ヴァルハルのヘンデル、合奏協奏曲集から
8月も最後の週。
夜には多少の冷気を感じるようになった。
玄関先に小さなコオロギの幼虫。
今朝の狩野川河川敷からの夏の富士。
どこからかフルートの音(ね)が流れている。
見ると橋のたもとで二人の少女がフルートとクラリネットを吹いていた。
ボフダン・ヴァルハルのヘンデル。
ヴァルハルとスロヴァキア室内管弦楽団は来日したこともあり、かつてはLPも何枚か出ていた。
しばらく消息不明だったけれども、CD時代に入りNAXOSの初期にスロヴァキアフィルのメンバーによるカペラ・イストロポリターナという団体を指揮したヴァルハルの名を見かけるようになった。
NAXOSが今のように認知される以前で、なんとなくマイナーレーベルに都落ちしたような印象を持ったりしていた。
聴いたのはOPUS原盤の日本ビクター盤LP.
ヘンデル:12の合奏協奏曲 Op.6から
ボフダン・ヴァルハル(第1ヴァイオリン、指揮)
ペテル・ハマル(第2ヴァイオリン)
ユライ・アレクサンデル(チェロ)
スロヴァキア室内管弦楽団
録音:1973年1-4月 フロホヴェツ
スロヴァキア室内管はスロヴァキアフィルのコンマスだったヴァルハルによって1960年創設。
メンバーは1983年創設のカペラ・イストロポリターナと同じスロヴァキアフィルの選抜メンバー。
この二つの団体は同じスロヴァキアフィル素性だけれどスロヴァキア室内管弦楽団は1966年にスロヴァキアフィルから独立。
カペラ・イストロポリターナのNAXOS録音と比べるとアンサンブルはこちらが上だ。
いわゆるモダン楽器による演奏だけれど、緊張感に満ち切れ味鋭い緻密なアンサンブルでひたすら突き進むヘンデル。
引き締まった響きに 、冬の日に峻厳たる高峰を仰ぎ見るような冷気を感じさせる。
厳しくも格調高い名演。
この水準を持続させるのは相当厳しい訓練が必要だと想像する。
ヴァルハルが去ったあとの今のスロヴァキア室内管にはこの時ほどの力はない。
Youtubeはヴァルハル指揮スロヴァキア室内管のトレルリ、2つのヴァイオリンのための協奏曲
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