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2023年5月に作成された記事

2023年5月29日 (月)

ヘンデルのオペラ「ジュリアス・シーザー」

曇り時々雨。今日から東海地方は梅雨入り。


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先週の土曜日、ポコの散歩の途中で見つけたヒマワリの花。


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そして赤いポピーを鑑賞するポコ

 

今日はハルモニア・ムンディのCDで、ドリュー・ミンターのカウンターテナーでヘンデルのアリア集。


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伴奏はマギーガン指揮のフィルハーモニアバロック。

 

この中の歌劇「ジュリアス・シーザ」からの第1幕のアリア「抜け目のない狩人は」(Va tacito e nascosto)がお気に入り。

この曲はハルモニア・ムンディの宣伝用CDの中に収録されていて、初めてこの曲を聴いたときのバロックホルンの超絶的なソロが忘れられない。


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今ではもっと優れた演奏もあるけれど、気分が落ち込んでいるときには一時期このCDばかり聴いていた。

 

youtubeはDavid DQ Leeの歌うVa tacito e nascosto、ここでのホルンソロは見事です。

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2023年5月28日 (日)

「孤独のグルメ」の原作者久住昌之さんのトークショー、そしてヴォーン・ウイリアムズの室内楽のことなど

5月最後の日曜は薄曇り。

本日狩野川河川敷からの富士山。


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雲の合間に頂上だけ見えた。

天気はゆっくり下り坂。

 

朝、市民文化センターの前を通ったら開館前から長い行列。
最後尾のプラカードを持った女性に尋ねたら、ラブライブサンシャインのライヴがあるという。


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この行列はグッズ販売を待つ人々。

 

昨日は家内とテレビ番組「孤独のグルメ」の原作者久住昌之さんのトークショーに行っていた。


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内容は久住さんが事前に沼津を巡った時に入ったお店の紹介と番組の裏話など。

地域のお店の紹介は、さほど事前準備もせずレンタサイクルでその時に久住さんが食べたい気分になったものが食べられるお店を探して入っていくというパターンらしい。


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多くはいわゆる沼津の有名店ではないのが新鮮。

最初に入ったお店が富士宮焼きそばの店だったのにはびっくり。


会場のお客さんに「この店、ご存じの方いますか?」と久住さんが訪ねても手を挙げたのは2名ほど・・・

そんな調子でカフェや飲食店を回っていく。

 

メニューの字体や店の看板、店内のマネキンの表情など、誰も気にしないような何気ない事柄に面白さを見いだす鋭い観察眼。

久住さんの場合、お店巡りは料理の内容よりも、その店に関わる周辺の人間模様に興味があるようだ。

 

いくつか紹介された沼津の店では松長のカフェ「ばなふりら」と沼津港の「ずう」に行ってみたいと思った。

番組の裏話ではひとつの店の撮影には6時間かけると聞いてビックリ、暖かいものは常に湯気が立った状態が撮影には必須なので、結局同じ料理が何度も必要となり、店主はずっと繰り返し作りっぱなしだという。

俳優の松重さんは必ず完食するとのこと。

これにも驚いた。

 

シーズン10を撮影し終わって一番良かった店として富山の「舞子」が紹介された。

この店の厳選された食材と、手間をかけた手料理の数々の映像を見ているうちに行きたくなった。

最後に久住さん本人のギターとゲストのソプラノサックス奏者による「孤独のグルメ」のテーマ音楽の演奏のおまけつき。

 

帰りにロビーの売店で手羽先焼きを5本購入。

適度な塩加減でうまかった。

 

イギリスの作曲家、ヴォーン・ウイリアムズの室内楽曲を聴く。


NAXOSから出ているCDでピアノ五重奏曲とクラリネット三重奏曲ほか

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・ピアノ五重奏曲ハ短調(1903/1904、1905改編)
・ヴィオラとピアノのためのロマンス(1962、B.ショア&E.グリットン編曲)
・クラリネット、ホルンとピアノ三重奏のための五重奏曲ニ長調(1898)
・イギリス民謡による6つの練習曲(クラリネットとピアノ版)(1926)
  アダージョ(水の上の愛らしさ)
  アンダンテ・ソステヌート(はねつけるポイント)
  ラルゲット(ヴァン・ディーメンズ・ランド)
  レント(彼女は彼女の母からいくらか借金した)
  アンダンテ・トランクィロ(お嬢さんとドラゴン)
  アレグロ・ヴィヴァーチェ(ロンドン橋を歩いたら)

 ロンドン・ソロイスツ・アンサンブル
  ロレーヌ・マッカスラン(ヴァイオリン)
  サラ=ジェーン・ブラッドレイ(ヴィオラ)
  カリーン・ジョージアン(チェロ)
  ジョン・レネハン(ピアノ)
  アンソニー・パイク(クラリネット)
  クリス・ウェスト(コントラバス)
  ティム・ジャクソン(ホルン)

  録音:2013年7月2-4日
   イギリス、西サセックス、コールドウォルサム、
        チャンプ・ヒル・ミュージック・ルーム

 

ピアノ五重奏曲は通常のピアノと弦楽四重奏の編成ではなくて、第2ヴァイオリンの代わりにコントラバスが加わる、いわゆるシューベルトの「鱒」のクインテットと同じ編成の曲。


「ロマンス」は作曲者の死後発見された作品。

クラリネット三重奏曲は珍しい編成で28歳の時の作品。

正直なところヴォーン・ウイリアムズの室内楽曲は、自分にはイギリス民謡を素材とした曲以外は神秘的で茫洋とした捉えどころのないイメージ。

このアルバムでも特にピアノ五重奏曲は聴いていていまひとつ掴めない曲だった。

コントラバスが入るので重厚さもあるけれど、ただ第2楽章は今の季節にふさわしいような新緑の爽やかさのようなものを感じさせる曲だった。

クラリネット三重奏曲はおそらくホルン奏者にとってはバランスのとりにくい曲と想像する。

この演奏はこのところを非常にうまくやっている。

 

Youtubeはヴォーン・ウイリアムズのピアノ五重奏曲

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2023年5月26日 (金)

本日の練習、伊福部昭の「シンフォニア・タプカーラ」

晴のち曇り。5月も終わりに近づいた。

今週半ばから晴れて本日の最高気温は25度。

昨晩遅くに裏山にイノシシが出た。

ガサガサ木々をかき分ける音が聞えたので窓を開けたら気配を察して立ち去った。

 

木曜夜は沼響の練習日。

今回は来年の定演の中プロで演奏する伊福部昭の「シンフォニア・タプカーラ」の初見大会。

 

実は練習予定をちゃんと見ていなくて、てっきり第九だと思っていた。

定演も終わり年末の「第九」を始めているけれど、7回目となると自分としてはなんとなく気分はダレ気味。


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今日は伊福部昭とわかり、久しぶりに新鮮な気持ちで新しい譜面に向かう。

初見大会とはいえ譜面を配られたのが早かったので、何の破綻もなく曲は進んでいく。

管弦楽法の権威なだけにオケが効果的に良く鳴るオーケストレーション。

 

オスティナート、執拗なまでに同じリズムを繰り返す伊福部昭ワールド。

そして後半は「第九」の第四楽章。

 

Youtubeは「シンフォニア・タプカーラ」第3楽章、石井真木指揮新星日本交響楽団

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2023年5月23日 (火)

広上淳一のリヒャルト・シュトラウス

朝から冷たい雨。

昨日までの夏日から一転して今日は3月に逆戻りの気温。

本日朝の気温は10度。

昨日午前中は入れ歯の具合が悪いという母を連れて家の近くの歯科クリニックへ。

ここは初めて行くクリニック。

以前通っていたクリニックは診察室が建物の2階にあり、車椅子の母では階段を上るのが困難になっていた。

そこで人の紹介で家に近い新しいクリニックに変えたもの。

今度は新しい建物で診察室は1階。

駐車場から車椅子で診療室までスムーズに入れるのが良い。

 

診ていただくと入れ歯には問題がないことがわかり、安定剤をいただいたのみ。

歯科医師の先生の説明は実に論理的で明快だった。

 

午後はケアマネージャーさんが来て来月のスケジュールの確認など。

なんとなく疲れが残る今日は冷たい雨降る中での出勤。

 

本日も広上淳一と日本フィルとのライヴ。

リヒャルト・シュトラウスを2曲。


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・「ばらの騎士」組曲
・「町人貴族」組曲*

 広上淳一
 日本フィルハーモニー交響楽団

 録音 2011年7月8日、10月22日* 
    サントリーホール

いずれもR.シュトラウスの舞台作品からの組曲編曲版。

巨大編成の「ばらの騎士」と室内オケ編成の「町人貴族」

「ばらの騎士」の管弦楽組曲は作曲者自身によるいくつかのバージョンがあるけれど、ここで聴けるのはアメリカの指揮者アルトゥール・ロジンスキーの編曲版。
それぞれの曲は続けて演奏される。

「ばらの騎士」は冒頭のホルンやトランペットのハイトーンが頻発する金管必殺の曲。
このあたりを日本フィルは見事に聴かせている。

通常のR.シュトラウス版よりもこのロジンスキー版の方がオケの響きが厚いようだ。

「町人貴族」では室内楽的な繊細さとフランス風の洒落た雰囲気を見事に描き出している。

管楽器のソロも秀逸。

 

広上淳一の「ばらの騎士」組曲については翌年の京都市響とのライヴがCD化されている。

 

Youtubeはカルロス・クライバーの「ばらの騎士」1979年バイエルン国立歌劇場の記録

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2023年5月21日 (日)

瀧川神社、そして広上淳一のメンデルスゾーンとシューベルトのことなど

晴れのち曇り。

幸い6回目ワクチン接種の副反応もなかったので、以前から行ってみたかった三島の瀧川神社に行ってみた。

小さな神社だが創建は三島大社よりも古いという。

 

弘法大師が文字を刻んだ岩もあり、ここは古い時代に修験者たちの禊ぎの場だった。

場所は三島市街地からかなり離れた山奥。

駐車場は2台程度のスペース。

ようやく場所を探り当てると、神社へ降りる県道には県外ナンバーの車が列をなして路上駐車中。


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最近パワースポットとして注目されている場所らしい。


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県道から200メートルほど歩く。


小さな本殿は10年前に賽銭泥棒の放火にあって全焼してしまった。

御本尊は奇跡的に焼け残り、その後伊勢神宮本殿の古い材料によって再建された。


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本殿の横には箱根連山を水源とする清流が流れ、清らかな滝の水が山の中腹から流れ落ちている。


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その場所だけ周りと異なる神秘的な雰囲気が満ちていた。


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参拝客の方々もほとんど無言で神妙な様子。


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身も心も洗われるような落ち着いた気分に導かれる不思議な空間だった。

また来てみよう。

 

日本フィルのライヴCDから日本フィルの芸術顧問の広上淳一若き日の演奏でメンデルズーンとシューベルト。

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・交響曲第3番 イ短調 「スコットランド」:メンデルスゾーン
・交響曲第2番変ロ長調 :シューベルト*

 広上淳一(指揮)
 日本フィルハーモニー交響楽団

  1990年10月5日 1994年7月7日* 
  サントリー・ホール

メンデルスゾーンでは同じ時期に「イタリア」と「宗教改革」の2曲も演奏会で取り上げていてこちらも同シリーズでCD化されている。

昨年12月のブックオフのセールで購入したもの。

 

この時期の広上淳一は1986年のキリル・コンドラシン指揮者コンクールの優勝を皮切りに、ロンドン響やコンセルトヘボウ管、バイエルン放送響などの一流オケとの共演と同時に海外の多くのレーベルから積極的にレコーディングを行っていた。1991年からは日本フィルの正指揮者に就任している。

まさに飛ぶ鳥を落とす勢いの時期のライヴ。

 

明るくヴィヴィッドなメンデルスゾーンとシューベルト。

オケのやる気がストレートに伝わってくる演奏だ。


シューベルトの初期の交響曲がこんなに面白く聴かせる演奏はなかなかないと思う。

第3楽章のメヌエットのチャーミングなこと。

 

Youtubeは広上淳一指揮N響の和田薫「3つの断章」

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2023年5月19日 (金)

本日の練習、第九二日目。唇が腫れて途中リタイヤ

各地で夏日を記録した昨日から一転して今日は雨模様。

G7広島サミットは、ウクライナのゼレンスキー大統領の参加で歴史的なものに。

 

今日は行きつけの内科クリニックでコロナワクチン6回目の接種。

自分の周りではもうワクチンはいいや、という声もあるけれど。

昨年夏の4回目のワクチン接種では猛烈な副反応に苦しんだけれど5回目は熱も出なかった。

 

果たして6回目は・・・


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一昨日昼寝中のポコ。

 

木曜はオケの練習だった。

 

12月の「第九」へ向けて前回の初見大会から今日は各楽章ごとに細かな練習に入る。
ホルンパートではまだ正式なパート決めはまだなので、今は到着順に空いたパートを吹いている。

 

仕事を終えて会場に到着。
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今回はファーストアシスト。

十分なウォーミングアップ無しに高い音を吹いていたら上唇がおかしくなってきた。

 

どうも変だ・・・・

上唇が腫れてきてそのうち高い音が当たらなくなってきた。

マウスピースの中で上唇が肥大しているのを実感。

 

途中から諦めて、練習の後半は冷たいお茶で唇を冷やしながら低い音ばかり吹いていて、これでは練習にならない。

アシストするはずの一番奏者に迷惑をかけてしまった。

 

原因は練習不足にウォーミングアップ不足。

体は正直だ。


若い頃のように無理がきかなくなってきた。

 

Youtubeは第九第3楽章の長大な4番ホルンのホルンソロ。名手ペーター・ダムのホルン

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2023年5月17日 (水)

モッフォのヴォカリーズのことなど

土日の雨から一転、今週は月曜から夏のような良い天気。


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土日は冷えたので富士山は真っ白。

下界は夏のような気温となり本日県内の川根本町では34度超え

自分の画像ではわかりにくいので、知人のブログから借用した本日裾野市からの富士山。


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本日オフで畑の雑草の除去など。

トマトが早くも小さな実を付けていた。

今年はいつもよりも成長が早いようだ。

 

先週、第九初練習の翌日の金曜は、同じ市民文化センターでクラシックレコードコンサートの解説だった。


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場所は第3練習室。
この催しも今年で40年目。


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機材や設備は何度か更新しているけれど、更新されるたびに安いものになってしまっている。

 

最初スピーカーはJBLの4343、プリアンプとパワーアンプはアキュフェーズ。
レコードプレーヤーはトーレンスのTD520にオルトフォンのMCカートリッジMC20だった。

 

ところが今やアンプはテクニクスのAVアンプ。

レコードプレーヤーはテクニクスのSL1200であるもののカートリッジは素性不明。
スピーカーは開館当初のままのJBL。

今回はマイクの具合も悪く、マスクをしながら大声で話したので終わった後にどっと疲れた。

 

内容はことしアニバーサリーとなったパッヘルベル、マスカーニ、ボロディン、ラロ、ラフマニノフの5人の作曲の名曲を取り上げてみた。


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終わった後に最近参加された男性の方が話しかけてきた。

前回聴いたケネディの「四季」に感動したという。


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CDを見つけて買いました。とCD本体を持ってきて私に見せてくれた。

 

嬉しかった。

 

Youtubeはアンナ・モッフォが歌うラフマニノフのヴォカリーズ

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2023年5月14日 (日)

本日の練習、沼津市制100周年記念「第九」公演初練習

5月も半ば、この週末は雨模様。

気温も下がり母の部屋ではストーヴに火を入れた。

先週の木曜はオケ。

定演も終わり気持ちを切り替えて次の沼津市制百周年記念の「第九」へ向けての初練習。

仕事を終えて夕食を摂る時間も無くそのまま市民文化センター小ホールへ。

 

この日の昼食は葉山珈琲のハンバーグプレート。


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沼響で第九を演奏するのは2001年に北原幸男先生の指揮で演奏して以来今回で7回目。

自分としては多少マンネリ気味の感じもあるけれど、今回の使用譜面はペーター・ハウシルト校訂のブライトコップ新版とのこと。

 

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沼響は2001年以来ベーレンライター版を使用している。

自分はまだブライトコップ新版のスコアは入手していない。

 

パート譜を配られて、ベーレンライター版で特徴的だった第4楽章の歓喜の歌が再現する直前の538小節のホルンのタタータターの音型をまず探索してみる。

見るとベーレンライター版とほぼ同じでタイが加えられていた。

やはり聴き慣れたブライトコップ旧版とは異なる形。

もうこの形で定着したとのことだろうか。

 

続いて330小節、合唱とオケのffのvor Gott!の部分。

ブライトコップ新版ではオケ全体がディミヌエンドだった。

ブライトコップ旧版ではこの部分はティンパニのみ空しくディヌエンドしていた。

この部分に関しては自然な形に帰結したということだろう。

 

ちなみにベーレンライター版はディミヌエンドなし。

 

自分としては音盤で聴き慣れているのはブライトコップ旧版。

手持ちの音楽之友社の古いスコアもブライトコップ旧版。

かつて沼響のホームページの聴き比べではこの音友スコアにベーレンライター版のアイディアを赤字で書き込んで聴き比べていた。

 

次の練習の時は、ベーレンライターとブライトコップ新版の両方のパート譜を持参して比べてみよう。

 

Youtubeはクラウス・マケラ指揮オスロフィルの「第九」、ベーレンライター版使用。

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2023年5月10日 (水)

ケンペの「ロマンティック、」1972年ライヴ

本日晴天、日差しは強いけれども冷たい風が吹いていた。
Img_20230509_102219 昨日通勤途中の狩野川河川敷からの富士山。

 

今日もケンペのブルックナーを聴く。

 

1972年の放送用ライヴ録音で20世紀の偉大な指揮者シリーズ2枚組CDに収録。

 

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・交響曲第4番変ホ長調 WAB.104『ロマンティック』
(1878-80年第2稿 ノヴァーク版)
 
 ルドルフ・ケンペ(指揮)
 ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
 
    録音 1972年11月25日  ヘルクレスザール ライヴ

 

ライヴとはいえ聴衆ノイズは聞こえない。放送用の一発取りではなかろうか。

解釈はスタジオ録音とはあまり変わらないけれど、こちらは早いテンポで一気に描き上げた一筆書きの趣。

 

正直なところ最初スタジオ録音を聴いた時にその良さがわからなくて、このライヴを聴いてから再度スタジオ録音を聴きなおしていた。

 

録音はスタジオ録音のような素朴さはなく明解な響き。

ケンペの解釈もわかりやすく浮き彫りにされている。

高度な次元で結晶化したオケの響きにケンペの確信に満ちた音楽運び。

聴いていてただただ圧倒されるばかり。

スタジオ録音を凌ぐ名演だ。

 

Youtubeはケンペのワーグナー、「タンホイザー」序曲終結部

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2023年5月 8日 (月)

ケンペのブルックナー「ロマンティック」

連休後半の天気は下り坂。

能登半島の大きな地震続いて日曜は大雨。


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連休前半のポコの散歩途中の花畑。


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毎年この時期に美しい花を咲かせている場所。


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本日オフで床屋と内科のクリニックついでにワクチンの6回めも予約。

 

 

ブルックナーの「ロマンティック」行脚は続く。

 

今日はルドルフ・ケンペ指揮のミュンヘンフィルの定評ある演奏。


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・交響曲第4番変ホ長調 WAB.104『ロマンティック』

  (1878-80年第2稿 ノヴァーク版)
 
ルドルフ・ケンペ(指揮)
ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
 
 録音:1976年1月18-21日 ミュンヘン、ビュルガーブロイケ

 

手持ちはテイチクレコードが出していた国内盤LP.

国内盤LPは再発のたびにレーベル名が変わっていた。

最初はBASF,ついでACANTA、手持ちはLIBEROになっている。

その都度使用したマスターテープは変わったのだろうか。

 

ケンペの「ロマンティック」にはもう一枚1972年のライヴも正規に発売されていた。

 

燻されたような渋い音はオケの音か録音のためなのかはわからない。

凄みを感じさせるような演奏ではないけれど手慣れた音楽運びと洗練された解釈。

音楽の良さが素直に伝わってくるので聴いていて安心感を覚える。

 

ごく普通の演奏のようでいて、このように自然にオケを鳴らすのがいかに大変かは実際に演奏して痛感している。

第4楽章の息の長いクレシェンドの中でごく自然にテンポを上げていく部分や、第3楽章ではティンパニのトレモロを数小節早めて入れたりと、譜面に忠実であるようでいて随所でさりげない隠し味が光っていた。

ヴァイオリンの美しい絡み合いが対向配置で実に効果的。

 

Youtubeはケンペの「新世界より」

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2023年5月 5日 (金)

ラインスドルフ、ベルリン放送響との「ロマンティック」

GW前半は良い天気に恵まれ、コロナ禍も落ち着いた中で各地の行楽地は大層な賑わい。

昨日は孫を連れて狩野川河川敷で開催中の「こいのぼりフェスティバル」に行っていた。


この時期全国各地で開催されている、家庭で不要になった鯉のぼりを集めて河川の周辺に揚げるイベント。


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行く途中でおにぎり専門店「松風軒」で昼食用のおにぎりを買う。

自分が通勤用に借りている駐車場に車を停めて、途中トイレのために市民文化センターに寄ったら、TV番組「孤独のグルメ」の原作者久住昌之のトークショーのチラシを見た家内が行きたいと言い出したのでチケットセンターに寄ってみる。

どんなことをやるのかセンターの職員に聞いたら事前に沼津のお店を回って、プロジェクターも使いTV番組さながらの紹介をするという。

出店もあるということで買うことにした千円だったし。

 

 

しばらく歩いて狩野川へ。

最近は家庭で大きなこいのぼりを揚げる家はほとんど見かけない。

我が家でも孫に五月人形は買ったけれど、こいのぼりは最初から選択肢はなかった。

 

実際行ってみると最盛期に比べこいのぼりはずいぶんと少ない。
主催者に聴いたら120匹だという。


大勢の人が出ていて移動動物園もあって孫はおおはしゃぎ。


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会場には市長さんも来ていて、先日の定演に来ていただいたお礼を述べているあいだに、孫が愛嬌を振りまいていた。

 

河川敷の芝生の上で皆で昼食。

天気が良く川面を渡る爽やかな風が心地良い。

 

駐車場帰る途中で「冨久家」に寄って銘菓イタリアンロールをゲット。

かつては予約待ちで入手難だったこのロールケーキも買いやすくなった。

とはいえずいぶんと小さくなったな。


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今日もラインスドルフのブルックナー「ロマンティック」。

1975年のライヴで裏青のブートレグ盤。

購入記録は2002年10月。

 

このころ、いろいろな演奏家の怪しげなライヴが裏青のCDや海賊版CDでかなりの数が出た。

ラインスドルフのほかケンペ、クーベリック、テンシュテット、チェリビダッケ、カルロス・クライバーなど。
それなりの金額だったけれど物珍しさもあって相当買い込んでしまった。

今にして思えば最も音盤の購入点数が多かった時期。

その後多くは正規の放送音源からのCDがもっと安い金額で発売されている。


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・交響曲第4番 変ホ長調 :ブルックナー

 エーリッヒ・ラインスドルフ(指揮)
 ベルリン放送交響楽団

 録音 1975年 ライヴ

このCD-Rのオケの表記ではベルリンドイツ交響楽団となっているけれど、1975年の時点ではベルリン放送交響楽団だった。

マゼールがこの年に首席指揮者を辞任し1978年からラインスドルフが就任する。

 

演奏は冷静な音楽運びだったボストン響とのスタジオ録音とは大きく異なり、かなりハイテンションな演奏だった。

テンポはスタジオ録音よりも速い。

オケは存分に鳴り切っているけれど、テンポの変化が大きくて落ち着きを欠く。

スタジオ録音よりも遅かった第2楽章が特に顕著。

驚いたのは第4楽章の最後の2小節でティンパニにホルンの音型を重ねる改変。

まるでショスタコーヴィッチの交響曲第5番の終結部みたいになっていた。

録音はステレオだがFMからのエアチェックのようだ。

 

Youtubeはラインスドルフのリハーサル。曲はシューマンの交響曲第4番

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2023年5月 3日 (水)

ラインスドルフのブルックナー「ロマンティク」再聴

新緑の季節。

家の近くから見たGWの富士山。


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宝永火口がよく見える。

 

娘と孫がやってきている。

家内が孫のために高い肉を買ってきていた。

冷凍の肉を解凍しようとベランダに置いておいたら、大きなカラスが飛んできてつついている。
慌てて取り上げようとしたら、カラスは肉をくわえて飛び立ったものの重すぎて力尽きて肉は落下。

「あ!」

ベチャ!!!

肉は隣家の屋根の上に落ちてカラスは飛び去った。

 

2階の部屋から孫と一緒に屋根の上の肉をむなしくしばらく眺めていた。

するとバサササ!!!

巨大なトンビが一瞬のうちに肉をくわえていった。
その後を猛スピードで追う一匹のカラス。

 

夕食は冷凍唐揚げになりました。

 

今日もブルックナー、この曲を初めて聴いたときのラインスドルフの演奏で聴く。

かつてこのブログでも取り上げているボストン響とのスタジオ録音

70年代初めのRCAグランプリシリーズの廉価盤。

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・交響曲第4番 変ホ長調「ロマンティック」
 
 エーリッヒ・ラインスドルフ(指揮)
 ボストン交響楽団
 ジィムス・スタリアーノ(ホルンソロ)

  録音 1966年11月

購入記録では1973年。ちょうど今から50年前のものだけれど十分に聴ける。

そのころは父が買ったナショナルの真空管ステレオ電蓄で聴いていた。

今はトーレンスのアナログプレーヤーにアキュフェーズのプリアンプ、ウエスタンの300Bの真空管を用いたパワーアンプにスペンドールのスピーカー。
オーディオ環境は比べものにならなくなっている。

 

速いテンポで全体に明るい響き。

クナッパーツブッシュなどの重量級の演奏がブルックナーのイメージを作り上げていた時代からすると真逆のサラリとした響きのスピーディーな演奏。


こんな演奏なので70年代にはこの録音はほとんど評判にならなかった。

 

明晰にして全ての楽器が明快に鳴り響き、ロマンティックに歌わせ方も過不足ない見事な演奏である印象は、最初に聴いた時からと変わりないけれど、実際演奏してから聴き慣れた録音を聴くとまた印象が異なってくる。

以前は淡々として雑念のない無私無欲の境地が感じられる第2楽章が良いと思ったけれど、今は巨大な音響が完璧なバランスで鳴り響いた上に厳しさとロマンティックな歌心が見事に共存した第4楽章に最も感銘を受けた。

ラインスドルフの厳しいトレーニングに鍛えられた当時のボストン響の底力。

ボリュームを上げて聴いたらただただ圧倒されるばかり。

 

冒頭の極端に速いテンポには抵抗を覚える人も多いかもしれないけれど、これは時代を先取りした名演だと思う。

 

Youtubeはラインスドルフ指揮ボストン響のチャイコフスキー、交響曲第5番から第2楽章、ホルンソロはスタリアーノ

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2023年5月 2日 (火)

アーベントロートのブルックナー、「ロマンティック」

5月に入って今日は夏を予見させるような日差しの一日。

職場は今日からクールビズ。

 

早朝にまた停電があり湯沸かし器の電源が落ちていた。

こんなに頻繁に停電になることは今までなかった。

国力の低下に連動するかのようにインフラの劣化も進んでいるようだ。

 

母が日曜から熱を出しているので今日は早退させてもらって昼に帰宅。

今日は落ち着いて微熱程度。

食欲も有りいつもの毒舌も出はじめているので心配ないだろう。

 

母を昼寝させているうちに畑に行き、カボチャとキュウリの葉に小さな虫がつき始めたので防虫ネットを張る作業。

 

定演が終わりなんとなくブルックナーロス状態。

聴いた人の反応ではブルックナーが良かったとのこと。

ということで手持ちの音源を聴いてみたい気持ちになりLP棚を物色。

手持ちの音源はLP,CD併せて70種ほど。

しばらくご無沙汰だったアーベントロートの演奏を聴いていみた。

 

1949年の記録でおそらく放送録音。


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・交響曲第4番 変ホ長調

 ヘルマン・アーベントロート(指揮)
 ライプツィヒ放送交響楽団

  録音 1949年11月16日

 

手持ちはLPとCDがあり両方とも徳間音工から出ていたもの。
LPで聴いた。

かつて聴いているはずだけど印象は残っていない。

なんとなくかなりデフォルメされたブルックナーを想像していたけれどさにあらず。

淡々と進める中で、しっかり足を着けたどしりとした風格の感じられる演奏だった。

 

悠然としたテンポから始まり大きく歌わせながら、強奏部分へ向けてスルスルとテンポを上げていくパターンの繰り返しだけれど、嫌みに感じられないのが巨匠の芸なのだろう。

第2楽章では中間部あたりから止まりそうなテンポになって音楽は深く沈潜していく。

意外だったのは、同世代のクナッパーツブッシュやフルトヴェングラーたちが改訂版で演奏しているのに、アーベントロートはハース版を使用している。

 

Youtubeはギュンター・ヴァント指揮の「ロマンティック」

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