ミュンヒンガーのバッハ、音楽のささげもの
しばらく雨が降らず晴れて乾燥した日々。
富士山の雪も風に飛ばされて少ない。
孫たちが帰って寂しくなった。
最近指のあかぎれがひどい。
こんなことは今までなかったけれど、コロナ禍で手指消毒を頻繁に始めてからのような気がする。
絆創膏を巻いたり孫用のベビーロションつけたりして治療中。
独逸の指揮者カール・ミュンヒンガーのバッハ「音楽のささげもの」を聴く。
50年代に自ら組織した室内オケを指揮して数多くのバロック期の録音を残したミュンヒンガー。
今ではほとんど話題になることもないけれどCDは今でも現役。
ミュンヒンガーの「音楽のささげもの」にはDECCAへの3種の録音がある。
・1954年
・1959年
・1976年
あとの2種はステレオ録音、1954年の最初の録音は聴いていない。
手持ちは1959年と1976年の演奏。
いずれもキングレコードの国内盤LP。
この2つを聴いてみた。
「音楽のささげもの」 BWV1079 :J.S.バッハ
・Ricercare A 3
・Canons
1. Canon Perpetuus
2. Canon A 2 Violini In Unisono
3. Canon A 2 Per Motum Contrarium
4. Canon A 2 Per Augmentationem, Contrario Motu
5. Canon A 2 Per Tonos
6. Canon A 2
7. Canon A 2 Quaerendo Inventietis (With Inversion)
8. Canon Perpetuus
9. Canon A 4
10. Fuga Canonica
・Trio-Sonata
・Ricercare A 6
カール・ミュンヒンガー(指揮)
シュトゥットガルト室内管弦楽団
Soloist, Cello – Mischa Frey, Siegfried Barchet
Soloist, Flute – Robert Dohn, Willy Glas
Soloist, Harpsichord – Irmgard Lechner, Martin Galling
Soloist, Oboe, Cor Anglais – Hans-Peter Weber*
Soloist, Viola – Michael Meyer (2)
Soloist, Violin – Georg Baynov
録音 :1976年7月
カール・ミュンヒンガー(指揮)
シュトゥットガルト室内管弦楽団
Soloist, Cello – Siegfried Barchet
Soloist, Flute – Willy Glas
Soloist, Harpsichord – Irmgard Lechner
Soloist, Oboe, Cor Anglais – Hanspeter Weber
Soloist, Viola – Ulrich Strauss
Soloist, Violin – Werner Krotzinger
録音:1959年
ミュンヒンガーは来日するときにバッハを必ず取り上げ、特に「6声のリチェルカーレ」は何度か取り上げたという。
この二つの録音の曲の内容と順番は同じだがソリストの何人かは変わっている。
旧全集では全13曲と数えた場合9番目の6声のリチェルカーレ(新全集では2番目)を最後に配置するなど、ミュンヒンガー独自の配列。
ちなみにカール・リヒターの演奏は旧全集に忠実。
演奏は幾何学的で精密に作曲されたこの曲を純粋に結晶化した形で音化している点で1959年2度目の録音の方が良い。
3度目の録音は1959年の2度目の演奏に比べるとずいぶんと丸く穏やかにった。
ミュンヒンガーの旧録音に聴く我が道を行く的な孤高の厳しさはほとんど感じられない。
ただこれが円熟の結果ではなく、老いによる結果のように感じられてしまうのがミュンヒンガーの限界だと思う。
フルートソロは76年録音の方が良い。
Youtubeはミュンヒンガーのバッハ、「ロ短調ミサ」から終曲
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