ミコラ・ジャジューラ指揮ウクライナ国立フィル
寒風吹きすさぶ日曜日。先週後半は天気は乱調気味。
金曜は日本列島の背中に覆い被さるような雨雲で終日雨模様。
昨日土曜は12月中旬とは思えぬポかポカ陽気。
最高気温は23度、お隣の神奈川小田原では26度の夏日を記録。
昨日はウクライナ国立フィルハーモニー交響楽団の沼津公演に行きました。
・フルート協奏曲第2番 ニ長調 :モーツァルト
・ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 第1楽章 :シベリウス
・交響曲第9番 ホ短調 「新世界より」 :ドヴォルザーク
アンコール
・映画「高き峠」からメロディ :ミロスラフ・スコリク
野田枝里(フルート)
荒川太一(ヴァイオリン)
ミコラ・ジャジューラ (指揮)
ウクライナ国立フィルハーモニー交響楽団
会場ロビーではウクライナの民芸品を販売するコーナー。
このオケ、てっきりNAXOSレーベルのCDでマルティヌーやプロコフィエフなどで名演を聴かせてくれていたウクライナ国立交響楽団(Ukraine National Symphony Orchestra)のことだと演奏会当日まで思いこんでいた。
ところがコンサート会場で購入したプログラムのオケの紹介では1995年創立のオケ。
一方のウクライナ国立交響楽団は1918年創立の老舗。
昨年はウクライナ国立歌劇場管弦楽団というオケも同じジャジューラの指揮で来日している。
どうやらウクライナ国立フィル(National Philharmonic Society of Ukraine KYIV)は、
キーウにある全く別のオケらしい。
プログラムの公演スケジュールを見ると、今月初旬から1月までほぼ毎日のハードスケジュールで全国を回っている。
沼津の前日は甲府、そして今日は新潟で公演。
プログラムの中には同日に「新世界より」とベートーヴェンの「第九」2曲というプログラムもあって驚いた。
本日の前半はフルートの野田枝里さんと、ヴァイオリンの荒川太一さんでコンチェルト。
お二人は沼津西高の卒業生。
荒川さんは沼響と共演したこともあります。
後半はドヴォルザークの「新世界より」。
いくぶん素朴な音と、弦楽器群のしなやかで美しい響きが印象に残るオケだった。
なによりも祖国存亡の危機の中、ウクライナの指揮者ミコラ・ジャジューラの指揮の下、誠実に、そして真剣に丁寧に訴えかけるように歌い上げていく演奏には心打たれるものがありました。
「新世界より」の有名なラルゴでは切々と故郷を想う心が伝わり、会場に深い感動が広がっていきました。
正直なところ、過密なスケジュールと戦争の影響での水準の低下を心配していたけれど、オケをまとめあげて効果的に鳴らすジャジューラの指揮が素晴らしく、一部金管で疲れが見られる部分はあったものの、あまり気にはなりませんでした。
ジャジューラの短いスピーチのあと、アンコールはソリストの2人も加わって、ウクライナの作曲家ミロスラフ・スコリクの映画「高き峠」からメロディ。
甘く切ない美しくも哀しげな曲。
斜め前の席のご婦人は聴きながら涙をぬぐっておりました。
演奏が終わったあとに深く長い長い静寂。
今日の観客も素晴らしかった。
昨日の沼津の暖かさに比べ今日の公演地新潟はさぞや寒いだろうな、そんなことを思いました。
Youtubeはスコリクの「メロディ」、ソプラノヴァージョン。2022年リトアニアでおこなわれたウクライナ支援チャリティでのライヴ
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