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2022年12月17日 (土)

早稲田大学交響楽団第211回定期演奏会

曇りのち雨。各地で雪の便りがきかれ本格的な冬の到来。

水曜は母の介護の関係でケアマネージャー、介護施設の担当者その他何人かの人たちと今後の計画についての打ち合わせと情報交換。

 

木曜は東京に行く所用ができたので、ついでにその日の美術館やコンサートスケジュールを探っていた。

 

東京国立博物館の特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」が会期延長になったことを知り、事前予約性ということで申し込もうと思ったら既に予約受付が終了していてがっくり。

 

コンサートは学生オケの早稲田大学交響楽団、いわゆるワセオケの定演がこの日にあることを知った。

場所はミューザ川崎


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コンサートの前に川崎駅近くのSoup Stockで軽い夕食。


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ワセオケは過去2回ほど聴いている。

最初は忘れもしない1981年。

 

この頃の早稲田大学交響楽団は、1979年のベルリン・カラヤン財団主催の第5回国際青少年オーケストラ大会(通称カラヤン・コンクール)優勝の後、ヨーロッパ公演や武満徹作品の初演などで国内外に実力が轟いていた時代。

 

この時はカラヤンコンクールでの優勝曲「春の祭典」を聴いた。

 

ワセオケを聴く数週間前に東京のプロオケで「春の祭典」を聴く機会があったけれど、演奏の感銘度は圧倒的にワセオケが上だった。

 

この時のホルンのトップ奏者のWさんが、数年後の沼響創設時に自分と席を並べその後30年以上も共に沼響でホルンを吹くことになったのも不思議な縁だ。

Wさんは数年前に難病に倒れ今も闘病生活を続けている。

 

 

2回目は小林研一郎指揮の演奏会。

場所ははっきり思い出せないけれどメインはチャイコフスキーの交響曲第4番だったと思う。

 

この時のプログラムにR.シュトラウスの交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」があった。

曲の最初の部分にホルンの有名なソロがあり、この時ホルン奏者が盛大に音を外してしまった。

 

即座にオケを止めた小林氏。

会場がシーンと静まる中で小林氏が客席を振り返り「ホルン奏者にもう一度チャンスを与えてください」というような趣旨の発言をされた。

 

最初からやり直した中でホルン奏者は見事なソロを決め、演奏終了後にそのホルン奏者には盛大な拍手が送られた。

あの状況下で見事に吹ききったホルンの学生さんも素晴らしかったけれど、小林氏の音楽に対する厳しさと同時に氏の学生に対する愛情も感じた瞬間だった。

 

そして今回3度目のワセオケ。


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曲目は

・序曲「レオノーレ」第3番   :ベートーヴェン
・交響詩「死と浄化」      :R.シュトラウス
・交響曲第3番 ハ短調「オルガン付き」: サン・サーンス

 寺岡清高(指揮)
 早稲田大学交響楽団
 
大阪交響楽団常任指揮者寺岡清高はワセオケのOB。

 

 

奇しくも3年前に聴いた東大オケもほぼ同じプログラム。

 

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序曲では冒頭のコードでコントラバスが一瞬早くズンと入る。
これは明らかに意図したもの。

後ろのプルトまでしっかり鳴っている弦楽器群の優秀さが印象に残る。

 

 

次のR.シュトラウスもきっちりとしたアンサンブルで数々の難所も見事に切り抜けていく。

終盤の隠し味的な扱いのタムタムもバランス良く響いていた。

指揮もわかりやすく流れの良い音楽を紡いでいて、安心して聴いていられるのが良い。

 

最後のサン・サーンスも期待通りの出来。

この曲は沼響でも数年前に取り上げたけれど、大ホールに轟く本物のパイプオルガンの音は格別。

 

大地を揺るがすオルガンの響き。

学生たちの熱き心が一丸となって乾坤一擲、壮大なクライマックスを築いていくのがなんとも感動的だ。

 

オケを聴く醍醐味を満喫しました。

 

ありがとうございました。

アンコールは東大オケの時と同じ、歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲をオルガン付きで。

 

川崎に行く前に時間があったので久しぶりにお茶の水ディスクユニオンに寄ってみた。

詳細は次回。

 

Youtubeはワセオケのマーラー、「巨人」

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