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2024年2月に作成された記事

2024年2月27日 (火)

クライバーンのマクダウェルとプロコフィエフ

本日晴天、朝から冷たい風の吹く2月の最後の週。

昨日オフで脳の3回目MRI検査。

昨年末の検査で慢性硬膜下血腫と診断され、先月のMRI検査で出血の縮小が認められて経過観察となっていた。

自然治癒についてネット情報では極めてまれとの記述もあり、半ば手術を覚悟してセミリタイアの身とはいえ今後の予定はなるべく入れないようにしていた。

 

予約していた近所の脳外科クリニックでMRI。

診察室で画像を見せていただく。

 

先生「吸収されていますね。何か症状はありますか?」

私「特にありません」

 

物忘れは多少あるけれど前からそうだったし、黙っていた。

画像で12月末の真っ白な部分が消えて黒くなっているのがわかった。

 

先生「大丈夫ですね」

私「治ったということですか?」

先生「そうです。これで終わりです」

私「ありがとうございます」

 

幸いにして自然治癒だったということらしい。

ただ今回は幸運だったけれど「これからは注意せよ」警告のような気がした。

 

その足で定期的に通っている内科クリニックへ。

医院に着くと隔離部屋に人がいた。

コロナ患者なのだろうか。

 

なじみの看護師から「ジュースはどうしました?」

先月の検査の時に「小松菜とバナナのジュース」と「蜜柑のスムージー」を毎日朝晩飲んでいたせいでカリウムと血糖値が上がっていることを指摘されていた。

 

私「やめました」

 

ドクター「血糖値が下がっていますね」

やはりからだは正直でした。

 

 

アメリカのピアニスト、ヴァン・クライバーンを聴く。

 

プロコフィエフとマクダウェルのピアノ協奏曲。


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・ピアノ協奏曲第3番 ハ長調 Op.26    :プロコフィエフ
・ピアノ協奏曲第2番ニ短調 ニ短調 Op.23 :マクダウェル

  ヴァン・クライバーン(ピアノ)
  ワルター・ヘンドル
  シカゴ交響楽団
       録音:1960年10月22,24日 シカゴ、オーケストラ・ホール

 

今や国際ピアノコンクールにその名を残すのみとなったクライバーン。

冷戦時代の1958年第1回チャイコフスキー国際ピアノコンクール優勝直後に録音されたチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番は、世界中で最も売れたクラシックレコードアルバムとされる。


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彼は栄光の時代とそれ以後の凋落の落差が大きかった。

 

この2曲はクライバーンの旬がまだ終わっていなかった頃の1961年の録音。

19世紀アメリカの作曲家マクダウェルはクライバーンが得意とした曲で、プロデビューでもこの曲を取り上げている。。

美しくも叙情的なプロコフィエフとマクダウェル。

 

プロコフィエフでは緊張感が一瞬弛緩するような弱さが垣間見えるものの、テクニックも十分だしバリバリと突き進む箇所では爽快に聴かせる。

マクダウェルはプロコフィエフ以上の名演。

この曲はグリーグのピアノ協奏曲に非常に似ていて、第1楽章第一主題など恥ずかしくなるほどそっくり。

曲そのものはロマンティックで叙情的、美しいメロディが魅力的な佳品。

もっと演奏されても良い作品だと思う。

 

だが録音は非常に少ない。

良く知られたピアニストでこの曲の録音といえばアンドレ・ワッツとアール・ワイルドくらいか。

クライバーンも含め全てアメリカのピアニストだ。

 

伴奏のワルター・ヘンドルは、ソーア・ジョンソンと並んで日本最初の国際的なオケの来日だったシンフォニ・オブ・ジ・エアー(旧NBC交響楽団)の指揮者として来日同行している。

 

名指揮者フリッツ・ライナーの下でシカゴ響の副指揮者だった。

よく伴奏指揮専門で凡庸の代名詞のような書かれ方をされているけれど、この録音を聴く限りではピシッとした緊張感のある良い伴奏を付けている。

シカゴ響のうまさもあって特にマクダウェルが壮大な出来だ。

 

Youtubeはマクダウエルのピアノ協奏曲第2番第1楽章、アンドレ・ワッツのピアノ、スラトキン指揮デトロイト響

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2024年2月25日 (日)

ヴォーン・ウイリアムスの田園交響曲

気温は下がり今日は朝から冷たい雨。

花粉症が本格的になってきた。

 

昨日土曜は長雨の合間の晴天。


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朝にポコと散歩していると雲の合間に真っ白な富士山。


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ポコは最近太った。

 

散歩途中でご近所のNさんに会ってしばし立ち話。

 

ちょいと散歩してきたというから、どちらまでかと思ったら。
隣町の函南町の日守山付近まで行ったという。

そこは今の場所から直線距離で片道3キロ余りとはいえトンネルを越えたりして起伏の激しいところ。

 

 

Nさんは81歳、若い頃から山登りが趣味だった。

 

「自分の身の回りの人たちが皆逝ってしまったり施設に入ったりで寂しくなった」と元気なくつぶやいていた。

 

そういえば自分が幼き頃からの馴染みの近所のおじさん、おばさんたちのほとんどが、ここ数年でいなくなった。

世代交代が急速に進み、いつのまにか自分の前を走る人たちが少なくなっている。

 

 

今日はイギリスの作曲家ヴォーン・ウイリアムスを聴く。

聴いたのは交響曲第3番とよばれている「田園交響曲」。

演奏はサー・エイドリアン・ボールト指揮のロンドンフィル。

ボールトの二つある交響曲全集のうち最初の録音。

 

手持ちは英デッカのEclipse盤でモノラルをステレオ化したもの。


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・交響曲第3番『田園』
・交響曲第5番*

 マーガレット・リッチ(ソプラノ)
 サー・エイドリアン・ボールト(指揮)
 ロンドンフィルハーモニー管弦楽団

         録音 1952年12月, 1953年12月*

この曲は発表当初に田園交響曲、後に交響曲第3番とされた。

初演はボールト指揮のロンドンフィル。

終曲に歌詞のないヴォカリーズのソプラノが入る。

そのほかナチュラルトランペットとナチュラルホルンの楽器指定があり、それぞれ重要なソロがある。

 

「田園交響曲」とはいえベートーヴェンの「田園」のような小鳥のさえずりや嵐は聞こえない。

薄い霧の向こうに草原が広がるような絵画的な音楽。

全編モデラートのゆっくりめの交響曲。

 

穏やかな曲想が続き大らかで茫洋とした自然の風景が目の前に広がるような曲だ。

第2楽章の牧歌的な雰囲気、そして終楽章で最後にソプラノのヴォカリーズが聞こえてくるあたりは実に感動的。

ボールトの演奏は再録音に比べ、引き締まったオケの音と特に第3楽章に激しい感情の爆発が聞かれる。

ただステレオ化はあまりうまくいっていない。

 

Youtubeはヴォーン・ウイリアムスの田園交響曲第4楽章

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2024年2月23日 (金)

NAXOS  3人の指揮者のワーグナー、そしてメータの「ニーベルングの指輪」ハイライト

今週は毎日雨模様。巷は今日から三連休。

この寒暖差の大きさでぎっくり腰が流行っているらしい。

 

我が職場でも続けて二人がぎっくり越。
自分と同年代の一人はかなり重症の様子。

自分もなんとなく腰が重い。

昨日から娘が二人の孫を連れて帰省している。
二人とも大きくなって重くなってきている。


ついつい無理して抱き上げたりしていて、腰に負担が掛かっているのだろう。
ぎっくり腰の辛さは身に沁みている。

 

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昨日、オフィス近くの葉山珈琲のランチメニューからオムライス。

 

今日はワーグナー。

聴いたのはNAXOSから出ていた「ベスト・オブ・ワーグナー」

初期NAXOSを飾った3人の指揮者とオーケストラによるオムニバス盤。

 

かなり以前にもよりのハードオフのジャンクコーナーからの発掘品。

110円だったのがちょうどジャンクCD半額セールで55円。

 

 

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・楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲
・楽劇「トリスタンとイゾルデ」 愛の死
 ヨハネス・ヴィルトナー (指揮)
 ポーランド国立放送交響楽団
  録音 1988年

・歌劇「タンホイザー」 序曲
・歌劇「ローエングリン」 第1幕への前奏曲
・歌劇「さまよえるオランダ人」 序曲
 ミヒャエル・ハラース (指揮)
 スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団
  録音1988年

・楽劇「ニーベルングの指環」 - 「ラインの黄金」ヴァルハラ城への神々の入城
・楽劇「ニーベルングの指環」 - 「ワルキューレ」ワルキューレの騎行
・楽劇「ニーベルングの指環」 - 「神々の黄昏」ジークフリートの死と葬送行進曲
 ウーヴェ・ムント(指揮)
 スロヴァキア放送交響楽団
  録音1990年

 

ヴィルトナー(Johannes Wildner 1956-)はウィーンフィルの元ヴァイオリン奏者。

お国もののウィンナワルツのほかかなりの録音がNAXOSにある。

珍しいところでは今は忘れられた重厚な作風のヨーゼフ・マルクス(1882-1964)の交響曲や
ブルックナーの交響曲第3番のノヴァーク版の3つの異稿をまとめたアルバムなど。

 

ミヒャエル・ハラース(Michael Halász, 1938 - )はハンガリーの指揮者。ウィーン国立歌劇場など主に独墺圏のオペラハウスで活動した人。
NAXOSには沢山の録音があるけれど意外とオペラの録音は少ない。

 

ウーヴェ・ムント(Uwe Mund 1941-)はウィーン生まれ。京都市交響楽団の常任指揮者も務めていてN響にも客演している。N響に客演したときのブルックナーは名演だった。

3人とも手堅く曲をまとめるタイプの印象だったけれど、このような形で3人比べて聴いてみるとそれぞれの個性が面白い。

 

3人の中で個性を発揮していたのはハラース。

オケの響きは枯れているけれど、内声部を効果的に生かした「ローエングリン」はなかなかの名演だし、何かに憑かれたようにティンパニを強烈に乱打した「オランダ人」の爆演ぶりも面白い。


「タンホイザー」はなぜか後半が切れていて曲が途中で終わっている。

 

ヴィルトナーは、オケがあまりにも軽い。

「マイスタージンガー」での粘るようなルバートもちょっとなぁ・・・・

ムントの「リング」は優等生的に無難にまとめたという印象。

 

もう一枚。メータのワーグナーも聴いてみた。

メータのワーグナーではCGを駆使した舞台が話題になったバレンシアでの「リング」全曲ライヴが映像で出ている(私はみていません)

 

聴いたのはメータのニューヨークフィルの音楽監督時代の録音で「リング」から著名な曲を集めたもの。
こちらも同じ頃にハードオフのジャンク品からピックアップ。

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ワーグナー
「ニーベルングの指輪」ハイライト

・楽劇「ラインの黄金」ワルハラ城への神々の入場
・楽劇「ワルキューレ」ワルキューレの騎行
・楽劇「ワルキューレ」魔の炎の音楽*
・楽劇「ジークフリート」森のささやき
・楽劇「神々のたそがれ」夜明けとジークフリートのラインの旅
・楽劇「神々のたそがれ」ジークフリートの葬送行進曲
・楽劇「神々のたそがれ」「ブリュンヒルデの自己犠牲」**

 ペーター・ウィムベルガー(バリトン)*
 モンセラ・カバリエ(ソプラノ)**
 ズービン・メータ(指揮)
 ニューヨークフィルハーモニック

    録音:1981.2.23&1982.4.26 ニューヨーク、エブリーフィッシャー・ホール

LP発売時には「ブリュンヒルデの自己犠牲」はなかった。

 

NAXOS盤のあとで聴いてみるとオケの実力差は歴然。

メータのグラマラスでリッチな音楽造りに余裕で応えているオケの壮大なワーグナー。

若々しくも張りのあるカバリエの歌声が何とも魅力的だ。

 

Youtubeは楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕前奏曲、シノポリ指揮ドレスデン国立歌劇場管

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2024年2月21日 (水)

伊福部昭著「管弦楽法」、そしてリトミカ・オスティナータのことなど

再び気温は下がり今週は雨模様。

気温は急降下、日曜の最低気温が月曜は最高気温。

 

本日オフで朝は雨が降っていなかったので1時間ほど畑作業。

枯れて林立していたオクラを引き抜き、ブロッコリーの合間の雑草を除去。

 

ご近所の専業農家の畑は春野菜の準備を始めていた。

完全に出遅れた。


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裏山の河津桜が満開。

そして椿も咲き始めた。


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沼響次回の定演は伊福部昭の「シンフォニア・タプカーラ」を取り上げる。

伊福部昭は芥川也寸志や黛敏郎ほか多くの作曲家を育てた日本作曲界の大御所。

 

練習していて伊福部作品はオーケストラが実に効果的に鳴り響く。

 

そこで伊福部昭の名著「管弦楽法」を図書館から借りてみた。


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ぶ厚い上下2巻に圧倒される。

昭和28年第1刷発行、図書館の所蔵本は1989年の第9刷。上巻は管弦楽法と楽器各論。

 

楽器各論では各楽器の歴史、構造と原理、詳細な奏法とオーケストラの中での使用する際の注意(持ち替えの場合の時間の注意まで!)を豊富な譜例とともに紹介している。

例えばオーボエ族の項ではオーボエ、コールアングレ、オーボエ・ダ・モーレ、ヘッケルフォーン、バリトン・オーボエ(バスオーボエ 「惑星」で使用)のほか、さらにはダブルバス・オーボエやピッコロ・オーボエなど初めて知るような楽器があって、それぞれ豊富な譜例が紹介してあるのにはびっくり。


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ピッコロ・オーボエを使用している作曲家Paul Vidalのことなど、ネットもない時代にどうやって調べたんだろうか?

古楽器からバンドネオン、各種打楽器から人の声、今や消えてしまった電子楽器まで、ありとあらゆるオケで使われる可能性のある楽器を網羅していた。

いやはやとにかくすごい。

 

伊福部昭の「ピアノとオーケストラのためのリトミカ・オスティナータ」を聴く。


日本ビクターから出ていたLP.


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・ピアノと管弦楽のためのリトミカ・オスティナータ  :伊福部昭
    小林仁(ピアノ)
    若杉弘 (指揮)
    読売日本交響楽団
             録音 1971/1/5~16 世田谷区民会館

・管弦楽のための木挽歌               :小山清茂
  外山雄三 (指揮 )
  読売日本交響楽団
            録音1977/12/4 読売日本交響楽団ホール

・チェロとピアノのためのこもりうた     :外山雄三、井上頼豊(編曲)
  井上頼豊(チェロ)
  浅野繁(ピアノ)
           録音 1974/9/20~10/2 ビクター第1スタジオ

 

ゴジラの音楽はともかく、伊福部昭の本格的な作品を聴いたのはこの盤が初めてだった。

 

70年代の学生時代に購入したLPでお目当てはカップリングの小山清茂の「木挽き歌」。

 

それがこの伊福部作品が非常に良くて、終盤のひたすら繰り返される強烈なリズムに、惹かれ何度も繰り返し聴いたのも懐かしい。

 

Youtubeは「リトミカ・オスティナータ」終結部、NHKのドキュメンタリーから

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2024年2月18日 (日)

Orchestra Est 三島公演

晴れのち曇り。

ここ数日暖かな日が続く、本日の最高気温は20度。

庭の数種類の色の花を咲かせる遅咲きの梅「おもいのまま」が今年も咲き始めた。

紅、白、絞りの3色が咲くと言われている。


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最近は白ばかりになってきた。

 

昨日はOrchestra Estの演奏会。


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場所は隣町、三島の市民文化会館ゆうゆうホール

開演13時30分。

先日の高関建のブルックナーの8番と同じ会場。

昨日も同じような天気で雨が降り始めた。

駐車場はホール前の駐車場が空いていたのでそこに駐車。

多少時間があったので近くの図書館に寄ってみたらそこの駐車場も空いていた。

こちらは2時間の減免がある。あとで後悔。

 

このオケは東京大学音楽部管弦楽団OB,OGによる創立は2016年という若いオケ。

 

曲は

・楽劇《ニュルンベルクのマイスタージンガー》より第1幕への前奏曲:ワーグナー
・ハイドンの主題による変奏曲        :ブラームス
・ 交響曲第1番 ハ短調           :ブラームス

 竹内 健人(指揮)
 Orchestra Est

ワーグナーとブラームス、独逸ロマン派王道のプログラム。

 

母体の東大オケは昨年と2019年に聴いている。

いずれもメインの曲はサン・サーンスの交響曲第3番だった。

2019年は沼響でもサン・サーンスの3番を定演に取り上げていた。

 

この時の三石精一指揮の演奏が非常に良くて、以後オルガンの響きに浸りたく、ワセオケコバケン指揮日本フィルなど、サン・サーンスの3番にはまって何度も東京に足を運ぶことに。

 

そしてOrchestra Est。

開演前に弦楽四重奏による「情熱大陸」ほかのプレコンサート。


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そして指揮者の竹内 健人氏と、団員の女性コントラバス奏者によるプレトークがあった。

この女性奏者は三島在住だという。

メンバーの大部分は20代。一部現役も入っているらしい。

 

演奏は若々しくフレッシュなワーグナーとブラームス。

OBということで多くは社会人。

ただいわゆる地方都市の市民オケ(沼響も含む)とは一線を画す趣があり、かなり学生オケの雰囲気を残している。

学生オケのような練習量は望めないとはいえ、その分効率的な練習をおこなっているのだろう。

弦楽器群の水準は高かった。

ブラームスでのコンマスのソロなど見事なもの。

ブラームスでは曲の入りで一瞬早くコントラバスが入るのは指揮者の指示なんだろうか。

 

プログラムの20頁を超える曲目紹介は、豊富な譜例も引用しながらのかなりの力作。


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当オケのサイト上でも今までの演奏会のプログラムの曲紹介を載せていてかなり力を入れているようだ。

演奏マナーの漫画付きのプログラムも゙ユニーク。

 

次回の演奏会は川崎でサン・サーンスの交響曲第3番と「惑星」だという。

おそらく私が聴いた2019年と2023年の東大オケでのサン・サーンスの3番に出ていたメンバーも参加するのだろう。

都合がつくようだったら行ってみようかな。

Youtubeは昨年の東大オケのサン・サーンスの交響曲第3番第2楽章第2部、この演奏は会場で聴きました。

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2024年2月16日 (金)

小澤征爾、若き日のブリテン

晴れのち曇り。

昨日は久しぶりのまとまった雨。

今日は暖かな1日。

 

日中ポコは気持ちよさげにお昼寝。


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小澤征爾の死去にネットにはいろいろなコメントが出ている。

小澤征爾のレパートリーは広く手持ちの音源も多いけれど、自分としてはサイトウ・キネン・オーケストラの一連の録音よりも若き頃の演奏が好きだ。

 

今日はブリテンの「青少年のための管弦楽入門」を聴く。


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・青少年のための管弦楽入門

  小澤征爾(指揮)
  シカゴ交響楽団
 
   録音:1967年7月 
      シカゴ、メディナ・テンプル

 

カップリングは「展覧会の絵」。


当時トロント響の音楽監督だった小沢征爾が、世界のオザワへ向けて大きく飛躍しようとしていた30代の演奏。

小澤の颯爽とした指揮に凄腕の名人揃いだったシカゴ響の各セクションの名技が聴きもの。。

 

この演奏を初めて聴いたのは学生時代のこと。


安物のラジカセだった。

FMから流れてきたフーガの手に汗握る白熱の演奏に痺れたのを今でも思い出す。
ナレーションが入らないのも良い。

 

「展覧会の絵」はもうオーケストラをドライヴするのが楽しくてたまらない様子が自然に伝わってくる快演。

クーベリック、ライナーやショルティなどいくつかあるシカゴ響の「展覧会の絵」冒頭のプロムナードでトランペットを吹いているのは1948年(27歳)から2001年(80歳)まで首席だったアドルフ・ハーセス

 

いくつかある彼の録音ではこの小澤盤が一番良いと思う。

 

Youtubeは小澤征爾指揮シカゴ響の「青少年のための管弦楽入門」

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2024年2月13日 (火)

ジェイムズ・ジャッドの「惑星」

本日快晴、気温は上昇3月中旬並み。

昨日初午


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イギリスの指揮者ジェイムズ・ジャッドの「惑星」を聴く。
日本コロンビアによる現地録音。

 

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ホルスト:組曲「惑星」

 ジェイムズ・ジャッド(指揮)
 ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
 キングズ・カレッジ合唱団

 録音:1991年 ウォルサムストウ・アッセンブリー・ホール

 

ジャッドはN響に来演して「惑星」を指揮している。

この頃日本コロンビアがまだ手持ちの「惑星」のデジタル録音がなかった時で、ジャッドを選んだのはこの時のN響との好演が理由の一つになったのではないかと思う。

録音の詳細についてはこちらのサイトに詳しい。

この頃はバブルの末期で国内のレーベルが海外での出張録音を盛んにおこなっていた。

 

惑星は優れたオケだと、それだけである程度の水準に仕上がる曲。

ジャッドの演奏は、楽器をキチンと整理整頓、鳴らし込む技術は十分。

テンポ設定も違和感はないけれど、「木星」のホルンパートにステレオ初期のストコフスキーの演奏によく似た改変があるのが意外だった。

「海王星」の合唱は別採り。

録音手記にもあるとおり、かなりこの合唱にこだわりを持って録音したらしく、フェイドアウトしながら何度も何度も繰り返している。

まるでこちらの耳を試しているかのようだ。

 

Youtubeはジャッドの指揮するシューマン、4本のホルンのためのコンチェルトシュトゥック、1番ホルンは名手ヴラドコヴィッチ

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2024年2月11日 (日)

小澤征爾さんのことなど

晴れ時々くもり一時雨。

花粉症が始まったらしく朝起きたらくしゃみ三連発。

コロナ感染も広がりマスクを離せぬ日が続く。

 

職場近くのとんかつ専門店「シリウス」の期間限定スペシャルランチ。


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ヒレカツにカキフライ、そして尾頭付きのエビフライ。


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バニラアイスクリーム付き。

このランチにはしゃれたネーミングが付いていたけれど失念。

 

小澤征爾さんが亡くなった。

 

小澤さんはちょうど私の母と同じ年。


ここ数年、ステージから遠ざかっていたし、昨年のセイジ・オザワ松本フェスティバルでの姿ではだいぶ弱っている様子だったので気になっていた。

先月のクラシックレコードコンサートでは、ちょうど小澤征爾さんの特集を組んだ。

 

小澤さんは沼津に3度来演している。

最初の公演は新日フィルとの1984年5月6日で、シューベルトの「未完成」とベルクの7つの初期の歌(ソプラノは白井光子)。
そしてシューマンの「ライン」だった。

このときアンコールにバッハの「アリア」を演奏したと思う。

 

次は1986年11月5日、同じく新日フィルでヒンデミットの「気高い幻想」、劉文金の二胡協奏曲「長城幻想」(ソロは姜健華)、シューマンの交響曲第2番というマニアックなもの。

この時当初マーラーの交響曲第7番が予告されていたけれど、変更になってがっかりした記憶がある。

 

最後は1996年11月7日。


オケは神奈川フィルで、横浜でおこなわれた外人墓地支援チャリティコンサートのプログラムを持ってきたもの。
曲はブラームスの交響曲第3番とフォーレのレクイエムだった。

 

招聘したのは、いずれも沼津のクラシック音楽鑑賞団体だった今は無き沼津楽友協会。

楽友協会の事務局長だった故杉山さんが2回目の招聘の時に「沼津でこんな難しい曲で大丈夫でしょうか」と聞いたら小沢さんが「沼津ならばだいじょうぶですよ」とおっしゃったということを杉山さんから聴いたことを思い出す。

いずれも今でも鮮明に思い出すほど印象的なコンサートだった。

 

特にベルクの歌曲が良かった。


「ライン」ではファゴットが4本だったのも印象に残っている。

 

その時小澤さんからサインもいただいた。


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小澤さんはレパートリーが広く、どの音楽も至高の高みに達していたけれど、メジャーレーベルでのレコーディングではサイトウ・キネン・オーケストラを手にするまでは、かなり限定されていたと思う。

ベートーヴェンとブラームスの交響曲はサイトウ・キネン・オーケストラによってはじめて全集の形になったし、シューマンは協奏曲だけで交響曲の録音は無い。

完成された交響曲全集としてはマーラーぐらいか。

 

フランス音楽では、ベルリオーズやラヴェルは、まとまった量のレコーディングがあるのにドビュッシーは「選ばれし乙女」、オネゲルも「火刑台上のジャンヌ・ダルク」のみ。

オネゲルの交響曲やドビュッシーの「映像」を小澤さんで是非聴いてみたかった。

 

今日はマーラーの「復活」を聴いていた

新日本フィルの第100回定期公演のライヴで、新日本フィルの自主制作LP2枚組.


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・交響曲第2番 ハ短調 「復活」  :マーラー

 大倉由紀枝(ソプラノ)
 伊原直子(アルト)
 
 小澤征爾(指揮)
 新日本フィルハーモニー交響楽団
 晋友会合唱団

     録音 1982年 5月28,29日 東京文化会館

ライヴならではの粗さは散見されるし、デジタル録音とはいえ録音は明瞭度を欠くけれど、曲の後半にかけての熱気と盛り上がりはなかなかのもの。

 

謹んでご冥福をお祈りいたします。

 

Youtubeは小澤征爾指揮ボストン響のマーラー「復活」終結部。タングルウッド音楽祭のライヴ。ドキュメンタリー「OZAWA」から

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2024年2月 6日 (火)

神谷郁代のピアノ名曲集

雨のち曇り。どんよりとした雲の多い冬の寒空。


関東平野に大雪を降らせた低気圧は去ったけれど物流に影響が出ている様子。

昨日あたりから両肩が痛い。今朝起きたらかなりの痛み。

母をディサービスに送り出したあとに、家に会ったロキソニンの湿布を両肩から背中にベタベタ貼って出勤。

 

神谷郁代のピアノを聴く。

新星堂から出ていたCDで、バッハからサティまでの有名な小品を20曲ほど。


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01メヌエット ト長調BWV114 (J.S.バッハ代)
02主よ、人の望みの喜びよ (J.S.バッハ)
03調子のよいかじ屋 (ヘンデル)
04トルコ行進曲 (モーツァルト)
05エリーゼのために (ベートーヴェン)
06楽興の時第3番 (シューベルト)
07紡ぎ歌 (ブルクミュラー)
08春の歌 (メンデルスゾーン)
09楽しき農夫 (シューマン)
10ポロネーズ第6番変イ長調op.53「英雄」 (ショパン)
11ワルツ第7番嬰ハ短調op.64-2 (ショパン)
12乙女の祈り (バダジェフスカ)
13トロイメライ (シューマン)
14子守歌op.49-4 (ブラームス)
15ユーモレスク嬰ヘ短調 (ドヴォルザーク)
16弦楽四重奏曲第1番ニ長調op.11~第2楽章アンダンテ・カンタービレ (チャイコフスキー)
17亜麻色の髪の乙女 (ドビュッシー)
18月の光 (ドビュッシー)
19ジムノペディ第1番 (サティ)
20ジュ・トゥ・ヴー (サティ)

  神谷郁代(ピアノ)

          録音 1982年、85年

このような曲集のアルバムは多数あるけれど、どの作曲家も同じように聞こえてしまう演奏が多い中で、作曲家のスタイルや音色など実に細かに弾き分けている。

それでいてピアニストの個性と主張が明確に感じられるのが良いと思う。

 

神谷郁代の実演は80年代に沼津で聴いた。

何を弾いたのかは記憶が薄れている。


確かベートーヴェンのソナタを中心としたプログラムだったと思う。
きっちりした構成と幾分固めの音色だったような気がする。

以上のことはこのアルバムを聴いているうちに思い浮かんだこと。

その後日本音楽コンクールのピアノ部門の本選の時に会場でお見かけした。

この時は審査員をなさっていたのだと思う。

 

コノアルバム、最初のバッハのメヌエットの端正な中に優しさにあふれた演奏を聴いて彼女の世界に自然に引き込まれていく。

ブルグミュラーの「紡ぎ歌」などこんなに立派な曲だったのかな、と感じられるほど全力投球で弾いている。

録音は1982年と1985年に分かれている。

どの曲がどの年かの表記はない。

ドビュッシー以降の曲になると音色が変わり、柔らかさが増していて楽器が変わったのかもしれない。

 

淡々としたジムノペディなど良い味を出していた。

 

聴いているうちに自然と肩の凝りが取れてきた。

 

Youtubeは神谷郁代のサティ、ジムノペディ第1番

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2024年2月 5日 (月)

高関健指揮、富士山静岡交響楽団三島公演のブルックナー

昨日からの雨は今日も降り続き途中からみぞれとなってきた。

立春過ぎた月曜日は朝から冷えて東京は大雪。

午前中に親戚が5人ほど来て母と歓談。

コメダの山食パンをいただいた。
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ふわりとしていて美味しかった。

 

昨日は静岡県唯一のプロオケ、富士山静岡交響楽団の三島公演。


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高関健の指揮でブルックナーの大曲、交響曲第8番。

 

開演一時間前に家を出たけれどホール近くの駐車場はどこも満車。

やむなく三島大社近くのパーキングにいれて源兵衛川沿いの飛び石を踏みながらホールへ。

雨が降っていて滑りやすくなっていて川に転落しないように慎重に急ぐ。


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川べりにはしだれ梅。

そしてカルガモたち。


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ホール到着は開演15分前。

 

高関さんが首席指揮者になってからの静響は毎回聴き応えのある演奏ばかり。
オケのレベルアップも著しい。

 

そして今回のブルックナー。

高関さんは終始暗譜で緻密な指揮、相当この曲を研究しているんだろうなぁ。


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端正にして重くならず壮大なブルックナーを築き上げていく。

2月6日には東京公演も控えていて相当な意気込みが感じられ、オケの人たちの熱い思いがストレートに伝わり、聴いていてしばし胸が熱くなった。

 

三島のような地方都市でこれだけのブルックナーが聴けるとは・・・・

おそらくお客さんの多くはブルックナーの8番の実演を聴くのは初めてだったと思う。

 

第一楽章が終わった時にシーンと客席が静まりかえっていたのが印象的だった。

終演後のブラボーといつまでも鳴り止まぬ拍手。

 

正直なところ期待以上の実に感動的な演奏で、おらが町のオーケストラとしてこれからも頑張って欲しいと思う。

 

ホルントップは新日本フィル首席の笠松長久さん。

 

Youtubeはギュンター・ヴァント指揮のブルックナー、交響曲第8番第4楽章

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2024年2月 3日 (土)

本日の練習、喜古先生の指揮で大ホール。シューベルトの「グレート」

晴れのち曇り、天気はゆっくり下り坂。

本日節分。

娘から孫が豆まきをする様子が送られてきた。

 

午後に河口湖付近を震源とする地震。

コロナ感染者数は再び増加、インフルエンザも流行中。
身近に患者も増えてきた。

 

このところ集中して長い曲を聴くのが億劫になってきた。

頭のダメージの影響なんだろうか。

明日の高関建のブルックナー演奏で現在の自分の集中力が判るというもの。

 

木曜日はオーケストラ。

場所は市民文化センター大ホール。


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喜古恵理香先生の指揮でシューベルトの交響曲第8番ハ長調「グレート」。

リピートと細かなテンポの確認。


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比較的早いテンポで進めるようだ。

小ホールよりも響きの空間が大きいだけに気持ちの良い練習。

 

Youtubeはギュンター・ヴァント指揮北ドイツ放送響の「グレート」、素晴らしい指揮、名演です。

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