« ケネス・ギルバートのラモー | トップページ | レ・ヴァン・ロマンティーク・トウキョウ 管楽器の祭典 »

2022年10月 8日 (土)

ベルリオーズのオペラ「トロイアの人々」

薄曇りの土曜日、あいかわらず気温は低い。

朝は比較的晴れて狩野川河川敷からは富士山が良く見えた。


Img_20221008_075537

先月末に初冠雪を記録したけれどこの2日では積雪がなくて黒っぽい富士山。

 

ベルリオーズのグランド・オペラ、歌劇「トロイアの人々」を通勤の車中で聴いている。

演奏はゲルト・アルブレヒトがウィーン国立歌劇場を振ったライヴ録音。

Gala classicsから出ているCD3枚組。


711

・歌劇「トロイアの人々」

 ゲルト・アルブレヒト (指揮)
 ウィーン国立歌劇場管弦楽団、合唱団

 ギュイ・ショーヴェ(テノール)
 クリスタ・ルードウィッヒ(メゾソプラノ)
 ヘルガ・デルネシュ(メゾソプラノ)
 ウオルフガング・シェーネ(バリトン)
 マルガリータ・リロワ(メゾソプラノ)

    録音 1978年10月17日 ウィーン (ライヴ)

 

このオペラはベルリオーズが作曲を試みた8曲のオペラのうち、現存する3曲の中で最も長大な曲。

全五幕、4時間半になんなんとする巨大オペラ。

編成も大きい。

通常の3管編成のオケにハープ4台(ウイキでは6-8台との記載有り)のほかバンダと呼ばれる別動隊を配置。

このバンダでは3本のトロンボーンのほか各種のサクソルン属が活躍する。

現代の上演ではこれだけの種類のサクソルンを調達するのは難しかろう。

さらにウイキの記事によると、本体とは別に各種打楽器にサンダーマシーン、ハープ2台・・・・本当か?

 

初演は最初の2幕がカットされた状態でおこなわれた。

3年後の全曲初演の際は二日に分けて演奏されたという。

その後演奏される際もいろいろとカットされて上演されていたようだ。

 

全曲譜の出版はベルリオーズ没後100年の1969年。


今では全曲のディスクはいくつかあるしDVDでも複数の上演を視ることができる。

ちなみに全曲の日本初演は2011年。

 

聴いたのはゲルト・アルブレヒトの演奏。ウィーン国立歌劇場でのライヴの記録。

こちらもカット版による演奏。(それでも3時間を超える)

歌手はクリスタ・ルードウィッヒ以下当時のウィーン国立歌劇場のメンバー。

曲そのものにあまりなじみがないので、どの部分がカットされているのかはわからない。

 

この長大な作品の筋をリアルタイムで追う気力もないので、あらすじを理解して車の中でベルリオーズの素晴らしいオーケストレーションと音楽のみを拝聴。

フォルティシモでのベルリオーズ独特の低音の聞いた凄みのある響きが印象的。

 

ここにベルリオーズのエッセンスのすべてがあると思う。

歌手は女声陣、特にルードウィッヒが素晴らしい。

 

アルブレヒトの指揮も各所で山場を作り上げこの長大な作品を飽きさせずに聴かせる見事な手腕。

このような曲を聴くとベルリオーズの頭の中は、常人のスケール感覚の域を超えた巨大なものであったと痛感する。

 

ワーグナーのリングにも匹敵する大作だ。

なお、このCDセットにはボーナストラックとして、この曲最初の全曲録音、1968年録音のサー・コリン・デーヴィスの録音抜粋がおまけとして入っている。

 

Youtubeはベルリオーズの葬送と凱旋の交響曲、ラトル指揮ベルリンフィル管楽器セクション

|

« ケネス・ギルバートのラモー | トップページ | レ・ヴァン・ロマンティーク・トウキョウ 管楽器の祭典 »

音盤視聴記録」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ケネス・ギルバートのラモー | トップページ | レ・ヴァン・ロマンティーク・トウキョウ 管楽器の祭典 »