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2023年10月 1日 (日)

クラシックレコードコンサートはシャリアピンの「のみの歌」

今日から10月、日曜日。

昨晩遅くに雨。
明け方まで残り遠くではカミナリが鳴っていた。

日中は晴れた。

 

木曜のオケの練習は仕事が長引き、疲れもあって欠席。


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聴けば本番を指揮していただく喜古恵里香先生の指揮でシューベルトの「グレート」のシンフォニー、なかなか熱い練習だったとのこと。

遅れても行けばよかったかな・・とチョッピリ後悔。

 

翌日の金曜夜は隔月開催の沼津市民文化センター主催の「クラシックレコードコンサート」の解説。


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昨年から古典派から順に音楽史を辿りながら名曲を紹介している。


ちょうど今年はロマン派を取り上げていて、前回は独逸ロマン派のブラームスやシューマンなど。

この12月に沼津にウクライナフィルが来演することになり、演奏曲目に「新世界より」とシベリウスのヴァイオリン協奏曲が入っている。


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ちょうどこのコンサートの宣伝も兼ねて、遅れてきたロマン派の作曲家たち、いわゆる国民楽派という括りでまとめてみた。

 

ドヴォルザークとシベリウスのほかサラサーテの「ツィゴイネルワイゼン」にロシア5人組からムソルグスキーの「のみの歌」、ボロディンの弦楽四重奏第2番の「ノクターン」など。


硬軟取り混ぜた比較的有名な曲を集めたので参加された方も多かった。

 

サラサーテはハイフェッツ、ムソルグスキーはシャリアピンという歴史的な大物二人の演奏で紹介。

 

当日使用する盤を選定する際に、事前に二人の同曲で異なる録音をいくつか聴き比べてみた。

 

ハイフェッツの「ツィゴイネルワイゼン」は最後の1951年録音ですんなり決定。

 

問題はシャリアピンの「蚤の歌」。


2019年にMarstonから出た「フュードル・シャリアピン全録音」CD13枚組にはシャリアピンの蚤の歌は4種が収録されている。

・1907年
・1926年5月 オケ伴奏
・1927年7月 オケ伴奏
・1936年2月 ピアノ伴奏・G.Godzinsky

「SPレコード60,000曲総目録」(監修 昭和館 アテネ書房刊)によれば、オケ伴奏と伴奏者不明のもの、そしてG.Godzinskiによるものがあり、日本ビクターから異なる番号で3つ出ていた。


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この中からオケ伴の1927年録音を使用することにした。


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レコードでは東芝のGR盤が一般的だったけれど、手持ちの日本ビクターから出ていたシャリアピンの歌を集めた歌唱集LP3枚組にも収録されていて、最初こちらを使うつもりだった。

ところがこのLPがどこかへ行ってしまってみつからない。

家じゅう探してもダメ。

 

やむなく東芝のGR盤を使うことにした。


ところがこのGR盤は音が悪い。

 

もともとの録音が悪いのか復刻が悪いのかはわからないけれど。


音が遠くで鳴っていてシャリアピンの風格が伝わってこない。

 

いろいろ探していて家にもうひとつシャリアピンの「蚤の歌」録音があった。

 

1936年の来日時に東京で録音されたもの。


手持ちはロームミュージックファンデーションが出した「日本SP名盤復刻選集 1」

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これが非常に良い。

SP特有のノイズを取り除かないピュアな音。

 

結局、この時同時に録音された「ヴォルガの舟歌」も併せて取り上げた。

 

ダイナミックレンジの幅がものすごく。

「ヴォルガの舟歌」では、ピアニシモで微かに聞こえてくる始まりからしだいにクレシェンドしてやがて巨大な姿となる様は圧倒的。

 

まさに歌う俳優そのもの。


声だけで歌の情景が目に浮かぶほど。

 

お客様の反応もよかった。

 

Youtubeはシャリアピンが歌う「蚤の歌」、1936年東京での録音

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コメント

 いつも楽しく拝見させていただいております。

 ハイフェッツの「ツィゴイネルワイゼン」にはステレオ録音はなかったと記憶しております。疑似ステレオが出ていたような?間違っていたらすみません。

 レコードコンサートはぜひ拝聴したいけれど、なかなか遠方ゆえ難しいですね。

投稿: 林 侘助。 | 2023年10月 2日 (月) 09時57分

林侘助さま。私も林さんのサイト面白く拝見させていただいてます。
ご指摘ありがとうございます。

確かにハイフェッツのツィゴイネルワイゼンは全てモノラルでした。1951年録音。

手持ちのLPのSTEREOの文字に幻惑されておりました。

実際聞いてモノラルであることに気がつかなかった私の耳もいい加減なもんです。

投稿: 山本晴望 | 2023年10月 2日 (月) 22時08分

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