デムスのバッハ、パルティータ
爽やかな秋晴れの朝。
初冠雪を観測した富士山も良く見える。
朝夕冷えて9月末の真夏のような暑さは過去の出来事のよう。
裏山の奥からのツクツクホウシの声は全く聞こえなくなっている。
備忘録として。
市民文化センターで開催されていた静岡県立美術館の移動美術展「旅する人生」
先月末、仕事を終えて駐車場まで歩く途中に寄ってみた。
旅をテーマに沼津や富士山を中心とする作品群。
県立美術館所蔵のコレクションから、お馴染みの歌川広重の浮世絵数点から横山大観、東山魁夷などのビッグネーム。そして徳川慶喜や沼津出身の山口源など28点。
入場無料。
作品としては小さなものが多かったけれど、うまくセレクトされていて楽しめた。
驚いたのは、日本最初の漫画雑誌「ジャパン・パンチ」を創刊した英国人チャールズ・ワーグマンが描いた「富士遠望図」。
絵はさほど良いとは思わなかったけれど、この場所は我が家から比較的近い志下の海岸。
数々の個性的な風刺漫画で知られるワーグマン。
実際はこれほど山は海岸に迫っていないけれど、この時期我が家の近くまで来ていたんだ・・・
不思議な思いで見入っていた。
デムスの弾くバッハを聴く。
録音はWESTMINSTERのLP.
・パルティータ第1番変ロ長調 BWV.825
・パルティータ第2番ハ短調 BWV.826
・パルティータ第4番ニ長調 BWV.828
イェルク・デムス(ピアノ)
録音:1964年、ウィーン
粒立ちのはっきりした硬い音。
それでいて透明な響きで軽やかにバッハの世界を描き出していく。
録音された時代もあってロマンティックなバッハだけれども、甘く流れずにキリリと引き締まった格調の高さが感じられるのが良い。
中でも第4番が秀逸。
デムスは自分としては苦手なピアニストだけれど、この時期のバッハは良いと思う。
Youtubeは晩年のデムス、ドビュッシーの「沈める寺」
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