湯河原の宿「伊藤屋」のことなど
今日から4月。
昨日に続いて暖かな一日。
湯河原旅行の続きです。
湯河原の宿は創業明治21年の「伊藤屋」
島崎藤村の定宿で創業明治21年、国登録有形文化財。
島崎藤村の定宿だった歴史ある旅館。
藤村の宿帳などが残されていた。
宿泊できた部屋は17番。
大正15年の建築で藤村の宿泊した当時のままが残る部屋とのこと。
部屋に昭和10年の文字が残る額があったけれども、宿のおかみさんに尋ねたけれども誰の筆かはわからないそう。
また伊藤屋は2・26事件の襲撃の舞台となった旅館で、当日別館「光風荘」に家族と一緒に逗留していた、元内大臣牧野伸顕(大久保利通の次男)が青年将校たちに襲われている。
警護の巡査と銃撃戦となり、巡査は殉職しましたが牧野伸顕は助かった。
私が宿泊した部屋の隣の19番は、事件前日に青年将校らが偵察のために宿泊した部屋。
夜半から激しい雨。風も出てきた。
予報を見ると翌日は警報級の春の嵐らしい。
翌金曜は予報通りの激しい雨
チェックアウトを済ませすぐ近くの和菓子処「小梅堂」に寄る。
こちらも1910年創業の老舗。
お土産に名物の元祖きび餅とかるかんや2色団子などを購う。
家内が湯河原美術館内のカフェに行きたいと言い出したので再び向かう。
作品は前日に見ていたのでそのままカフェへ。
カフェ近くの壁に、なにやら古めかしい看板と湯河原町立美術館の由来が書いてあった。
説明によると、この建物はもともと「天野屋旅館」という老舗旅館の本館の建物で、1998年にリノベして美術館に生まれ変わったのだという。
なるほどなるほど、納得。
「天野屋旅館」は伊藤博文や夏目漱石、竹内栖鳳らが滞在し夏目漱石の「明暗」の舞台にもなっている。
旅館の時はさぞやモダンで洒落た建物だったのだろう。
西洋館風の小窓などに年季が入っている。
洋風庭園も素敵だ。
なお別の場所にあった「天野屋旅館 新館」は2005年に廃業し解体されている。
カフェ内では特別展にもあった北村麻衣子の作品が壁に掛けてあった。
小さく金額が書いてある。
週末に展示即売会がありその作品だという。
なんとなく興味を示して見ていたら、カフェの店員さんが飾っていない作品も取りだしてくれた。
買う気があると見えたのだろうか?
結局購入はせずに暖かい豆乳とソフトクリームを食べて帰路に。
雨と風がひどくなりそうな予報なので、帰りは山間部の箱根は避け熱海経由にしたらこれが大失敗。
大きな渋滞に巻き込まれて予定よりも一時間近くオーバーして自宅に到着したのは午後3時。
着替えもせずにオフィスに顔を出してお土産を渡していたら、この3月で退職するかつての部下が挨拶のため私を訪ねてきたという。
彼は30になったばかり、入社時には自分の部署に配属されていた。
今回の人事異動で退職者名簿に入っていたので気になっていた。
この29日は退職辞令の発令日。
電話すると未だ社内にいるというので会うことができた。
彼はここで結婚することになり、奥さんとなる人の実家近くへ再就職したとのこと。
めでたい、よかった。
その夜は市主催の「クラシックレコードコンサート」の解説だったので、そのまま市民文化センターへ向かう。
中身の濃い二日間。
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