ。

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2022年5月29日 (日)

ガーシュウィンの幻のオペラ「ブルーマンディ」、そしてMENBRANのガーシュウィンCD10枚組のことなど

この週末は久しぶりの青い空。


朝は風も吹いて爽やかな5月。


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狩野川から見る今日の富士。

雪がかなり消えていた。


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そして狩野川上流の彼方には箱根連山。

昨日今日は真夏日。

 

このところ通勤の車中でガーシュウィンを聴いている。

聴いているのはMENBRANから出ていたCD10枚組から。

 

パッケージには演奏家の記載はなくブックオフで見つけた時には買うのを躊躇したけれど、これだけガーシュインの作品を集めたセットは他になく、とにかく安かった。

 

「ラプソディー・イン・ブルー」やオペラ「ポーギとベス」などの著名なクラシカルな曲のほか、ジャズやポピュラーソングにミュージカルなど、39歳の短い生涯で膨大にして多彩な作品を残したガーシュウィンの作品を俯瞰できるもの。

 

演奏家名は個別のCDケースに書かれていた。


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CD 1
Gershwin plays Gershwin - Rare Recordings 1932-35

CD 2
George Gershwin: Instrumental works for the concert hall

CD 3
Gershwin on Screen I:
"Girl Crazy" & "Rhapsody In Blue"

CD 4
Gershwin On Screen II:
"Shall We Dance", "Damsel In Distress" a. o.

CD 5
Gershwin On Screen III:
"Strike Up The Band", "Broadway Rhythm", "Ziegfeld Follies" and "The Shocking Miss Pilgrim"

CD 6
Gershwin: Early Recordings of the 20's • Broadwayshows and Musicals

CD 7
Gershwin: the later broadway-musicals

CD 8
Gershwin: Great Songs Presented By Great Stars

CD 9
Gershwin in Jazz

CD 10
Blue Monday – A One Act Jazz Opera
- Williams Haskin – Bazemore Washington – Tussel Thomas
Ochestra dell Svizzera Italiana – Marc Andreae
Francois- Joel Thiollier

 1. Blue Monday (Gershwin – DeSylva) Orchestra della Svizzeria Italiana
 2. Looking For A Boy (Gershwin) Francois-Joel Thiollier – Piano
 3. Sweet And Lowdown (Gershwin) Francois-Joel Thiollier – Piano
 4. Maybe (Gershwin) Francois-Joel Thiollier – Piano
 5. Clap Yo’ Hands (Gershwin) Francois-Joel Thiollier – Piano
 6. My One And Only (Gershwin) Francois-Joel Thiollier – Piano
 7. `S Wonderful / Funny Face (Gershwin) Francois-Joel Thiollier – Piano
 8. Someone To Watch Over Me (Gershwin) Francois-Joel Thiollier – Piano
 9. That Certain Feeling (Gershwin) Francois-Joel Thiollier – Piano
 10. Delishious (Gershwin) Original Soundtrack
 11. Dream Sequence (Gershwin) Original Soundtrack
 12. Somebody From Somewhere (Gershwin) Original Soundtrack
 13. Katinkitschken (Gershwin) Original Soundtrack
 14. Blah, Blah, Blah (Gershwin) Original Soundtrack
 15. New York Rhapsody: Explanation Of The Scene Original Soundtrack
 16. New York Rhapsody (Gershwin) Original Soundtrack

 

録音は9枚目までは1920年代のガーシュウィンの自作自演に始まり、多くは1930年代から40年代のもの。

 

「ラプソディー・イン・ブルー」は、かつて沼響が羽田健太郎さんや小原孝さんと共演した時に聴き比べコラムをホームページ上で連載している。

このCDアルバムには作曲者自身のガーシュウィンをはじめ、「ラプソディー・イン・ブルー」の初演バンドのポール・ホワイトマンオーケストラ。
そして同曲の再録音をおこなったN.シルクレットのバンドや、ガーシュウィンのリハーサルなどの歴史的な録音も含まれている。

他にはピアニストのオスカー・レヴァント。

 

ジャズ畑ではベニー・グッドマン、デューク・エリントン、オスカー・ピーターソン、
チャーリー・パーカー、ソニー・ロリンズ、レスター・ヤング、ビリー・ホリディー、サラ・ヴォーン、その他。
歌手関係ではフレッド・アステア、ビング・クロスビー、フランク・シナトラなどなど

著作権の切れていた著名演奏家たちのガーシュウィン録音を、ジャンル問わずにとにかく集めましたという体裁。

録音は古いものが多いけれども一部にステレオ録音も混在。

 

驚いたのは10枚目。

ガーシュウィンが24歳の時に作曲した幻の歌劇「ブルー・マンディ」が収録されているのだ。

これは1981年にスイス・イタリア放送が録音したもので、マルク・アンドレ指揮のスイス・イタリア語放送管弦楽団による演奏。

さらに映画音楽「デリシャス」のサウンドトラックに、名手ティオリエによるピアノインプロヴィゼーション付き。

この1枚はかつてスイスのERMTAGEレーベルから単独で出ていたもの。

 

個性豊かな偉大な演奏家たちを、ガーシュウィンというひとつのテーマで聴くことができる。

考えてみれば贅沢なアルバムだ。

 

Youtubeはガーシュウィンの歌劇「ポーギとベス」からI Got Plenty'Nuthin'、オロスコ=エストラーダの指揮フランクフルト放送交響楽団

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2022年5月27日 (金)

本日の練習、米田先生との3回目。そしてオーマンディのムソルグスキーのことなど

曇りのち晴れ日。昨晩は激しい雨。

隣町の冨士、富士宮は警報が出たほど。

庭に咲く赤い花。


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本日オフ。

朝に母をデイサービスに送り出した後に家の雑事など。

 

昨日はオケの練習だった

米田覚士先生の指揮で3回目の練習。


曲は「はげ山の一夜」、「死の舞踏」に「ET」。


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先生の細かい指導にだいぶ慣れてきた。

 

先日の日曜からさほど日が経っていないので指示されたことも頭に残っていて、日曜に比べ長足の進歩を感じる。

 

今日はオーマンディの指揮で「展覧会の絵」と「はげ山の一夜」を聴いていた。

CBSSONYから出ていたLP。


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この演奏の感想はちょうど20年前に「展覧会の絵」を沼響で演奏したときにコラムに書いている。

 

今聴き直してもさほど印象は変わらないけれども、今は再生環境が変わりEQカーヴを調整しながら聴くことができる。

ブリリアントでゴージャスなのは変わらないけれど、弦楽器群のしっとり柔らかな響きも感じられ、より一層オーマンディの細やかな配慮と解釈の妙が聞き取れるようになった。

 

「はげ山の一夜」では木管パートにホルンを数カ所で重ねていたことに初めて気がついた。

各楽器のソロ の見事さもさることながら、「はげ山の一夜」では終盤に入ってティンパニのパートを時としてカットとしたりと、音とテンポの自然な落とし加減の絶妙さなど、芸の細かさは半端でない。

 

Youtubeはムーティ指揮シカゴ響の「はげ山の一夜」

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2022年5月24日 (火)

本日の練習、オータムコンサートに向けて

5月も後半、梅雨の前の晴天が続く。

気温は高く吹く風に夏の気配。

昨日は母を定期健診のために比較的大きな脳神経外科病院に連れて行った。

かなり混んでいて10時に入り帰宅は3時ちょっと前。

足腰はだいぶ弱ったけれど認知症もなく内臓も正常。

 

本日出勤。

今は非常勤、週に数日顔を出せばよいとはいえ、出勤した日は仕事の密度が濃く時間の経つのが速い。

 

そして日曜の夜はオーケストラ。


10月のオータムコンサートに向けて沼響の練習。


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指揮は前回と同じ米田覚士先生。

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曲は「展覧会の絵」からババ・ヤーガの小屋とキエフ(キーフ)の大きな門に始まり、歌劇「ヘンゼルとグレーテル」序曲、の交響詩「死の舞踏」に交響詩「禿山の一夜」から「ET」までの多彩な内容。

昨年中止になってしまった「ハロウィンコンサート」の曲目だったので、妖しげな曲が並ぶ。

 

先生の指導は基本的な内容を細かく丁寧。

2回目の指導でオケもだいぶ先生の棒に慣れてきた。


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来年は沼津市制100周年。
80周年と90周年の時にはベートーヴェンの第九を演奏している。

コロナもあり100周年はどうなるのだろうか。

2024年は沼響の定期演奏会が40回を迎える。

 

その時まで元気に参加したいもの。

 

Youtubeはモイセーエフバレエの「はげ山の一夜」、民族楽器も動員した強烈な演奏と映像です。「はげ山の一夜」は映像の21分あたりから

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2022年5月21日 (土)

トーマス・モーリーのマドリガル「今や5月の季節」

曇り時々雨。この週末は再び雨。

GW以後で晴れたのは昨日を含めて2日のみ。

出遅れ気味の畑作業。

トマト、ナス、ピーマン、サツマイモの植え付けなど、昨日までに無理してやっておいてよかった。

 

昨晩は市民文化センター主催のクラシックレコードコンサートの解説だった。


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市民文化センターが開館した翌年からこの催し物は始まった。

内容の構成と解説、ナビゲーター役をやっている。

最初はアシスタントの形で参加させていただいたのが、2年ほどで全面的にバトンタッチ。

以後隔月開催で今に至る。

 

沼津市民文化センターも来年開館40周年とのこと。

記念行事も計画しているようだ。

 

この4月で文化センターの担当が変わったので、資料の作成や当日の流れなどのレクチャーを事前に済ませていた。

 

 

今回のテーマは「イギリスで活躍した作曲家」たち。

 

キングズシンガーズの歌うトーマス・モーリーのマドリガル「今や5月の季節」に始まり、以後時代順にヘンデルの「涙ながれるままに」とアーンの「ルール・ブリタニア」を経て18世紀から19世紀前半のイギリス音楽の空白期。


19世紀後半に現れたエルガー、ヴォーン・ウイリアムズ、ホルストそしてパリィなどを解説付きで紹介した。

 

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本来ならばパーセルやディーリアス、ブリテン、ラターなどの重要な作曲家たちも取り上げたいところだけれど、時間の制約と比較的知られた曲を優先するので紹介する作曲家や曲は限られてしまう。

 

参加する人たちは市外からの参加が多いのが特徴。

今回渋い内容だったけれど多くの方が来て下さった。

富士宮から電車とバスを乗り継いで来た、という方もいて驚いた。


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今回は開始1時間前から来る方もあり、20分前には申し込んだ方のほとんどが揃っていた。

 

マニアックにして熱心な質問や、時として新たな発見を示唆するような驚きのご意見もあり、自分としても刺激になることが多かった。

 

アンケートを見ると近隣の三島市、裾野市、伊豆の国市、富士市の方々。

高齢の方も多く、何人かはさまざまな交通機関を使って来られている。

ありがたいことです。

 

私の拙い解説は、取り上げる名曲名演に毎回助けられている。

 

終了は21時少し前。

 

Youtubeはキングズシンガースの歌う「今や5月の季節」

 

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2022年5月19日 (木)

シューリヒトのブルックナー、聴き比べ

本日快晴。


昨日になって久しぶりに見た青空。

昨日は金曜に実施するクラシックレコードコンサートの打ち合わせに市民文化センターに寄った帰りに隣町清水町の本城山公園に登ってみた。


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ここは戦国時代に後北条氏によって築かれた山城。

本丸跡の展望台に登ると360度の大パノラマが広がる。

柿田川近くに築かれた泉頭城址。ここは最晩年の徳川家康が隠居城とするはずだった城として知られる。


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南の伊豆方面には手城山砦に大平城址

その向こうに韮山城址


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沼津方面に目を転じると敵方、武田氏の三枚橋城址などが一望のもとに見渡せる。


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戸倉城は戦国時代に武田氏と後北条氏との間で熾烈な争奪戦の場となった城郭。


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今日は午前中に畑にトマト、ナス、ピーマンを植えた後に母を病院に連れて行った。
先週転倒して痛む箇所を診てもらう。

 

午後は会議出席のためにオフィスへ。

会議は一時間ほどで終わり、そのまま帰宅するつもりが懸案事項で引き留められて帰宅は18時。

 

先日、シューリヒトのブルックナーで情報提供があり、ウィーンフィルとのブルックナーの交響曲第9番(1961年録音)の第3楽章で、ホルンのパートで改変があるようだ、とのご教示。


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・ブルックナー:交響曲第9番二短調(原典版)

 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 カール・シューリヒト(指揮)
 録音1961年11月  ウィーン、ムジークフェラインザール

 

そこで手持ちの音源をいくつか聴いてみた。

 

改変場所はノヴァーク版のスコアで、練習番号Fの93小節めから100小節めまで。

スコアを見ると、この部分でホルンは3,4番ホルンが93―100小節、第1、2番ホルンが97-98小節を吹いていて、ホルン奏者が演奏するワーグナーチューバは休んでいる。

 

今回聴いたシューリヒトのブルックナーの交響曲第9番は以下の6種類。

 1943年  ベルリン市立管弦楽団  スタジオ録音
 1951年  シュトウットガルト放送響 ライヴ
 1955年  ウィーンフィル  ライヴ
 1960年  北ドイツ放送響  ライヴ
 1961年  ウィーンフィル  スタジオ録音
 1963年  バイエルン放送響 ライヴ

 

シューリヒト&ウィーンフィル(1961年)のスタジオ録音ではこの箇所は、2,3番クラリネットパートにホルンを重ねている。(ただし98-100小節目は2,3番クラリネットパートではなく1番クラリネットのパートも混在)

ここで吹いているのはおそらく1,2番ホルン奏者。

 

だがかなり強烈に響いているので、ホルンではなくワーグナーチューバである可能性も捨てきれない。

あるいはワーグナーチューバ担当奏者がホルンに持ち替えて吹いている可能性も・・・・

 

1,2番ホルン奏者がクラリネットパートを重ねて吹く場合は、97-98小節の本来の1,2番ホルンパート部分は当然捨てることになる。

1961年のウィーンフィルとのスタジオ録音を聞くと、97-98小節間の1,2番ホルンは聞こえていないようにも思える。3,4番ホルンパートもずいぶんと控えめに吹いていた。

 

同じシューリヒトではバイエルン放送響(1963年録音)のライヴもウィーンフィル盤と同じ改変。


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こちらはモノラルながら録音も良く、楽器の細部はこちらの方がよくわかる。

 

ウィーンフィルとの1955年ライヴも同じ改変だがこちらは100小節目の3拍目にトランペットの音を加えていた。


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面白いことに、シューリヒトのブルックナーの交響曲第9番の最初の録音であるベルリン市立管との独ポリドール録音(1943年録音)では、楽譜のとおりに全く改変無しで演奏している。


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他のいくつかの録音でも微妙に細部が異なっているのが面白い。

1960年の北ドイツ放送響とのライヴでは、97-98小節の1,2番ホルンの捨てたはずのパート部分をトランペットに吹かせていた。
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100小節3拍めのトランペット付加は1955年録音のウィーンフィルライヴと同じ。


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1951年のシュトウットガルト放送響とのライヴでは、第3,4番ホルンに94,96小節めの3-4拍をクラリネットの2,3番と重ねて吹かせ、97-98小節の1,2番ホルンは譜面の通り吹かせている。

 

 

以上のことから最初の43年録音は譜面のとおりとし、51年のシュトウットガルト盤の過渡期的な改変を経て1963年録音のウィーンフィル、バイエルン盤に至ったと想像できた。

 

シューリヒトの「ライン」のいくつかの録音にも、それぞれが異なった改変があったように、ブルックナーでも絶えず試行錯誤して模索していたのだと思う。

シューリヒトのブルックナーの第九番では、第3楽章の終盤の弦楽器の動きをテヌート気味にするなど改訂版のアイディアも各所で導入しているようだ。

 

シューリヒトのブルックナーのいくつかを久しぶりに聴きなおしてみて、絶えず研究を怠らず試行錯誤を続けていたシューリヒトの偉大さを今更ながら思う。

 

Youtubeはシューリヒト指揮ウィーンフィルのブルックナー、交響曲第9番第3楽章

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2022年5月17日 (火)

セシル・ウーセのドビュッシー

5月半ばだというのに気温は低く雨ばかり。

こんなに雨ばかり続くと畑作業ができない。


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家の近くの5月の花たち。


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昨日は休みで朝早くに町内のごみ当番。

ご近所の人たち数人と雑談しながらの30分。

その後母の介護の関係で、ケアマネジャーさんと室内の手摺り設置の打ち合わせ。

午後は母を歯医者へ連れて行き入れ歯の受け取り。

 

ワーナーから出ているドビュッシー作品全集CD33枚組から「ベルガマスク組曲」を聴く。


演奏はフランスの女流ピアニスト、セシル・ウーセ。


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明晰にして毅然とした品格のあるドビュッシー。

情に流されない男勝りの力強さと女性らしい繊細な叙情との共存。

「月の 光」と「パスピエ」で聞かれるバスの雄弁さは絶妙のペダリングから来るのだろう。

 

この演奏を聴いてから、彼女の録音を集中的に聴きたくなった。


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最近出たセシル・ウーセの録音を集めたCD16枚組にも触手が動くところ。

 

Youtubeはセシル・ウーセのドビュッシー、「版画」

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2022年5月15日 (日)

ロンドン中世アンサンブルのジョスカン・デ・プレ

曇り後夕方から雨の日曜日。

木曜夜に伊豆南部に大雨洪水警報が出て狩野川はかなりの増水。


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今日は水が引いて朝から近隣の方々が河川敷の一斉清掃作業をおこなっていた。

ツバメが乱舞する中で、狩野川近くの小学校のプールでは濁流から逃れた鴨たちが遊弋中。


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今日はルネサンス期最大の作曲家、ジョスカン・デ・プレの作品を聴く。

ジョスカンの比較的初期の作品から2曲をロンドン中世アンサンブルによるオワゾリール盤CDで。


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・ミサ・ディ・ダディ
・ミサ「フザン・ルグレ」

   ピーター&ティモシー・デイヴィス(指揮)
   ロンドン中世アンサンブル

        録音 1984年1月 ロンドン

いずれも当時の世俗的なシャンソンの旋律によるミサ曲。

古典的で緻密な構成と和声が高度な次元で結晶化した、バッハにも比肩するジョスカンの作品の数々。

 

簡素なようでいて明快。

穏やかなアカペラの流れはあたかもグレゴリオ聖歌にも似た癒しの音楽。

 

ジョスカンとの最初の出会いは、米VOX原盤の日本コロンビアから出ていたLPで、マルテイン・ベールマン指揮のシュパンダウアー・カントライによるミサ「パンジェ・リンガ」だった。

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これが深い祈りに満ちた心が洗われるような名曲名演だった。

この演奏でジョスカンに出会えたことは幸福な出会いだったと思う。

 

9人のメンバーによるロンドン中世アンサンブルによる演奏は、ぴたりと合った正確無比な音程の歌唱で、複雑な織物のように絡み合うジョスカンの旋律を余すことなく描き出す。

澄み切った歌声に周りの空気が浄化されるかのようだ。

 

Youtubeはマルティン・ベールマン指揮シュパンダンウアー・カントライによるジョスカン・デ・プレ、ミサ「パンジェ・リンガ」

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2022年5月13日 (金)

本日の練習、定演も終わり10月のファミリーコンサートへ。米田覚士先生の指揮

今週後半は強力な低気圧の接近で雨模様。

本日13日の金曜日。

夜から激しい雨の予報。

 

このコロナ禍で職場内での宴会が出来なくなって久しい。

水曜の昼は幹事のはからいで、この4月の人事異動で異動になった職員を招いて簡単な昼食会。


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御殿場「ふくふく」の大海老天重など。


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アルコールはなし。

 

新たな部署で活躍中の職員たちや退職した人も来てくれた。

皆元気な顔を見せてくれた。

 

木曜は仕事休み。

午前中は家の雨樋その他の修理のために馴染みの建築業者と打ち合わせ。

かなり高いところなので高所作業車が必要とのこと。

ついでに塀の補修の見積もりもお願いをした。

 

ここで新たに予定外の出費。

終わった後に定期的に通っているクリニックに行ってみると激混み。

第2駐車場も満車だったので諦めてそのまま帰宅。

続いて母を病院に連れていったりとそれなりに忙しい。

 

そして夜はオケの練習。

定期演奏会も終わり10月のファミリーコンサートへ向けて初練習。

指揮は沼響初登場の米田覚士先生


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先生は2019年東京国際音楽コンクール指揮部門で入選の俊英。

過去の入選者は小林研一郎、尾高忠明、井上道義、大野和士、広上淳一・・・・
最近では川瀬賢太郎、沖澤のどかなど、現在第一線で活躍している人たちがずらりと並ぶ。

 

曲は「ET」から始まり「はげ山の一夜」「ヘンゼルとグレーテル」序曲、「死の舞踏」など。

昨年中止になったファミリーコンサートの曲そのままの内容。

 

どの曲も半年ぶりの合わせなのでほとんど忘れている。

米田先生とも初めてなので、棒に多少慣れぬ場もあり練習としてはまだまだの出来。

 

Youtubeは米田先生の指揮でベートーヴェンの交響曲第2番

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2022年5月10日 (火)

ルース・ラレードのスクリャービン

今日は朝から良く晴れた。

狩野川河川敷からの富士山。


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昨日の雨のため山腹の半ばから美しく雪化粧。

明日から天気は下り坂。

昨日仕事は休み。

朝は晴れていたので、連休中に泊まりに来ていた二組の娘夫婦の布団を干していた。

ところが昼頃になってアマガエルが盛大に鳴き始めた。
空はだんだんと黒く染まり怪しげな気配。

雨雲レーダーを確認すると雨雲急速接近中。

慌てて布団を取り込んだ。

午後は入れ歯を無くしてしまった母を歯科医のところへ連れて行った。

 

かかりつけの歯科医は、娘の小学校時代に一緒にPTA役員だった仲間。

親切丁寧だけれど診察室が2階にあり、足の不自由な母を連れて行くのに難儀。

 

今日はスクリャービンのピアノ曲。

アメリカの女流ピアニスト、ルース・ラレードの録音で米コニサーソサエティへのスクリャービンピアノ全集から。


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・ピアノソナタ第6番 ト長調 Op. 62
・ピアノソナタ第7番 「白ミサ」 Op. 64
・ピアノソナタ第9番 「黒ミサ」 Op. 68
・8つの練習曲 Op. 42

  ルース・ラレード(ピアノ)
  録音 1970年 ニューヨーク、コロンビア大学「セント・ポール・チャペル」

使用ピアノはボールドウィンSD10

手持ちは日本フォノグラムが出したLP3枚組でソナタ全曲といくつかの小曲を集めたもの。

 

悪魔的な妖気漂うスクリャービンの世界。

ラレードは8歳の時にホロヴィッツの弾くスクリャービンを聴いて、ピアニストになることを決心したのだという。

 

暗闇に妖しく揺れる焔のようなスクリャービンの音楽を、着実なテクニックと硬質のタッチで見事に音にして聞かせる。

黒光りするような音色のボールドウィンのピアノ。

 

コニサーソサエティの優秀な録音も良い。

ラレードはこのスクリャービンの成果が認められて、後にCBSに史上初のラフマニノフピアノ曲全集録音を仕上げている。

 

なおルース・ラレードはヴァイオリン奏者ハイメ・ラレードの夫人だったひと。
離婚後もラレードを名乗っていた。

 

Youtubeはラレードの弾くスクリャービン、「2つのポエム」から

 

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2022年5月 7日 (土)

マルケヴィッチのグラナドス

GW最後の週末は爽やかな快晴。

適度な風に適度な気温。

昨晩から再び孫が来ている。

歩き始めて、自分の意志も意味不明の言葉を発しながら動作で示すようになってきた。

 

コロナ感染者は徐々に減少していたけれど、このGWの大移動で再び増加の兆候。

 

ウクライナ情勢も予断を許さず。

コロナ感染拡大という大災厄の中で、世界経済の混乱を招きつつやがて大きな戦争に発展しかねない歴史上の大きな危機。

今日の蒼い空を見上げながら、アラモの砦と化しているマリウポリ製鉄所の暗い地下に避難している市民たちのことを思う。

 

歴史は繰り返す。

 

巨匠マルケヴィッチによるスペインにちなんだ曲を集めたアルバム。
PhilipsのCD。

 

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「スペイン名曲集」

・ボレロ  :ラヴェル
・狂詩曲「スペイン」 :シャブリエ
・スペイン舞曲集 op.37より~第4番、第5番、第8番:グラナドス~ハルフテル編
・歌劇「ゴイェスカス」~間奏曲  
・サパテアード(スペイン民謡による小品集 より) 以上:グラナドス
・カタルーニャ狂詩曲  :アルベニス
・バレエ「恋は魔術師」 :ファリャ

 イーゴル・マルケヴィッチ(指揮)
 スペイン放送交響楽団
 
   録音 1966年、1968年

 

自分が実演を聴いた中で最大の巨匠だったマルケヴィッチ。

各曲は既にLPで架蔵済み。

いずれも何度も聞いている演奏。

グラナドスの舞曲集で相当な音量バランスで鳴り響いているダブルリード族の音のシャワーがかなり強烈だ。

スコアは見ていないけれども、明らかにオーボエとは異なるチャルメラのような音。

これはスペインの伝統的民族楽器「ドサイナ」ではなかろうか。

 

これほど目立つ楽器の用法なのに、この演奏の評論や紹介でこのことに言及した記事をみたことがない。

バスを効かせながら速いテンポで描ききった「ボレロ」や、鮮やかなリズム処理が光るシャブリエなど、いずれもマルケヴィッチならではの切れ味が光る名演だ。

Youtubeはグラナドスのスペイン舞曲、クライスラーによるヴァイオリン版

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2022年5月 6日 (金)

オーマンディの「ラ・ヴァルス」

昨日「こどもの日」の狩野川河川敷からの富士山。


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天気も良く、別の場所では鯉のぼりが泳いでいる。


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鯉のぼりは自分がこどもの頃はよく見かけたけれども、最近は揚げる家はほとんどなくなった。

 

GW後半は久しぶりに晴れたので畑を耕運機で耕したりしていた。


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掘り起こされた地中に潜んでいた虫やミミズを狙って野鳥が1羽下りてきた。

しばらくすると、数が5羽ほどに増えている。

 

4日の午後は、娘たちがそれぞれの夫と一緒に来て我が家に宿泊。

先週結婚式を挙げたばかりの次女夫婦は、来る途中の横浜あたりで渋滞にはまり、カーナビの調子も悪く沼津を通り過ぎて伊豆長岡まで行ってしまった。

 

午後から風が吹く庭でバーベキュー。


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孫も交え家内の実家の義父母も来て賑やかだ。

 

食事がひととおり終わり、若い婿殿二人と杯を酌み交わしながら夜遅くまでいろいろと語り合った。


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将来への夢、そして予測不能な未来への不安など。

 

充実したGWの1日。

 

タワーレコードから出ていたラヴェル管弦楽曲集を聴く。

「名指揮者たちによるラヴェル名演集<タワーレコード限定>」
タワーレコード独自の企画。

 

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・ボレロ
 シャルル・ミュンシュ(指揮)
 ボストン交響楽団
 録音 1956年1月23日

・スペイン狂詩曲
・亡き王女のためのパヴァーヌ*
 フリッツ・ライナー(指揮)
 シカゴ交響楽団
 録音 1956年11月3日、1957年3月5日*

・ 道化師の朝の歌
 ピエール・モントゥー(指揮)
 サンフランシスコ交響楽団
 録音 1947年12月22日

・ラ・ヴァルス
 ユージン・オーマンディ(指揮)
 フィラデルフィア管弦楽団
 録音 1971年9月30日

・ピアノ協奏曲ト長調
 レナード・バーンスタイン(ピアノ&指揮)
 フィルハーモニア管弦楽団
 録音1946年7月1日

 

オーマンディとバーンスタイン以外は既に架蔵済み。

オーマンディの71年録音「ラ・ヴァルス」は初の一般発売だという。

フリッツ・ライナーの「パヴァーヌ」が緻密にしてロマンティックな演奏。

微妙なポルタメントをかけながら甘く歌わせていく後半など、ハードで厳格なイメージのライナーからは想像がつかないほど。

 

オーマンディのラヴェルのCBS時代の録音は以前からの気に入り。

名手揃いの管楽器奏者たちの名技と、カラフルでゴージャスなオケの響きが素晴らしかった。

 

「ラ・ヴァルス」はCBS時代の旧録音も名演だったが、この1971年再録はさらにブラッシュアップ。

豪奢なオケのサウンド。

復帰したばかりのPHILIPSのLHH700で聴くと、艶やかさの中に品格も感じられるのが良い。


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Youtubeはオーマンディのラヴェルから「クープランの墓」

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2022年5月 3日 (火)

ロートルPHILIPSの「LHH700」復帰

本日快晴。
GWも後半となり風は冷たい。
5月初旬らしい爽やかな一日。

本日夕刻の冨士。
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馴染みのオーディオショップに修理に出していたPHILIPSのCDプレーヤーLHH700が返ってきた。

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ちょうど16年前の同じころにトレイが動かなくなって修理に出している。


今回は再びトレイが動かなくなり、右側のチャンネルから音が出なくなってしまった。

LHH700はPHILIPS社創業100年を記念して1991年に発売された。
もう30年が経過して、おそらく多くの電子部品が劣化していると思う。

半ば諦めかけていたけれど修理を終えて使える状態で返ってきた。

もう部品もなく、代替えの部品を使ったとのこと。

オーディオショップのオーナーに感謝してLHH700を持ち上げるとずしりと重い。

創業100周年記念モデルでもあり、かなり贅沢な造り。

採算度外視で当時の技術と物量を惜しげもなく投入したのだと思う。


先日聴いたヘンデルの「メアリー2世のための戴冠ミサ」をかけてみた。
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出てきたのは柔らかで品格のある音。
今のCDプレーヤーとは次元の異なる音だ。

音楽を聴く主流はアナログだけれど、CDについて今は主にSACDも聞けるMaranzの「SA-14S1」を使用している。


LHH700の音の解像度は「SA-14S1」に比べて落ちるけれども、音の風格とふわりとした浮遊感は独特の世界だ。

修理でいろいろリファインされてきたようで、以前よりも奥行きが出てきている。

30年選手のロートルだけれど未だに良い音を聴かせてくれる。

ガンバレ!

このLHH700のリモコンはMaranz「SA-14S1」でも使うことができた。

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2022年5月 2日 (月)

沼響38回定演終わる

曇りのち午後から晴れ。

5月に入ったけれどもここ数日気温が下がり、昨晩はストーヴを炊いたほど。

今朝は町内のゴミ当番。

ご近所の人たちと立ち会っていると、灰色の空からポツリポツリと雨粒が降ってきた。
風も冷たい。


午後から晴れ。


土曜日は沼響の定演本番だった。

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コロナ感染未だ収まらず、感染対策で弦楽器はマスクをしながらの演奏。

・大学祝典序曲         :ブラームス
・ピアノ協奏曲第26番ト長調   :モーツァルト
  超絶技巧練習曲から     :リスト (アンコール)
・交響曲第4番 ホ短調     :ブラームス

  喜古恵理香(指揮)
  岩間優希(ピアノ)
  沼津交響楽団

今回はマチネ。

GPは午前中で13時半開演。

開演前にフルート四重奏と弦楽四重奏によるウエルカムコンサート。

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午前は9時集合で曲順のまま10時に練習開始。

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喜古先生とは2016年のファミリーコンサート以来4回目。

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若いながらも勉強熱心、ぐんぐん力を延ばして今やパーヴォ・ヤルヴィのアシスタントを務めるほど。

沼響をいつまで指導して下さるのだろうか・・・・

・・なんてことを考えていた。

本番当日、この独特のピリリとした緊張感が何とも言えない。


序曲が終わり降り番のコンチェルト。
ソリストの岩間君は東京音大の1年生。


師である海瀬京子さんも東京から来ていて、隣の席で一緒に聴いていた。

日本音コン1位の実績を持つ海瀬さんは、今2校の音大で教鞭を取っている。

今どきの音大生気質など、いろいろと面白い話を伺うことができた。


今回、岩間君は内田光子作のカデンツァを弾いた。

モーツァルトは自らが弾くことを想定して「戴冠式」を作曲したので、この曲のモーツァルト作のカデンツァは存在しない。

第2楽章のピアノパートは右手のみしか作曲していない。

コンチェルトのあとはブラームスの交響曲第4番。

第2楽章を演奏していて、終盤のチェロが第2主題をたっぷり歌う箇所で涙が出そうになってきた。

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いかん!!加齢と共に涙もろくなってきた。

でも・・いい曲だな・・・・

そして午後の本番。


今回はモーツァルト、ブラームスという王道のプログラム。
天気も良かったのでお客さんの入りも上々だった。

沼津市長さんの姿も見える。


いつものことだけれど本番の1日は時間の経つのが速い。


終演は15時半。

コロナ禍のために打ち上げはおこなえず、そのまま流れ解散。


なんか味気ないなぁ。


帰宅途中でスマホが鳴った。

私宛の差し入れが会場に残っているという。
自宅を目前にしてUターン。

オフィスのメンバーからのワインの差し入れだった。

帰宅後ワインの栓を開け家内と飲みました。
ありがとうございました。

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