モラルトのワーグナー
3月最初の日曜日。
まさに三寒四温、昨日までは暖かな良い天気だったけれど今朝は冷えた。
午後からは雨。
2番目の孫の初節句で娘たちの家族が泊まりに来ている。
里帰り中の娘と孫に加えて土曜にはその夫、もう一人の娘家族も早い時間に来てくれた。
孫のひな人形に加えて娘たちの頃の7段飾りの人形も出してみた。
フルセットで飾るのは20年ぶり。
毎回組み立てと終わった後の収納には苦労していたけれど。
今回は婿たちが手伝ってくれた。
夜には弟夫婦も来てくれて賑やかな一日。
この日近所の河津櫻が満開だった。
ルドルフ・モラルトのワーグナーを聴く
蘭フィリップス盤LP.
・歌劇「タンホイザー」序曲(ドレスデン版)
・楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕前奏曲
・歌劇「さまよえるオランダ人」序曲
・楽劇「トリスタンとイゾルデ」第1幕前奏曲
ルドルフ・モラルト(指揮)
ウィーン交響楽団
録音:1950年代 後半
モラルト一家は18世紀初頭まで遡る音楽一族。
ルドルフ・モラルト(1902-1958)はミュンヘン生まれ。
地方のオペラハウスを転々としながら着実にキャリアを積み上げていった典型的なドイツの指揮者。
作曲家リヒャルト・シュトラウスの甥で1940年代にウィーン国立歌劇場の首席指揮者。
50代半ばで逝ってしまっているけれど録音は比較的残されている。
ただその内容はほとんどオペラに特化していて、器楽曲ではオペラの序曲集のほかグリュミオーをソリストとしたモーツァルトのヴァイオリン協奏曲などの伴奏録音。
オケはいずれもウィーン交響楽団。
1952年のザルツブルク音楽祭では、急病に倒れたフルトヴェングラーの代役としてモーツァルトのオペラを振っている。
いわば人出が足りないピンチの時にも手際よく無難な結果を残す、職人気質の便利な指揮者といった印象。
残された録音ではワーグナーが多くて、同じウィーン交響楽団を振った「ニーベルングの指輪」全曲という大物録音がある(1949年録音)。
これはヨーロッパにおける初のリング全曲録音。
他には「パルシファル」全曲。
このワーグナーの序曲、前奏曲集はかろうじてステレオ録音に間に合った演奏。
日常のオペラハウスでの序曲の演奏といった趣だけれど、最初の「タンホイザー」序曲が、音の響きやテンポの動きがクナッパーツブッシュがミュンヘンフィルを振った有名なWESTMINSTERへの録音と非常に似ているのには驚いた。
モラルトはバイエルン国立歌劇場時代にクナッパーツブッシュのアシンタントを務めている。
表面をなぞっただけでは、いくら似ていてもクナッパーツブッシュのような巨大な音楽はならない。
このなかでは「さまよえるオランダ人」序曲が無難な出来。
Youtubeはモラルトのブラームス、ハンガリー舞曲第6番
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