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2023年12月に作成された記事

2023年12月31日 (日)

橋本英二のチェンバロでヘンデルとスカルラッティ

大晦日は朝から雨。


昼頃から雨は上がって良い天気になってきた。

昨日の昼間、思索中のポコ。


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毎年暮れの3日間は慌ただしいけれども、今年は孫達がやってきてそちらの世話と母の介護も加わり、あっという間に大晦日となってしまった。

昨日は天気が良かったので墓掃除と神棚とお稲荷さんの飾り、夜には孫が熱を出して救急センターに連れて行くおまけ付き。


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家の掃除は中途半端になってそのまま今日を迎えてしまった。

とても音楽をゆっくり聴く時間はないけれど、買い物の異動の車中で聴いたのは、橋本英二のチェンバロでヘンデルとスカルラッティ。

 

カメラータ・トウキョウから出ていたCD


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チェンバロ奏者橋本英二(1931-2020)氏はドメニコ・スカルラッティの作品番号で知られるラルフ・カークパトリックに師事し、主にアメリカで活動したスカルラッティ研究の権威。

・組曲 第7番 ト短調
・アリアと5つの変奏曲(調子のよい鍛冶屋)
・組曲 第3番 ニ短調     :以上ヘンデル
・ソナタ ニ短調 K.141(L.422)
・ソナタ ニ短調 K.9(L.413)
・ソナタ 嬰ハ短調 K.246(L.260)
・ソナタ 嬰ハ短調 K.247(L.256)
・ソナタ ニ長調 K.511(L.314)
・ソナタ ニ長調 K.512(L.339)
・ソナタ イ短調 K.532(L.223)
・ソナタ イ長調 K.533(L.395)  以上 ドメニコ・スカルラッティ

    橋本英二(チェンバロ)

        録音  1985年10月ほか

このCDは一年前にブックオフのセールでみつけたもの。


正直なところ橋本氏のことは存じ上げなくて、大好きなヘンデルのパッサカリアが入っている組曲第7番お目当てで買ったもの。

ところが聴いてみて、これは大変な名手だと驚いた。

 

ダイナミックにして繊細。

自分にはスカルラッティの曲は、どの曲も同じように聞こえてしまって、沢山の曲が入った曲集など一度に最後まで聞き通せないことが多いだけれども、橋本の演奏はそれぞれの曲が異なった色彩で響いていているのが圧巻。

格調高く歌い上げたヘンデルも良い。

 

Youtubeはヘンデルのチェンバロのためのパッサカリア、オケバージョン

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2023年12月28日 (木)

ホルストの弦楽合奏のための作品集

令和5年も今日で仕事納め。


年々季節感が薄れる中、オフィスの中もなんとなくウキウキとした気分。

月曜から長女夫婦が二人の孫と一緒に帰省。

その日の夜は婿殿と久しぶりに痛飲。

翌火曜は娘の友人宅で餅つき大会を予定していて、皆で参加する予定が前日になって友人宅でノロウイルス感染者が出て急遽餅つき大会は中止になってしまった。

友人の家族はほぼ全滅状態だという。

 

予定が空いた娘家族は家内と一緒に御殿場アウトレットへ。

最近物欲(音盤以外)が失せている自分は留守番。

年賀状を作ったりしていた。

 

プリンターは先月孫に壊されて新しくしたばかりなので調子が良い。

帰宅した娘が、プリンターの前で孫にまとわりつかれながらハガキを交換している自分を見て「スマホのアプリで頼めば楽なのに・・・」

 

プリントゴッコ時代以来、自宅で年賀ハガキを印刷する習慣がついているモロに昭和世代の自分。

 

「ホルスト/弦楽合奏のための作品集」を聴く。

某SNSにKOCHから出ていたブレイスウェイト指揮ニュージーランド室内管弦楽団によるホルストの弦楽作品集録音の記事が出ていた。

自分がコメントを付けたりしたので、このブレイスウエイト盤とほぼ同一曲を収録しているロフ・ポープル指揮のArte Nova盤と併せて聴いてみた。


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・ブルック・グリーン組曲
・ヴィオラと小オーケストラのための抒情的な楽章
・フルートとオーボエのためのフーガ風協奏曲Op.40-2
・モリス・ダンス集
・セント・ポール組曲Op.29-2,

  ブレイスウェイト(指揮)
  ニュージーランド室内管弦楽団
 
   録音 1992年

そもそもブレイスウェイト盤を購入したのはモリス・ダンス集に収録されている「Country Gardens」と「Shepherd's Hey」。

この2曲にはパーシー・グレインジャーの非常に優れた編曲があり、そちらとの比較がお目当てだった。

 

実はこのブレイスウェイト盤とほぼ全く同じ選曲のCDがARTE NOVAから出ていた。


ロス・ポープル指揮のロンドン・フェスティバルオーケストラ。


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・セント・ポール組曲Op.29-2,
・ヴィオラと小オーケストラのための抒情的な楽章
・ブルック・グリーン組曲
・フルートとオーボエのためのフーガ風協奏曲Op.40-2
・ピアノとオーケストラのための7つのスコットランドのエール
・6曲のモリス・ダンス,
・冬のさなかに(マルコム・メシター編曲)

  エドァルト・ベケット(フルート)
  マルコム・メシター(オーボエ)
  レイチェル・ボルト(ヴィオラ)
  マイケル・フレイハン(ピアノ)

 ロス・ポープル
 ロンドン・フェスティヴァル管弦楽団
 
   録音:1995年

この盤にはブレイトウエスト盤と同じ曲のほか、「ピアノとオーケストラのための7つのスコットランドのエール」と、ホルストの比較的初期の合唱曲からこのオケのオーボエ奏者が編曲した「冬のさなかに」が含まれている。

中でも「スコットランドのエール」はなかなかの佳品。

モリス・ダンスはブレイスウェイト盤より少ない6曲だが選曲は一部異なる。

演奏はブレイスウェイトのほうが良いけれど、ポープル盤のモリス・ダンスにはフルートとクラリネットも加わっているのが面白い。

もとはミリタリー・バンドのための曲らしいけれど、このような版もあるのかもしれない。

 

ただホルストのアレンジは、グレインジャーの多彩な響きには及ばない。

 

実は「セント・ポール」組曲にも未出版の管楽器打楽器入りのバージョンがあり、ホグウッドの録音がある。
オケはミネソタ州のセント・ポール室内管絃楽団。


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こちらは終曲にトランペットやタンブリン、シンバルが入る賑やかなもの。

こちらはストリングスのバージョンの方が良いと思う。

 

Youtubeはセント・ポール組曲

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2023年12月25日 (月)

ドビュッシーの「もう家のない子たちのクリスマス」

今年も最後の週に入り今日はクリスマス。


なんとなく師走の気分になれなかったけれど、今日は母を定期的に通っている病院に連れて行ったり、いろいろと片付けなどをしているうちになんとなく年の瀬の気分になってきた。


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そして今日のポコ。

クリスマスということで、何を聴こう。

 

ウクライナやガザ地区の惨状を思いながら取りだしたのはドビュッシーの「もう家のない子たちのクリスマス」。

第一次世界大戦で家を失った子供たちの悲痛な叫びを題材にしたドビュッシー最晩年の作品。


ドビュッシー自身がテキストを書いたドビュッシー最後の歌曲。

そしてドビュッシーは亡くなる1918年に少年合唱のために改作している。


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2分余りの曲ながら強烈な印象を残す名作。

「プレゼントのおもちゃはもうないけれど どうか日々のパンだけはお恵みください」という歌詞が胸を打つ。

 

演奏はフランス国立放送局の合唱指揮者だったポール・クローデル指揮のクローデル合唱団による「女声合唱による珠玉のフランス合唱曲集」。
フォーレ、プーランク、ルーセルらの小品を集めたまさに珠玉の名演集。

エラート原盤による日本コロンビアモノラルLP。

以前RIAAカーヴで聴いた時にはぼやけた録音だったのが、EQカーヴをSP録音向けのAmerican78にしてみたら劇的に明瞭になった。

 

 

気分を変えて加羽沢美濃の「クリスマス・メロディーズ」


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・クリスマス・スタンダード・メドレー
 サンタが街にやってきた/シルバー・ベルズ/ウイ・ウィッシュ・ユー・ア・メリー・クリスマス
・きよしこの夜[Opening version]
・ジングル・ベルズ
・クリスマス・イブ(山下達郎)
・遠い街のどこかで…(中山美穂)
・Pearl-White Eve(松田聖子)
・戦場のメリー・クリスマス
・きよしこの夜
・クリスマス賛美歌メドレー
・荒野のはてに/神の御子は今宵しも/牧人ひつじを/柊かざれ
・赤鼻のトナカイ
・恋人がサンタクロース(松任谷由実)
・ハッピー・クリスマス(ジョン・レノン&オノ・ヨーコ)
・サイレント・イヴ(辛島美登里)
・オーベルビリエのノエル
・ジングル・ベル[Ending version]

 

  加羽沢美濃(P)

    録音 1997年

作曲家にしてピアニストの加羽沢美濃が東京藝大大学院在学中録音のデビュー・アルバム。

CDのタスキにはプレデビューアルバムと書いてある。

同じ年の11月に発売されたアルバム「メモリーオブ1997」が全て加羽沢美濃のオリジナル曲によるアルバムだったので、そのような扱いになったのだろう。

 

おなじみのクリスマスソングから賛美歌、山下達郎に中山美穂などのクリスマスにちなんだ曲の数々を加羽沢自身のアレンジで聴かせている。

それぞれの曲のメロディーラインを生かしながらピュアで品の良い感覚のアレンジ。

 

いずれも美しい上質な音楽を聴いたという印象になる好アルバム。

 

今年亡くなった坂本龍一の「戦場のメリー・クリスマス」にはしみじみと聴き入ってしまいました。

 

Youtubeはドビュッシーの「もう家のない子たちのクリスマス」

 

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2023年12月23日 (土)

マタチッチの第九、N響ライヴ

土曜日の朝。冷えて氷が張っていた。


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散歩の時に自宅近くから見た富士山。

 

マタチッチの第九を聴く。

1973年マタチッチ来日時の伝説的なライヴ。

 

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・交響曲 第9番 ニ短調 作品125 「合唱つき」

 中沢桂(S)
 春日成子(A)
 丹羽勝海(T)
 岡村喬生(Br)

  ロヴロ・フォン・マタチッチ(指揮)
  NHK交響楽団
  国立音楽大学合唱団

   録音 1973年12月19日 NHKホール ライヴ

 

これは驚きの演奏であります。

第一楽章冒頭から、音の出ていない休符の部分にもピリピリとした緊張感漂う尋常でない気配。

速いテンポの中、ゴゥ!と目の前を蒸気機関車が通り過ぎていくような凄まじいフォルティシモ。

マタチッチの体格そのものの、太く重い音が全曲を支配している凄みのある演奏でした。

 

熱狂と興奮渦巻く第四楽章は、当時を代表するソリストたちが、あまりの興奮に我を忘れている状況で、濃すぎる表情に古さも感じさせるけれど、やる気十分の合唱団と豪快に鳴り切ったオケ。

終盤のシンバルの乱打も凄まじく、ただただ大きな感動を呼ぶ壮絶な名演。

 

ブライトコップ旧版、第ニ楽章にホルンを重ね第一楽章各所でのヴァイオリンの1オクターヴ上げ。

終演後のブラボウの熱狂と拍手を7分間収録。

 

YoutubeはマタチッチとN響のブルックナー、交響曲第8番の壮絶なライヴ

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2023年12月22日 (金)

本日の練習、今年最後の練習は田中健先生の指揮でシューベルト

今期最大の寒波到来。日本海側は大雪。

本日こちらの最低気温マイナス1度。

今日はオフ。

 

午前中に定期的に通っている内科クリニックに行くと激混み。

駐車場も満車だったので、図書館に行き正月に来る孫達向けの本を借りて時間調整。

正午前に行きようやく受付を済ませると知人の名前が呼ばれている。

 

ふと振り返るとかつて同じ職場にいた5つほど年下の同僚。

彼は最高学府を出て非常に優秀、相当な酒豪で何度か一緒に呑んだこともあったけれど将来を嘱望されながらも10数年前に突然退職してしまった。


周りに人がいたのであまり話はできなかったけれど、かなり痩せていたのが気になった。

クリニックでは肺炎球菌ワクチンも接種。5年は有効らしい。

 

プリンターを孫に壊されてしまったので帰りにノジマに寄り、買い置きのインクがかなりあったので壊れた機種の後継機を購入。
随分と高かった。

 

昨晩はオケ。

第九も終わり今年最後の練習。

曲は来年の第40回定期演奏会へ向けてシューベルトの交響曲第8番ハ長調「グレート」

指揮は今回は田中健先生

 

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「グレート」は沼響の第10回定期で取り上げている。

30年ぶりなので記憶は薄れている。

やたらと同じ事の繰り返しが多くて閉口した印象があったけれど、久しぶりに吹いてみるとなんとなく面白い。

フォルテシモに付いている不自然なデクレシェンドなど、これはきっとアクセントなんだろうなと、勝手に解釈して遊んでいた。

田中先生の指揮はわかりやすい棒、シューベルトの曲の構造などの話を交えながらの気持ちのよい練習になって今年の吹き納め。

 

Youtubeはカール・ベーム指揮ウィーン響の「グレート」のリハーサル

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2023年12月20日 (水)

ロストロポーヴィチとリヒテルのグリーグ

12月も半ば、土曜に20度超えだったので師走の感覚がまるでなし。

 

コロナ禍以降、今まで当たり前のようだった日常の行事や習慣が薄れてきている。

スーパーで正月飾りの10%引きをやっていたので神棚のしめ縄と併せて買ったけれど、決して安くはないお飾りを購入する人も年々減っていくのだろうな。

 

今日はグリーグのチェロソナタ。

 

ロストロポーヴィチとリヒテルという巨匠二人によるワルター協会から出ていたオールドバラ音楽祭のライヴLP

手持ちはワルター協会原盤の国内盤LP

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・ブラームス:チェロソナタ第1番ホ短調Op.38
・グリーグ:チェロソナタ イ短調Op.36
 
 ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(チェロ)
 スヴィヤトスラフリヒテル(ピアノ)

 

 録音:1964年6月20日 オールドバラ、教区教会
 
ロストロポーヴィチとリヒテルという超大物の共演。

 

グリーグ唯一のチェロソナタはアマチュアでチェロを弾いていた兄のために作曲されている。

アマチュアとはいえ相当な腕前であったことは、このチェロソナタの難曲ぶりでよくわかる。

兄はゲヴァントハウス管の首席チェロ奏者ユリウス・クレンゲルに師事したのだという。

 

このチェロソナタは作曲家としての名声を確立した壮年期の作品。

情熱的で奔放さも感じられるけれどグリーグ独特の叙情的な歌心も聞かれる。

 

美しい第2楽章には「忠誠行進曲」からの引用。

 

この演奏は巨匠のぶつかり合いが見事だけれど、リヒテルのピアノに耳は行ってしまう。

 

リヒテルはグリーグを好み晩年はグリーグのみのコンサートを開いていた。

自分が最後にリヒテルの実演を三島で聴いた時も、グリーグの「叙情小曲集」のみのプログラムだった。

 

このライヴはステレオ録音なのがありがたい。

 

Youtubeはリヒテルのグリーグ、叙情小曲集から

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2023年12月17日 (日)

ミコラ・ジャジューラ指揮ウクライナ国立フィル

寒風吹きすさぶ日曜日。先週後半は天気は乱調気味。

金曜は日本列島の背中に覆い被さるような雨雲で終日雨模様。

昨日土曜は12月中旬とは思えぬポかポカ陽気。

最高気温は23度、お隣の神奈川小田原では26度の夏日を記録。

 

昨日はウクライナ国立フィルハーモニー交響楽団の沼津公演に行きました。


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・フルート協奏曲第2番 ニ長調   :モーツァルト
・ヴァイオリン協奏曲 ニ短調   第1楽章 :シベリウス
・交響曲第9番 ホ短調 「新世界より」 :ドヴォルザーク

アンコール
・映画「高き峠」からメロディ    :ミロスラフ・スコリク

 野田枝里(フルート)
 荒川太一(ヴァイオリン)

 ミコラ・ジャジューラ (指揮)
 ウクライナ国立フィルハーモニー交響楽団

会場ロビーではウクライナの民芸品を販売するコーナー。

このオケ、てっきりNAXOSレーベルのCDでマルティヌーやプロコフィエフなどで名演を聴かせてくれていたウクライナ国立交響楽団(Ukraine National Symphony Orchestra)のことだと演奏会当日まで思いこんでいた。

 

ところがコンサート会場で購入したプログラムのオケの紹介では1995年創立のオケ。

一方のウクライナ国立交響楽団は1918年創立の老舗。

昨年はウクライナ国立歌劇場管弦楽団というオケも同じジャジューラの指揮で来日している。

 

どうやらウクライナ国立フィル(National Philharmonic Society of Ukraine KYIV)は、
キーウにある全く別のオケらしい。

 

プログラムの公演スケジュールを見ると、今月初旬から1月までほぼ毎日のハードスケジュールで全国を回っている。

沼津の前日は甲府、そして今日は新潟で公演。

 

プログラムの中には同日に「新世界より」とベートーヴェンの「第九」2曲というプログラムもあって驚いた。


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本日の前半はフルートの野田枝里さんと、ヴァイオリンの荒川太一さんでコンチェルト。

お二人は沼津西高の卒業生。

荒川さんは沼響と共演したこともあります。

 

後半はドヴォルザークの「新世界より」。

 

いくぶん素朴な音と、弦楽器群のしなやかで美しい響きが印象に残るオケだった。


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なによりも祖国存亡の危機の中、ウクライナの指揮者ミコラ・ジャジューラの指揮の下、誠実に、そして真剣に丁寧に訴えかけるように歌い上げていく演奏には心打たれるものがありました。

「新世界より」の有名なラルゴでは切々と故郷を想う心が伝わり、会場に深い感動が広がっていきました。

 

正直なところ、過密なスケジュールと戦争の影響での水準の低下を心配していたけれど、オケをまとめあげて効果的に鳴らすジャジューラの指揮が素晴らしく、一部金管で疲れが見られる部分はあったものの、あまり気にはなりませんでした。

 

ジャジューラの短いスピーチのあと、アンコールはソリストの2人も加わって、ウクライナの作曲家ミロスラフ・スコリクの映画「高き峠」からメロディ。

 

甘く切ない美しくも哀しげな曲。

 

斜め前の席のご婦人は聴きながら涙をぬぐっておりました。

演奏が終わったあとに深く長い長い静寂。

 

今日の観客も素晴らしかった。

 

昨日の沼津の暖かさに比べ今日の公演地新潟はさぞや寒いだろうな、そんなことを思いました。

 

Youtubeはスコリクの「メロディ」、ソプラノヴァージョン。2022年リトアニアでおこなわれたウクライナ支援チャリティでのライヴ

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2023年12月14日 (木)

アルフレッド・パールのベートーヴェンそのほか、今年の音盤購入納め

晴れのち曇り。

今は非常勤のセミリタイアの身、今週は実働一日

水木休みで昨日は昼前に床屋に行ったらかなり混んでいたので、今日出直すことに。

ほぼオープンと同時に入っても5番目だった。

 

Facebookをやっていると今日と同日の過去の記事が出てくる。

11年前の記事に、昼食に沼津港の魚市場食堂で本日限定日替わり定食の記事が出てきた。


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刺身、生シラスと生サクラエビに旬のカキフライで800円。

今はほぼ同じ内容で倍以上の値段。

 

ここ数年の異常な物価高を実感する。

 

ハードオフに寄ってみたら、ベートーヴェンとモーツァルトのセットものが格安で売られていた。


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ベートーヴェンの交響曲全集はペーター・マーク指揮のもの。


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ピアノソナタ全集は3種類、ジョン・リル、バーナード・ロバーツにアルフレッド・パールの3種類、いずれもBririantClassicsやNimbusから出ていたセットもの。

 


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弦楽四重奏曲全集も3種ほど。


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Nimbusのメディチ弦楽四重奏団、Foghornclassicsのアレクサンダー弦楽四重奏団にアルハン・ベルク弦楽四重奏団によるEMIへの旧全集。

いずれも1セット990円均一

 

モーツァルトもいくつか。

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ボザール・トリオのピアノ三重奏全集とヴィオラのブルーノ・ジェランナが加わったピアノ四重奏曲集。ディヴェルティメント集など

こちらはCD2枚組の複数セットでなんと110円均一。

 

他にクーベリックのマーラーの交響曲全集など。
これも990円。

 

久しぶりに行った店なので、最初はもっと沢山あったのかもしれない。

 

ペーター・マークやジョン・リルのセット、アルハン・ベルクのセットは発売当時に購入している。

 

結局手持ちがないその他演奏者のベートーヴェンとモーツァルトを大人買い。

 

これが今年の買い納め。

 

・・・・のつもりです。

 

Youtubeはアルフレッド・パールの弾くベートーヴェン、作品119のバガテル

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2023年12月12日 (火)

マルク=アンドレ・アムランのシューマン

昨晩から雨。雨が降ったり止んだりの一日。

出勤途中で今年オープンした市民体育館中庭の欅。


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紅葉から落葉への移り変わり。

 

アムランのシューマンを聴く。‎ 英Hyperionから出ていたCD

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・幻想曲 ハ長調 Op.17
・ピアノソナタ 第2番 ト短調 Op.22
・交響的練習曲 Op.13

  マルク=アンドレ・アムラン(ピアノ)

  録音 1999年

 

美しく透明な響きで一点の曇りのないシューマン。

素っ気ないようでいて着実なテクニックで紡ぎあげるファンタジーの世界。

幻想曲が良い。

 

Youtubeはアムランのシューマン、「森の情景」から第1曲、森の入り口

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2023年12月11日 (月)

カラヤンのヴィヴァルディ

曇りのち晴れ、月曜日。

日曜夕方の狩野川河畔からの富士。


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日曜の夕方に埼玉に住む下の娘夫婦が孫を連れてやってきた。

静岡市で友人の結婚式がありその帰り道で立ち寄ったもの。

孫に会うのは一ヶ月ぶり。

一人でお座りできるようになっていた。

 

カラヤンのヴィヴァルディを聴く。


ベストセラーになった「四季」の前に録音された協奏曲集。

手持ちは国内廉価盤LPと独逸盤LP.

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1. ヴァイオリン協奏曲ホ長調『恋人』
2. シンフォニア ロ短調『聖なる墓に』
3. ヴァイオリン協奏曲ニ長調『不安』
4. 弦楽のための協奏曲ト長調『コンチェルト・ア・ラ・ルスティカ(田園風)』
5. 弦楽のための協奏曲ニ短調『マドリガレスコ』
6. 2つのヴァイオリンのための協奏曲イ短調 RV.523

 エミール・マース(ヴァイオリン)
 トマス・ブランディス(ヴァイオリン:3,6)
 オトマール・ボルヴィツキー(チェロ)
 ヴォルフガング・マイヤー(チェンバロ)
 ヴァルデマール・デーリング(チェンバロ)
 
  ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)
  ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
 

 録音:1970年8月サンモリッツ、フランス教会
 

国内盤LPで聴いた印象では、レガート多用の濃厚な響きに砂糖たっぷりの洋菓子のような甘いテイストがなんとも嫌みに感じていた。

 

今回独逸盤LPで聴いてみたら、芳醇なトロンとした高級ワインのような音が聞こえてきた。

名人揃いで惚れ惚れとするような美音、音の芯もしっかりしているのでこのようなスタイルも有りかなと思えてきた。

 

ハッピーな気分になれる、聴かせ上手なカラヤンならでは演奏。

 

実はカラヤンのヴィヴァルディでは「四季」と同時期に収録された「調和の霊感」作品3の録音が存在する。

1972年にサンモリッツで録音されたもので、シュヴァルベ以下ベルリンフィルの3人のコンマスが参加している。

 

なぜか長くお蔵入りになっていて、カラヤンの死後だいぶ経ってから発売されている。

 

曲は「調和の霊感」から
・4つのヴァイオリンとチェロのための協奏曲ニ長調 作品3-1
・4つのヴァイオリンのための協奏曲ホ短調 作品3-2
・4つのヴァイオリンとチェロのための協奏曲ヘ長調 作品3-7
・4つのヴァイオリンとチェロのための協奏曲ロ短調 作品3-10

 

  ミシェル・シュヴァルベ、
  トマス・ブランディス、
  レオン・シュピーラー、
  ハンス=ヨアヒム・ヴェストファル (ヴァイオリン)
  エーベルハルト・フィンケ (チェロ)
  ホルスト・ゲーベル (チェンバロ)

  ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)
  ベルリンフィルハーモニー

   録音:1972年8月、スイス、サンモリッツ、フランス教会

 

凄いメンバーで、こちらも聴いてみたくなった。

 

Youtubeはカラヤンのヴィヴァルディ「四季」から冬

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2023年12月 9日 (土)

本日の練習、第40回定演へ向けて伊福部昭とバルトーク

晴れのち薄曇り、12月も早くも半ば。


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畑のブロッコリーが大きくなりはじめ、夏からのオクラは未だに実をつけて健闘中。


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沼津市制百周年の「第九」から早くも一週間。

 

昨晩はオケの練習。

気分を切り替えての来年の沼響第40回定期演奏会への練習が始まった。

通常ルーティンの木曜日が変則的に金曜になったのと、第九が終わってから体調を崩す人が続出。

 

ホルンパートは6人中4人が欠席。

 

曲は伊福部昭の「シンフォニア・タプカーラ」とバルトークの「ルーマニア民俗舞曲」。


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伊福部作品は最初全曲をざっと通したけれど、久しぶりだったので第九の呪縛が未だ残り、特徴的な変拍子に最初は戸惑いがち。

 

何度も繰り返すうちに慣れてきた。

 

バルトークのホルンはほとんど出番はない。

 

第40回定期演奏会のメインはシューベルトの「グレート」のハ長調シンフォニー」

意表を突くプログラミングだけれどホルンの出番は2本のみ。

現在沼響のホルンパートは6人。

困ったな。

 

Youtubeはルーマニア民族舞曲

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2023年12月 7日 (木)

カラヤン、フィルハーモニア管との第九

曇りのち晴れ、最高気温19度。

本日の富士山に傘雲のような雲。


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結局今日は雨は降らなかった。

 

ちょっと第九ロス。

今日はカラヤンの第九を聴いた。

フィルハーモニア管との録音でカラヤンが残した4回のベートーヴェン交響曲全集のうち、第一回目全集中の一枚。

 

第九を初めて全曲通して聴いたのがこのフィルハーモニアとのカラヤン盤だった。

自分が中学生なったばかりのときで、ある日10歳年上の従兄弟に市内のレコード店に連れて行ってもらった。

社会人になったばかりの従兄弟から好きなレコードを買っていいよと言われて選んだのがこれ。

 

「運命」「田園」とのカップリングの東芝のLP2枚組で3,000円。


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値段を見て一瞬従兄弟の表情が固まったのを今でも覚えている。

その頃の3,000円は高くて、ちょっと申し訳ないような気持になった。

このLPはモノラルを疑似ステレオ化したもので、クラシック音楽を聴き始めた自分にはそのようなことを知る由もなく、家に帰ってみたらベルリンフィルじゃなくてがっかりしたことも覚えている。

同じ店にはグラモフォンのカラヤンの「運命」「未完成」「第九」のカップリングでLP2枚組3,000円のセットもあったはず。

 

今はこのフィルハーモニア管との第九の手持ちは、この疑似ステレオLP2枚組のほか、オリジナルモノラルのLPと、全集からのモノラルCDの3種類。

実はこのカラヤンのフィルハーモニア管との第九には最近になってステレオバージョン発掘されている。

オリジナルモノラルの方が音が良いような気がして発売当初に購入するのを迷ったまま、未だ購入に踏み切れていないでいる。

 

今回は1955年リリースの米Angelの2枚組LPで聴いた。


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フィルハーモニア管弦楽団
ウィーン楽友協会合唱団、
 
S:シュワルツコップ、A:ヘンゲン、
T:ヘフリガー、Br:ホッター

 録音1955年 7月

 

しなやかで生き生きとしたリズム、洗練された中で変幻自在のテンポの変化。


コントラバスを強調しているようにも聞こえたけれど、EQカーヴの調整をきっちり追い込んでいけば自然な音になるかもしれない。

 

第4楽章の声楽陣はやはり何度聞いても素晴らしい。

テノール時代のヘフリガーの若々しい声が魅力的。

 

合唱はウィーンフィルとの49年盤ほどの破綻は見せていないけれどアンサンブルは幾分甘いかな。

 

Youtubeは第九のフラッシュモブ

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2023年12月 5日 (火)

沼津市制100周年記念沼津の第九終わる

終日曇天、気温も低い。


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連日の強風で雪が飛ばされている富士山。

 

沼津市制100周年記念の第九は無事終了しました。

 

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第1部


・佐藤 真/大地讃頌(カンタータ「土の歌」第7楽章より)、
・岡野貞一/ふるさと(編曲 いしだありみ)
 

 指揮:芹澤卓弥
 ピアノ:田京まゆみ、新井 瞭
 合唱:一般公募による市民合唱団

第2部

・交響曲第九番ニ短調 「合唱付き」

 指揮:喜古 恵理香
 ソプラノ 迫田美帆、アルト 山下裕賀、
 テノール:宮里直樹、バリトン 池内響

 沼津交響楽団
  一般公募による市民合唱団(合唱指揮 芹澤卓弥)

 

土曜日前日のリハではソリスト4人のうちテノールの宮里さん以外の3人が揃った。


この3人は来年の東京都交響楽団の「第九」公演と同一メンバー。

 

今回のソリストが凄いメンバーだとは当初からわかっていたけれど、バリトンの池内響さんの「フロイデ!」の一声で合唱とオケから「うぉおおお・・・!」という声。

続く合唱団の歌声が池内さんの声を聞いてから一変したのも驚いた。

とても同じ合唱団とは思えないほど。

 

オケも触発されて皆の表情が変わっていく。

 

良い気分のまま翌日の本番へ。

 

そして本番当日の日曜は良い天気。

オケは10時からゲネプロ開始。

11時からは合唱合わせ、テノールの宮里さんも前日の日本フィルの「第九」の本番を終えて駆けつけてくださった。

 

宮里さんは来年の「国技館5000人の第九」コンサートのテノールソロ。

 

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ソリストの4人は東京芸大の同級生や一学年違うだけの方々。

多くのオペラ公演で副指揮者の経験のある喜古先生とも同年齢の気の合った仲間たち。

最初から和やかな雰囲気でアンサンブルも数回の練習でピタリと合った。

 

沼響の第九は今回で7回目。

今まで共演したソリストは、それぞれキャリアや年齢差の違いがあったけれど、今回ほど同年齢で高い水準の売れっ子歌手たちが揃ったことはなかった。

 

若いプロの方々の楽しそうな笑顔をみているうちに、オケも合唱も本番に向けてのテンションは急上昇。

 

本番では第4楽章の最初に喜びの歌がチェロとベースで出てくるところなど、今まで練習で聴いた中で一番ピッチが合っていた。

やればできるじゃん。

と思いながらも次々に入ってくる木管群も素晴らしい出来。

ロートルの多いホルンパートとしては細かな反省点はあったけれど、本番は心地よい熱狂のうちに終わることができました。

 

お客様の反応も良かった。

 

アンコールは沼津市歌を市長さんの指揮で。

 

Youtubeはパ^ヴォ・ヤルヴィ指揮N響の第九

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2023年12月 2日 (土)

本日の練習、市制100周年の第九は明日が本番

師走最初の週末。


最高気温14度、最低気温3度。


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沼津市制百周年の第九、いよいよ明日が本番。

 

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合唱参加の家内は午前中から練習に参加。

自分は午後から市民文化センターへ。


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合唱合わせ、ソリストも加わり盛り上がっております。


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ソリストの方々も凄い人たちが集まりました。

ソプラノ   迫田美帆
メゾソプラノ 山下裕賀
テノール   宮里直樹
バリトン   池内響

 

山下裕賀さんは今年の日本音楽コンクール声楽部門1位。

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夜はオケのみで最後の仕上げ。

 

Youtubeは鈴木雅人指揮バッハ・コレギウムジャパンの第九、今回テノールソロで参加する宮里さんが出ています。

 

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2023年12月 1日 (金)

ホロヴィッツ、1978-79ライヴ

今日から師走。

今年は夏が長く秋が短かった。

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ここ数日の各地の紅葉の盛りを見ていると、あたかも自然が大急ぎでつじつまを合わせているかのよう。

 

月曜に打ったコロナワクチン注射の痕に未だ微かな痛み。

もう副反応は出ていない。

 

先日、仕事場近くの中華料理店、「萬品香」で昼食を、と思って行ってみたら店が変わっていた。

店内に入ると中国語が飛び交っている。

「萬品香」も中国(台湾?)の人がやっていたけれど、こちらも同じような雰囲気。

 

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ランチメニューの広東麺とチャーハンセットをオーダー。850円。

この店もコスパはよさそうだ。

 

店を出ようとしたら、レジでかつての上司Mさんにばったり会った。

Mさんは自分の新人時代には教育係、Mさんの定年直前には直属の上司だった。

 

思いがけない出会いに店の外でしばしの近況報告。


昼食代も出していただいちゃって恐縮して別れた。

Mさんいつまでもお元気で。

 

ホロヴィッツの1978,79年ライヴを聴く。


手持ちは国内盤LP。


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・フモレスケ     :シューマン
・舟歌ト短調op.10-3 :ラフマニノフ
・ユモレスクop.10-5 :ラフマニノフ
・コンソレーション:第3番変ニ長調 :リスト
・メフィストワルツ  :リスト

 ウラディミール・ホロヴィッツ(ピアノ)

  録音 1978,79年 ニューヨーク ライヴ

 

研ぎ澄まされた緊張感、厳しさの中にもロマンティックな詩情と豪放さの共存。

 

メフィストワルツはまさにデモーニッシュな凄演で、これを凌ぐ演奏はちょっと思い当たらないほど。

楽譜に多少手を加えているようだ。

終演後の熱狂的な拍手も納得。

国内盤LPには、実際に同じプログラムで別の日の演奏を聴いた作曲家の諸井誠氏の一文が乗っていて興味深い。

 

Youtubeはホロヴィッツの弾くラフマニノフ、プレリュード作品32の12

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