« フランダース・リコーダーカルテットの「Armonia di Flauti」 | トップページ | ロベルト・ベンツィの三角帽子 »

2022年7月 2日 (土)

ホルダの三角帽子

7月に入り各地で35度を超え。

数日前にクマゼミの鳴き声を聞いたけれど、連日の高温にもかかわらずセミの鳴き声が少ない。

少ないどころか我が家周辺では未だ聞こえてこない。
温度上昇のカーヴが急すぎて地中の蝉の準備が間に合わないのかしらん。

来週には台風が直撃の予報。

県内他市にいる娘と1歳半の孫が帰省。
部屋の中を大声を出しながら歩き回ってにぎやかだ。

 

この暑い夏にスペインの作曲家ファリャを聴く。

曲はバレエ音楽「三角帽子」。

バレエ「三角帽子」は80年代にウィーンでバレエ公演を観ている。

ウィーン国立歌劇場の舞台で指揮はサー・チャールズ・マッケラス。


01_006

 

ピカソの舞台装置と衣装を使った公演だった。

 

正直なところこの時の「三角帽子」の舞台とマッケラスの指揮した音楽の印象はほとんど残っていない。


44e55f26f5eccf813b6e828861ddc3f3f1d34a30

それよりも前プロのチャイコフスキーの弦楽セレナーデが絶美の演奏で、ワルツの蕩けるようなストリングスの響きが未だに強烈に頭の中に残っている。

この時の「三角帽子」の記憶がないのは、このチャイコフスキーのインパクトが強すぎたからだろう。

 

そして「三角帽子」ではもうひとつ強烈な演奏を聴いている。

大指揮者イーゴリ・マルケヴィッチの最後の来日公演となった東京都交響楽団の定期演奏会。

あれは本当に凄かった。

 

じわりじわりと緊張を盛り上げていく終曲、大鷲が翼を広げてはばたくようなマルケヴィッチ独特の指揮は今でもはっきり覚えている。

クライバー、バーンスタイン、カラヤン、チェリビダッケ。

数々の名指揮者の実演を聴いたけれど、マルケヴィッチが最も印象に残っている。

 

 

今日はホルダの演奏。

EVEREST原盤、70年代初頭に日本コロンビアのダイアモンド1000シリーズという千円盤LPシリーズとして出たもの。

 

スペインの指揮者エンリケ・ホルダ(Enrique Jordá, 1911 - 1996)はかつてDECCAからスペインものを中心とした録音が出ていた。

手持ちでは「新世界より」もあるけれど、あまり印象に残っていない。

ホルダのファリャでは「恋は魔術師」の録音もある。

Imgrc0086695824

・バレエ音楽『三角帽子』全曲

 バーバラ・ヒューイット(メゾ・ソプラノ)
 エンリケ・ホルダ(指揮)
 ロンドン交響楽団

 録音:1959年11月
    ロンドン、ウォルサムストウ・アセンブリー・ホール

ホルダといえばサンフランシスコ響の音楽監督時代に、前任の名指揮者モントゥーが築いた黄金時代の水準をガタガタに落としたということがあり、あまり良いイメージはない。

 

この「三角帽子」はホルダの代表的な録音として知られるもの。

当時の評論ではメゾ・ソプラノの野性的な声とホルダの情熱的な指揮が話題になっていたと記憶する。

 

今聴いてみるとメゾ・ソプラノは力が入っているけれども地声というわけでもなく、節度のある歌い方。

このバーバラ・ヒューイットはコヴェントガーデンで歌っていたイギリスの歌手。

 

ホルダの指揮は熱い勢いの中に変幻自在のテンポの変化の妙。

指揮者もオケもノリノリの快演。

 

1959年といえばこの頃のロンドン響は首席指揮者が長い間空席の時期で、アンサンブルの精度が落ちていた。

この録音でのロンドン響のアンサンブルは今の同オケの水準と比べるとずいぶんと粗い。

 

だが、この粗さがなんとなく野性的な雰囲気を出しているとも言えなくもない。

 

この録音は、米EVEREST自慢の35ミリマグネティックフィルムを使用した、驚異的な録音の良さでも評判になったもの。

冒頭のオーレ!の掛け声と手拍子の生々しさはとても60年前の録音とは思えない。

千円盤とはいえオイルショック前の厚めの盤質で安定した再生音。

 

今もSACDで現役の名盤だ。

 

Youtubeはムーティ指揮ウィーンフィルの「三角帽子」

|

« フランダース・リコーダーカルテットの「Armonia di Flauti」 | トップページ | ロベルト・ベンツィの三角帽子 »

音盤視聴記録」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« フランダース・リコーダーカルテットの「Armonia di Flauti」 | トップページ | ロベルト・ベンツィの三角帽子 »