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2024年9月に作成された記事

2024年9月30日 (月)

和波孝禧とレオン・グーセンスのバッハ

新たな一週間の始まり。

そして9月も今日で終わり。

昼間の気温は高いけれど朝晩は秋の気配。
ツクツクボウシの声もだいぶ遠くなった。

今日はオフ。

午前中にガス会社の立ち会いの後、DIYショップに買い物ついでに昼食はショップ近くの「JET KITCHEN」でオムハヤシ。


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このお店は人気グルメ番組で紹介されたらしい。

午後は草取りが終わった畑でブロッコリーを植える準備。

お彼岸頃がブロッコリーの植え時と言われているのでまたも出遅れた。

 

和波孝禧とオーボエ奏者レオン・グーセンスのバッハ。


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ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調BWV1041
ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調BWV1042
ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲ニ短調BWV1060

 和波孝禧(ヴァイオリン)
 レオン・グーセンス(オーボエ)
 ハーリー・ブレッヒ(指揮)
 ロンドン・モーツァルト・プレイヤーズ

   録音 1977年7月27-28日
       ロンドン、セント・ジョーンズ・スミス・スクエア教会

20世紀前半を代表するオーボエ奏者、レオン・グーセンス(1897~1988)の生誕80年を記念した録音。

 

3曲とも暖かくほっこりとした感動を誘う演奏。

明るく美しいグーセンスのオーボエは和波のヴァイオリンと相性も良い。

 

年を重ね唇や呼吸法が衰える中で、オーボエという難しい楽器を80歳まで現役で吹き続けるのは驚異的。

BWV.1060第2楽章のテンポがかなり速いのは、高齢のため呼吸に限界のあるグーセンスのペースに合わせたのだろう。

 

この録音がグーセンス最後の録音となった。

 

Youtubeはバッハのヴァイオリンとオーボエのための協奏曲ニ短調BWV1060

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2024年9月28日 (土)

シルヴェストリとN響のドヴォルザーク、チャイコフスキー

列島南の海上にある前線の影響で昨日から曇り空。

雨が降りそうで降らない一日。

今朝の狩野川河畔からの富士山。


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そろそろ初冠雪の時期だけれど、この暑さではまだ先かな。

N響85周年記念シリーズのシルヴェストリのドヴォルザークとチャイコフスキー


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・交響曲第9番ホ短調Op.95「新世界より」 :ドヴォルザーク
・スペイン奇想曲Op.34          :リムスキー=コルサコフ
・ルーマニア狂詩曲第1番イ長調Op.11の1* :エネスコ
・交響曲第4番ヘ短調Op.36        :チャイコフスキー *
・スウェーデン狂詩曲第1番Op.19「夏至の徹夜祭」:アルフェーン *
・スラヴ舞曲第1番ハ長調Op.46      :ドヴォルザーク  *

 コンスタンティン・シルヴェストリ(指揮)
 NHK交響楽団

   録音:1964年4月5日、3月21日*、5月2日**
      東京文化会館

N響団員の中でも客演後に賛否渦巻いていたというシルヴェストリ。

いずれもかなり超個性的な演奏だった。

実演ではインスピレーションの赴くまま棒を振ったというシルヴェストリ。

名演として世評高い2種の録音がある「新世界より」は、スタジオ録音と全く異なる解釈で、同じようですらないのが驚きだった。

第1楽章序奏からのっしのっしと相撲の四股(しこ)踏むようなゆったりテンポの動き、大きなうねりの中で意表を付くような突然の休止。

新世界の第4楽章の最後の和音では気が遠くなるほど長く音を伸ばしていた。

この音はlungaというドヴォルザークの指定があるとはいえ今まで聴いた中では最長。

スペイン奇想曲後半の突然の長い休止では、演奏が止まってしまった演奏事故かと思った。

 

チャイコフスキーの交響曲第4番のスタジオ録音では、冒頭のファンファーレのリズムが今まで聞いたことがないような異様なリズムだった。
ライヴではどうかと期待して聴いてみたら、N響盤はこの部分は一般的なリズム処理で、ちょっぴり期待外れ。

だが演奏そのそのものは、グングンと熱狂を煽り立てていく熱狂的なチャイコフスキー。

第二楽章中間部でのピアニシモへ向けての音量とテンポの減衰など名人芸だ。

先の予測が付かない破滅型の爆裂演奏だけれど手に汗握る緊張感が何とも言えず、聴く面白さではフィルハーモニア管とのスタジオ録音よりも上だと思う。

 

エネスコはさすがにお国もの。


というだけでなく聴いていて思わず気持ちが高揚するような躍動感に満ちていて、幾分ラフな感じがラプソディックさをうまく出していた。

アルフェーンも祭りだワッショイ的気分いっぱいの熱演。

 

いずれの演奏も聴いていて面白いのも事実で何度も聴きなおしてしまった。

 

YoutubeはシルヴェストリとN響の「新世界より」と「スペイン奇想曲」、超貴重映像

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2024年9月27日 (金)

本日の練習、小ホールで管打楽器分奏、練習用のメガネを忘れて失敗

曇り、大雨の予報が明け方少し降った程度。

今月初めから突然の床下浸水

すっと地下からの湧水だと思っていたら違っていた。

2階床下の給水管からの漏水であることが判明


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床板に落ちた水が内壁を伝わって1階部分の床下のコンクリート基礎の隙間からしみ出ていたのだ。

 

本日水道の業者さんが来て小一時間ほどで漏水が止まったけれど、壁に伝わった水は乾燥するのだろうか。

家を建ててくれた設計士さんの話だと、断熱材はグラスウールではなくスタイロホームを使っているので水は残らないとのこと。

 

これで吸水できる掃除機で水を毎日床下から吸い出していた作業から、やっと解放される・・・

 

木曜夜はオケの練習日。

今回は小ホールで管楽器と打楽器の分奏。


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鈴木衛先生の指揮で「新世界より」と歌劇「ローエングリン」から結婚行進曲にエルザの大聖堂への行進、そして第三幕への前奏曲。

小節を数え間違え、さらに一小節を飛ばして吹いて顰蹙を買う。

 

練習用のメガネを忘れて楽譜が2重に見えていた。orz

 

Youtubeは歌劇「ローエングリン」から第3幕の前奏曲、マゼール指揮ニューヨークフィルハーモニック

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2024年9月24日 (火)

クルツとN響のチャイコフスキー、交響曲第4番

本日最高気温は27度。

秋分の日も過ぎて、振替休日の昨日は朝から秋らしい乾燥した爽やかな風。

あまりの涼しさに目覚めた時に昨晩クーラーを消し忘れたかと思ったほど。

日曜は厚い雨雲が垂れ込めときおりの強い雨。

その日は朝から花火が上がっていた。

鎮座900年を超える古社、日枝神社の例大祭の日。
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あいにくの天気で一日ずれればよかったのに。

昨日は埼玉の娘夫婦と孫が彼岸の墓参りで帰省していた。

3時過ぎに帰路についたけれど、凄い渋滞で到着は9時近くだったとのこと。

 

 

引き続きN響85周年記念シリーズのCDからクルツの演奏

ロシア管弦楽曲集と同じ時期の録音で、チャイコフスキーの曲を集めたアルバム。

 

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・交響曲第4番 ヘ短調 Op.36
・幻想序曲『ロメオとジュリエット』*

  エフレム・クルツ(指揮)
  NHK交響楽団
     録音 1962年5月21日、6月7日*
       東京、杉並公会堂、 東京厚生年金会館(2)

交響曲は定期演奏会、序曲は放送用公開収録の記録

クルツの曲に対する深い共感が伝わる熱い演奏だった。

幾分前のめりになるような速いテンポ。

キチッと整ったアンサンブルに厳しいトレーニングを感じさせ、第2楽章の良く歌う音楽の流れの中ではクルツのハミングとうなり声が聞こえる。

かなり力の入った演奏で実演で聴いたらさぞ興奮させられただろう。

 

録音はモノラルながら音響効果の良い旧NHKホールの響きをうまく捉えていた。

 

Youtubeはクルツのストラヴィンスキー、ペトルーシュカ

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2024年9月21日 (土)

本日の練習、鈴木衛先生の指揮でワーグナー、そしてクラシック・レコードコンサートの解説のことなど

9月2回目の3連休初日の土曜日。

彼岸に入っても未だヒガンバナは見えず。

残暑厳しく昨日の静岡市の最高気温は39.2度。

昨日の3時過ぎにはカミナリを伴った突然のゲリラ豪雨。

中国大陸に渡った台風14号は、突然向きを変えてこちらにやってきた。

温帯低気圧となったものの再び発達、今日は北陸を中心に記録的な大雨になってしまった。

 

木曜日の夜は沼響の12月1日の名曲コンサートへ向けての練習。

鈴木衛先生の指揮でヴェルディの歌劇「アイーダ」から凱旋行進曲とワーグナーの歌劇「ローエングリン」から第三幕前奏曲と結婚行進曲。
そしてエルザの大聖堂への行列。


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いずれも沼響団員によるスペシャルアレンジ。

 

金曜夜は、市民文化センター主催のクラシックレコードコンサートの解説だった。


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今回は今年生誕200年のメモリアル・イヤーとなったブルックナーを中心に取り上げた。

曲は3年前に沼響が演奏した交響曲第4番「ロマンティック」。

演奏はいろいろ迷った末にギュンター・ヴァント指揮の北ドイツ放送交響楽団。

合わせて後期ロマン派の作曲家のリヒャルト・シュトラウスの交響詩「ドン・ファン」に息抜きとしてシュトラウスファミリーの曲を数曲。

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渋い内容だったので、果たしてお客さんが来てくれるのか心配だった。

けれどもいつもと変わらぬ人数に、新しい方も何人か来ていただきました。

 

年配の方が多く、ブルックナーは初めてという方が大部分。


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途中で眠りに入った人もいらっしゃったけれど、終わったあとに「ブルックナーっていいなぁ」という方もいて嬉しかった。

アンケートでもブルックナーが好評でした。

 

Youtubeはギュンター・ヴァント指揮北ドイツ放送交響楽団のブルックナー、「ロマンティック」

 

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2024年9月17日 (火)

クルツとN響のロシア管絃楽曲集

晴れのち曇り、最高気温は33度湿度も高い。

本日は十五夜。


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あいにくこちらでは雲に隠れて月は見えないが、千葉に住む友人が月の画像を送ってきた。

 

エフレム・クルツのロシア名曲集。

1962年N響来演時の記録。

N響の水準を飛躍的に引き上げたウイルヘル・シュヒターがN響を去り、N響が創設以来初めて常任指揮者が空席となった時代の演奏。


この時期には小澤征爾が客演指揮者としてN響を指揮している。


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(1)カバレフスキー:組曲「道化師」(全10曲)
(2)チャイコフスキー:バレエ組曲「くるみ割り人形」より5曲
(3)リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲Op.34
(4)ハチャトゥリヤン:バレエ組曲「ガイーヌ」~ばらの乙女の踊り/子守歌/剣の舞
(5)同:付随音楽「仮面舞踏会」~ワルツ
(6)プロコフィエフ:「3つのオレンジへの恋」~スケルツォ/行進曲
(7)バーバー:弦楽のためのアダージョ

 エフレム・クルツ(指揮)
 NHK交響楽団

 録音 :1962年5月5日(1)(2)、5月26日(3)(4)(5)
     /旧NHKホール(公開収録)、
     6月7日(6)(7)
     /東京厚生年金会館(公開収録)

エフレム・クルツ(1900~1995)はロシア生まれ。

グラズノフに作曲を学び、本人が唯一の師と言及していたベルリンフィルの第2代常任指揮者アルトゥール・ニキシュの代役としてベルリンフィルを指揮してデビュー。


この時は20世紀を代表するダンサー、イザドラ・ダンカンの伴奏だった。

その後伝説的なバレエダンサーのアンナ・パヴロワの伴奏指揮者として契約。

 

若い頃のクルツは20世紀前半を代表する歴史的な芸術家と共に活動していた。

クルツは後にN響以外の在京オケにもたびたび客演していて、クルツの下で演奏した方から、クルツの練習は非常に厳しくて楽団員からは鬼のクルツとして恐れられていた、と話を伺ったことがある。

日本ではチャイコフスキーの三大バレエや、いくつかのバレエ音楽の名演でクルツは知られ、バレエ音楽のスペシャリストとして紹介されることが多かった。

だが本人はバレエ音楽のスペシャリストとされることを非常に嫌っていて、この録音の時期にはもうバレエ音楽を指揮するのを止めていたという。


好きな作曲家はバッハとモーツァルトとのこと。

 

だが皮肉にもこのアルバムはバレエ音楽中心の選曲となっている。

 

演奏はやはり見事。

シュヒターの薫陶を受け、いくぶんドイツ的な重い響きが残るこの頃のN響からパリっとリズムの冴えた軽快な音楽を引き出している。

フィルハーモニア管とのスカッと爽やかな名演を残している「道化師」組曲は硬質な響きの強面の演奏で、細かな部分の楽器のバランスがフィルハーモニアとの演奏とは異なり、即興的な動きを聴かせるのも面白い。

ハチャトウリアンの「剣の舞」ではドスの効いた重戦車のような怒涛の演奏。

音楽が生き生きと躍動していてやはりクルツは凄い。

 

このアルバムではバーバーの「弦楽のためのアダージョ」が非常に遅いテンポのロマンティックな演奏なのが印象に残る。

今ではこのようなテンポで演奏する指揮者は少ない。

クルツはやはり古い世代の指揮者だなぁと思いながら聴いていた。

クルツが尊敬する指揮者はフルトヴェングラーとストコフスキーだという。
ストコフスキーとは意外だった。

クルツのバッハが聴いてみたくなった。

バッハの録音はないようだけれど、モーツァルトはクルツ夫人のシェッファーの伴奏でフルート協奏曲の録音を残している。

 

Youtubeはクルツ指揮フィルハーモニア管のシャブリエ、「楽しい行進曲」

 

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2024年9月15日 (日)

富士フィルハーモニー管弦楽団 第48回定期演奏会

9月も半ば、昨晩雨が降ったので湿度が高い。

本日の最高気温33度。

畑の草刈りはようやく終了。

草刈り機の替え刃をネットで買ったらサイズを間違えて、やむなく古い刃のママで作業。

どうも最近凡ミスが多い。
おとといスーパーに買い物に行ったら財布を忘れて出直したりしている。

 

今日は隣町の富士フィルハーモニー管絃楽団の定期演奏会。


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富士のホールまでは自宅から小一時間。

早めに家を出てホール近くのハードオフでも冷やかそうかとも思ったけれど、家の雑事で結局家を出たのがお昼過ぎ。

 

ホール到着はちょうど13時。
開演にはまだ1時間ほどあるけれど、ホールの駐車場はほぼ満車。
なんとか滑り込みで駐めることができた。

昼食はホール近くの小さな食堂で鳥ご飯付きざるそば780円。

富士フィルは10年ほど前にマーラーの「復活」を聴いている。

 

今回のコンサートは、パリオリンピックにちなんだお洒落なプログラム。

ベルリオーズ以外は全て踊りの曲なのは意図したものだろうか。

・序曲「ローマの謝肉祭」    :ベルリオーズ
・亡き王女のためのパヴァーヌ  :ラヴェル
・小組曲からバレエ       :ドビュッシー
・組曲「牝鹿」から3曲      :プーランク
・組曲「アルルの女」からファランドール :ビゼー
・歌劇「サムソンとデリラ」からバッカナール :サン・サーンス
・組曲「火の鳥」から4曲     :ストラヴィンスキー

アンコール
 喜歌劇「天国と地獄」からカンカン  :オッフェンバック

 石﨑真弥奈(指揮)
 富士フィルハーモニー管弦楽団

フランス作曲家のオールスターが勢揃い。
ホルンとしては大ソロがある曲が2曲。


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沼響からも何人かエキストラで参加しているし知り合いの団員も多数。

自分としてはプーランクがお目当て。

「牝鹿」の実演は初めて聴く。

やはり生で聴くと意外なパートの活躍に気づかされたりする。

チューバが要所要所で重要な役割を果たしていた。

 

MCも入りわかりやすくも楽しいコンサート。

 

Youtubeはプーランクの組曲「牝鹿」から第1曲、サイモン・ラトル指揮ロンドン交響楽団

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2024年9月13日 (金)

シュヒター指揮N響の放送録音

お彼岸間近だというのに連日の30度越え。

猛暑日となった地域もあり未だ夏。

ちょうど10年前の今日、亡き父の法事の時にはヒガンバナが咲いていた。


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今年はヒガンバナ本体もまだ見かけない。。

 

一昨日の夕方、我が家2階からの美しき夕暮れ。


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南西の空には金星が見えた。

 

N響の常任指揮者だったウィルヘルム・シュヒターの演奏。
N響を指揮したドヴォルザークを中心としたCD2枚組。


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CD1
1. ドヴォルザーク:交響曲 第9番 ホ短調 Op.95「新世界より」
2. レスピーギ:交響詩「ローマの松」

CD2
1. ドヴォルザーク:交響曲 第8番 ト長調 Op.88
2. スメタナ:交響詩「モルダウ」
3. ドヴォルザーク:スラヴ舞曲 第10番 ホ短調 Op.72の2

 ウィルヘルム・シュヒター(指揮)
 NHK交響楽団

 録音 :
CD1;1959年3月21日, 8月7日 NHKホール(ライヴ、ステレオ)
CD2;1959年 NHKホール(ライヴ、モノラル)

シュヒターは1957年のベルリンフィルの来日時には、カラヤンに同行しベルリンフィルを指揮している。
最後はドルトムント歌劇場の音楽監督。

N響の常任指揮者としてN響を徹底的にしごいた名トレーナー。

録音はモノラル期に通俗名曲の録音が数多くあったものの今では全く忘れ去られている。

 

N響常任時代のシュヒターは、徹底した鬼のような練習でしごきにしごき、楽団員の3分の1が入れ替わったとの話もある。

放送用録音の収録の際は、楽員がうんざりするほど同じ箇所を何度も何度も繰り返し演奏させ、その中から出来の良い部分のみを編集して放送するといった徹底ぶり。
だが放送された演奏は、当時のN響団員がN響とは思えない素晴らしさだったとのコメントを残している。

(このエピソードは「それゆけ!オーケストラ」石丸寛 著に詳しい)

CD1はステレオ録音で旧NHKホールでの常任指揮者就任直前の聴衆を入れたライヴ。

CD2は放送用録音。

正直なところ水準の高さに驚いた。

シュヒターのトレーニングがいかに凄かったかが如実にわかる演奏。

前任者の同じウイルヘルム、ウイルヘルム・ロイブナーのゆるい演奏と比べるととても同じオケとは思えない。

 

「新世界より」は厳しさの中にロマンティックに歌わせた演奏で、ウォームなオケの響きと力強さもあってなかなかの演奏だと思う。

ただ第4楽章で金管群にほころびが散見されるのは、当時のN響の限界かもしれない。

第2楽章の中間部で1番、2番ホルンがミュートで演奏する部分でなぜかミュートなしで演奏していた。

「ローマの松」は緻密にしてオケを雄大に鳴らした「新世界より」以上の世界水準の名演。

2曲ともステレオ録音なのがありがたい。

 

CD2はモノラルの放送用録音、おそらくテープ回しっぱなしの何度も同じ所を繰り返し演奏させ良い箇所を取りだして編集済みの放送録音。

完成度の高さは驚異的。

細かなフレーズでの各楽器のバランスが完璧、オケの歌わせ方のうまさなどCD1の2曲以上の水準。


「モルダウ」の中間部の独特のテンポの揺れも面白い。

ただ全体に重い印象なのはシュヒターの指揮に責任があるのかもしれない。

 

Youtubeはシュヒター指揮N響のブラームス、ハンガリー舞曲第5番

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2024年9月11日 (水)

ホーレンシュタインのブルックナー、交響曲第9番

今週に入ってからは再びの猛暑。


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月曜の夕方、彩雲が一瞬の間に現れた。

瑞兆とのこと。

 

昨日のランチは大手町の「とんかつシリウス」のテイクアウトでヒレカツ弁当。


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塩で食べるユニークな店。


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上質な肉を材料とした人気店だったが9月10日で閉店とのこと。


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残念。

 

引き続きブルックナーを聴く。


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シューリヒト指揮ウィーンフィルのブルックナーの交響曲第9番での改変について某所に書いたら、別の箇所の改変のご教示をいただいた。

場所は第一楽章の終結部。551小節からのトロンボーンの強奏部分をホルンに重ねているというもの。

聴いてみたらなるほど、と納得。

聴き直したらトロンボーンの改変は少し前の540小節から現れ、551以降のホルンの音型を先取りする形でトロンボーンに吹かせている。

このフレーズをシューリヒトは重要なフレーズとして認識していたのだと思う。

今日は一時期凝っていたウクライナ生まれのホーレンシュタインの演奏を聴いてみた。
Music & Artsから出ていたCD.


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・交響曲第9番 ニ短調 :ブルックナー

 ヤッシャ・ホーレンシュタイン(指揮)
 BBC交響楽団

 録音 1972年 マンチェスター(ライヴ)

14年前にも聴いていた。

 

大作であるほど本領を発揮したホーレンシュタインのブルックナー。

大河の如く自然な音楽の流れの中に壮大に鳴り響くブルックナー。

 

オケにほころびは散見されるけれど、確信に満ちたテンポ運びに深いオケ響き。

大きな感動を誘う名演だった。

 

Youtubeはホーレンシュタインのマーラー、交響曲第3番から

 

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2024年9月 8日 (日)

ヘレヴェッヘのブルックナー、宗教音楽曲集

日曜日、再びの猛暑で熱中症厳重警戒。

昨日から伸び放題となっていた畑の耕作放棄部分の雑草の草刈り。

草刈り機のバッテリーが古くてすぐに切れてしまう。
結局刈残しが出てしまって、再度仕切り直し。

畑のミカン。


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今年は当たり年かもしれない。

実りすぎなので摘果しないと・・・・

 

今年生誕200年を迎えたブルックナー。

今日は定番の交響曲ではなくて宗教曲を聴いた。


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・エクアーレ第1番 ハ短調 WAB 114
・アヴェ・マリア -
・キリストはおのれを低くして WAB 11
・正しき者の唇は知恵を語る WAB 30
・エクアーレ第2番 ハ短調 WAB 149
・この場所は神が作り給う WAB 23
・王の旗は翻る WAB 51
・ミサ曲第2番 ホ短調 WAB 27

  フィリップ・ヘレヴェッヘ(指揮)
  ラ・シャペル・ロワイヤル
  コレギウム・ヴォカーレ
  アンサンブル・ミュジーク・オブリク

     録音1989年

3本のトロンボーンのためのエクアーレと無伴奏のモテット集。

そして管楽器オーケストラの伴奏によるミサ曲第2番。

 

オランダの指揮者ヘレヴェッヘは古楽器系の指揮者。

ヘレヴェッヘは2001年の来日時にロイヤルフランダースフィルとの実演を三島で聴いている。

プログラムはマーラーの「子供の不思議な角笛」とブルックナーの交響曲第7番だった。
メゾソプラノはブリッタ・シュワルツにバリトンはヨッヘン・クッファー。

この年の別の日の東京と大阪ではブルックナー「交響曲第9番」の4楽章補筆完成版を演奏している。

この時早めに会場に到着してしまったので近くのコンビニで時間調整をしていたら、
ヘレヴェッヘが店に入ってきて三角サンドイッチを買っていった・・・

そんなことはよく覚えている。

 

三島でのオケは対向配置、バスチューバが一人金管群から離れて左側のコントラバスの横に鎮座していた。


この配置ではブルックナーのワーグナーチューバとホルンとの荘重なコラールがさぞ合わせにくかろうと思っていたら第2楽章直前にチューバ奏者がノコノコと右側に移動していた。

演奏は速いテンポ、カロリー低めで見通しの良い透明な響きの清らかなブルックナーだったと記憶している。

この数年前に同じ曲をヨッフム指揮コンセルトヘボウで聴いているけれど、全く別の曲のように聞こえた。

そしてこの宗教曲集の演奏。

 

混じりけのない美しい響きが宗教的な合唱曲にはよく合っていると思う。

クリーンな雰囲気の品の良さもあり心地よい感動を誘う名演だ。

 

Youtubeはブルックナーのエクアーレ

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2024年9月 6日 (金)

本日の練習、3週間ぶりのオケの練習

夜に鳴って裏山の奥から最近伊豆半島で増えすぎた鹿の鳴き声が聞えてきた。

雌鹿を求める雄鹿の声。

これが聞えるともう秋。

 

昨晩はオケ。

小ホールで沼響名曲コンサートへ向けて。


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鈴木衛先生の指揮でドヴォルザークの名曲「新世界より」。

 

コロナに感染してしまい3週間ぶりの練習参加だった。

ブランクがあって最初は気分的に乗り切れなかったけれど、後半から練習の流れに乗れてきた。

やはりオケは楽しい。


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気持ちも体もリフレッシュ。

 

ポスター、チラシも出来上がってきた。

チケットに同封する友の会の会報も作らなければ。

 

Youtubeはカラヤン指揮ベルリンフィルの「新世界より」から、映画監督のアンリ=ジョルジュ・クルーゾー撮影の1966年の記録映画

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2024年9月 3日 (火)

ブクステフーデのパッサカリア ニ短調 BuxWV 161

9月に入り吹く風に微かに秋の気配。

明け方にかなりの雨が降って家の床下に湧水。

我が家のある場所は海岸から数キロ離れてはいるけれど、古くは海岸線が近くまで迫っていた。

近所の農家が田を掘り起こしたら大量の水草と一緒に古代の漁撈用の石の錘がたくさん出たという。

 

数年前に庭の地面を掘ったところ粘土層が現れた。

粘土層は水を吸収しにくいので、許容量を超える雨が降ると雨水が地下に浸透しきれずに噴出するのだろう。

ここ数日で上流の天城山系では千ミリ近い雨が降っている。

地球温暖化と異常気象は想像を超えた速さで進行中。

 

 

しばらく前から、枕頭にCDラジカセを置いてバッハなどの器楽曲を聴きながら寝付くのが習慣になっている。

だいたい最後まで聞かずに寝落ち。

ひととおりバッハの曲を一巡して巡り着いたのがブクステフーデ。

ここ数日バッハに大きな影響を与えた音楽家ブクステフーデのオルガン曲集を聴いている。

 

ドイツから出ていた廉価盤CDシリーズ、クアドロマニアのCD4枚組

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ブクステフーデ:オルガン作品集
CD1『待降節~クリスマス』(全15曲)
CD2『四旬節~受胎告知』(全15曲)
CD3『受難~復活祭』(全14曲)
CD4『聖霊降臨祭~三位一体』(全16曲)

  ウルリク・スパング=ハンセン (オルガン)

 CD1:1990年デジタル録音 デンマーク、プレステー教会のルンド・オルガン
 CD2:1992年デジタル録音 ドイツ、ノルデンのシュニットガー・オルガン
 CD3:1991年デジタル録音 フランス、ヴィシーのオーベリアン・オルガン
 CD4:1993年デジタル録音 デンマーク、ロスキルデ大聖堂のラファエルス・オルガン

 

これはCD6枚として出ていたスパング=ハンセンのブクステフーデのオルガン作品全集からの4枚組。

それぞれのCDのタイトルの中に十数曲のコラール前奏曲を含んでいる。

 

質朴にして控えめな音楽でありながら、バッハとはまた異なる深遠な世界を誘ってくれるブクステフーデの音楽。

ブクステフーデのオルガン曲はVOXから出ていたヴァルター・クラフトの全集が愛聴盤だが、このスパング=ハンセン盤も良い。
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1枚目のCDでは演奏の最中に小鳥の囀りのような音が聞こえる。はて???

 

2枚目の4曲目が「パッサカリア ニ短調 BuxWV 161

ヘルマン・ヘッセの名作「デミアン」にも紹介されている名曲だ。

 

同じフレーズを低音部が永遠に続くかのように繰り返される。

バッハの偉大なオルガン曲「パッサカリア」に大きな影響を与えたであろう巨大な音楽がここでも聴くことができる。

素晴らしい曲。

 

Youtubeはブクステフーデのパッサカリアニ短調、ピアノ版

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2024年9月 1日 (日)

ジョン・ヴィンセントの交響曲

今日から9月、台風は紀伊半島沖でほとんど停止その後熱帯低気圧に。


日曜朝の狩野川の様子。


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朝は晴れていたけれど大雨警報解除されぬまま、本日の地域防災訓練は中止となった。

昼前には突然の地震。


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震源地は山梨県の富士五湖周辺でM4.3。

 

20世紀アメリカの作曲家Johon Vincent(1902-1977)の作品をオーマンディ指揮のフィラデルフィア管弦楽団で聴く。

米ColumbiaのLPで手持ちはモノラルだがステレオバージョンも存在する。


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・交響詩「デカルトに」
 Part I - Introduction:

      Cogito, Ergo Sum(我思う、ゆえに我有り)
     ; Intuitions; Vortex; Meditations
 Part II - Folium Passacaglia;

      Exaltation; Contemplation; Finale

・交響曲 ニ長調 「祝祭的な楽章」*

 ユージン・オーマンディ(指揮)
  フィラデルフィア管弦楽団
   録音:1959年4月1日、1957年4月17日*

ヴィンセントはイギリスのウォルトンやフランスのデュリュフレと同年生まれ。

アメリカではコープランドとほぼ同世代の作曲家。
ウォルター・ピストンとナディア・ブーランジェに作曲を学んでいる。

この音盤は、昨年お茶の水ディスクユニオンでの購入

この時、大ピアニストで初代ポーランド首相パデレフスキの交響曲「ポーランド」やロバート・ラッセル・ベネットの交響曲。

史上最大編成にして最長の交響曲と言われるブライアンの交響曲第1番などのマイナーな交響曲作品の演奏が大量に安く出ていて、ほとんど名のみ知っていて実際には聴いたことがない作品ばかりだったのでせっせと買い込んだ。

ヴィンセントは未知の作曲家だったけれど、オーマンディならば悪く無かろうとほんの軽い気持ちで購入したもの。

結果は大当たり。

交響詩は思わず構えてしまいそうな難し気なタイトルだけれど、鳴っている音楽はさほど難解には感じられない。

同時代のアメリカの作曲家のサミュエル・バーバーウイリアム・シューマンにも通じるモダンで垢ぬけたスタイル。

 

なかでも交響曲が祝祭的な雰囲気に満ち、近代オーケストラのヴィルトゥオジティを極限まで要求するような華やかで魅力満載の曲だった。

演奏はフィラデルフィア管の威力全開のパワフルで圧倒的な音響世界が目の前に広がる。

 

Youtubeはジョン・ヴィンセントの交響曲ニ長調

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