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2024年10月に作成された記事

2024年10月30日 (水)

Fidelix のフォノイコライザー、LEGGIEROのことなど

朝から雨、ここ数日気温が下がってきた。


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長い間実っていた畑のオクラは数日前には未だ花を咲かせていたけれどいよいよ最期が近づいてきた。


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モロヘイヤも実を付けてきたのでもう食べることができない。

 

新しいフォノイコライザーが届いた。

今までフォノイコライザーは、ラックスマンの真空管フォノイコライザーキットを使っていた。


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これは低音と高温可変のつまみが左右に付いていて、いろいろなEQカーヴを自分で探りながら楽しむことができるもの。

音もそれなりに良く、ぴたりとカーヴに嵌った時は絶妙な音になるけれどつまみの調整が難しい。

 

手持ちにかなりの数のレコードがあり、もっと手軽にカーヴを特定して最良の音で聴きたいとの思いが日々増すばかり。

そこで多くのカーヴに対応できそうな良いフォノイコライザーがないものか探していた。

 

いろいろ迷った末に選んだのはFidelix のフォノイコライザーLEGGIERO

 

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これは50Hz以下と2KHz以上を左右のつまみで5段階で変えることができるしくみで、ラックスマンのキットと同じような思想で作られている。

左右のツマミの使い分けで25種類のカーヴが選択できるというのが特徴。

10年前の製品で高価だけれど、ネットの評判も上々で評価も定まっているようなので、思い切って購入することにした。

 

受注生産とのことで時間はかかったけれど昨日自宅に到着。

さっそく聴いてみた。

電源部は独立している。

聴いたのはマゼール指揮ベルリン放送響によるバッハの管弦楽組曲第3番。
1965年録音。


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針を落としてしばらくして無音の中から、名手モーリス・アンドレ以下のトランペットセクションの輝かしい音が弦楽器の上に絶妙なバランスで立ち上がった。

もう何度聞いたか判らぬほど聴き慣れた演奏だけれど今までと全然印象が違う。

フォルテの中でもチェンバロの繊細な音も明瞭に響いて聞こえる。

EQカーヴはRIAAのままだ。

SN比の抜群の良さにはとにかく驚いた。

 

続いてこれも聴き慣れたプーランクの「フランス組曲」を聴く。


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東芝EMIが出していたフランス音楽のエスプリシリーズから、プレートル指揮のパリ音楽院管弦楽団の演奏。

この曲はフランスバロック期のジェルヴェーズらの鍵盤音楽を、管楽合奏とチェンバロのためにアレンジした曲。

 

ウーム、こちらも何度も聴き慣れた演奏だけれど音の立体感と透明感が全く違う。

ホールに拡散していく響きのなんとも美しいことよ。

こんなに良い音が記録されていたのだ。

とにかく今までの演奏の印象が劇的に変わってしまうほどの変化なので、聴き慣れた盤を聴きなおすことになりそうだ。

 

未聴の盤もかなりあり、はたして自分に残された時間でどのくらいの演奏を聴くことができるのだろうか・・・・

 

Youtubeはプーランクの「フランス組曲」

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2024年10月28日 (月)

本日の練習、田中健先生でワーグナーとドヴォルザークそのほか

10月最後の月曜は雨のぱらつく一日。

朝、埋め立てごみを出しに行くと今日は資源ごみの日だった。

当番の方々に笑われてしまって出直すことに。

どうも朝からボケている。


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畑の蜜柑が色づき始めた。

自分が子供の頃からある古い木。

食べてみたら未だ酸味が強い。

 

昨日日曜は朝に衆議院選挙の投票後に畑の雑草取り。
根を詰めすぎて痛めていた右手が痛み始めた。

与党大敗、これはひとつの歴史の節目かもしれない。

 

夜はオケの練習、早めに夕食を済ませて練習会場へ向かう。

練習開始は18時。

場所はいつもの沼津市民文化センター

ホールが自分のオフィスに近いので通勤用に借りている駐車場に車を置く。
車から降りたらポツリポツリと雨。


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今回は小ホールから実際の定演の会場となる大ホールに変わった。


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トレーナーの田中健先生の指揮で「沼響名曲コンサート」の曲、ワーグナーの歌劇「ローエングリン」、ヴェルディの歌劇「アイーダ」から。

そして「新世界より」。

 

田中先生のご指導は、実際のバイロイトのホールのオケピットの話などを交えての響きを大切にした練習。


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だんだんと大きなホール内でオケが美しく鳴ってきた。

吹いていて面白くなってきて良い感じ。

練習が終わって外に出ると本格的な雨。

Youtubeは歌劇「ローエングリン」からエルザの大聖堂への行列

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2024年10月26日 (土)

アルノ・ボーンカンプのサクソフォン、ケックランのオーボエ・ダ・モーレのためのソナチネのことなど

曇り、わずかに雨がぱらついたはっきりしない天気。

本日の最高気温は25度。

 

畑に厄介な雑草が出てきた。

その名はハマスゲ 。

最初畑の隅に出現、リュウノヒゲに似ていて外観も悪くないので放置していたら、この暑さが適していたのかどんどん増え始めた。

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繁殖力は半端でなく、根を抜いてみてもわずかに地中に残った根の断片から芽を出す、というほとんどゾンビのような雑草。

サラダ菜とネギなどの種などを撒いていた部分を覆ってしまい、2週間ほどで作物類を駆逐してしまった。

ネットで検索すると根絶は難しく除草剤のPR記事ばかり。

 

これには弱った。

 

除草剤使う気はないので昨日はほぼ一日、ハマスゲを一株一株抜く作業。

 

この作業は寒くなるまで延々と続きそうだ。

 

 

思えば今までこんなことはなかった。

これも地球温暖化の影響なんだろうか。

 

 

オランダのサクソフォン奏者アルノ・ボーンカンプ(Arno Bornkamp)の演奏から。


BrilliantのCD2枚組で、「A Saxophone in Paris」と「Devil's Rag」として出ていた二つのアルバムをまとめたセット。

1枚目はオーケストラをバックにした演奏で、サクソフォン協奏曲の代表作、グラズノフとイベールの作品のほか、同時代のフランスの作曲家ケックランとカプレの作品を収録。

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・アルトサクソフォンと弦楽のための協奏曲変ホ長調 Op.109: グラズノフ
・オーボエ・ダ・モーレのためのソナチネ第1番 Op.194-1 :ケックラン
・伝説               :カプレ             
・オーボエ・ダ・モーレのためのソナチネ第2番 Op.194-2 :ケックラン
・アルトサクソフォーンと11の楽器のための室内小協奏曲 :イベール

 アルノ・ボーンカンプ(アルトサクソフォン)
 イエルン・バイエリンク(指揮)
 カメラータ・アムステルダム

 録音  1994/1/14-17,4/4 Church in Kortenhoef (Caplet, Ibert, Koechlin)
     1994/5/8 Amsterdam (Glazunov)

 

美しい音色と抜群の技巧、クラシカルサクソフォンの定番曲、グラズノフとイベールも見事だけれどケックランとカプレが良い。

 

 

ドビュッシーのバレエ「カンマ」やフォーレの「ペレアスとメリザンド」のオーケストレーションで知られるシャルル・ケックラン

ミステリアスな中に格調の高さも感じられる作風で好きな作曲家だ。

このケックランの2つのソナチネが非常に良い。

 

ケックラン独特の冷気のようなものも感じさせ、神秘的な美しさの中に軽妙な洒落っ気漂う素敵な作品。

原曲のオーボエ・ダ・モーレ版も聴いてみたくなった。

 

一方のアンドレ・キャプレはケックランと異なる暖色系の暖かさのある佳品。

 

Yotubeはボーンカンプの吹くケックランのオーボエ・ダ・モーレのためのソナチネ第1番

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2024年10月24日 (木)

レオンハルトのフレスコバルディとルイ・クープラン

昨晩からの雨は朝には上がり今日の朝は良い天気。

週の初めは寒かった。

本日最高気温は29度の高温多湿に逆戻り。

 

火曜に何回目かのコロナワクチン接種。
仕事を早退して夕方の時間に行きつけのクリニックへ。

クリニックはかなり混んでいて、いつもは少ない中高校生が数人。
馴染みの看護師さんによるとRSウイルス感染症が増えているとのこと。

RSウイルスはてっきり乳幼児が罹るものだと思っていた。
最近は大人の患者も多いのだそう。

今回てっきり新しいワクチンを使うかと思ったらファイザーとのこと。

 

副反応は昨日出てきて全身のだるさに関節の節々の痛み。

中でも打撲のあった右手の関節の痛みがひどい。

 


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そんな中、昨日は沼響の後援組織である友の会会員向けの会報と12月1日のコンサートチケットの封筒詰めに宛名シールを印刷。郵便局へ持っていって発送など。

 

それでほぼ1日がつぶれた。

 

 

グスタフ・レオンハルトの弾くフレスコヴァルディとルイ・クープラン。


アルファから出ているCDで封筒に宛名シールを貼りながら聴いていた。


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「フレスコバルディ/L. クープラン:鍵盤作品集(レオンハルト)」

 ジローラモ・アレッサンドロ・フレスコバルディ (1583-1643)

・チェンバロとオルガンのためのトッカータ・タブラチュア集第1巻
- トッカータ第2番
・リチェルカーレとフランス風カンツォーナ集第1巻
- カンツォーナ第5番
・ファンタジア集第1巻 - ファンタジア第4番
・さまざまな主題とアリアによる12のカプリッチョ第1巻
- パッサ・フィアメンガによるカプリッチョ
・トッカータ集第2集 - トッカータ第6番
・トッカータ集第2集 - カンツォーナ第3番
・トッカータ集第2集 - カンツォーナ第8番

ルイ・クープラン (1626-1661)

・組曲 ニ長調
・パッサカリア ト長調
・組曲 ホ短調
・パヴァーヌ 嬰ヘ短調

グスタフ・レオンハルト (チェンバロ)
     録音 2002年2月

レオンハルトはだいぶ前に静岡でオルガンの実演を聴いている。

AOIのサイトで調べたら2001年の12月だった。

 

AOIのオルガンを弾いてのリサイタル。


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曲は17世紀バロック期のフランス、ドイツの作曲家たちの作品だった。

「グスタフ・レオンハルト オルガン・リサイタル」

H.デュ・モン 荘重なアルマンド ニ短調
L.クープラン ファンタジー ホ短調
A.v.d.ケルクホーフェン ファンタジア ニ短調
L.マルシャン ピエス・ドルグ(オルガン曲集)イ短調
J.K.F.フィッシャー 《音楽のパルナッスス山》より〈シャコンヌ〉ヘ長調
F.クープラン 《修道院のためのミサ》より
〈ベネディクトゥス:ティエルスをテノールで〉
A.M.y.コル 半音階的ファルサ
G.ベーム コラール前奏曲《キリストは死の絆につかせたまえり》
G.ムッファト トッカータ第5番
    トッカータ第11番
H.パーセル 二重オルガンのためのヴォランタリー ニ短調
    ヴォランタリー ト長調

 グスタフ・レオンハルト(オルガン)
 2001年12月11日(火)19:00
 静岡市、静岡音楽館AOI

馴染みのない曲が多かったので演奏の細部まではよく覚えていないけれど、厳しい高僧のようなストイックなレオンハルトの風貌が非常に印象に残っている。

レオンハルトが登場すると、会場全体がピシっと空気が引き締まったような独特の清潔感が漂っていた。
演奏の内容よりもそんなことばかりが頭に残っている。

 

このCDではフレスコヴァルディとバッハとならぶ音楽一族クープラン家一人、ルイ・クープランの作品。

このCDでも純粋に音楽を追求するストイックで厳しい姿勢がひしひしと伝わってくる。

しばし作業の手を休めて聞き入っていた。

窮屈さや息苦しさを感じさせない高貴な美しさに心洗われる思い。

録音も非常に良い。

 

Youtubeはレオンハルトが弾くフローベルガー、組曲第15番

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2024年10月20日 (日)

團伊玖磨の交響曲第5番「駿河、復活再演のことなど

10月も後半の日曜日は昨晩から気温が下がり朝は冷たい雨。

午前中に所用があり弟の家に寄った後に静岡市清水区へ。

電車に乗って40分余り、昨日最高気温30度を記録した清水駅に降り立つと小雨交じりの寒風が吹く秋を飛び越して冬のような肌寒さ。


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駅前広場で開催中のビーチバレーボール大会も寒そうだ。

 

今日は清水フィルによる團伊玖磨の交響曲第5番の復活公演。


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この曲は59年前の昨日沼津で初演された曲。

 

ちょうど昼時だったので清水港のまぐろ館で昼食

天気はよくないけれど日曜とあってかなりの混みようだ。

結局お一人ならば空いています、という声に釣られて入った店で3色海鮮丼。


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偶然、今回のコンサートでエキストラとして参加していた、沼響のコンサートミストレルのYさんも昨日同じ店で同じものを食べていた。

 

團伊玖磨の交響曲第5番は初演後ほとんど再演されず、1988年に交響曲全集として録音されたけれど、楽譜の所在がわからなくなっていた。

「交響曲駿河の演奏会を実現する会」のメンバーが、横須賀市役所に保管されていた自筆総譜を探し出し、その自筆譜を元に浄書し総譜とパート譜を作製した。

作製の過程には大変な苦労があったようだ。
作製するにあたってはクラウドファンディングによって資金を集めている。

私もささやかながら、協力させていただきました。

演奏会前日の昨日、実現する会のメンバーの方から「良い席を用意させていただきます」との丁寧な電話が入り恐縮。

そしてコンサート開演は14時。


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・ヒューマンセッション 一万人の港響曲より  :宇崎竜童
    第1楽章「陽光」
    第2楽章「羽衣の舞」
    第6楽章「志みず道にて」

・かっぽれフラメンコ              :宇崎竜童
・清水エスパルス公式応援歌 「王者の旗」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・交響曲第5番「駿河」             :團伊玖磨

 松元宏康(指揮)
 清水フィルハーモニー管絃楽団
 森一馬(歌)
 清水木遣り保存会、港かっぽれ振興会

 

プログラム前半は、歌有り踊り有り木遣りありと郷土色のかなり強いもの。

宇崎竜童の曲は3管の大きな編成の本格的な管弦楽曲。

和太鼓も入り伊福部昭や小山清茂の管弦楽曲を聴くような、懐かしさと美しさあふれる佳曲だった。

曲の合間に指揮の松元氏とコンマスの方の解説付き。

指揮の松元氏はお笑い芸人としての顔もあり、M1グランプリでは3回戦まで進んだという
なかなか面白かった。

 

後半はいよいよ交響曲第5番。

曲は全3楽章、オケは3管編成にホルン6本というかなり大きな編成。

駿河銀行の70周年記念依嘱作とはいえ祝祭的な雰囲気は皆無。

第1楽章はヴァイオリンソロで始まり、しばらく弦楽四重奏の形で進むユニークなもの。

喜遊曲風の第2楽章を経て変奏曲の第3楽章。


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事前に贈られたスコア片手に、團伊玖磨指揮ウィーン響のCDで予習はしていた。

いやぁ、正直なところ水準の高さに驚いた。

たくさんあったソロも立派でした。

静岡県にゆかりのある曲がこのような形で蘇ったことに感謝します。

ありがとうございました。

 

Youtubeは團伊玖磨の祝典行進曲、秋山和慶の指揮

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2024年10月19日 (土)

ピヒト=アクセンフェルトのバッハ

曇りのち夜遅く雨。

本日、清水の最高気温は30度を超えた。

木曜はオケの練習、鈴木衛先生の指揮で「新世界より」を中心に。

自分は仕事の関係で遅れて参加。

先週休みだった影響か全体に精彩に欠ける雰囲気。


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自分も集中力が続かず読み違えも頻発。

練習がうまくいかないとなんとなく疲れる。

この日は早く寝た。

 

昨日の午前中は、先月の家の漏水修理の請求を持ってきた父の従兄弟の設計士さんとその娘(自分のはとこ)と歓談。

午後は7月の終わりに転倒して右手を打撲した痛みが未だ消えていないので、最初診ていただいた整形のクリニックで再診。

再度レントゲンを撮ったけれど骨に異常はないのを再確認。

どうやら軟骨にダメージを受けているらしい。
サポーターを装着しながら、しばらく通院となりそうだ。

最近自分の不注意からのケガが増えてきた。

 

ピヒト=アクセンフェルトの弾くバッハを聴く。

CAMERATAのCDで来日時の東京での録音。


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・平均律クラヴィーア曲集 第1巻より 第1番 ハ長調 BWV846
・パルティータ 第1番 変ロ長調 BWV825
・パルティータ ロ短調 BWV831(フランス風序曲)
・平均律クラヴィーア曲集 第1巻より 第24番 ロ短調 BWV869

 エディット・ピヒト=アクセンフェルト(チェンバロ)
   

  録音  1981年9月/東京

 

バッハのエッセンスを集めたCD

美しい音で静かに音が紡がれていく繊細で細やかなバッハ。

それでいて毅然とした芯の強さも感じられるのが素晴らしい。

 

Youtubeはピヒト=アクセンフェルトの弾くバッハ、フランス組曲第5番からガヴォット

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2024年10月16日 (水)

團伊玖磨の交響曲第5番のことなど

曇りの一日。一瞬の間、雨がぱらついた。
本日の最高気温は26度。

残暑続く。

アトラス彗星接近中。
昨日仕事帰りの夕方、西の空に彗星を探したけれど見つけることができなかった。

友人が駿河湾上に見えた彗星の画像を送ってくれた。

 


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目の悪い人にはなかなか見つけられないらしい。

その友人も見つけられず、近くの人に方向を教えられてカメラを5秒ほど開放して撮影したとのこと。

 

クラウドファンディングによって製作された、團伊玖磨の交響曲第5番のスコアが届いた。

今年は團伊玖磨の生誕百年の記念の年。


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この交響曲は、駿河銀行(現スルガ銀行)の創立70周年の記念事業のひとつとして委嘱作曲された作品。
(なお、ウィーン交響楽団による團伊玖磨交響曲全集のCDの解説で創立80年とあるのは誤り)

團伊玖磨の指揮読売日本交響楽団の演奏により1965年に沼津で初演され、同時にレコード化もされた。

 

それにしてもウィーン響との交響曲全集は1988-89年の録音。


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時はバブル景気の最盛期。

ウィーンの名門オケでメジャーレーベルから邦人作曲家の交響曲全集を出すことなど、今ではとてもできない。

セゾングループのバックアップで実現されたらしい。

 

團伊玖磨には井上靖の詩に曲を付けた混声合唱曲「沼津二章」という曲もあり、新しい文化センターができた時にも、オペラ「夕鶴」全曲を沼津で指揮してくださいました。

 

Youtubeは團伊玖磨作曲、ブルレスケ風交響曲から

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2024年10月12日 (土)

シッパーズのリヒャルト・シュトラウス

本日快晴、朝の気温は14度、日中の最高気温は27度。

流れる風は秋の気配。

先日オフィス近くの中華料理店「祥和居」での昼食は夏季限定の韓国冷麺。


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10月に入っても夏季限定が続いている。

 

アメリカの指揮者トーマス・シッパーズ(1930-1977)のR.シュトラウスを米ターナバウトのLPで。


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・交響詩「ドン・ファン」
・楽劇「ばらの騎士」からワルツ
・交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」
・楽劇「サロメ」から7つのヴェールの踊り

 トーマス・シッパーズ(指揮)
 シンシナティ交響楽団

シッパーズはマゼール、カルロス・クライバーと同年生まれ、その前後の指揮者にはハイティンクやプレヴィン、アバドらがいる。

シッパーズはアメリカの指揮者としてもバーンスタインに次ぐ世代の指揮者として期待され、若い頃からオペラを中心に精力的なレコーディングをおこなっていてベルリンフィルにも客演し、弱冠33歳にしてバイロイトにも登場。

同世代の指揮者は故人となってしまったけれども、シッパーズも長命していれば、世界の指揮者会の中で同様な役割を果たしていたと思う。

 

このR.シュトラウスはシッパーズが晩年のポストだったシンシナティ響との録音。

オケを鳴らし切りながら、密やかな官能のティストの中にも品格が感じられるのが良い。

 

シッパーズについてはイタリア放送局が制作したドキュメンタリー映像が残されていて、かつてレーザーディスクの国内盤が発売されていた。
このシリーズには他にアバド、小澤征爾、メータのほか長老ヴィットルド・グイも取り上げられている。

かなり以前に見たおぼろげな記憶では、シンシナティ交響楽団の音楽監督に就任した時の映像から始まっていて、そこには地元シンシナティ市民の熱烈な歓迎の様子が、シッパーズの死に先立ち同じ癌により世を去った美しい夫人とともに紹介されていた。

シッパーズのコンサートピースの録音としてはサミュエル・バーバーの管弦楽曲集がやるせない官能と壮絶なクライマックスとの対比で強烈な印象を残す名演。

 

Youtubeはシッパーズ指揮のバーバー、「メディア」から

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2024年10月10日 (木)

クレンペラーのケルン放送交響楽団とのライヴ集

今週初めから朝晩の寒暖差が大きく気温が急に下がってきた。
本日朝の最低気温は13度、最高気温は25度。

火曜日の夜には急いで冬物を取りだしたりしていた。

本日朝の狩野川河川敷からの富士山。


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昨日地上は雨で気温も下がったので初冠雪を期待していたけれど雪はなし。


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そして東の箱根連山方面の蒼い空には秋を感じさせるウロコ雲。

 

録画してあったBSの科学番組を見ていたら、恐竜の隆盛は三畳紀に起きた巨大火山の噴火によるCO2の増加による急激な地球温暖化が原因だという。

温暖化により海水温の上昇から海水の蒸発量が増えて降雨量が劇的に増えた。
洪水が日常となったこの「雨の時代」がなんと200万年続き、古代大陸に広がっていた砂漠が緑化して草食恐竜の餌となる植物も巨大化したのだという。

番組の最後に科学者が、現在のCO2の増加量は三畳紀の噴火によるCO2の排出量の数倍なので、このままでは地球がどのようなことになるのかわからない、と困惑気味にコメントしていた。

確かにここ数年の世界的な水害の増加は異常で、これからますますエスカレートしていくということなのだろうか。
戦争などしている場合ではないのだ。

 

通勤の車中でクレンペラーをいろいろと聴いている。
クレンペラーのライヴをいくつか。


Membran Walletから出ていた10枚組CDでケルン放送響とフィルハーモニア管を振ったベートーヴェン、ブラームスそしてブルックナー。
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「オットー・クレンペラー名演集(10CD)」

CD1
・ブラームス:交響曲第1番ハ短調 op.68
 ケルン放送交響楽団
 録音:1955年 モノラル(ライヴ)
 
・ブラームス:交響曲第3番ヘ長調 op.90
 フィルハーモニア管弦楽団
 録音:1959年 ステレオ(セッション) 音源:EMI
CD2
・ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調『ロマンティック』
 ケルン放送交響楽団
 録音:1954年 モノラル(ライヴ)
CD3
・ブルックナー:交響曲第7番ホ長調
 ウィーン交響楽団
 録音:1958年 モノラル(ライヴ)
CD4
・ブルックナー:交響曲第8番ハ短調
 ケルン放送交響楽団
 録音:1957年 モノラル(ライヴ)
CD5
・ベートーヴェン:交響曲第1番ハ長調 op.21
 フィルハーモニア管弦楽団
 録音:1960年 モノラル(ライヴ)
・ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調 op.55『英雄』
 ケルン放送交響楽団
 録音:1954年 モノラル(ライヴ)
CD6
・ベートーヴェン:交響曲第2番ニ長調 op.36
 フィルハーモニア管弦楽団
 録音:1960年 モノラル(ライヴ)
・ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調 op.92
 フィルハーモニア管弦楽団
 録音:1955年 モノラル(セッション)
CD7
・ベートーヴェン:交響曲第4番変ロ長調 op.60
 ケルン放送交響楽団
 録音:1954年 モノラル(ライヴ)
・ベートーヴェン:交響曲第8番ヘ長調 op.93
 フィルハーモニア管弦楽団
 録音:1960年 モノラル(ライヴ
ベートーヴェン:劇音楽『エグモント』より
 序曲
 太鼓は響く
 喜びでいっぱい
 クレールヒェンの死
 ビルギット・ニルソン(ソプラノ)
 フィルハーモニア管弦楽団
 録音:1957年 ステレオ(セッション) 音源:EMI
CD8
・ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調 op.67『運命』
 フィルハーモニア管弦楽団
 録音:1955年 モノラル(セッション) 音源:EMI
・ベートーヴェン:交響曲第6番ヘ長調 op.68『田園』
 フィルハーモニア管弦楽団
 録音:1960年 モノラル(ライヴ)
CD9
・ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調 op.125『合唱』
 マリア・シュターダー(ソプラノ)
 グレース・ホフマン(アルト)
 ヴァルデマール・クメント(テノール)
 ハンス・ホッター(バス・バリトン)
 ケルン放送合唱団、北ドイツ放送合唱団
 ケルン放送交響楽団
 録音:1958年 モノラル(ライヴ)
CD10
・ブラームス:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 op.83
 ゲザ・アンダ(ピアノ)
 ケルン放送交響楽団
 録音:1954年 モノラル(ライヴ)
・ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番ト長調 op.58
 レオン・フライシャー(ピアノ)
 ケルン放送交響楽団
 録音:1956年 モノラル(ライヴ)
 
 オットー・クレンペラー(指揮)

1954年から1960年までの録音でライヴとEMIのスタジオ録音との混在。

大部分がライヴで、スタジオ録音はEMIへのブラームスの交響曲第3番とベートーヴェンの5番と7番の交響曲。
いずれもフィルハーモニア管による録音で、ブラームスとエグモントのみステレオ録音。

フィルハーモニア管とのベートーヴェンはウィーン芸術週間でのモノラルライヴだが、こちらは音の状態が良くない。

いずれもクレンペラー70代の記録。

この中からコンチェルト2曲とベートーヴェンの1,3,5,6、8番の交響曲と「エグモント」抜粋、そしてブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」を聴き終えた。

 

80を過ぎてからのクレンペラーの演奏には出来のムラが大きかったが、ここに収められた演奏はクレンペラー最盛期の演奏。

巨匠の風格を感じさせながら力強く突き進む熱くも雄渾な演奏ばかり。

中でもケルン放送響との演奏が強い緊張感と熱気が感じられていて素晴らしい。

ゲザ・アンダとのブラームスのピアノ協奏曲もソリストがバリバリ弾きまくって痛快そのもの。

ブルックナーでは比較的速めのテンポで進めているのが意外だった。

オケがパリッと引き締まった音で鳴り響き、スケール感にも不足しないのが巨匠の芸。

ケルン放送響は創設の1947年にはジャン・メランとリュポミール・ロマンスキーが首席指揮者を務めたもののそれぞれ一年で退任、以後1964年にクリスト・フォン・ドホナーニが就任するまで首席指揮者不在の時代が続いた。

だがオケの水準は非常に高い。

中でもオーボエ首席は大変な名手だ。
調べてみたらLothar Faberという人。

録音はモノラルながらケルン放送響の一連の録音は音が良い。

放送録音かしらん。

Youtubeはマーラーの弟子だったクレンペラーのマーラー、交響曲第9番終楽章ライヴ

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2024年10月 8日 (火)

ワルター・カーロスの「スイッチト・オン。バロック」

晴れのち曇り夕方から雨。

夜遅くから雨が強くなって気温も下がってきた。

 

お彼岸に埼玉の娘夫婦が帰省した時に、新鮮な魚を食べさせようと隣町の清水町の鮮魚店「魚龍」に刺し身の盛り合わせを買いに行った。

この店は今や数少なった個人経営の鮮魚店。

沼津魚市場で直接セリ落とした鮮魚はスーパーのものとは一線を画す。

お店は小さいけれどご主人のキャリアは長くて、自分が小学生の時に母に連れられて本家筋の鮮魚店に行った時に若き日のご主人が鮮やかな手つきで魚をさばいていたのを今でも覚えている。

本家は昭和の時代に廃業し、分かれた「魚龍」は孤軍奮闘。

 

久しぶりに行くと店内の魚が少ない。


ご主人に聞くと、駿河湾の水温が高くなって地物の魚が全然取れないのだそう。


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諸物価値上がりに魚不足。
今回は二千円だったけれど5年前は同じ盛りで千円だった。

すまなそうな顔を見せながら馴染みの好み(よしみ)でサービスしていただいた。

ご主人は80半ばの高齢。いつまでもお元気で頑張ってください。

 

「スイッチト・オン・バロック」

シンセサイザーによるプレーヤーとしての先駆けだったワルター(ウェンディ)・カーロスのアルバムから「スイッチト・オン・バロック」(正式にはThe Well-Tempered Synthesizer)
手持ちは国内初出LP.


Welltemperedsynthesizer

・ステレオ テスト信号
・「オルフェオ」組曲     :モンテヴェルディ
・ソナタ ト長調 L.209
・ソナタ ニ長調 L.164   :スカルラッティ
・組曲「水上の音楽」からブーレ、エア、アレグロ・ジョコーソ
・ソナタ ヘ長調 L.430
・ソナタ ニ長調 L.456   :スカルラッティ
・ブランデンブルク協奏曲第4番 :バッハ
・「聖母マリアの夕べの祈り」から主よ、早く私を助けに
                :モンテヴェルディ

 ワルター・カーロス(シンセサイザー)

バッハはブランデンブルク協奏曲第4番のみで、あとはモンテヴェルディとスカルラッティにヘンデル。
いずれも比較的ポピュラーな曲によるシンセサイザー化。

最初に装置をチェックするテスト信号が入っている。

 

リリースされたのは1969年。


モーグシンセサイザーによる演奏で冨田勲の一連の録音はこの後。

1968年に発表された「スイッチト・オン・バッハ」でグラミー賞3部門を受賞し、センセーショナルに登場(だったらしい)したワルター・カーロス。

この「スイッチト・オン・バロック」はセカンドアルバムになる。


手持ちのLPにはグレン・グールドが長文のメッセージを寄せている。

譜面に極力忠実に再現した演奏。

冨田勲の色彩豊かなシンセサイザーのアルバムを聴いてしまうと、こちらはずいぶんと地味に聴こえる。

カラー写真とモノクロ写真ほどの差が感じられた。

 

耳当たりの良い音が鳴っているので、難しいことを言わず気楽に聴くには良いかもしれない。

 

Youtubeはモンテヴェルディの「聖母マリアの夕べの祈り」から

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2024年10月 7日 (月)

寝る前にアランのオルガン曲

晴れのち曇りの月曜日。
天気は再び下り坂。

10月に入っても気温は下がらずオフの日は半袖短パンで過ごしている。

土曜日に伊豆三津シーパラダイスに孫たちを連れていった。

1930年開業の日本で2番目に古い水族館。


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幼かった娘たちを連れて以来およそ30年ぶりの訪問。

建物も施設もほとんど変わっておらず、施設の記念撮影の場所も変わらず。
30年前と同じ場所で今度は大人になった娘と孫たちとで記念写真。


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キッズスペースなど新しいコーナーもできていて、ほぼ完成された形の、イルカとトドのショーは大人も楽しめるもの。


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寝付きの音楽として枕元にCDラジカセを置いて静かに流している。

ずっとバッハだったのがブクステフーデのオルガン曲に変わり

その後はストラヴィンスキーの「プルチネルラ」の原曲にも使われているドミニコ・ガロのトリオソナタ集

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そして今はフランスの作曲家ジャン・アラン(1911-1940)のオルガン曲集を聴いている。

ジャン・アランはオルガニストにして作曲家。パリ音楽院に学び作曲はポール・デュカスとジャン・ロジェ=デュカスに師事、オルガンはマルセル・デュプレに学び二つとも首席で卒業している。

大変な才能の持ち主でありながら夭折。

アランの作品ではエラートのLPで聴いた「旋法的なミサ」が10分足らずの曲ながら純な美しさに魅せられた。

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この曲1曲で好きになった作曲家。仏 ERATO STU 71542

 

アランはバイクが趣味で、第二次世界中にフランス東部で機甲師団の伝令としてバイクに乗り偵察中ドイツ軍の一団と遭遇し戦死。
名オルガニスト、マリー・クレール・アランは妹になる。

作曲家としては10年の間に残されたのは、オルガン曲やミサ曲などを中心に100曲ほど。

聴いているのはノルウェーのSimax Recordsから出ていたオルガン曲全集CD2枚組。


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ジャン・アラン(1911-1940):オルガンのための作品全集

リタニア JA119(作品79)
空中庭園 JA71(作品50)
小品 JA33
幻想曲 第1番 JA72(作品51)
幻想曲 第2番 JA117(作品73)
オルガン組曲 JA69/70/82(作品48)
前奏曲とフーガ JA75/57
アンダンテ JA89bis
妄想 JA63
シトー修道会の聖体奉拳のためのコラール JA134
課題提出曲 JA37
哀歌 JA14
ドリア旋法のコラール JA67(作品47-1)
フリギア旋法のコラール JA68(作品47-2)
アリア JA138
3つの舞曲 JA120A(作品81)
モノディ JA135
昔の様式の悲歌 JA38
クレマン・ジャヌカンの主題による変奏曲 JA118(作品78)
賛美歌「輝く創り主」による変奏曲 JA27(作品28)
2つの世俗的前奏曲 JA64/65
アグニ・ヤヴィシュタのための2つの踊り JA77/78
ジュール・ルメートルの詩に JA62
間奏曲 JA66bis
戻らなくなった2つの音による子守歌 JA7bis(作品2)
グラーヴェ JA32
一風変わった空気 JA79
フリギア旋法のバラード JA9
終課のための後奏曲 JA29

 

ラーシュ・ノットゥー・ビルケラン(オルガン)
 (ファーゲルボルグ教会のゴル・オルガン(2007年)
   録音 2010年2月18-20日, 4月24-25,27-28日
      ファーゲルボルグ教会(オスロ)

2年前にも聴いていた

 

一見難解な音楽だけれど、今回は睡眠への導入として意識を集中して聴いているわけではないので、わけの分からないうちに眠気を誘うのが良い。

 

Youtubeはアランの「旋法的なミサ」

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2024年10月 5日 (土)

高祖父藤平の明治30年道中記

10月最初の土曜日は雨。

昨日から孫達が来ている。

 

木曜はオケの練習。

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鈴木衛先生の指揮で「新世界より」第1、3,4楽章。

 

母方の高祖父小池藤平(天保7年生まれ)の道中記を見つけた。


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明治30年(1897年)3月、高祖父藤平は55歳になった記念に22歳の娘のはまを連れて、三島の自宅から成田山と日光へと参詣の旅に出た。徒歩と人力鉄道、開通してまもない鉄道を乗り継いでの一ヶ月余り。

各所の名所を巡りながらの旅。

宿は知人や親戚、宿屋など。


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かなり細かく自分の感想も交えて書いてあり、小田原国府津間の馬車代が36銭、横浜から品川までの汽車賃40銭。

饅頭3個で3銭など、

 

上野では弾痕の後も生々しい寛永寺の戦跡を見て、宮内庁所管の動物館(現在の上野動物園)では奇なる異類に感心。

 

新富座にて、歌舞伎を現在の芸術の域まで高めた伝説の名人九代目 市川 團十郞の演技を堪能。

新橋では食べた天麩羅飯(天丼?)は甘すぎて閉口。

 

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江戸から明治の世となって30年、日清戦争が終わり近代化の途中の当時の社会の活気のある様子が書かれていて面白い。

 

皇居周辺の喧騒の描写


・・・電線は蜘蛛の糸の如く風を遮りて空に鳴り、鉄路縦横馬車轟く・・・・

 

まるで目の前に当時の風景が広がるようだ。

 

字も楷書体で読みやすく、流れるような名調子が良い感じ。

 

 

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2024年10月 2日 (水)

ユリ・ブーコフの「展覧会の絵」

10月に入り朝と夜は過ごしやすくなった。

仕事の合間の畑作業。
昨日はブロッコリーを植えた。
2種類の株を10株ほど。

かつてアスリートだった娘婿殿によると、ブロッコリーはビタミンB群が豊富で野菜の中では際立ってタンパク質が多く筋肉に良いとのこと。

本日出勤日。

昼食は職場の皆と合わせてバーミヤンのテイクアウト。


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私は黒酢豚弁当をセレクト。

 

ブルガリアのピアニスト、ユリ・ブーコフ(1923-2007)の弾くムソルグスキーの「展覧会の絵」。

70年代半ばにフォンタナの廉価盤レーベルのグロリアシリーズとして出ていたLPで、ドラティのムソルグスキー、ボロディンとのカップリング。

オリジナルLPは「展覧会の絵」のほかに、ムソルグスキーのピアノ曲で「夢」「涙」「ゴパック」の3曲を収録していた。


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・組曲「展覧会の絵」   :ムソルグスキー
・交響詩「はげ山の一夜」 :ムソルグスキー*
・歌劇「イーゴリ公」より韃靼人の踊り  :ボロディン*

 ユリ・ブーコフ(ピアノ)
 アンタル・ドラティ(指揮)*
 ロンドン交響楽団

ブーコフはパリ音楽院でラザル・レヴィに師事。

マグリット・ロン、エドウィン・フィッシャーにも教えを受け、1949年ロン=ティボーコンクールで4位。

1947年のジュネーブ国際コンクールでも入賞している。

そこそこ実力はあるようだけれど、自分の中ではブーコフといえば、もっぱら廉価盤のグロリアシリーズでのベートーヴェンの3大ソナタ+告別のソナタ集やショパンの小品くらいで、あまり聴こうとする意欲がわかない存在感の薄い印象でしかなかった。


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外盤ではプロコフィエフのピアノソナタ全集もあるようだが、国内で発売された形跡はない。

この「展覧会の絵」は近くのハードオフのジャンクコーナーで見つけた盤で、最初全部ドラティ指揮だと思ったくらい。

これが聴いてみるとなかなか良い。

 

ブルガリア出身ということで、スラヴ系のコテコテした脂分のある演奏だと想像していたが端正で上品、フランス的な趣の感じられるユニークな演奏だった。

思えばブーコフはパリ音楽院で学び、終焉の地もフランスだった。

技巧がしっかりしているので違和感はない。

 

カップリングのドラティの演奏は、オケを豪快に鳴らした手練れの名演。

ボロディンでは合唱が入っていてびっくり。
ジャケットとレーベルには合唱のクレジットはない。

 

Youtubeはッブーコフの弾くバッハ、リスト編曲の前奏曲とフーガBWV543

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