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2024年3月に作成された記事

2024年3月30日 (土)

湯河原町立美術館のことなど

3月最後の週末、気温も上がり黄砂も出てきてすっかり春。

週の半ばに湯河原温泉に行っていた。

 

湯河原は5年ぶり。

 

自宅から湯河原までは箱根経由車で一時間ちょっと。


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途中5年前にも立ち寄った「紅葉亭」で昼食。

今にも降り出しそうな曇り空。

5年前は雨だった。

 

こちらは老夫婦が経営している老舗そば処。


オーダーしたのは前と同じメニューの「天ぷらそば定食前菜付き」


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画像で見ると5年前と全く同じ。


中ではバッハが静かに流れていた。以前はショパン。


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お勘定の時におばあさんが「来月からカード決済ができるように機械をいれたのだけれど、使い方がよくわからなくて」とこぼしていた。

なんとなく庭が荒れているように見えたのは気のせいか。

たぶんコロナ禍の影響でダメージを受けたのだろう。

雰囲気の良い店なので、いつまでも元気で続けてほしい。

 

 

宿のチェックインまでには時間があったので「不動の滝」に寄ってみた。


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若者が多く来ている。

 

ここで温泉卵を食す。一個160円。


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そのままパワースポットだという五所神社に行ってみた。

社伝によると飛鳥時代の創建らしい。

鎌倉武士土肥氏の根拠地で頼朝の旗上げ時には戦勝祈願に太刀を献納したという。

直後の石橋山合戦で頼朝軍は大負けしている。

 

境内には樹齢850年と言われる巨大な楠。

観光客らしき人達が数グループ。

比較的新しい七福神の石像にはなんとなく違和感が。

 

お参りを済ませてもまだ時間があったので湯河原町立美術館に向かう。


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事前知識もなく正直あまり期待せずに行ったのだけれど・・・・

 

洒落た外観、内装が洋風のシックな雰囲気。

内部は広いけれど通路が入り組んでいた。

新しいような古いような不思議な建物だ。

これがあとになって理由がわかった。

 

ちょうど月刊「文藝春秋」の表紙絵で知られる平山礼二画伯の特別展をやっていた。


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適度な空間にニューヨークのマンハッタンを題材にした作品が20点ほど展示されていた。


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センスの良いレイアウトで居心地の良い空間を創り出している。

キュレーターの方は相当手練れの方なのだろう。

いつまでもこの場所に居続けたいと思うような雰囲気だった。


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平山画伯のアトリエも再現されていて、係の人に平山画伯は湯河原ゆかりの人ですか?

と尋ねたら館長さんが個人的に懇意だったとのことらしい。

 

常設展では湯河原に逗留していた竹内栖鳳の掛軸など。

この地に伝わった作品なのだろう。

 

ここで竹内画伯の絵葉書大の小さな作品の「沼津」と題された絵を見つけた。


同種の絵で伊東、熱海という作品もあり、どうやら湯河原逗留の合間にかの地に足を延ばしたらしい。絵は海岸に遊ぶ人々を描いていて林間学校との説明がある。

 

竹内栖鳳はしばし沼津に訪れていて重要文化財「班猫」の猫は沼津で見た猫だという。


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別の部屋では北村麻衣子さんという版画家の作品が展示されている。

「MANBO!」というタイトルの音楽に関係した作品たち。

 

 

なんとなく得をした気分になって宿に向かう。

 

続きは次回

 

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2024年3月26日 (火)

ミクロス・ローザの映画音楽集

彼岸も過ぎて3月も最後の週。

昨晩からの雨は今日になって本格的。

3月に入って暖かな日もあったけれど、ここ数日気温が低く今年は桜の開花も遅いようだ。

本日出勤日。

帰省していた娘と孫は朝に県内他市の自宅へ帰って行った。

昨年10月に自宅近くにオープンした「カオリノモリ」


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昨日娘が買ってきたRAWチーズケーキとRAWチョコタルト。

卵・乳製品・小麦・白砂糖不使用、非加熱。

爽やかで適度な甘みもあって、今までのケーキとは次元の違う美味しさ。


原材料はさまざまなナッツの組み合わせだそうだ。

洗練された味わいで癖になりそう

 

ミクロス・ローザの映画音楽集集。

VARESE SARABANDEから出ていたCD。

邦題『ミクロス・ローザ3部作』

1959年と1961年製作の映画からの組曲版。

作曲者監修による録音とのこと。
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・「エル・シド(1961)」
  1.序曲
  2.王宮の音楽
  3.伝説とエピローグ

・「ベン・ハー(1959)」
  4.前奏曲
  5.愛のテーマ
  6.勝利の行進
  7.奇跡とファンファーレ

・「キング・オブ・キングス(1961)」
  8.メイン・タイトル
  9.キリスト降誕
 10.キリストの奇跡
 11.サロメの舞い
 12.十字架への道
 13.復活とファンファーレ

  リヒャルト・ミュラー・ランベルツ(指揮)
  ハンブルグ・コンサート・オーケストラ

指揮は架空の指揮者かと思ったら実在していた。

Richard Müller-Lampertz(1910-1982)独逸人。


もっぱら軽い曲を録音していたようで、NAXOSで検索するとオペレッタやミュージカルの録音が沢山出てくる。

ハンブルクの放送局にも勤務し、北ドイツ放送響(現エルプ響)の設立に尽力したという。

ハンブルク・コンサート・オーケストラはおそらく有名なNDRではないハンブルクの放送オケ。

作曲者立ち合いの下での録音。

映画は3作とも大掛かりなスペクタクルな場面も出てくる古い時代を題材とした史劇。

 

「ベン・ハー」はアカデミー音楽賞受賞、「エル・シド」と「「キング・オブ・キングス」はゴールデングローク賞ノミネート作。

演奏は良い。

荒削りながらも奔放な迫力もあって史劇ならではのダイナミックな音楽を堪能できる。

 

「ベン・ハー」の音楽はスタンリー・ブラックの演奏に強烈な印象があるけれど、この演奏もまとまりの良さで楽しめる。

 

Youtubeはミクロス・ローザ指揮ピッツバーグ響の「ベン・ハー」

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2024年3月23日 (土)

東京音盤購入、エルネスト・ブールのダンディそしてシューヨーク・シティバレエのシャブリエなど

朝から雨の土曜日。

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昨日は晴れた。大平地区からの富士山。

風は冷たい。

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近くにある横松石仏群は江戸時代のもの。

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白隠禅師の書が彫られている。

夕方に娘と孫達が帰省してきた。


先日、上京して東博の「本阿弥光悦」の作品を見た帰りでのお茶の水ディスクユニオンへ。


今回は明確な目的があって、今オケで練習している「シンフォニア・タプカーラ」の音源探しのため。

今までの聴き比べたベートーヴェンやブラームスのように数百の音源のある曲に比べて、邦人作品は1曲についての音源が少ない。

「シンフォニア・タプカーラ」はネットで探すとかろうじて10を超える音源があるようだ。

手元にあるのはヤブロンスキー指揮ロシアフィルのNAXOS盤と原田幸一郎揮日本フィルの伊福部昭卒寿記念のCD。
あとは学生時代のFMエアチエック音源で山岡重信指揮のカセットテープくらい。

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山岡重信は東京フィルのNHK収録の放送用ライヴ音源で今はタワーからCDでも出ている。

Youtubeでは吹奏楽版も含めて複数の演奏を視聴することができるが全て邦人演奏家。

LPも含めて安くて出てれば儲けものという気持ちで店に入ってみた。

結局邦人作曲家のCDコーナーでは、家にある原田幸一郎とヤブロンスキー。

そして本名徹次の3点のみ。本名盤は手元にない。

値札を見ると三千円を超えていて新品とさほど違わぬ値段だったけれど購入することにした。
邦人LPコーナーには該当無し。


ついでに300円以下と500円以下コーナーのLPを回遊する。

お茶の水ディスクユニオンは昨年11月以来。


300円以下コーナーからはホリガーとブールクが吹くヘンデルの2本のオーボエのためのソナタ集。

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ロジンスキーの「ピーターと狼」とシェルヘンの「動物の謝肉祭」という面白い組み合わせのWestminsuter盤。ステレオ。
実はふたつとも架蔵済だけれどシェルヘンは17センチのドーナツ版でロジンスキーはモノラルバージョンだった。
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ニューヨーク・シティ・バレーの創設当時の指揮者レオン・バージン指揮ニューヨークバレーシアター管によるシャブリエとビゼー。米VOX盤

これらはバランシンの振付によるニューヨーク・シティ・バレエの演目だったもので、シャブリエのバレエタイトルは「ブーレファンタスク」
~楽しい行進曲~グヴァンドリーヌ序曲~気まぐれなブーレー~ポーランドの祭りなどのシャブリエの代表的な管弦楽作品を接続曲風に繋げたもの。

ビゼーは「ローマ」というタイトルでビゼーの組曲「ローマ」の4曲をバレエに仕立てたもの。

このオケはアーヴィングやクルツの録音を聴く限りでは名人揃いでメチャクチャうまい。
バージンはニューヨーク・シティ・バレエ団の設立者ジョージ・バランシンと実際に組んでいた指揮者。バランシン自身のライナーノート付き。
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これで300円は掘り出し物。


500円では、プロコフィエフのバレエ「放蕩息子」のロジェストヴェンスキー指揮国立ソビエト響メロディア盤。
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この曲はニューヨーク・シティ・バレエ団設立者バランシンがパリ時代にディアギレフが主催するバレエ・リュッスで振付を担当した演目。
バレエ・リュッスとしては最後の演目となった作品。

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ロジェストヴェンスキーの父、ニコライ・アノーソフ指揮でプロコフィエフの交響曲第7番、スプラフォン盤。
ここでは珍しくチェコフィルを指揮している。

アノーソフは1945年1月の、プロコフィエフの交響曲第5番の初演コンサートの前半で「ピーターと狼」と「古典交響曲」を指揮している。
ちなみにこの日のメインの交響曲第5番はプロコフィエフ自身が指揮。

カップリングはリヒテルのピアノ、カレル・アンチェル指揮チェコフィルでプロコフィエフのピアノ協奏曲第1番。

エルネスト・ブール指揮シャンゼリゼ劇場管によるダンディ、ヂュクレテ・トムソン盤。曲は「フランス山人の歌による交響曲」と交響詩「山の夏の日」のカップリング。
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これも探していたもの。

ニキシュの弟子、ルーマニアのジョルジュ・ジョルスク指揮エネスコフィルによるブラームス、「ハイドンの主題による変奏曲」にR.シュトラウスの交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」。

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フルトヴェングラー時代のベルリンフィルのコンサートマスターだったトッシー・スピヴァコフフスキーのヴァイオリンでチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。
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ワルター・ゲール指揮ロンドン響との共演のWRC盤。オリジナルは米EVEREST

スピヴァコフスキーのチャイコフスキーではストックホルムでのライヴがCD化されている。

オーマンディ指揮のショスタコーヴィチ、交響曲第14番。RCA盤

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これはアメリカ初演の数日後の録音。

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ドホナーニ指揮ウィーンフィルによるストラヴィンスキー、「火の鳥」1910年版による全曲盤。

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バレンボイム指揮パリ管でフランクの交響詩を2曲、「呪われた狩人」と「プシシェ」それに歌曲の「夜想曲」という珍しい曲のカップリング。メゾソプラノはクリスタ・ルードウィヒ。

この「夜想曲」の伴奏のオリジナルはオルガン。
この盤ではフランクの弟子のロパルツ(1865-1955)によるオーケストラ編曲版で聴くことができる。


以上500円。

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2024年3月21日 (木)

マッケラスのメサイア、モーツァルト編曲版

寒風吹きすさぶ青い空。本日の最低気温は3度。

朝、関東地方で地震。

遠く平安の世、貞観地震の頃の大地震が多発するシーズンの到来なのだろうか。

 

この時には富士山が大噴火している。

マッケラスの「メサイア」を聴く。

 

聴いたのはオーストリア放送響を指揮した全曲録音でアルヒーヴレーベルへのLP3枚組。


初のモーツァルト編曲版として話題になった録音。


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・オラトリオ「メサイア」K.572 :ヘンデル~モーツァルト編曲版

  サー・チャールズ・マッケラス(指揮)
 ORF交響楽団、合唱団
 エディット・マティス(ソプラノ)
 ビルギット・フィニレ(アルト)
 ペーター・シュライヤー(テノール)
 テオ・アダム(バス)

 録音 1974年1月、2月

マッケラス2番目の、メサイア全曲録音。
マッケラスの「メサイア」全曲はこの録音を含めて3種類残されている。

モーツァルト版のメサイアは今ではさほど珍しいものではないけれど、LP時代はこのマッケラス版がほとんど唯一の録音だったと思う。

 

モーツァルト版はフルート、クラリネット、ホルンなどが加わり、ソリストの異動や曲の組み換えなどがあり、モーツァルトの時代には高い音を吹きこなすトランペット奏者がいなくなってしまったので、ヘンデルのオリジナルに特徴的なトランペットソロなどはカットされている。

オリジナルでチェンバロやオルガンが曲の内声部を補完していたけれども、モーツァルト版ではその部分が管楽器が補い古典派の音楽となっているのが特徴。

 

フルートを加えた「田園曲」などパストラール的な雰囲気が良く出ている。

 

学究的な構えのきっちり硬派の演奏。


モーツァルトが手を加えた部分を正確に再現している。

何よりも独唱者も素晴らしい。

合唱も見事でドイツ語歌唱もさほど気にならない。

マッケラス3回目の折衷版の演奏より良い演奏だ。

 

Youtubeは「メサイア」第3部から”The Trumpet Shall Sound”、モーツァルト版ではほとんどホルンに吹かせてます。

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2024年3月19日 (火)

パイヤールのブランデンブルク協奏曲

曇り、本日最高気温13度。

お彼岸に入り暖かな日と寒い日が交互に続く。

愛用のタブレットに保存していた画像と動画がいきなり消失。
理由はわからない。

クラウドに退避していた画像は助かったけれど動画は消えてしまっていた。
最近タブレットがおかしな動きをするようになって気にはなっていたけれど、

まさか突然画像が消えるとは・・・・
孫の動画が消えてしまいました。orz

 

昨日は友人のフルート吹きが家に遊びに来ていた。

彼はアマチュアながら顔が広く、プロアマ問わず国内のフルート奏者に知人が多数。

今はリタイアして自由の身。

いろいろとフルートの音盤を聴きながらの音楽談義で2時間ほど。

数か月後に彼が東京でブランデンブルク協奏曲第4番のフルートソロを吹くというので、

家にあるフルートで録音されている同曲をいろいろと取りだして聴いたりしていた。

 

結局、彼が気に入ったのはパイヤール指揮のエラート盤。

手持ちは日本コロンビアのLP2枚組


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・ブランデンブルク協奏曲 BWV1046-1051(全6曲)
 
 ジャン=フランソワ・パイヤール指揮
 パイヤール室内管弦楽団
 

 ジェラール・ジャリ(ヴァイオリン)
 ジャン=ピエール・ランパル(フルート) アラン・マリオン(フルート)
 ピエール・ピエルロ(オーボエ) ジャック・シャンボン(オーボエ)
 ポール・オンニュ(バスーン)
 モーリス・アンドレ(ホルン、トランペット)
 ルーアンヌ=マリー・ベッケンシュナイダー(ハープシコード)

 

 録音:1973年6月、グリジー=スウィヌ、ノートルダム・デ・ローズ教会

 

1973年録音の日本コロンビアとの共同制作の録音の全曲盤。

ランパルとアラン・マリオンがフルートを吹いている。

他の曲でもモーリス・アンドレなどの名手を集めた録音で、発売当初は結構話題になったと記憶している。

なおアンドレは本職のトランペットだけではなく第1番では1番ホルンも吹いている。

録音時の写真を見るとコルノ・ダ・カッチャだ。
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パイヤールのブランデンブルク協奏曲は、Sonyへのデジタル再録音があるけれど古楽器の隆盛の時代故にさほど評判になることはなかった。

ネットで検索してもソニーミューッジクへの再録音はほとんどヒットしない。

 

それどころか音樂雑誌が主催する名曲名盤ランキングで、今はパイヤールのブランデンブルク協奏曲の新旧録音がランキングすることはない。

 

この中から4番と1,2番の3曲を聴いてみた。

 

いずれも明るく暖色系の音で華やかに聴かせるバッハ。

 

管楽器の名手たちの妙技には実に素晴らしい。

 

第1番でホルンを吹いているアンドレも完璧な出来だ。

 

トランペット奏者がこの種のバロック期のホルンパートを吹くときに使うコルノ・ダ・カッチャで吹いている。

 

テンポが遅く聞こえたのは昨今の古楽器系のブランデンブルクに聴き慣れているためかもしれない。

 

このスタイルのバッハも良いものだと思う。

 

 

Youtubeはブランデンブルク協奏曲第4番、アバドの指揮

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2024年3月15日 (金)

本日の練習、喜古恵理香先生の指揮で伊福部昭

3月も半ば、彼岸も近づきもう春。


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畑のブロッコリーとダイコンは花が咲いてしまった。


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こうなるともう食べることができない。

 

タンポポも咲いていた。


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木曜日はオーケストラ。

喜古恵理香先生の指揮で、伊福部昭の「シンフォニア・タプカーラ」とバルトークの「ルーマニア民俗舞曲」


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2曲とも舞踏系の曲でテンションが上がる。

 

チラシも出来上がった。


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そろそろプログラムの曲目解説に取りかかろうか。

 

Youtubeは「シンフォニア・タプカーラ」、沼響を指揮していただいたこともある曽我大介先生指揮東京ニューシティ管

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2024年3月12日 (火)

ドビュッシーと魅惑のフランス音楽、萩原麻未と工藤重典のデュオコンサート

3月も半ばになり今日は朝から冷たい雨。

オフィスの建物の地面に咲いていたハナニラの白い花。


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外来種とのこと。

今季は沼響の広報誌の編集担当。記事が出来上がったので印刷会社にネットで発注。

安い金額で手軽に印刷ができる良い世の中になった。

 

ドラゴンボールや、ドラクエのキャラクターで世界的に知られた漫画家の鳥山明氏死去。

死因は「急性硬膜下血腫」とのこと。

自分が暮から患ったのが「慢性硬膜下血腫」。

同世代だし他人事とは思えない。

 

40年以上前、自分が学生だった頃に鳥山氏を目撃したことがある。

1981年2月のことで場所は北海道のデパート。

その日中古レコード市をやっていて珍しいレコードをしこたま買い込んでいた。

この隣接していた会場で鳥山氏のサイン会が開かれていた。

ちょうど「Dr.スランプ」が売れ始めていた頃だった思う。

鳥山氏は色白で優男風のごく普通の人に見えた。

なぜかその時の氏の表情まで覚えている。

 

日曜は三島市民文化会館主催のコンサート、

2004パリ・オリンピックにちなんだ「ドビュッシーと魅惑のフランス音楽

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地方都市とはいえ興味深い内容のコンサートが二日間にわたって開かれていた。

二日とも行きたかったけれど土曜は仕事が入ってダメ。

 

ホールロビーには三島プラザホテル所蔵の高田博厚作のコクトーやロマン・ロランほかの塑像が飾られていた。

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聴いたのは萩原麻未工藤重典のデュオコンサート。

 

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第一部の前半は萩原麻未のピアノソロでドビュッシー
なお2曲目は「デルフィの舞姫」に変更。

後半から工藤重典のフルートとのデュオでサン・サーンスとフォーレ

第二部はプーランクのフルートソナタにフランクのヴァイオリンソナタのフルート版というもの。

 

この二人ならば、と期待して行ったけれど期待以上の素晴らしい内容だった。

萩原麻未は、1位をなかなか出さないことで有名なジュネーヴ国際音楽コンクールの優勝者。このコンクールの優勝者にはミケランジェリやアルゲリッチなど錚々たる名が連なっている。

ちなみにポリーニは2回出場して2回とも2位だった。ホルンのバボラークも1位なしの2位。

 

最初のドビュッシーは「月の光」。

曲の初めの二つの音で「は!」と心を奪われた。

なんと柔らかで繊細な美しい音。

続いて前奏曲集第一巻からの数曲。

工藤重典が入ってからは工藤氏による簡単な曲解説付き。

 

そして後半のプーランクとフランクが圧巻だった。

プーランクのフルートソナタは、工藤氏の師であるランパルのフルートとプーランク自身のピアノにより、ストラスブール音楽祭で1957年6月18日に初演されている。。

 

初演時の面白いエピソードを工藤氏が紹介してくれた。

このとき音楽祭の出演のため大ピアニストのルービンシュタインがストラスブールに滞在していた。

ルービンシュタインはこの曲をどうしても聴きたかったのだが、あいにく初演の前日までしか滞在することができない。

そこでランパルとプーランクは、ルービンシュタインのために公式な初演の前日にこの曲を演奏したのだという。

観客はルービンシュタイン一人。

 

工藤氏のプーランクはまさに入魂の演奏だった。

祈りのような深い思いに満ちた第2楽章のカンティレーナ。

おそらくこの曲の演奏に関しては、今はこれ以上の演奏はないだろう、と思えるほど。

 

フランクの名作はフルートで演奏すると東洋的なテイストが感じられる。

オルガン弾きのフランクが書いた曲は一つ一つの旋律の息が長い。

フルートで吹くとブレスも含め相当な技を必要とするはずだけれど、工藤氏は苦も無く吹いていた。

 

萩原さんのピアノもドビュッシーの時とは異なるがっしりとした音色と力強い打鍵。

フルートに寄り添いながら時として対等に渡り合うスリリングな演奏を展開。

フィナーレも圧倒されました。

 

アンコールはラヴェルの「ハバネラ形式の小品」

このラヴェルを演奏を聴いているうちに、70年代のはじめの中学生の時に聴いたイタリアのフルーティスト、セヴィリーノ・ガッゼローニの演奏会のことを思い出した。


場所は昭和20年代に建てられた古い沼津の公会堂。

中学の音楽の先生から声をかけられて聴きに行ったと記憶している。

もう半世紀も前のことだ。

自分が聴いた初めての世界的な音楽家がガッゼローニだった。

 

そして、その時のアンコールがラヴェルの「ハバネラ形式の小品」。


伴奏ピアニストはブルーノ・カニーノ

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工藤氏の演奏を聴いているうちに、ガッゼローニの表情や前のめりになって弾くカニーノの姿が半世紀の時を超えて蘇ってきた。

 

ガッゼローニのコンサートの前半はヘンデルやヴィヴァルディ、後半は福島和夫やペトラッシ、シュトックハウゼンらの現代音楽だったと思う。

これらの曲を中学生の自分がどれだけ理解できたのかは疑問だけれど、ヴィヴァルディよりもペトラッシの「スーフル」や福島和夫の「冥」の演奏は今でも印象に残っている。

松平頼暁の「ガッゼローニのための韻」では最後にガッゼローニ自身が発する「ガ!・ゼ!・ロー!・ニ!」の言葉で曲を締めくくっていた。

こんなことも思い出した。

 

音楽は古い過去の記憶を呼び覚ます。

 

今回の三島のコンサートは客の入りはよくなかったけれども、世界最高水準の演奏が気軽に聴けることができてありがたかった。

 

このような意欲的な催しをこれからも続けていって欲しいと思う。

 

Youtubeは萩原麻未の弾くラヴェルのピアノ協奏曲ト長調第1楽章、ジュネーヴ国際音楽コンクールの本選ライヴ

 

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2024年3月 9日 (土)

本日の練習、喜古恵理香先生の指揮で管楽器分奏、長泉ベルフォーレ

本日快晴、最高気温は13度。


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土曜の夕刻、スーパー屋上からの富士山。

 

木曜日は東京から帰りそのままオケの練習。

場所は変わって隣町長泉町のベルフォーレ内のイベントホール。

この日は管楽器の分奏。


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指揮は本番を振っていただく喜古恵里香先生の指揮。

曲は伊福部昭の「シンフォニア・タプカーラ」とシューベルトの交響曲第8番ハ長調の第2楽章。

 

「タプカーラ」は管楽器だけでもよく鳴るオーケストレーション。

吹奏楽版が複数あるほど。

 

シューベルトは今回降り番なので後半で退場して近くのブックオフに寄りながら帰宅。

今週の埼玉東京行きの電車の中で読んでいた、佐藤優と池上彰の対談「新戦争論」(文春新書)が面白かったので、佐藤優の著書を2冊含む6冊ほどを購入。

 

CDとLPコーナーものぞいてみたけれど面白いものは無し。

あいかわらず高いな。

 

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2024年3月 8日 (金)

東京国立博物館特別展「本阿弥光悦の大宇宙」のことなど

2月3月は慌ただしく時間が過ぎていく。

雨が降ったり雪が降ったり、未だ寒さは残る中で近づく春。

 

水曜から埼玉の娘の所へ行っていた。


温暖な沼津に比べ埼玉は寒い。


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前日の雪が残っていた。


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水曜の昼食は、娘と孫と一緒に埼玉うどんの有名店、行列のできる店「藤店うどん」の肉汁うどん。


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海老天を一本付けた。

その日は娘の家に一泊。

婿殿は欧州へ出張中。

 

翌日は娘と孫に別れを告げて上野へ向かう。

東京国立博物館特別展「本阿弥光悦の大宇宙」

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東博所蔵品のほか、全国に散らばる本阿弥光悦の逸品を集めたもの。

 

100点を超える展示物の中に国宝、重文が20点ほど。

平日にもかかわらず混んでいた。


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同時開催の中尊寺展は長蛇の列。

公園には外国人ツァー客や修学旅行の生徒たち。


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寒緋桜も咲いていた。

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特別展に入ってすぐに国宝「舟橋蒔絵硯箱」

ちょっと目には地味な印象だった。

そのままスルーして中へ入る。

 

途中で代表作を8K映像で上映しているスペースがあり、撮影のライトの加減かそこでは「舟橋蒔絵硯箱」が非常に美しく見えた。

そこでUターンして再び硯箱を見に行く。

 

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観ているうちにずしりとした重量感が迫ってきた。

鉛でできているからなのかな。


ふたに書かれた和歌の文字と凹凸の加減が絶妙。

 

お目当ては俵屋宗達の下絵に光悦が和歌を書いた重文「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」

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長い絵巻の上での鶴の飛翔に合わせ、墨の濃淡と大きさを変幻自在に変えながらの横に流れるリズム。

まるで気持ちの良い名曲を聴くかのようだ

自分にはほとんど読めないけれど、一字一字が鋭く光るような光悦の書には、優れた絵画を見るような強烈な印象を残す。

 

晩年中風で手が不自由になっていても、書簡に感じられる飄々とした雰囲気が魅力的だ。

他に本来の目利きとしての刀剣や、光悦が集めた小野道風の書など

 

光悦は人としても魅力があったんだろうな。

俵屋宗達や同時代の一流の人たちとのネットワークも紹介されていた。

 

展示を見終わった後はその足でお茶の水ディスクユニオンへ。

そして帰宅後夜はその足で長泉町でオケの練習。

 

中身の濃い二日間。

 

Youtubeは「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」

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2024年3月 4日 (月)

三島ゆうゆう祝祭管弦楽団第3回定期演奏会

3月に入っても気温の低い日が続く。

本日晴天なれど明日から再び雨の予報。

畑のブロッコリーに花が咲き始め、収穫ももう終わり。

 

今年に入って隣町の三島でのコンサートが続いている。

昨日は三島ゆうゆう祝祭管弦楽団の第3回定期演奏会。

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このオケは昨年できたばかりでシーズン毎にメンバーを募るというオケ。

静岡県東部には県内最古のアマオケ三島フィルの他、自分の属する沼響、西の隣町富士市の富士フィル、南の伊豆には伊豆フィル、北の御殿場にはMtFuji響とアマオケが多数存在している。

 

その中にあってメンバーがプロアマ混在のユニークなオケ。

しかも今回は指揮者を全国からオーディションで募ったというもの。

審査委員長がN響正指揮者の下野竜也なのが凄い。


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・歌劇「ザンパ」序曲  :エロール
   福澤佑樹(指揮)

・交響曲第40番 ト短調  :モーツァルト
   高木玲音(指揮)

・交響曲第6番ロ短調 「悲愴」  :チャイコフスキー
・行進曲「威風堂々」 (アンコール)    :エルガー
  
 岡崎広樹(指揮)
 三島ゆうゆう祝祭管弦楽団
 

いろいろと斬新な試みが興味深いオケで、演奏会の日が誕生月の人は入場無料だという。

プログラムのメンバー表を見る。

メンバー一人一人の写真とコメント付き。

近隣の演奏家たちなので見知った顔ぶればかりだ。

 

そして演奏。

今回登場の指揮者たちは50人のオーディション応募者の中から選ばれた3人。

いずれも音大在学中か卒業したばかりの俊英たち。

 

3人の指揮者それぞれの個性が出ていて興味深い。


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音大卒のメンバーが多い弦楽器はまとまった美しい音が出ていて、その意味でモーツァルトが安心して聴ける出来。

オケの統率力と指揮のわかりやすさでは「悲愴」」を指揮した岡崎氏が良いと思った。

 

次回は沼響に下振りに来て下さったこともある米田覚士先生の指揮と沼津出身のサクソフォーン奏者戸村愛美さんの出演で、グラズノフのサクソフォーン協奏曲とシベリウスの交響曲第2番というプログラム。

発展途上のオケだけれど、末永く続けて行って欲しいと思う。

 

Youtubeはカメラータ・ザルツブルクによるモーツァルト、交響曲第40番ト短調。ナチュラルホルンで吹いています。

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2024年3月 1日 (金)

本日の練習、鈴木衛先生の指揮で「グレート」そして映画「ゴジラ-0.1」のことなど

今日から3月。


雨のち晴れ夜から強風。

寒暖差が大きく朝夕の気温差は10度。

先月末から千葉県で地震が頻発。

大きなのが来なければ良いのだが・・・・

木曜日はオーケストラ。


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昨晩は鈴木衛先生の指揮でシューベルトの交響曲第8番「グレート」第3,4楽章。


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そろそろプログラムの曲解説の準備を始めようかな。

 

 

今回の中プロは伊福部昭の「シンフォニア・タプカーラ」

伊福部昭の音楽で最も知られたゴジラのテーマ音楽が効果的に使われていると聞いて、映画「ゴジラー0.1」を観てきた。


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今日は映画の日ということで入場料千円。

混んでいるかなと思ったら観客は自分を含めて4人。

出演は朝ドラ「らんまん」に出ていた神木隆之介と浜辺美波ほか。

 

何の基本情報もないまま見に行ったけれどいきなり零戦が出てきたのには驚いた。

舞台は終戦直後の日本。


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重巡洋艦「高雄」や幻の局地戦闘機「震電」が登場したりと、隠れミリタリーファンとしてはたまらない内容。

 

クライマックスシーンで流れた伊福部昭のゴジラの音楽には鳥肌が立ちました。

 

Youtubeは伊福部昭のSF交響ファンタジー第1番、ゴジラの音楽から始まります。

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