バレンボイムのモーツァルト、ピアノ協奏曲旧全集から
今日も晴れた。
土曜の朝、狩野川河川敷からの富士山。
もうすっかり夏の富士。
堤防上には、ジョギングをする人々、そして部活へ急ぐ高校生たち。
そして夕方同じ場所からの富士。
雲は消えたけれど水滴と塵で霞んで見えた。
昨年ハードオフに使わなくなったAVアンプを売却に行った時、ふと足元を見ると台車に乗った木製のCDケース。
中身は東芝EMIから出ていた「新名曲の世界」CD全100枚。
半分ほどが未開封でびっしり入っていた。
このシリーズのCDは、ブックオフやハードオフの100円均一ジャンクコーナーの常連。
この種のCDは100円でも買うことはないけれど、立派な木製ケースが気になった。
なぜか音楽之友社が出したコミック版「音楽事典」も一緒に付いている。
CDは欠番ありとの表示があるもののざっと90枚以上はありそうだ。
これで税込み3300円。
うーむ、結局迷った末に買ってしまった。
これでAVアンプ売却分の3200円は帳消しとなり赤字100円。
持ち帰ったケースは他のCDを収納。
「新名曲の世界」のCDはほとんど未開封だった。
手持ちの音源とLPで盛大にダブるので、だぶったものは弟に譲った。
この中からダニエル・バレンボイムのピアノと指揮で、モーツァルトのピアノ協奏曲2曲を聴く。
・ピアノ協奏曲第20番ニ短調
・ピアノ協奏曲第26番ニ長調『戴冠式』*
ダニエル・バレンボイム(指揮とピアノ)
イギリス室内管弦楽団
録音 1967年1月、1974年*
バレンボイムの2つあるモーツァルトのピアノ協奏曲全集録音の最初のもの。
再録音はベルリンフィルをやはり弾き振りで残している。
ソロとオーケストラの扱いや転調など、新しい手法で作曲された第20番以降の曲は傑作揃いとされているが、当時の聴衆にその斬新さが理解されずモーツァルトの評判は下がる一方だった。
経済的にも困窮の度合いを深めていたモーツァルトが、一発逆転ホームランを狙って作曲したのが「戴冠式」。
わかりやすい旋律にシンプルな手法、トランペットとティンパニを作曲の途中で加えることを思いつき華麗な効果を狙うことも忘れてはいない。
結局「戴冠式」は表題があるために有名だけれど、当時の大衆の好みとレベルに合わせた上に独奏ピアノ部分の多くに他人の手が入っていることもあり、第20番以降の他のモーツァルトのピアノ協奏曲に比べて作曲者の霊感は薄い。
このバレンボイムの演奏では、全集の最初のころの録音である第20番を面白く聴いた。
1974年録音の「戴冠式」あたりになると全集録音も終わりに近づき、最初の頃の過激なまでの表現は薄れて穏健な演奏になっていったように思う。
この2曲、いずれもカデンツァはモーツァルト作のものはなく、第20番についてはベートーヴェンとブラームスのものが良く知られている。
自分が聴く限りではベートーヴェン作を使用するピアニストが多いように思う。
第20番のカデンツァについては、バレンボイムは第1楽章にベートーヴェン作に名ピアニスト、エドウィン・フィッシャーが手を加えたものを使用。
第3楽章はバレンボイム自作のカデンツァ、これがかなり自由奔放で面白い。
そのうえ第3楽章のホルンに加筆もあり、ロマンティックな中にも過激な推進力も感じさせる演奏となっている。
「戴冠式」のカデンツァはワンダ・ランドフスカ作を使用していた。
Youtubeはバレンボイムの弾くモーツァルト。ピアノソナタ第16番
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