ブクステフーデのパッサカリア ニ短調 BuxWV 161
9月に入り吹く風に微かに秋の気配。
明け方にかなりの雨が降って家の床下に湧水。
我が家のある場所は海岸から数キロ離れてはいるけれど、古くは海岸線が近くまで迫っていた。
近所の農家が田を掘り起こしたら大量の水草と一緒に古代の漁撈用の石の錘がたくさん出たという。
数年前に庭の地面を掘ったところ粘土層が現れた。
粘土層は水を吸収しにくいので、許容量を超える雨が降ると雨水が地下に浸透しきれずに噴出するのだろう。
ここ数日で上流の天城山系では千ミリ近い雨が降っている。
地球温暖化と異常気象は想像を超えた速さで進行中。
しばらく前から、枕頭にCDラジカセを置いてバッハなどの器楽曲を聴きながら寝付くのが習慣になっている。
だいたい最後まで聞かずに寝落ち。
ひととおりバッハの曲を一巡して巡り着いたのがブクステフーデ。
ここ数日バッハに大きな影響を与えた音楽家ブクステフーデのオルガン曲集を聴いている。
ドイツから出ていた廉価盤CDシリーズ、クアドロマニアのCD4枚組
ブクステフーデ:オルガン作品集
CD1『待降節~クリスマス』(全15曲)
CD2『四旬節~受胎告知』(全15曲)
CD3『受難~復活祭』(全14曲)
CD4『聖霊降臨祭~三位一体』(全16曲)
ウルリク・スパング=ハンセン (オルガン)
CD1:1990年デジタル録音 デンマーク、プレステー教会のルンド・オルガン
CD2:1992年デジタル録音 ドイツ、ノルデンのシュニットガー・オルガン
CD3:1991年デジタル録音 フランス、ヴィシーのオーベリアン・オルガン
CD4:1993年デジタル録音 デンマーク、ロスキルデ大聖堂のラファエルス・オルガン
これはCD6枚として出ていたスパング=ハンセンのブクステフーデのオルガン作品全集からの4枚組。
それぞれのCDのタイトルの中に十数曲のコラール前奏曲を含んでいる。
質朴にして控えめな音楽でありながら、バッハとはまた異なる深遠な世界を誘ってくれるブクステフーデの音楽。
ブクステフーデのオルガン曲はVOXから出ていたヴァルター・クラフトの全集が愛聴盤だが、このスパング=ハンセン盤も良い。
1枚目のCDでは演奏の最中に小鳥の囀りのような音が聞こえる。はて???
2枚目の4曲目が「パッサカリア ニ短調 BuxWV 161」
ヘルマン・ヘッセの名作「デミアン」にも紹介されている名曲だ。
同じフレーズを低音部が永遠に続くかのように繰り返される。
バッハの偉大なオルガン曲「パッサカリア」に大きな影響を与えたであろう巨大な音楽がここでも聴くことができる。
素晴らしい曲。
Youtubeはブクステフーデのパッサカリアニ短調、ピアノ版
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