今朝の狩野川河川敷からの富士山。
冷たい西風に冬の気配
九州から帰ると同世代の友人の訃報が続けて待っていた。
一人は職場の同僚でもあった高校大学の一つ年上の先輩。
もうひとりは高校の同級生。
先輩には自分の結婚式の司会をお願いしたりして、公私にわたり大変お世話になっていた。
いつも明るく、気配りとウィットに富み多くの人から好かれていた方。
先月までは元気だったのに突然の急逝だった。
家族葬だったけれど葬儀の前にお別れしたく、早い時間に葬儀場に伺いお別れをした。
そしてもう一人は高校の同級生。
入学した時に前後の席で最初に親しくなった仲。
彼は優等生で成績は学年トップ集団の常連。
東大に現役合格したものの中退し、他大学の最難関医学部に再入学。
卒業後は僻地医療に生涯を捧げ、その奮闘ぶりはテレビでも紹介された。
ここ数年は年賀状のやり取りだけになっていたけれど、今年の賀状に大病に罹ってしまったのでこれで年賀状終いとする、とあり気になっていた。
他の同級生からの知らせで今月始めに逝ったことを知った。
治療方法が確立されていない難病だったとのこと。
イタリアの作曲家、ジョヴァンニ・ボッテジーニ(Giovanni Bottesini, 1821- 1889)のレクイエムを聴く
イタリアのチェトラから出ていたLP
・レクイエム :ボッテジーニ
林康子(ソプラノ)
ピエルルイジ・ウルビーニ(指揮)
ミラノ、イタリア放送交響楽団、合唱団
録音:1980年
コントラバスのパガニーニと呼ばれ、いくつかのコントラバスのための作品を残したボッテジーニ。
父も兄弟も作曲家の音楽一家。
作曲家としては交響曲からオペラまでかなりの量の作品を残しているけれども、コントラバスのための曲以外はほとんど忘れ去られている。
ちなみにボッテジーニはヴェルディのオペラ「アイーダ」のカイロ初演を指揮していて、
特にオペラはかなりの数の作品があるらしい。
このレクイエムの1876年に完成。
翌年の2月に、1月に亡くなった作曲家でもあった兄の葬儀の際に初演されている。
この時は教会内で女性の演奏者の参加が許されなかったために、女声パートを除いた形で演奏された。完全な形での初演は1880年のこと。
その後演奏されることはなく1979年にこのレコードのメンバーによって再演された。
1980年に録音されたこのレコードが長い間唯一の音源だった。
今ではNAXOSからも別の演奏家によるCDが出ている。
曲は管楽器の響きが厚いけれど、同時代のヴェルディのレクイエムほど劇的な効果は感じられない。
ディエス・イレ後半の緊張感などはなかなかのものとはいえ同時代のヴェルディのレクイエムと比べてしまうとかなり聴き劣りがする。
この作品が注目されるには、よほどの優れた演奏でなければ難しいと思う。
ウルビーニ(1929-2003)は主に映画音楽畑で活躍した人らしい。
林康子のアリアが素晴らしいものの、全体の演奏そのものは平凡な出来で、曲の魅力を十分に出しているようには思えない。
なおボッテジーニについてはコントラバス奏者の徳高宏行氏のサイトが非常に詳しい。
ここで紹介されている同時代の音楽家たちの写真や肖像の数々は実に貴重。
ボッテジーニが使用していたコントラバス「テストーレ」は、日本のコレクターが所有していることも初めて知った。
Youtubeはボッテジーニのコントラバス協奏曲第2番
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