クライバーンのマクダウェルとプロコフィエフ
本日晴天、朝から冷たい風の吹く2月の最後の週。
昨日オフで脳の3回目MRI検査。
昨年末の検査で慢性硬膜下血腫と診断され、先月のMRI検査で出血の縮小が認められて経過観察となっていた。
自然治癒についてネット情報では極めてまれとの記述もあり、半ば手術を覚悟してセミリタイアの身とはいえ今後の予定はなるべく入れないようにしていた。
予約していた近所の脳外科クリニックでMRI。
診察室で画像を見せていただく。
先生「吸収されていますね。何か症状はありますか?」
私「特にありません」
物忘れは多少あるけれど前からそうだったし、黙っていた。
画像で12月末の真っ白な部分が消えて黒くなっているのがわかった。
先生「大丈夫ですね」
私「治ったということですか?」
先生「そうです。これで終わりです」
私「ありがとうございます」
幸いにして自然治癒だったということらしい。
ただ今回は幸運だったけれど「これからは注意せよ」警告のような気がした。
その足で定期的に通っている内科クリニックへ。
医院に着くと隔離部屋に人がいた。
コロナ患者なのだろうか。
なじみの看護師から「ジュースはどうしました?」
先月の検査の時に「小松菜とバナナのジュース」と「蜜柑のスムージー」を毎日朝晩飲んでいたせいでカリウムと血糖値が上がっていることを指摘されていた。
私「やめました」
ドクター「血糖値が下がっていますね」
やはりからだは正直でした。
アメリカのピアニスト、ヴァン・クライバーンを聴く。
プロコフィエフとマクダウェルのピアノ協奏曲。
・ピアノ協奏曲第3番 ハ長調 Op.26 :プロコフィエフ
・ピアノ協奏曲第2番ニ短調 ニ短調 Op.23 :マクダウェル
ヴァン・クライバーン(ピアノ)
ワルター・ヘンドル
シカゴ交響楽団
録音:1960年10月22,24日 シカゴ、オーケストラ・ホール
今や国際ピアノコンクールにその名を残すのみとなったクライバーン。
冷戦時代の1958年第1回チャイコフスキー国際ピアノコンクール優勝直後に録音されたチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番は、世界中で最も売れたクラシックレコードアルバムとされる。
彼は栄光の時代とそれ以後の凋落の落差が大きかった。
この2曲はクライバーンの旬がまだ終わっていなかった頃の1961年の録音。
19世紀アメリカの作曲家マクダウェルはクライバーンが得意とした曲で、プロデビューでもこの曲を取り上げている。。
美しくも叙情的なプロコフィエフとマクダウェル。
プロコフィエフでは緊張感が一瞬弛緩するような弱さが垣間見えるものの、テクニックも十分だしバリバリと突き進む箇所では爽快に聴かせる。
マクダウェルはプロコフィエフ以上の名演。
この曲はグリーグのピアノ協奏曲に非常に似ていて、第1楽章第一主題など恥ずかしくなるほどそっくり。
曲そのものはロマンティックで叙情的、美しいメロディが魅力的な佳品。
もっと演奏されても良い作品だと思う。
だが録音は非常に少ない。
良く知られたピアニストでこの曲の録音といえばアンドレ・ワッツとアール・ワイルドくらいか。
クライバーンも含め全てアメリカのピアニストだ。
伴奏のワルター・ヘンドルは、ソーア・ジョンソンと並んで日本最初の国際的なオケの来日だったシンフォニ・オブ・ジ・エアー(旧NBC交響楽団)の指揮者として来日同行している。
名指揮者フリッツ・ライナーの下でシカゴ響の副指揮者だった。
よく伴奏指揮専門で凡庸の代名詞のような書かれ方をされているけれど、この録音を聴く限りではピシッとした緊張感のある良い伴奏を付けている。
シカゴ響のうまさもあって特にマクダウェルが壮大な出来だ。
Youtubeはマクダウエルのピアノ協奏曲第2番第1楽章、アンドレ・ワッツのピアノ、スラトキン指揮デトロイト響
最近のコメント