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2023年9月に作成された記事

2023年9月30日 (土)

武満徹、レクイエム

金木犀の香り流れる九月最終日の午後。


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今日も暑くなって30度越え。

ポコは木陰でお昼寝。


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築90年の陋屋の破れた網戸を張り替えていたら、建て付けが悪くなっていて網戸がはまらなくなってしまった。

夕方は畑でブロッコリーの苗を植えたりしていた。

オクラはあいかわらず日産10本ペース。

ナスは先が見えてきた。

 

武満徹の追悼盤「レクイエム」を聴く。

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1.エア(フルートのための 1995年)
2.系図ー若い人たちのための音楽詩ー(語りとオーケストラのための 1992年)
3.エクリプス「蝕」(琵琶と尺八のための 1966年)
4.ノヴェンバー・ステップス(琵琶・尺八とオーケストラのための 1967年)
5.弦楽のためのレクイエム(弦楽オーケストラのための 1957年)

 

 小澤征爾指揮
 サイトウ・キネン・オーケストラ
 オレル・ニコレ(フルート)
 鶴田錦史(琵琶)横山勝也(尺八)
 遠藤凪子(語り)
 御喜美江(アコーディオン)

  録音 1.1996年4月  2.1995年9月  3.1990年8月
     4.1989年9月  5.1991年9月

 

1996年2月に死去した武満徹の追悼盤。

既存の録音に加えて「エア」と「系図」を加えたアルバム

ニコレのために書かれた「エア」は、武満徹の完成された最後の作品で遺作となった曲。

 

初期の出世作「弦楽のためのレクイエム」から遺作となった「エア」まで、武満徹の曲を聴くとどの曲も澄み切った大気の中に身を置くような静けさと落ち着きを感じることができる。

 

武満徹の音楽を初めて聴いたのは中学生の時。

曲は「ノヴェンバー・ステップス」で確か小澤征爾指揮のレコ―ドだったと思う。

クラシック音楽を聴き始めた頃だったけれど、何が良いのかさっぱりわからなかった。

 

今聴いてみると自然に自分の中に入ってくる。


いわゆる西洋音楽の音階を超越したような独特の音。

武満徹の頭の中にはきっと普通の人が感じ取れないような、次元の異なった音が鳴っていたのだと思う。

 

それでいて難解さは感じらない。

「系図」では武満徹がたくさん書いた映画音楽にも通じるような、どこかほのぼのとした響きが鳴っている。

 

このアルバムには武満徹のエッセンスが凝縮されている。

 

Youtubeは武満徹の映画音楽、黒澤明監督の「どですかでん」

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2023年9月27日 (水)

ツィピーヌのフロラン・シュミット

朝夕は涼しく日中の暑さは変わらず。

裏山のツクツクホウシの声は次第に遠くなり、入れ替わるように夜になると雄鹿の求愛の鳴き声。

今年は特にうるさい。

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窓の外には大きなヤモリの姿。

 

昨日は仕事、通勤時に狩野川河川敷からの富士山。


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東京から来客あり。

セミリタイアの見ながら今回はセクショントップから対応を任されていた。


熱心な方で意気投合して3時間以上話し込んでいた。

 

昨晩は油断して窓を開けて寝たら足が冷えて左足がこむら返り。

時計を見たら午前4時。

枕元に置いてある芍薬甘草湯を含みながらじっと痛みに耐える。

以前は痛む場所がふくらはぎだったのが最近は足の甲。

マッサージをしてもなかなか収まらない。

「うぅ・・・」

近くにあったホッカイロをあててみる。

なかなか暖まらない。
パッケージを見たら有効期限が3年前。

「うぅぅぅ・・・」

そのうち痛みが和らぎ寝入ってしまった。

 

本日午前中は文化センターに行き、金曜のクラシックレコードコンサート当日の資料を渡す。

申し込みは上々、定員50名のほぼ満席近く。

 

この4月から変わったセンターの管理責任者としばしの雑談。

文化センターもいよいよ大規模改修に入るようだ。

ついでに今の施設の使いにくい箇所やいくつかの改善希望を伝えておいた。

 

どこまで反映されるかはわからないけれど熱心に耳を傾けてはくれた。

 

フランス近代の作曲家、フロラン・シュミットの宗教曲、詩編47番を聴く。

フランスの指揮者ツィピーヌ以下往年のフランス人音楽家たちによるモノラル録音。

手持ちは仏コロンビアのLP.

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詩編47番

  ジョルジュ・ツィピーヌ(指揮)
  パリ音楽院管弦楽団、
  エリザベート・ブラッスール合唱団
  ドゥニーズ・デュヴァル(ソプラノ)
  モーリス・デュリュフレ(オルガン)

    録音:1952年

この曲はマルティノンの演奏を架蔵済み。

マルティノンの演奏は幾分清潔感のあるものだったけれど、このツィピーヌ盤は雑然とした混沌さを感じさせるのが特徴。

力強くやる気一杯の合唱からは強烈なエネルギーが放射されている。

幾分粗っぽさはあるけれど、これはこれでマルティノン盤と双璧の演奏だ。

 

Youtubeはフロラン・シュミットの「デユオニソスの祭り」、フランスのトゥルーズウインドオーケストラ

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2023年9月24日 (日)

コンセルトヘボウのオルガン奏者、ピエト・ファン・エグモンドのバッハ

暑さ寒さも彼岸まで。

金曜の雨を境にして流れる空気の色が変わった。

日中は30度近くだけれど、朝夕は涼しく窓を開けて寝ていたら明け方寒くて目が覚めた。

 

お彼岸の墓参りのために帰省していた娘と孫は昼前には帰っていった。

 

オランダのオルガニスト、ピエト・ヴァン・エグモンド(Egmond, Pieter van  1912-1982)のバッハを聴く。

 

手持ちは独EMIのLPで最寄りのハードオフの100円均一ジャンクコーナーからの救出品


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・トッカータとフーガニ短調 BWV 365
・「目覚めよと呼ぶ声あり」BWV645
・「われ汝に呼ばわる、主イエス・キリストよ」 BWV 639
・「イエス、わが喜び」 BWV 610
・前奏曲とフーガ ホ短調 BWV 533
・幻想曲とフーガ ト短調 BWV542『大フーガ』
・トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調 BWV 564

 ピエト・ヴァン・エグモンド(オルガン)

オルガン
  Grote of St. Bavokerk te Haarlem 

       (クリスチャン・ミューラー 1738年製)
  Onze Lieve Vrouwekerk, Dordrecht 

       (ウィレム・ヘンドリック・カム1859年製)
  Sint-Michaëlskerk In Zwolle 

       (アルプ・シュニットガー 1718-1721年製)

 

エグモンドは未知の演奏家だった。


100円だし状態も良い独盤だったので迷わず購入。

 

聴いてみたらこれは驚きの名演。

最初のトッカータとフーガニ短調を聴いてすぐに、これは相当な手練れの名手であることを直感した。

 

長い経験に裏打ちされた多彩なレジストレーションからの深い音。

敬虔な祈りに満ちたコラール前奏曲の数々がなんとも感動的に響くことよ。

 

オランダに残るシュニットガー他の名オルガンの音も美しい。

 

バッハのオルガン曲の演奏では古くはヴァルヒャやクラフト、リヒターから現代まで、定評ある名演は数多あるけれど、このエグモンドの名が紹介されたことを見たことがない。

 

エグモンドについてネットでいろいろと調べてみる。

かなり詳しいサイトがあり、そしてエグモンドの名を冠した財団もあることを知った。

指揮者としても活動し、ディスコグラフィーには2つの「マタイ受難曲」の全曲録音もある。

 

さらに調べると驚きの事実が・・・。

 

エグモンドは1933年からアムステルダムのコンセルトヘボウの専属オルガニストだった。

そしてコンセルトヘボウの恒例行事である棕櫚の日の「マタイ受難曲」演奏で、メンゲルベルクの下でオルガンを弾いていたのがエグモンドだったのだ。

メンゲルベルクの「マタイ受難曲」は、この曲の演奏が紹介されるときに外すことのできない歴史的名演で、聴衆のすすり泣きの声が聞こえることでも有名。

 

 

エグモンドの演奏を聴き終わった後、思わずため息が・・・・

 

最初からもう一度聴きなおすことにした。

 

エグモンドの「マタイ受難曲」も聴きたくなった。

 

Youtubeはアマチュアの合唱団を指導するエグモンドの姿、曲はバッハの「マタイ受難曲」

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2023年9月23日 (土)

本日の練習、「第九」をホルン一人の孤独

金曜夜から雨。今日も朝から降ったりやんだり。

涼しい朝、このまま秋らしい天気になればよいな。

 

大相撲秋場所で静岡県出身の熱海富士と翠富士が活躍中。

2人とも沼津の同じ高校を出ている。

熱海富士は後半戦で上位と当たる苦しい展開ながら、今日も勝って単独首位を驀進中。
明日も勝ってそのまま優勝を狙って欲しいもの。

 

今日の昼間は仕事になって夜は変則的にオケの練習。

夕食も摂らずにそのまま市民文化センター大ホールへ。

 

曲は「第九」で指揮は喜古先生の後輩の西口彰浩先生。


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今回、ホルンパートは自分以外皆欠席。

急な仕事や急な不幸、さらに別の団体の本番と重なったとのこと。

「第九」を一人ではさすがにキツイ。

第4楽章では完全にバテて後半はほとんどサボってしまった。

 

Youtubeはネルソンスの第九

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2023年9月20日 (水)

メンゲルベルクのドイツレクイエム

彼岸の入り。


朝夕は多少過ごしやすくなってきた。


連休も終わり娘と孫は帰っていった。


今日は朝にお寺に行きお布施の付け届け。


そしてお墓の掃除に香花を供える。


この時期に見かける墓地の入り口のヒガンバナは咲いていない。



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画像は4年前のもの。


 


月曜に沼津御用邸記念公園そばにパキスタン家具の店ができたというので行ってみた。


自宅から車で10分弱の至近距離。



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定休日だったけれど幸い店主さんがいてお店の中に入れてくれた。


店内は珍しいパキスタンの家具や民具でいっぱい。



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どれも手作りで素朴な味。


家内はお盆、自分は小さなお猪口のような陶器を買った。


 


孫が売り物でないトウクトウクのオモチャを見つけ、欲しがって大泣き。



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今日はメンゲルベルクのドイツレクイエム。


手持ちは国内盤の2枚組LPで4面に「マタイ受難曲」抜粋が入っている。


 


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・ドイツレクイエム Op. 45


 ジョー・ヴィンセント(ソプラノ)
 マックス・クロース(バリトン)
 ウィレム・メンゲルベルク(指揮)
 アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
 アムステルダム・トーンクンスト合唱団


    録音:1940年11月7日 アムステルダム ライヴ


 


古い放送用ライヴ。


極端なまでのテンポの変化とこってりロマンティックに歌い上げる濃厚な演奏。


あまりにも個性が強すぎて、全く別世界のものを見るような錯覚に陥るほど。


 


メンゲルベルクの演奏でもこれほど時代の隔たりを感じさせる演奏はなかった。


 


併録されている「マタイ受難曲」になってほっとさせられた。


こちらは時代を超越した名演。


 


ドイツレクイエムの録音はライヴとはいえかなり苦しい音。


 


Youtubeはマーラーの親しい友人で自作の演奏者として最も信頼していたメンゲルベルクのマーラー、交響曲第5番からアダージェット


 

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2023年9月18日 (月)

お茶の水ディスクユニオンにて、ルチア・ポップにトスカニーニ、アルヘンタ

彼岸の入りも近いのに連日の真夏日。


いつもならば今頃は彼岸花が咲き始めている時期、今年はその気配もない。

この連休は孫と娘が一時帰省。


2才になる孫はトンネルと服に付いているタグが好き。


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日曜は家の近くの沼津アルプストンネルまで孫を歩いて連れて行った。

帰りにだっこをせがまれ孫を抱きながら炎天下を1キロ近く歩くことに。

幼な子は体温が高くあたかもホッカイロを抱いているかのよう。

 

先日の東京行ではテート美術館展と日本フィルのコンサートの合間に、お茶の水ディスクユニオンに行き持参したCD10数点を引き取ってもらった。

主にダブリ買いやカップリング違いながら同じ音源がすでにあるものなど。
一部は未開封CD。

結局査定額は50円~300円。

衰退期に入っているCDなのでこんなものだろう。

それでも交通費の半分ほどは浮いた。

 

行きがけの駄賃で店内のいくつかのレコード棚を覗いてみる。

300円や500円以下のLPコーナーの中身はありきたりの国内盤はほとんど姿を消し、聴いたことのないような東欧ロシア、アメリカなどの超マイナーな作曲家や、ステレオ盤とモノラル盤が同時に販売されていた時期のモノラル盤など。

 

特殊なマニア以外は手を出さないようなとても売れそうもないようなものばかり。

こんな中でも目をこらして餌箱をパタパタと漁る自分。

 

今回は自制?して9点ほど。


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名チェリスト、フルニエが加わった管弦楽小品集、独コンサートホール盤。

サン・サーンスの白鳥その他。
これはステレオ録音もあるけれどモノラルバージョンの盤。

フルニエが弾いているのは5曲ほどで他はオケのみ。


伴奏はオーベルソン指揮のコンセール・ド・パリ。

 


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ハンス・マリア・クナイスのブロックフレーテでヘンデルの作品1のソナタ集。
独Impression盤

以上300円。

 

 

ノイマンがブルノ国立フィルを振ったルーセル。


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交響曲第3番と「バッカスとアリアーヌ」第2組曲のSUPRAPHON原盤のETERNA盤。

 

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若き日のルチア・ポップが歌うドヴォルザーク、コダーイ、ヤナーチェクなどの歌曲集

独ACANTA盤。

 

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アルヘンタ指揮スペイン国立菅のアルフテルのシンフォニエッタ。
スペインZacosa盤

これは何度も見かけながらスルーしていたもの。

 

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トスカニーニ指揮NBC響によるカリンニコフの交響曲第1番。

英dellArte盤

 

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シュターミッツの管楽器と弦楽のための四重奏曲集。

スランス弦楽三重奏団とフルートのランパル、オーボエのピエルロ、ホルンのクールシェなどフランス系の管楽器の名手を集めた独Christophorus盤。

これはかつて日本コロンビアから廉価盤で出ていた。

 

 

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ミュンヘン狩猟ホルンアンサンブルによる狩猟ホルン曲集。ORFEO盤。

 

 

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キャサリーン・フェリアーの歌うブラームス。
サージェントによる伴奏オケ版による「四つの厳粛な歌」にバッハのアリア集、英DECCA盤。

 

断捨離の道はいまだ遠し。

 

Youtubeはルチア・ポップの歌うドヴォルザーク、オペラ「ルサルカ」から”月に寄せる歌”

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2023年9月15日 (金)

ツアハリアスのモーツァルト、ピアノソ曲集曲集

晴れ夕方から雷雨。

東京以北ではまとまった雨が降ったらしい。


NHK7時のトップニュースは東海道新幹線が止まって混雑中のプラットホーム。


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午前中に畑の草刈りをしていたら雑草に隠れていたカボチャがゴロゴロと出てきた。

 

インド生まれのドイツ人ピアニスト、クリスティアン・ツァハリアスのモーツァルト、ピアノソナタを聴く。

80年代に録音したピアノソナタ全集からの3曲。


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・ピアノソナタ第5番ト長調 K.283
・ピアノソナタ第8番イ短調 K.310
・ピアノソナタ第11番イ長調 K.331『トルコ行進曲付き』

 クリスティアン・ツァハリアス(ピアノ)

  録音 1984~85年

 

カチリとした粒立ちのはっきりとした音、いくぶんスクエアに感じるほど硬派のモーツァルト。

この調子でソナタ全集を聴くと疲れるな・・・

 

と思っていたら有名な「トルコ行進曲」でドンシャカドンシャカとシンバルの音が聞えてきて仰天。

ツァハリアスは同時期にピアノ協奏曲全集の録音もあり、そちらはもっと破天荒なことをやっているらしい。

 

協奏曲も聴きたくなってきた。

 

Youtubeはツァハリアスの弾くシューベルト、ピアノソナタ第18番

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2023年9月13日 (水)

日本フィルの第401回名曲コンサート、小林研一郎と髙木凜々子のヴァイオリン

今日も気温は30度越え。

 

日曜日、午前中のテート美術館展のあとはパイプオルガンの音が聞きたくてサントリーホール。

 

開演まで時間があったので、お茶の水ディスクユニオンに行き持参したCDを買い取っていただく。

未開封のダブリ買いが多かったので、東京までの交通費の半分ほどが浮いた。

 

昼食にしようと店を探したらJRお茶の水駅周辺の飲食店が激減していてびっくり。
駅の改良工事が関係しているのかな。

やむなく吉野家に入ろうとしたら行列ができていたのでリンガーハットで長崎ちゃんぽん。


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そしてサントリーホールへ。

 


演奏会は日本フィルの第401回名曲コンサート F5pbvxbawaaujju

・G線上のアリア**
・トッカータとフーガ ニ短調 BWV565**
:以上 バッハ オルガン独奏)
・愛の挨拶*      :エルガー
・タイスの瞑想曲*   :マスネ
・ツィゴイネルワイゼン* :サラサーテ

(アンコール)
・歌劇「ジャンニ・スキッキ」より私のお父さん :プッチーニ
   ピアノ伴奏は小林研一郎

・交響曲第3番「オルガンつき」 ハ短調 op.78** :サン・サーンス

(アンコール)
・歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲  :マスカーニ
・交響曲第3番「オルガンつき」終結部

  髙木凜々子*(ヴァイオリン)
  石丸由佳** (オルガン)
  小林研一郎(指揮)
  日本フィルハーモニー交響楽団

 

いわゆる名曲コンサートで有名曲ばかり。

この演奏会を選んだのは、髙木凜々子さんの実演を聴いてみたかったのとパイプオルガンの生の響きに浸りたかったこと、そして沼響でも取り上げたサン・サーンスも。
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一週間ほど前にこのコンサートをネットで知った。

検索すると残券数枚。

選んだのは2階席下手のB席。

残り物ながらオルガンの鍵盤とストップの動きはよく見えたし、何よりも小林研一郎さんの指揮ぶりと表情がリアルに見えたのが収穫。


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サン・サーンスは今年の2月には東大オケで聴いている。

小林研一郎は2019年の「カルミナ・ブラーナ」以来。

 

最初のバッハでのオルガンの深く包み込むような響きに心が洗われる思い。
「あぁ、来て良かった」。

 

そして今回最大の収穫は髙木凜々子のヴァイオリン。

暖かで気品のあるしっとりとしてのびやかな美しい響きが素晴らしく、比較的遅いテンポでじっくりと歌い上げていく「タイスの瞑想曲」では私の斜め前に座っていた御婦人がボロボロと涙を流しておりました。

使用楽器はストラディバリウス「Lord Borwick(1702年)」

 

「ツィゴイネルワイゼン」が終わり小林さんとの軽いトークのあとで、プッチーニの「私のお父さん」。

ここでピアノ伴奏は小林さんのサプライズ。

ピアノがちょうど自分の席の真下にあり、高木さんがピアノの傍らまで歩み寄って演奏してくれたので至近距離で演奏を聴くことも出来ました。

 

後半はサン・サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」。

コバケンさんの指揮は手慣れたもので終盤では壮大な音の大伽藍を築き上げていた。

この曲は実際に演奏したこともあり実演でも何度か聴いているので、曲の難所難所でのオケの演奏を確かめるといったマニアックな聴き方になっていた。

さすがプロと思う一方で、あぁ、やはりここは難しいんだなと感じる部分もありました。


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アンコールは「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲。

なぜかオルガンは入らなかった。

そしてサン・サーンスの交響曲第3番の終結部分を再度演奏。

オルガンは偉大です。

フルオーケストラとパイプオルガンの響きを堪能しました。

 

Youtubeは高木凜々子のヴァイオリンで「G線上のアリア」

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2023年9月11日 (月)

日曜朝はテート美術館展

9月も半ばの月曜日。

晴れのち曇り一時雨。

 

午前中はケアマネージャーさんと市の担当者が来て母の介護認定の審査。

このような時になると、母はシャキっといつもより元気に張り切ってしまう。

 

午後は畑と庭の草取り。そのうちにわか雨。

 

日曜は東京。

目的はイギリスのテート美術館展に日本フィルのコンサート。

 

朝早めに起きて沼津7時35分発JR東海道線小金井行きで東京へ。

現役時代は抵抗なく新幹線を使ったけれど今はセミリタイアの身。

時間はあるので極力節約。

 

新橋経由で地下鉄乃木坂駅下車、国立新美術館到着は開館時間のほぼ10時ころ。


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日曜なので比較的混んではいたけれど、展示の最初の部分はスルーして未だ人が到達していない空いている中程から見始めた。

 

テート美術館展のテーマは「光 ターナー、印象派から現代へ」

 

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19世紀末から現代までのアーティスト達による光をテーマにした作品の数々。

お目当ては有名なターナーだったけれど、自分としてはなじみの薄い、ポンペイをテーマにしたジョン・マーティン、そしてジョン・コンスタブルの一連の作品「イングランドの風景」。

 

繊細な淡い光が特徴のターナーやジョン・ブレッドの作品。

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ジョン・ブレット「ドーセットシャーの崖から見るイギリス海峡」(1871年)

 

これ、いいなぁ・・ 

 

一方で強烈な光の放射を感じさせるジョゼフ・ライト・オブ・ダービー、そしてジョン・マーティン。


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ジョン・マーティンの大作「ポンペイとヘルクラネウムの崩壊」(1822年)には圧倒された。

 

 

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そして「噴火するヴェスビオ山とナポリ湾の島々を臨む眺め」

 

こちらはオラファー・エリアソン「星くずの素粒子」(2014年)


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作品は一部を除き撮影可なのがありがたい。

 

何枚かお気に入りの作品のPOSTCARDを買ってみたけれど。


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ターナーの「湖に沈む夕日」を上下逆さまに見ても、あまり不自然さを感じない自分が悲しい。

 

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2023年9月 7日 (木)

本日の練習、喜古先生の指揮で第九、第2、4楽章とシンフォニア・タプカーラ全楽章

曇りのち雨。

台風13号が接近中。

明日中には静岡県に上陸の気配。

早くも休校を決めた学校も出ている。

そのためか朝は涼しい。

 

出勤前に土間にヤモリの子供が張り付いているのを発見。


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動かないのでよく見てみると干からびていた。

あの暑さにやられてしまったのか。

 

夜はオケの練習。
仕事を早めに切り上げて、雨の中練習会場の市民文化センターへ急ぐ。

今回も喜古先生の指揮でベートーヴェン第九の第2、4楽章に伊福部昭のシンフォニア・タプカーラ全楽章。


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伊福部作品は演奏していて自然に気分がウキウキしてくる歓喜の爆発のような音楽、

喜古先生も楽しそうに振っている。

 

名曲だ。

 

Youtubeは「シンフォニア・タプカーラ」第3楽章、本名徹次指揮日本フィルの伊福部昭バースディーコンサートの白熱のライヴ

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2023年9月 4日 (月)

フレミングのアルバムから「美しい夕暮れ~ナイト・ソングス」

曇り一時雨、夜から雨。


日曜夕方の富士山。


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複数の笠雲が見えた。

 

古くからの言い伝えの通り今日は雨。

 

アメリカのソプラノ歌手、ルネ・フレミングのアルバムから「美しい夕暮れ~ナイト・ソングス」

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・月の光 作品46の2(フォーレ)
・マンドリン 作品58の1(フォーレ)
・夢のあとに(フォーレ)
・夕暮れ 作品83の2(フォーレ)
・ネル 作品18の1(フォーレ)
・美しい夕暮れ(ドビュッシー)
・マンドリン(ドビュッシー)
・出現(ドビュッシー)/ビリティスの3つの歌(ドビュッシー)
・夜想曲(ヨゼフ・マルクス)
・夜の祈り(ヨゼフ・マルクス)
・幸せな夜(ヨゼフ・マルクス)
・おしゃれなピエロ(ヨゼフ・マルクス)
・憩え、わが魂 作品27の1(R.シュトラウス)
・悪いお天気 作品69の5(R.シュトラウス)
・ひそやかな調べ 作品39の1(R.シュトラウス)
・ひそやかな調べ 作品41の5(R.シュトラウス)
・ツェツィーリエ 作品27の2(R.シュトラウス)
・ここはすばらしい場所 作品21の7(ラフマニノフ)
・夜の静けさ 作品4の3(ラフマニノフ)
・すいれん 作品8の1(ラフマニノフ)
・夢 作品38の5(ラフマニノフ)
・この夏の夜 作品14の5(ラフマニノフ)
・乙女よ、私のために歌わないで(ラフマニノフ)

  ルネ・フレミング(ソプラノ)
  ジャン=イヴ・ティボーデ(ピアノ)

   録音:2001年1月 ニューヨーク〈デジタル録音〉

幅広いレパートリーを持つフレミング。

レコーディングはクラシカルな曲からシャンソン、ロックにまで及ぶ。

ここではフランス語、ドイツ語、ロシア語を自由に駆使して「夜」にちなんだ曲を歌っている。

バーブラ・ストライザンドの名唱で大好きになったドビュッシーの歌曲「美しき夕暮れ」が国内盤のタイトルに付けられている。

 

どの曲も知的で品格のある歌唱。


温かく落ち着いた雰囲気のあるフレミングの声は夜の雰囲気にぴったりだ。

選曲の妙のさることながら、ここでは150曲ほどの歌曲を残したヨゼフ・マルクスの歌曲が聴けるのが嬉しい。

ドビュッシーにも似た透明でロマンティックなマルクスの歌曲の数々。

雄弁な動きが必要なピアノ部分ではティボーデが見事な伴奏を聴かせてくれる

 

Youtubeはバーブラ・ストライザンドの「美しき夕暮れ」

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2023年9月 2日 (土)

ミュンシュのドヴォルザーク、交響曲第8番

9月、本日の最高気温は33度。


夜には風がでてきて多少涼しくなってきた。


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畑のヒメリンゴが赤くなった。

二人の孫が来て、慌ただしい一日。

今月末のクラシックレコードコンサートの内容を文化センターにメールで送り、夕方には畑の耕作放棄地化している部分の雑草を草刈り機で刈り始めた。

 

草が伸びすぎたのと歯が古くなっていて苦戦。


バッテリーが切れてしまって途中で断念。


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この続きは後日。

 

フランスの大指揮者シャルル・ミュンシュのドヴォルザークを聴く。

フランス音楽のみならず独墺系からロシアものまで幅広く名演を聴かせてくれたミュンシュ。

スタジオ録音のドヴォルザークは、交響曲第8番とピアティゴルスキーをソリストとしたチェロ協奏曲の二つの録音のみ。

ライヴでは「新世界より」の放送録音が出ているけれど未聴。

 

チェコ系の作曲家では晩年にコンサートホールレーベルに「モルダウ」の録音を残している。

 

聴いたのは交響曲第8番、手持ちは70年代にビクターから出たRCAクラシカルグランプリシリーズの廉価盤LP。


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・交響曲第8番ト長調op.88
 
 シャルル・ミュンシュ(指揮)
 ボストン交響楽団

  録音:1961年3月13日 ボストン、シンフォニー・ホール

 

想像通りの雄大にして骨太の音楽。

それでいてメロディの歌わせ方が繊細で決して大味な演奏ではない。

第1、第2楽章のクライマックスはさすがに見事で第2楽章終盤のむせび泣くような弦楽器群の歌わせ方も印象的だ。

 

ここまで聴いていて、どうやら楽譜にかなり手を加えているような気がしてきた。

内声部で初めて聴くような音が鳴っている。

最初の2つの楽章で管楽器で耳慣れない音が聞こえてきたので、第3楽章からスコアを見ながら聴いてみた。

 

第3楽章のダルセーニョ(D.S)の前、主題が再現する直前の178小節めのオーボエソロでは全く違う音が鳴っていた。
第3楽章最後の小節を極端に長く伸ばしているのにも驚いた。

第4楽章冒頭の輝かしいトランペットのファンファーレは胸がすくような鮮やかさ。
Allegroの第2変奏から徐々にテンポアップ。

 

中間部の大きな山場に向かって楽器が次第に加わりテンポを上げながら音楽は次第に加熱、そして上り坂の頂上直前、展開部に入ったところで第二ヴァイオリンにトランペットを重ねる荒業を披露。

度胆を抜かれ驚きが覚めぬままダメ押しのトランペットの輝かしいファンファーレ。

終盤コーダのトロンボーンにも加筆あり。

あまり評判にならぬ演奏だけれど、ミュンシュのドヴォルザークへの深い共感が自然に伝わってくる熱い演奏だった。

 

思い出した。
ミュンシュは「モルダウ」にもかなり楽譜に手を加えている。

 

Youtubeはアバド指揮ベルリンフィルのドヴォルザーク、交響曲第8番第4楽章

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