オボーリン、メモリアルアルバム
勤労感謝の日の今日は一日冷たい雨。
ロシアのピアニスト、レフ・オボーリン(1907―1974)を聴く
手持ちはメロディア原盤新世界レコード社から出ていたLP3枚組。
全てモノラル録音。
・四季 :チャイコフスキー
・ピアノ協奏曲第2番 :ラフマニノフ
・ピアノ協奏曲第1番 :ハチャトウリアン*
・ピアノ三重奏曲第1番 :メンデルスゾーン**
・ピアノ三重奏曲第2番 :メンデルスゾーン**
レフ・オボーリン(ピアノ)
アレキサンドロフ・ガウク(指揮)
アラム・ハチャトウリアン(指揮)*
モスクワ放送交響楽団
ダヴィッド・オイストラフ(ヴァイオリン)**
スヴャストラフ・クヌシェヴィツキー(チェロ)**
ラフマニノフはニコライ・アノーソフ指揮全同盟放送交響楽団による1951年録音のライヴCDもあり、他に来日時の映像がDVDで発売されている。
オボーリンといえばオイストラフと組んだベートーヴェンのヴァイオリンソナタが有名で。伴奏ピアニストとしての印象が強かった。
リヒテルやギレリス以降のロシアのピアニストたちに比べると地味な存在だけれど、1927年第1回ショパン国際ピアノコンクールで第1位。
この時のコンクールではポーランドとソビエト連邦からの参加者が大部分でコンクールは予選と本選のみ。
本選ではショパンのピアノ協奏曲の第二楽章だけという内容だった。
以前聴いた時は録音が鈍く暗くモコモコしていた印象があったけれど、EQをAmerican78にしてみたら思いのほかクリアな音質になって印象は一変した。
オボーリンのことは何度か書いている。
メンデルスゾーンは一部のネット情報では、2曲ともステレオ録音が存在し、第1番はステレオ盤のみでモノラルは存在しないという。
だがこのアルバムを聴く限りでは、第1番も第2番と音の程度は同じ。
2曲ともオリジナルモノラルだと思う。
この3枚組セットの中ではオボーリン自身が初演したハチャトウリアンが秀逸。
厳しく張り詰めた緊張感が全編に漂い、ハチャトウリアン本人の伴奏指揮の雄弁さもあって未だにこの曲の演奏としてトップは硬い。
オボーリンのハチャトウリアンには、ムラヴィンスキー指揮チェコフィルのプラハでのライヴ録音もある。(未聴です)
録音もこのセット中では最も良い。
なおこの曲に指定されている特殊楽器フレクサトーンは使用していないようだ。
youtubeはノルウェーのオケでハチャトウリアンのピアノ協奏曲、18分40秒あたりからフレクサトーンの登場。だけどミュージカルソーとしか見えないんですけど。
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