フックスの皇帝レクイエム
本日快晴、朝から暖かな日曜日。
狩野川河川敷からの富士山。
カルガモの鳴く声が聞こえてきた。
近くの小学校のグラウンドでは子供たちがサッカーの練習中。
コロナ禍も3年の時を経てようやく峠を越えた様子。
平和で穏やかな風景。
少しずつ日常が戻りつつあるけれども、この3年間で日本の古くからの慣習やしきたり、ごくあたりまえのようになっていた日常の常識が大きく変わった。
ウィーン・バロックの作曲家ヨハン・ヨーゼフ・フックス(1660-1741)の「皇帝のレクイエム」を聴く。
Arte Novaから出ているCDで「皇帝レクイエム」ほかフックスの様々な作品を集めたもの。
・ 2つのヴァイオリンのための3声のソナタ ニ調 K342
・オルガンのためのシャコンヌ K403/2
・グラーヴェ ~3声のソナタ ニ調 K342より
(2つのトロンボーン、オルガン、ヴィオローネ)
・メディア・ヴィータ・イン・モルテ・スムス(我らは死の只中に生き)
コラール、ダーフィト・グレーゴル・コルナー「カトリック大聖歌集」(ニュルンベルク、1625)のヴァージョンによる
・デ・プロフンディス(深き淵より) K130 モテット
・オルガンのためのアダージョ K400 ~ソナタ第3番より
・レクイエム・エテルナム(永遠の安息を) ~キリエ(主よ憐れみたまえ)
・ディエス・イレ(怒りの日)
・モテット:リベラ・メ(我を解き放ちたまえ) K54
・ラルゴ ~2声のカノンE66より(2つのトロンボーン、オルガン、ヴィオローネ)
・ドミネ・イェズ・クリステ(主イエス・キリストよ)
・サンクトゥス(聖なるかな)
・アダージョ K400 ~ソナタ第3番より(2つのトロンボーン、オルガン、ヴィオローネ)
・アニュス・デイ(神の子羊)/ルクス・エテルナ(永遠の光)/レクイエム・エテルナム(永遠の安息を)
ルネ・クレマンシック(指揮)
クレマンシック・コンソート
ヒロ・クロサキ(コンサート・マスター)
録音:1991年5月 ウィーン
フックスはウィーンのシュテファン大聖堂の第一楽長を経て神聖ローマ帝国の宮廷楽長に就任。以後終生その地位に留まる。
フックスが著した対位法教本「グラドゥス・アド・パルナッスム」はハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンも学んでいる。
この教本は今でも現役。
ちなみにドビュッシーのピアノ組曲「子供の領分」の第一曲「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」は同名のクレメンティが作曲したピアノ練習曲集のパロディ。
このCDには皇帝レクイエムの前に小編成の器楽とオルガンのための作品が配されている。
「皇帝レクイエム」は皇帝レオポルト1世の皇太后エレオノーラの葬儀(1720年)のために作曲された。
深く敬虔な祈りの心が美しいメロディに乗って聞こえてくる。
バロック期の音楽というよりも、時代を先取りした古典的な格調の高さの中にロマンティックさも宿した名品だ。
クレマシック一党の演奏も非常に良い。
Youtubeはフックスの「皇帝レクイエム」
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