フランソワのドビュッシー、「ピアノのために」新旧聴き比べ
お盆も過ぎて孫たちはそれぞれ帰っていった。
ほっとするやら寂しいやら。
昨日関東地方で激しい雷雨。
埼玉にいる娘からは、カミナリの音で怯えて泣き叫ぶ孫娘の映像が送られてきた。
こちら沼津では遠雷と微かな雷の音。
遠く伊豆半島の中央部で雨が降っている。
南の夜空に電光。
そのうち深夜に沼津に大雨警報が突然出た。
ネットで知って外を見ると雨は全然降っていない。
どうやら沼津の西部のみの狭い区域に集中的に降ったようだ。
日曜は孫たちを連れて天城の東京ラスク伊豆ファクトリーに行っていた。
沼津アルプストンネルと伊豆縦貫道が整備されて自宅から車で30分余り。
以前は一時間近くの行程。
今年の5月から880円で4種のジェラート食べ放題。
ラスクと各種ナッツとソースのトッピングも自由。
コーヒーその他軽いドリンクも飲み放題。
駐車場は県外ナンバーの車が多かったけれど余り認知されていないのか、さほど混んではいない。
幼児が楽しめるキッズルームもあり、ほとんど貸し切り状態なので孫たちは大喜び。
サンソン・フランソワのドビュッシー。
フランソワの未完となったドビュッシー・ピアノ曲全集録音プロジェクトからセレクトされた国内盤LP.
・組曲「子供の領分」
・版画
・「ベルガマスク」組曲
・ピアノのために
サンソン・フランソワ(ピアノ)
録音 1968~1969年、パリ、サル・ワグラム、
1969年5月27、28日
モンテカルロ、サル・ドゥ・ラルカザール(版画のみ)
数年前に、日本を代表する調律師だった瀬川宏さんからフランソワの豪華客船でのクルージングコンサートに調律師として同行された時の話を伺ったときから、なんとなくフランソワが身近な存在に感じている。
フランソワ独特の予想もつかない音楽のユレや、粋で洒落た雰囲気が漂う素敵なドビュッシー。
LPやCDで何度も聴いている演奏で、長らく歴史に残る名演だとは思うけれども、聴いていて曲によって演奏のムラが気になった。
テクニックは微妙なところだけれど、時に出現する力が抜けたような軽く流す瞬間がほんの僅かの緊張感の弛緩を誘って、曲によっては焦りにも似た曲と格闘しているような息苦しさを感じさせる時があると思う。
最初特に「ピアノのために」の終曲トッカータにその点を感じていた。
フランソワは「ピアノのために」をステレオで2回録音している。
旧録音は全集録音とは別の1961年録音。
こちらは東芝のセラフィムの廉価盤LP (EAC-30060)で出ていて、全集録音とは別のドビュッシーのピアノ曲集。
私はドビュッシーのピアノ曲の面白さをこのLPで知った。
いわば刷り込み。
あらためて「ピアノのために」の新旧録音を聴き比べてみた。
自由奔放なファンタジーを感じさせる旧録音に対して、再録音ではひとつひとつの音符に意味があるような陰影の深さのある密度の濃い表現。
最初再録音を聴いた時に感じた息苦しさは、旧録音を聴いた後で聴きなおすとなぜか失せていた。
不思議なことだ。
演奏の度にその時その場のインスピレーションで表現を変えていった、まさに天才のお仕事。
Youtubeはフランソワの弾く「ベルガマスク」組曲
| 固定リンク
「音盤視聴記録」カテゴリの記事
- クレンペラーのケルン放送交響楽団とのライヴ集(2024.10.10)
- ワルター・カーロスの「スイッチト・オン。バロック」(2024.10.08)
- 寝る前にアランのオルガン曲(2024.10.07)
- ユリ・ブーコフの「展覧会の絵」(2024.10.02)
- 和波孝禧とレオン・グーセンスのバッハ(2024.09.30)
コメント
お久しぶりです。フランソワのドビュッシー、40年来聴いています。実はフランソワ全集も持っています。当然旧録音もあるのですが、全く聴いていません。BOXセットを買うと聴かなくなるんですね。最近ボレロ 永遠の旋律という映画を観ました。劇中にマルグリット ロンが出てきまして、フランソワの師匠のロン夫人の録音が聴きたくなりました。
投稿: サンセバスチャン | 2024年8月22日 (木) 22時28分
ご無沙汰してます。フランソワを久しぶりに聴いたのですが、自由闊達な弾き方に魅力は感じるものの、今となってはいくぶん時代の古さを感じさせます。
投稿: 山本晴望 | 2024年8月24日 (土) 10時56分