シルヴェストリとN響のドヴォルザーク、チャイコフスキー
列島南の海上にある前線の影響で昨日から曇り空。
雨が降りそうで降らない一日。
今朝の狩野川河畔からの富士山。
そろそろ初冠雪の時期だけれど、この暑さではまだ先かな。
N響85周年記念シリーズのシルヴェストリのドヴォルザークとチャイコフスキー
・交響曲第9番ホ短調Op.95「新世界より」 :ドヴォルザーク
・スペイン奇想曲Op.34 :リムスキー=コルサコフ
・ルーマニア狂詩曲第1番イ長調Op.11の1* :エネスコ
・交響曲第4番ヘ短調Op.36 :チャイコフスキー *
・スウェーデン狂詩曲第1番Op.19「夏至の徹夜祭」:アルフェーン *
・スラヴ舞曲第1番ハ長調Op.46 :ドヴォルザーク *
コンスタンティン・シルヴェストリ(指揮)
NHK交響楽団
録音:1964年4月5日、3月21日*、5月2日**
東京文化会館
N響団員の中でも客演後に賛否渦巻いていたというシルヴェストリ。
いずれもかなり超個性的な演奏だった。
実演ではインスピレーションの赴くまま棒を振ったというシルヴェストリ。
名演として世評高い2種の録音がある「新世界より」は、スタジオ録音と全く異なる解釈で、同じようですらないのが驚きだった。
第1楽章序奏からのっしのっしと相撲の四股(しこ)踏むようなゆったりテンポの動き、大きなうねりの中で意表を付くような突然の休止。
新世界の第4楽章の最後の和音では気が遠くなるほど長く音を伸ばしていた。
この音はlungaというドヴォルザークの指定があるとはいえ今まで聴いた中では最長。
スペイン奇想曲後半の突然の長い休止では、演奏が止まってしまった演奏事故かと思った。
チャイコフスキーの交響曲第4番のスタジオ録音では、冒頭のファンファーレのリズムが今まで聞いたことがないような異様なリズムだった。
ライヴではどうかと期待して聴いてみたら、N響盤はこの部分は一般的なリズム処理で、ちょっぴり期待外れ。
だが演奏そのそのものは、グングンと熱狂を煽り立てていく熱狂的なチャイコフスキー。
第二楽章中間部でのピアニシモへ向けての音量とテンポの減衰など名人芸だ。
先の予測が付かない破滅型の爆裂演奏だけれど手に汗握る緊張感が何とも言えず、聴く面白さではフィルハーモニア管とのスタジオ録音よりも上だと思う。
エネスコはさすがにお国もの。
というだけでなく聴いていて思わず気持ちが高揚するような躍動感に満ちていて、幾分ラフな感じがラプソディックさをうまく出していた。
アルフェーンも祭りだワッショイ的気分いっぱいの熱演。
いずれの演奏も聴いていて面白いのも事実で何度も聴きなおしてしまった。
YoutubeはシルヴェストリとN響の「新世界より」と「スペイン奇想曲」、超貴重映像
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