マリナーのバッハ、管弦楽組曲
晴れのち曇り。
週の半ばからは寒波到来の予報。
先日立ち寄ったオフィス近くの台湾料理店「萬品香」の台湾葱ラーメン。
先週はいろいろあって仕事は実質2日ほど。
家にいる時間が長くなると自然と灯油の消費が増える。
ガソリンも灯油も高くなって、先月我が家の電気使用料を含む光熱水費は高値を更新。
今月は月半ばを過ぎても音盤を1枚も購入していない。
こんなことは今までなかった。
自分の感性が鈍ったのかもしれないけれど、常連となっているブックオフとハードオフに最近驚くような魅力のある盤は皆無だったし、ネット上でも猛烈に欲しいものは少なくなってきた。
なによりも手持ちが増えすぎた。
全て一度は耳を通してはいるけれど、はたして2度目を聴くことがあるのだろうか。
と悩み始めた今日この頃。
ネヴィル・マリナーのバッハを聴く。
管弦楽組曲から第2番と第3番。
マリナーはバッハの管弦楽組曲全曲を3回録音している。
Argoへの1970年、PHILIPSへの1978年、そしてEMIへの1984年。
手持ちは1回目と3回目の2つの録音。
・組曲 第2番 ロ短調 BWV.1067
・組曲 第3番 ニ長調 BWV.1068
サー・ネヴィル・マリナー(指揮)
アカデミー・セントマーティン・イン・ザ・フィールズ
サーストン・ダート(通奏低音)
ウイリアム・ベネット(フルート)
録音 1970年12月 Studio, St. John's Smith Square,
・組曲 第2番 ロ短調 BWV.1067
・組曲 第3番 ニ長調 BWV.1068
サー・ネヴィル・マリナー(指揮)
アカデミー・セントマーティン・イン・ザ・フィールズ
アラステア・ロス(通奏低音)
ウイリアム・ベネット(フルート)
マイケル・レアード、サイモン・ファーガスン、
ウイリアム・ホートン(トランペット)
録音 1984年11月 Abbey Road Studios
3回の録音ともにフルートソロはウイリアム・ベネット。
ベネットは最初の録音当時ロンドン響の首席フルート奏者
マリナーの録音には非常に多く参加している。
トランペットのマイケル・レアードはフィリップ・ジョーンズ・ブラスアンサンブルのメンバーとしても知られ、ビートルズの録音にも参加している名手。
私が聴いたマリナー指揮アカデミー管弦楽団の来日公演でもトランペットを吹いていた。
管弦楽組曲のバッハの自筆譜は現存しない。
今に伝わるのはバッハのライプツィヒ時代に筆写されたパート譜。
マリナーの第1回目録音は音楽学者サーストン・ダートの参加のもと、ベルリン国立図書館所蔵のバッハとバッハの息子カール・フィリップ・エマヌエル・バッハを含む3人の弟子が書き写したパート譜による演奏。
第3回のEMI録音の第3番はCh.F.ペンツエルがバッハの死後にケーテン時代の譜面から写したとされる譜面も参考にしているようだ。
この2つの版にはいくつかの異動があり、ペンツェルの写本では第3番の有名なアリアをヴァイオリソロで弾かせている。
この2つの録音ともに比較的編成は小さく、鋭角的なアクセントが特徴的。
ある意味古楽器による演奏を先取りしているようにも思える。
EMIへの3回目の録音ではハープシコードとオルガンを使い分け、第3番ではトランペットをあまり目立たせない隠し味的な使い方。
第3番のトランペットとティンパニはオリジナルにはなく後に加えられたとされているので、このような扱いにしたのだと思う。
EMI盤のアリアはヴァイオリンソロ。
演奏は第1回録音が圧倒的に良い。
ダートの生き生きとした躍動感に満ちた通奏低音に導かれ、毅然とした格調の高さが感じられる素晴らしい演奏だった。
同じころ録音されたダートが加わったマリナーのブランデンブルク協奏曲も名演だ。
Youtubeはマリナーのバッハ、カンタータ第208番から「羊は安らかに草を食み」
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