メンゲルベルクのシューベルト
晴れのち曇り夕方から雨。
入社時の同期で今は結婚してオーストラリアのタスマニアに住む女性が訪ねてきた。
彼女とは交流は全く途絶えていたけれどfacebookがきっかけでの再会。
コロナも明けたし高齢になった両親に会うためのしばしの帰郷らしい。
実にほぼ40年ぶりの再会だったのに、彼女はほとんど変わっていなかった。
傍らにジョン・レノン似の御主人。
ご主人はかつてトランペットを吹いていたとのこと。
彼女は現在小学校の教師。
オーストラリアでは定年がないのだという。
彼女とお互いの近況や同期の現在、昨今のオーストラリア事情など。
社会的な問題では日本と同じような問題があることに驚く。
団塊の世代、そして中心市街地での個人商店の廃業そのほか。
渡航前に私からもらったサティのピアノ曲集を今でも持っているとのこと。
そんなことがあったんだ・・・
全く忘れていました。
今回の沼響の第40回定演の演奏曲、シューベルトの交響曲第8番ハ長調「グレート」を聴く。
この曲は第10回定演でも取り上げていて、その時は第9番だった。
今回の沼響はブライトコップ新版を使用して演奏する。
聴いたのはオランダの巨匠、ウイレム・メンゲルベルクの演奏。
日本フォノグラムから出ていた廉価盤LP.
・交響曲第9(8)番 ハ長調 「グレート」 :シューベルト
ウイレム・メンゲルベルク (指揮)
アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
録音 1940年12月19日 アムステルダム、コンセルトヘボウ
(ライヴ録音)
メンゲルベルクの指揮棒で譜面台を叩くカチカチ!という音で演奏が始まる
録音は思いのほか良い。
さぞや甘い演奏かと想像したらキリッと引き締まった速いテンポの演奏。
沼響で練習していて一番演奏が難しいと感じている第2楽章中間部の寂寥感がなんともいえない。
そして怒濤の最終楽章。
1940年の5月にオランダはドイツに降伏、これはドイツ占領下での演奏。
アンサンブルの精密さが半端でなく、厳しさの中にもほのかなロマンティックなテイストが感じられる名演だ。
終わった後の盛大な拍手も収録されている。
戦争の焔が世界中で広がり始めている現在を思うと、聴いていていろいろと複雑な気持ちになってきた。
Youtubeはメンゲルベルクの「グレート」
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