コンセルトヘボウのオルガン奏者、ピエト・ファン・エグモンドのバッハ
暑さ寒さも彼岸まで。
金曜の雨を境にして流れる空気の色が変わった。
日中は30度近くだけれど、朝夕は涼しく窓を開けて寝ていたら明け方寒くて目が覚めた。
お彼岸の墓参りのために帰省していた娘と孫は昼前には帰っていった。
オランダのオルガニスト、ピエト・ヴァン・エグモンド(Egmond, Pieter van 1912-1982)のバッハを聴く。
手持ちは独EMIのLPで最寄りのハードオフの100円均一ジャンクコーナーからの救出品
・トッカータとフーガニ短調 BWV 365
・「目覚めよと呼ぶ声あり」BWV645
・「われ汝に呼ばわる、主イエス・キリストよ」 BWV 639
・「イエス、わが喜び」 BWV 610
・前奏曲とフーガ ホ短調 BWV 533
・幻想曲とフーガ ト短調 BWV542『大フーガ』
・トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調 BWV 564
ピエト・ヴァン・エグモンド(オルガン)
オルガン
Grote of St. Bavokerk te Haarlem
(クリスチャン・ミューラー 1738年製)
Onze Lieve Vrouwekerk, Dordrecht
(ウィレム・ヘンドリック・カム1859年製)
Sint-Michaëlskerk In Zwolle
(アルプ・シュニットガー 1718-1721年製)
エグモンドは未知の演奏家だった。
100円だし状態も良い独盤だったので迷わず購入。
聴いてみたらこれは驚きの名演。
最初のトッカータとフーガニ短調を聴いてすぐに、これは相当な手練れの名手であることを直感した。
長い経験に裏打ちされた多彩なレジストレーションからの深い音。
敬虔な祈りに満ちたコラール前奏曲の数々がなんとも感動的に響くことよ。
オランダに残るシュニットガー他の名オルガンの音も美しい。
バッハのオルガン曲の演奏では古くはヴァルヒャやクラフト、リヒターから現代まで、定評ある名演は数多あるけれど、このエグモンドの名が紹介されたことを見たことがない。
エグモンドについてネットでいろいろと調べてみる。
かなり詳しいサイトがあり、そしてエグモンドの名を冠した財団もあることを知った。
指揮者としても活動し、ディスコグラフィーには2つの「マタイ受難曲」の全曲録音もある。
さらに調べると驚きの事実が・・・。
エグモンドは1933年からアムステルダムのコンセルトヘボウの専属オルガニストだった。
そしてコンセルトヘボウの恒例行事である棕櫚の日の「マタイ受難曲」演奏で、メンゲルベルクの下でオルガンを弾いていたのがエグモンドだったのだ。
メンゲルベルクの「マタイ受難曲」は、この曲の演奏が紹介されるときに外すことのできない歴史的名演で、聴衆のすすり泣きの声が聞こえることでも有名。
エグモンドの演奏を聴き終わった後、思わずため息が・・・・
最初からもう一度聴きなおすことにした。
エグモンドの「マタイ受難曲」も聴きたくなった。
Youtubeはアマチュアの合唱団を指導するエグモンドの姿、曲はバッハの「マタイ受難曲」
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