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2023年8月22日 (火)

ジャコテのバッハを聴く

生命の危険を感じるほどの連日の猛暑。

この暑さでは日中に畑に出る気力もなく、畑の雑草は伸び放題。

最近では雑草をかき分けてオクラや茄子を採るようになってしまった。


ミニトマトは実が割れはじめてもう終わりが見えてきた。


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カボチャは順調。

夏野菜ももう終わりかな。

 

スイスの女流鍵盤奏者クリスティアーネ・ジャコテのバッハ。

VOXから出ていたチェンバロ協奏曲全集のCD3枚組を通勤途中の車中で聴いている。

 

バッハのチェンバロ協奏曲のうち断片しか残されていないBWV1059を除くほぼ全曲に加えフルート、ヴァイオリン、チェンバロのための協奏曲イ短調BWV.1044を収録。
これが非常に見事な演奏だ。

バッハのチェンバロ協奏曲の大部分は他の編成の協奏曲からの編曲。

オリジナルのチェンバロ協奏曲は2台のための協奏曲第2番のみで、4台のチェンバロのための曲はヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲集「調和の霊感」からの編曲。

 

多くの紛失してしまった協奏曲は現在ではこのチェンバロ協奏曲をベースに復元されている。


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・チェンバロ協奏曲第1番 ニ短調 BWV 1052
   =ヴァイオリン協奏曲 ニ短調から(紛失)
・チェンバロ協奏曲第2番 ホ長調 BWV 1053
   =オーボエ協奏曲 ヘ長調から(紛失)
・チェンバロ協奏曲第3番 ニ長調 BWV 1054
   =ヴァイオリン協奏曲第2番 ホ長調 BWV1042
・チェンバロ協奏曲第4番 イ長調 BWV 1055
   =オーボエ・ダモーレ協奏曲 イ長調(紛失)
・チェンバロ協奏曲第5番 ヘ短調 BWV 1056
   =ヴァイオリン協奏曲 ト短調(紛失)
・チェンバロ協奏曲第6番 ヘ長調 BWV 1057
   =ブランデンブルク協奏曲第4番 ト長調 BWV1049
・チェンバロ協奏曲第7番 ト短調 BWV 1058
   =ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 BWV1041
・2台のチェンバロのための協奏曲第1番 ハ短調 BWV 1060
   =オーボエ、ヴァイオリン、弦楽と通奏低音のための協奏曲 ハ短調(紛失)
・2台のチェンバロのための協奏曲第2番 ハ長調 BWV 1061
   
・2台のチェンバロのための協奏曲第3番 ハ短調 BWV 1062
   =2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調BWV.1043
・3台のチェンバロのための協奏曲第1番 ニ短調 BWV 1063
   =ヴァイオリン、フルート、オーボエと弦楽と通奏低音のための協奏曲(紛失)
・3台のチェンバロのための協奏曲第2番 ハ長調 BWV 1064
   =3つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ長調(紛失)
・4台のチェンバロのための協奏曲  ニ短調 BWV 1065
  =協奏曲集「調和の霊感」第10番(ヴィヴァルディ作曲)

・フルート、ヴァイオリン、チェンバロのための協奏曲イ短調BWV.1044

 クリスティアーネ・ジャコテ(チェンバロ)
 クリスティーネ・サルトレッティ(第2チェンバロ)
 ニコル・ホステットラー(第3チェンバロ)
 レオノーレ・クリンケルフス(第4チェンバロ)
 ギュンター・ヘラー(フルート)
 ウルリヒ・ティーメ(リコーダー=ヴァイオリンパートを演奏)
  
  イェルク・フェルバー(指揮)
  ヴュルテンベルク室内管弦楽団

  録音 1978年

 

第4番はオリジナルとされる復元されたオーボエ・ダモーレ協奏曲の方が演奏頻度は高いかもしれない。

第6番はブランデンブルク協奏曲第4番のヴァイオリンソロパートをチェンバロに移した曲だけれど、リコーダーパートはそのまま残してあるのでちょい聞きにはあまり区別がつかない。

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ジャコテのバッハはCDが出始めた90年代の初めころに、駅売りのワゴンCDの中でよく見かけた。
トッカータ集や平均律クラヴィーア曲集、フランス組曲その他。

 

ジャコテはカール・シューリヒトの生涯最後のスタジオ録音となったブランデンブルク協奏曲全曲でもチェンバロを弾いていて、この時の見事な演奏が非常に印象に残っていたがジャコテのような超一流の演奏家が、安売りCDの無名演奏家たちの中に混在しているのが不思議に思いながら買いあさったのを思い出す。

 

その頃のメジャーレーベルのCDの価格は概ね3,000円前後。
輸入盤でもかなりの値段で、そのような中でジャコテのCDは千円前後で売られていた。

 

贖ったバッハの全てに共感したわけではないけれど、どの演奏もバッハに真摯に向き合い、力強くも確かなテクニックで格調高く歌い上げていたのが印象に残っている。

 

そしてこのチェンバロ協奏曲集。

シューリヒトのブランデンブルク協奏曲全曲にも劣らぬほどの感銘を受けた。

 

ジャコテは単独のソロよりもコンチェルトや他のソリストとの共演に本領を発揮するタイプなのかもしれない。


グリュミヨーとのバッハのヴァイオリンソナタ集やオーボエのハインツ・ホリガーとの一連のアンサンブル録音など、いずれも他のソリストの個性を引き立てながらも自己主張も感じられる見事な演奏を聴かせてくれている。

 

ヴルテンブルクのオケの伴奏にも不満はない。


ただしこのVOXのCDは演奏はもっと録音が良いはずで、カーステレオさはさほど気にならなかったけれども家のスピーカーで聞いたら音が細く感じられた。
これはオリジナルのLPで聴いてみたいもの。

 

Youtubeはバッハのトリオソナタ、ホリガー、ジャコテほか

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