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2024年12月に作成された記事

2024年12月30日 (月)

「こよみ姫~羊のフェルト」そしてリヒテルのバッハのことなど

今年最後の月曜日。

今日は家の神棚とお稲荷さんのしめ縄を張っったり、部屋の片付けなど。

買ってきた神棚のしめ縄の紙垂(しで)が貧弱なので、自分で作ることにした。

今はネットで作り方が拾える便利な時代。

 

仮名文字で印刷された暦(摺暦)としては日本最古の暦、「三島暦」の研究家で、沼響友の会会員の一藤木秀光さんの小説「こよみ姫~羊のフェルト」が今年の文藝三島賞を受賞した。


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昨年発表した小説「こよみ姫」の続編。

一藤木さんはコロナ禍以来休止状態のボエームの会のメンバーの一人。

 

「こよみ姫~羊のフェルト」は、史実と架空の世界が、時空を超えて見事にコラボしている幻想的な作品。

副題の「羊のフェルト」は、ピアノのハンマーのフェルトを意味し、ミケランジェリやリヒテルの調律をおこなっていた世界的な調律師、三島市出身の瀬川宏さんから直接伺ったエピソードや沼響の存在も織り込まれている。

 

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小説のクライマックスの場面は、沼響第40回定演の「ザ・グレート」の演奏場面。

一藤木さんによると「グレート」終楽章の演奏を聴いた時に、小説の結末のインスピレーションが湧いたとのことです。

 

リヒテルの弾くバッハ、平均律クラヴィーア曲集第1巻を弾く。
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幾分ロマンティックで幻想的なバッハ。

リヒテルは実演を函館と三島で聴いている。

 

今にして思えば、一地方都市の三島に晩年のリヒテルが来演したのは、瀬川宏さんが関係していたのだと思う。

 

Youtubeはリヒテルの弾くバッハ、平均律クラヴィーア曲集第2巻から

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2024年12月29日 (日)

今年最後の冬の音楽会

孫達が帰省してきて大暴れ。

世話の合間に片付けやら掃除やらの慌ただしい年の瀬。

今日墓の掃除をしていたら、お墓の裏の土の中から仏像が出てきた。
あまり古いものではなさそうだ。

ご先祖の誰かが埋めたのだろうか。

 

昨日は、年に一度音楽好きの仲間が集まる「冬の音楽会」。

 

場所は隣町の長泉町文化会館ベルフォーレのイベントホール。


これは音楽好きの仲間たちが、日頃練習していた音楽をジャンルを超えて、自由に演奏して皆で楽しむ会。


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10回目の今回は18の個人やグループが出演。

 

自作の弾き語りや歌、トランペットソロやピアノソロにピアノデユオ、小さな子どもと一緒のファミリーの合奏、珍しいファゴット三重奏などなど・・・

バルトークからポップス、童謡までの多彩な内容。

バルトークを弾いた女性は、アマチュアながら国内のコンクールの入賞歴もある強者。

 

今回は娘のファミリーも出演させていただき、婿殿は自作をギターで弾き語り。
3歳と1歳の孫は初デビューとなりピアノと歌と踊りを披露。

長男は体調最悪だったけれど、本番になったら笑顔で愛嬌をふりまいていた。

 

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沼響からも2人が参加した。

ティンパニのWさんによる「新世界より」と「ラデツキー行進曲」の独演は、多重録音を駆使してなかなかの好演。

ファゴットのMさんによるソロはアーンの「クロリスへ」。

そしてファゴット三重奏など。

 

最後は全員合唱で「故郷」

 

今年の最後を飾る楽しい音楽会でした。

 

Youtubeはアーン作曲「クロリスへ」、ピアノ伴奏が美しい。

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2024年12月25日 (水)

ウィーン少年合唱団のクリスマス

12月も後半になり、なんとなく師走の気分。

昨日は畑周りの生垣の剪定をしていた。

紅葉に出遅れた庭のモミジ。


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急に寒くなったので色は鮮やか。

 

クリスマスということで関係するクリスマスキャロルなど。

いただきもののLPで「ウィーン少年合唱団のクリスマス」.

パレストリーナやプレトリウス、ミヒャエル・ハイドンのほか有名無名のクリスマスキャロルをあつめたもの。


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・パレストリーナ  :『今日キリストは生れたもう』
・ヘンドル(ガルス) :『しもべらよ、共に歌え』、『われらに生まれし御子』
・M.プレトリウス :『主の生誕のときに』
・ウヴェ・タイマー :民謡歌曲集 
・ウヴェ・ハラー  :民謡歌曲、ほか(全22曲)

   ハンス・ギレスベルガー(指揮)
   ウィーン少年合唱団

 

指揮は米Vangardにガブリエリやブルックナーの曲などを録音していたハンス・ギレスベルガー

全てアカペラで歌われる。

正確な音程と隙のないアンサンブル。

美しくも見事な歌だけれど曲に単調さはぬぐえず、聴いているうちに眠くなってきた。

 

Youtubeはメンデルゾーン作曲の賛美歌「天には栄え」

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2024年12月24日 (火)

デルヴォーのドビュッシー、イベリアのことなど

冬至も過ぎて本格的な冬、乾燥した晴天が続く。

このところの気温の急激な変化で体調を崩す人が増えてきた。

オフィスでも何人か休みが出ていて今週はやむなく臨時出勤。


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昼食は近くの葉山珈琲で、グラタンプレートのランチ。

 

最近家のパソコンからガラガラガラと異音がするようになってきた。

今使っているのは、5年前にPCデポで買った中古Windows10マシン。

Windows10のサポート終了ぎりぎりまで使うつもりだったけれど、突然クラッシュされても困るので、新しくWindows11マシンを購入することに決めた。

今のPCを買った隣町のPCデポに行ってみると、店内はすっかり様変わりして、ショップというよりもIT企業のオフィスのような雰囲気。

販売用の品数が少なく中古パソコンは皆無。

店員に中古はないかと尋ねると、ちょうどWindows11の切り替えの時期で,中古パソコンは入って来ないとのこと。

ここで買うのは止めて店を出た。

PCデポは、昨年上場廃止をしていろいろと変化があったらしい。

 

家電量販店から買うことに決めて山田電機、エディオン、ノジマなど近隣量販店のチラシをネットで見る。

結局、スマホ会員にもなっているノジマにすることにした。

あとでPCデポとノジマの社長は兄弟であることを知った。

 

ここ数年のパソコン事情に疎いので、いろいろと店員に尋ねながらそこそこのスペックのMouseというメーカーのマシンに決めた。
プリンターも併せて購入。

自分のWindows10マシンは5年、その前のWindows7マシンは、OSが登場した2010年からサポート終了の2020年まで、ほぼ10年間使い切った。

このWindows11マシンは、はたして何年使えるのか。

 

デルヴォーのドビュッシーを聴く
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・交響詩「海」
・夜想曲から祭り
・イベリア
  ピエール・デルヴォー(指揮)
  コロンヌ管弦楽団

フランスの指揮者デルヴォーは、もう一つ上の世代のクリュイタンスやミュンシュ、パレーといった名指揮者たちや、同世代のマルティノンとフルネに比べると、マイナー感はぬぐえない。

比較的良好な音の録音は残しているけれど、EMIでのドビュッシーやラヴェルなどの有名どころはクリュイタンスやマルティノンが押さえていたので、デルヴォーの出番はなかった。

結局ダンディやラボー、シャルパンティエなどフランスのマイナー作曲家の珍しい作品ばかり。

有名曲では、かろうじてコロンヌ管を指揮したフランス管弦楽曲集と題したアルバムが未だに現役。

 

聴いたのはジャズやイージーリスニングなど、様々なジャンルで業績を残した名プロディーサー、イノック・ライトによる米コマンドの35インチ・マグネティックテープレコーディングのLP.

「イベリア」はこのコロンヌ管が初演している。

 

そのためでもなかろうが、この3曲ではイベリアが最も良い。

デルヴォーの音楽は洗練さよりも、一見野暮ったいような野趣のあるリズム処理に特徴があったと思う。

 

この「イベリア」もスペイン風のウキウキとした高揚感と、煌びやかな色彩が見事。

 

 

Youtubeはデルヴォーのサン・サーンス、交響詩「死の舞踏」

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2024年12月22日 (日)

ジェマル・ダルガトのプロコフィエフとフランク

畑のレモン。


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去年の今頃には盛んに実を付けていたのが、夏ごろに突然枯れてしまった。
猛暑のためだろうか。


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枯れた木は幹から切ってしまったけれど、1本だけ残しておいた枝にレモンの実がなっていた。

なんとか復活して再びたくさん実を付けて欲しいもの。

 

こちらの画像は2年前の畑のレモン。


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旧ソ連の指揮者だったジェマル・ダルガットのプロコフィエフとフランクをメロディアのLPで聴く。

昨年近隣のブックオフで500円で入手。


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・シンフォニエッタ    :プロコフィエフ
・交響詩「プシシェ」   :フランク

 ジェマル・ダルガト(指揮)
 モスクワ放送交響楽団
  
Dzhemal Dalgat(1920-1991)は現在のロシア連邦内ダゲスタン共和国生まれ。
ダゲスタンは、カスピ海に面したコーカサス地方の小さな国。


モスクワ音楽院で作曲をミヤスコフスキーに、指揮をイリヤ・ムーシンとボリス・ハイキンに学んでいる。

主にバレエ畑で活躍した人らしい。

レニングラード音楽院の指揮科教授の地位にもあった。

自宅アパートの火災により死去。

 

ロシア版のwikiによると勲章を沢山もらっているので、それなりにロシア音楽界の重鎮だったのだろう。

レコーディングは少なくて、大きなものはこの盤のほかはプロコフィエフの歌劇「三つのオレンジへの恋」の全曲盤録音がある程度。
この録音は初の全曲録音として国内盤LPも出ていた。

自分の若い頃に、メロディアの外盤をたくさん扱っていた神保町の新世界レコード社にメロディア盤の全曲録音があって、この盤で初めて知った指揮者。

 

そしてこの演奏。

アンサンブルをきちんと整理しつつ、劇場的な山場の積み上げが見事。

オケがべらぼうにうまいので、非常に聴き映えのする演奏に仕上がっていた。

 

良い意味での職人気質の指揮者だったようだ。

 

Youtubeはダルガト指揮のプロコフィエフ、歌劇「3つのオレンジへの恋」から第2幕第2場のシーン

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2024年12月20日 (金)

本日の練習、今年最後のオケの練習はシベリウス、ストラヴィンスキーにドビュッシー

12月も半ばを過ぎて本日の最低気温は-1℃

 

一週間前に罹った風邪で咳と鼻水が止まらずいきつけの内科クリニックで受診。

到着するとクリニックの駐車場は満車状態。

車の中で待機している人が多いのは熱を出している人なのだろう。

巷ではインフルエンザが流行っていてコロナ患者も増えている。

 

院内に入ると意外に空いていた

症状を申告して熱を測ったたら36度2分。
いつもよりも低いくらい。

血液検査はいつもの項目に加えCRP値も出してくれた。

通常値0.3ぐらいなのが6.2。

これ、感染症だけでなく腕の打撲も影響しているような気がする。

こちらは5ヶ月以上経ってるのに未だ腕に力が入らない。

 

 

木曜夜は沼響今年最後の練習。

 

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来年の定期演奏会に向けてストラヴィンスキーの「火の鳥」1919年版の組曲に、シベリウスの交響曲第5番、そして前プロに決まったドビュッシーのハープと弦楽のための「神聖な舞曲と世俗的な舞曲」の3曲。

 

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先週の初見大会が終わって、曲の細部を少しずつ探りながらの練習。

 

シベリウスの第5番は、様々な名演奏家の録音と比べると、実際の譜面と異なる部分が散見される謎の多い譜面。

 

第2番の時も苦労したけれども第5番はそれ以上かも。

 

 

Youtubeはドビュッシーの「神聖な舞曲と世俗的な舞曲」マケラ指揮オスロフィル

 

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2024年12月17日 (火)

髙木東六のドビュッシー、月の光

乾燥した晴天が続く。

本日の最低気温1℃、湿度25%

高木東六のピアノ演奏を聴く。

昭和43年にテイチクレコードから発売されたLP2枚組


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・エリーゼの為に
・月光の曲       :以上ベートーヴェン
・軍隊行進曲      :シューベルト
・愛の歌        
・スペイン舞曲     :グラナドス
・夜想曲 作品9その2  :ショパン
・即興曲 作品90の4  :シューベルト
・ニ調のタンゴ     :アルベニス
・春のささやき     :シンディング
・愛のワルツ      :ブラームス
・乙女の祈り      :バダチェフスカ
・トルコ行進曲     :モーツァルト
・月の光        :ドビュッシー
・ナポリの歌《バレー曲(白鳥の湖)の第2幕より》:チャイコフスキー
・歌の翼        :メンデルスゾーン
・トロイメライ     :シューマン
・雨だれ前奏曲《作品28の15》
・子犬のワルツ《作品64の1》
・嬰ハ短調の前奏曲《作品3の2》
・別れの曲《作品10の3》 :以上ショパン

    髙木東六(ピアノ)
 
             初出 1968年

2年程前に地元のハードオフで見つけたLP。

この現物を目にするまでは、高木東六がピアニストでもあったことを知らなかった。

高木東六の印象といえば、テレビ番組の「家族そろって歌合戦」やNHKの「あなたのメロディ」の審査員。

お洒落でモダンな雰囲気のある、童謡や歌謡曲を作曲したおじいちゃん。

その後何かの記事で、フランス留学をしてヴァンサン・ダンディに作曲を学んだことを知った。

このレコードに書かれた経歴では、ピエルネの薫陶を受け、ラヴェルにも接している。
高木東六は、いわば20世紀初頭のフランス音楽作曲界の、実り多き時代の雰囲気を直に体験した稀少な日本人だったのだ。

 

だが髙木氏の著書を読むと、パリ留学で接したであろう大作曲達のことや、音楽上の学んだことの記述は出てこない。


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書かれた内容のほとんどは、パリで出会った女性遍歴のことばかり。

このレコードには高木氏のインタヴュー記事も出ていて、パリのスコラ・コントウルムで、音楽院長のヴァンサン・ダンディ作曲のクラスに学んだけれど、実際は自分の語学力の貧弱さから、ほとんど授業の内容は理解できなかったと語っている。

ある意味正直な告白。

 

このレコードの収録曲はポピュラーな曲ばかり。

ほとんどが全音ピアノピースにあるような、一般のピアノ愛好家が弾くような曲で、さほど高度な技巧を要求する曲はない。

一抹の不安と期待を持ってレコードに針を下ろす。

2枚目のB面、シューマンとショパンから。

最初は「トロイメライ」。

 

「・・・・・」

 

最初の曲で大きな落胆。

続くトルコ行進曲も鈍重。

正直なところ、今このレベルではプロのピアニストとして通用しない。

 

このレコードの解説に「レコーディングは恐ろしい」と題する高木氏本人が一文を寄せている。

氏はこの録音の前まではピアノの研鑽を怠けていて、十数年前からピアノから離れていたとある。


それならば、なぜレコーディングをしたかというと、ピアニストとしての自分の記録を残しておきたから、ということらしい。

 

このレコードの収録曲で唯一のフランス音楽、ドビュッシーの「月の光」は良い。

いくぶん重い響きながら独特の艶っぽさがあり、一音一音に深い意味を感じさせるもの。

 

これは素晴らしい演奏だ。

これは他の著名ピアニストたちの名演とは全く異なるスタイルのドビュッシー。

 

氏のドビュッシー録音はほかにはないのだろうか。

直接会ったというラヴェルの作品の演奏も聴いてみたくなった。

 

Youtubeはドビュッシーの「月の光」、冨田勲のシンセサイザーで

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2024年12月15日 (日)

今年最後のクラシックレコードコンサートは團伊玖磨と第九

今朝は冷えて歩くと耳が痛いほど。

最低気温は0℃。

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大平地区からの富士山。

 

金曜夜は、市民文化センターでクラシックレコードコンサートの解説でした。


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年末なので、お約束のようになったベートーヴェンの「第九」を中心としたプログラム。

今回は、前半に生誕百年を迎えた團伊玖磨と、没後百年のフォーレを取り上げた。

 

團伊玖磨については沼津で初演され、今年再演された交響曲第5番「駿河」の話を含めて、沼津とのかかわりなどをお話させていただいた。


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曲は祝典行進曲をオランダ王立海軍軍楽隊の演奏で、他に歌曲「花の街」を鮫島有美子


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そして米良美一のカウンターテナーで「六つのこどもの歌」を紹介。

 

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フォーレは有名な「レクイエム」を紹介したいところだけれど、時間の関係で「ラシーヌによる賛歌」と組曲「ペレアスとメリザンド」。

 

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第九は定番のカラヤン指揮ベルリンフィルの1977年の演奏。

 

今回は曲の合間でもかなり個性的な質問がたくさん出た。


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アンケートでは祝典行進曲が好評。

実際に演奏したことがある方も何人か来ていたらしい。

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終わった後に常連の方から養命酒酒造の「ジン」を頂きました。

ありがたいことです。

 

Youtubeは秋山和慶指揮の祝典行進曲、日本のトップオケのメンバーが加わっています。

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2024年12月12日 (木)

本日の練習、火の鳥とシベ5の初見大会

乾燥した晴天が続く。午後に僅かに雨。

毎週木曜のオケの練習が今週は変則的に水曜日。

今回は来年の定期演奏会に向けての初練習。

場所は市民文化センター小ホール

ストラヴィンスキーの組曲「火の鳥」(1919年版)に、シベリウスの交響曲第5番の初見大会。


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「火の鳥」は1997年の定演で演奏している。

30年近く前のことで、その頃のメンバーはほとんど残っていない。
譜面を見ても30代の自分の記憶が蘇ることはなく悪戦苦闘。

 

シベリウスは2009年の交響曲第2番以来15年ぶり。

この交響曲第5番は、20数年前に40代の若さで逝った親友だったK君が好きだった曲。

奇しくもK君の弟が、今は沼響で自分と一緒にホルンを吹いている。

K君が好きだったことを彼の弟に話したところ驚いて「実は私もシベリウスではこの曲が一番好きなんです。良い話を聞きました」と。

 

シベリウスは好きな作曲家で、かつては交響曲第2番が演奏されるコンサートには頻繁に出かけていて、シベリウスのスペシャリストだったの渡邉暁雄さんの演奏は何回も聴きに行っていた。

ただ第2番は幾分食傷気味になってしまって、今は第一楽章冒頭の神秘的なホルン四重奏や、第三楽章の白鳥を表現したホルンの動きなど、ホルンが活躍する第5番が一番好きだ。
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昨晩も吹いていて、聴くだけではわからなかった何層にも重なるホルンの響きの美しさに、この曲の魅力を肌で体感。

 

来年の定演は、前プロにドビュッシー(1862 – 1918)の曲も内定している。

ドビュッシーとストラヴィンスキーは「火の鳥」の初演時に初めて会い、ストラヴィンスキーはドビュッシーに「火の鳥」のスコアを贈呈している。


シベリウスの交響曲第5番の最終改訂版は、今回演奏する1919年版「火の鳥」と同じ1919年に完成、初演。

ドビュッシー、ストラヴィンスキー(1882- 1971)そしてシベリウス(1865-1957)と、ほぼ同時代の作曲家が並ぶセンスの良いプログラミングになった。

 

Youtubeはパーヴォ・ヤルヴィ指揮ベルリンフィルのシベリウス、交響曲第5番フィナーレ

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2024年12月10日 (火)

マレク・ヤノフスキのサン・サーンス

12月も半ばとなり朝夕は冷えてきた。

先週末は孫達が来て暴れ回って帰っていった。

風邪をひいたらしく喉に多少の痛み。

仏ハルモニア・ムンディのLPでマレク・ヤノフスキのサン・サーンス


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・交響曲第3番 ハ長調「オルガン付き」
・交響詩「ヘラクレスの青年時代」     以上 サン・サーンス

 マレク・ヤノフスキ(指揮)
 フランス国立放送フィルハーモニー
 ジャン=ルイ・ジル(オルガン)
 
     録音 1986年

ヤノフスキは、ドイツでのポストが長く「ニーベルングの指輪」全曲録音やバイロイト音楽祭への登場など、ドイツ音楽を得意とする印象が強いけれども、フランス音楽の録音も比較的多くの録音を残している。

ダンディの「フランス山人の歌による交響曲」「山の夏の日」やフローラン・シュミットの「サロメの悲劇」などがあり、サン・サーンスでは

この交響曲第3番のほか交響曲第2番の録音もある。

 

このサン・サーンス演奏は、熱狂よりも端正にまとめ、落ち着いた静けさが感じられる演奏。

録音も良く、オルガンの音も効果的に響いているが、第2楽章後半がA面とB面に別れていて興を削ぐ。

 

 

Youtubeはヤノフスキが指揮するシューマン「ライン」

 

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2024年12月 7日 (土)

ルミエ・サクソフォンクアルテット沼津公演

12月最初の週末。寒さ厳しく、もう師走の気分。
過ぎ去った秋。

昨晩はルミエ・サクソフォン・クァルテットのコンサート。

 

仕事を終えてホール近くの「バーミヤン」で夕食。
久しぶりに行ったら配膳ロボットが料理を運ぶシステムに変わっていた。

「ずいぶん料理が来るのが遅いなぁ」と思いながらスマホをいじっていたら、顔を上げたら配膳ロボットが目の前に立っていた。

店員さんに比べ何か味気ないな。

 

コンサート会場は、市民文化センター小ホール。


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この団体は東京芸術大学同窓生のメンバーによるサクソフォン・クアルテットで、今回は創設10周年を記念した一連のコンサートのひとつ。

 

アルトサクソフォンの戸村愛美さんは沼津市出身。
地元高校の音楽科から東京芸術大学に進学。


今年7月にグラズノフのコンチェルトを聴いている。

・アンダンテとスケルツォ    :ボザ
・楽器紹介~山の音楽家
・25の練習曲から4曲     :ブルグミュラー
・英雄ポロネーズ        :ショパン
     休憩
・ボレロ            :ラヴェル
・弦楽四重奏曲         :ラヴェル

~アンコール
  「ふるさと」

 ルミエ・サクソフォン・クァルテット
   住谷美帆(ソプラノ)
   戸村愛美(アルト)
   中嶋紗也(テナー)
   竹田歌穂(バリトン)

          沼津市民文化センター小ホール


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今回は10周年を記念して、メンバー4人の故郷での4回のコンサート。

茨城、鳥取に続いて沼津は3回目。

ファイナルは東京文化会館でのコンサートを予定している。

 

最初のボザはサクソフォン・クァルテットオリジナル曲の定番。

安定したテクニックと均一な音色、アンサンブルの緻密さでまずは実力を披露。

続く「山の音楽家」はバリトンサックスの中嶋さんのアレンジ。

手際よく各楽器のカラーを紹介。

ブルグミュラーではピアノ初心者おなじみの曲集から「素直な心」「アラベスク」「清らかな小川」「貴婦人の乗馬」の4曲を巧みなアレンジで聴かせる。


ショパンの「英雄ポロネーズ」も同じような傾向。

サクソフォン・クァルテットは、弦楽四重奏にも似た同質性とバランスが感じられて

音楽性も高いものが多い。

この形態ではダニエル・デファイエやマルセル・ミュールら、偉大な先人たちのアンサンブルがあり、それぞれ優れたディスクを残している。

手持ちでは10枚ほどのコレクション

この団体10年という歴史を経て、アンサンブルとしてかなり熟成しているように思えた。

メンバーも若いのでパワーと持久力も十分。

それは後半のラヴェルで遺憾なく発揮されていた。

「ボレロ」では執拗なリズムを主にバリトンサックスが担当。

アレンジが巧みで、4人での演奏ながら室内楽的な面白みの中に、フルオケで聞くような色彩感も感じられる良い演奏だった。

弦楽四重奏曲は第1、2,4楽章を演奏。

こちらもアレンジが非常に良く、時としてオリジナルかと思えるほど。

曲の持つフランス的な洒落た軽みと音色感はサクソフォンに合っている。

これ、弦楽器でも難しいのに管楽器ではかなりの難曲だと思う。

 

4人ともなかなかの名人で、中でもソプラノサックスが傑出。

 

終演後のオリジナルグッズ売り場はかなりの盛況だった。

結成10年を経て、途中コロナ禍をはさみながらも着実に歩んできた結果なのだろう。

 

Youtubeはルミエサクソフォンクアルテットによるプラネルの「バーレスク」

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2024年12月 5日 (木)

スワロフスキーのドン・ジョバンニ

本日快晴、最高気温は16度。午後から風が強くなってきた。

本日おオフ、午前中は床屋に行ったりしていた。

気温が下がってきて、畑のブロッコリーの蕾がようやく大きくなり始めた。

だが例年に比べて成長が遅くて小さい。


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いろいろ調べてみると、ブロッコリーは連作がアウトらしい。

そういえば今年の苗を植えた場所が昨年と重なっていた。

ナスやトマトは意識していたけれど、アブラナ科のブロッコリーも連作はダメらしい。

 

ハンス・スワロフスキーの指揮でモーツァルトのオペラ「ドン・ジョバンニ」

手持ちはThe Opera SocietyのLP2枚組


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ゲルトルート・グロープ=プランドル(ソプラノ)
マヒルデ・コネツニ(ソプラノ)
ヘッダ・ホイサー(ソプラノ)
ヘルベルト・ハント(テノール)
マリアーノ・スタビーレ(バリトン)
アルフレート・ペル(バリトン)
アロイス・ペルネルシュトルファー(バス)
オスカー・チェルヴェンカ(バス)

ハンス・スワロフスキー(指揮)
ウィーン交響楽団
ウィーン国立歌劇場合唱団

         録音 1950年11月

門下にアバドやメータ、ヤンソンスらがいるスワロフスキーは名教師として名高いけれど、自身のレコーディングの評判はぱっとしない。

N響に客演した時も、実際に接した楽員たちががっかりしたとの証言が残っている。

CD初期には、正体不明の演奏家が並んでいた駅売りCDにも名前が勝手に使われていたりした。

 

この録音の歌手はこの頃ウィーン国立歌劇場で活躍していた人たち。

傑出した人はいないけれど、アンサンブルのまとまりが良いのでモーツァルトの魅力が自然に伝わってくる。

 

幾分速めのテンポの中に、すっきりとした音楽の流れが心地良い演奏。

 

多少素っ気ない感じはするけれど手練れのベテランの味わい。

 

この録音のオリジナルはおそらくHaydn Societyの録音で、この録音に関係したかどうかはわからないけれど、Haydn Societyのレコーディングには名エンジニア、アンドレ・シャルランが関わったものもあり、モノラルながら優秀録音が多い。

このLPも音は非常に鮮明、モノラルながら歌手たちの立ち位置もわかり、効果音なども実にリアルに再生される名録音。

 

Youtubeはスワロフスキーの幻想交響曲、ドロドロした不気味さを演出した奇演。詳細な私の感想はこちら

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2024年12月 3日 (火)

沼響名曲コンサート終わる

師走に入り好天が続く。

本日最高気温は20度。

昼食は「すき家」のすき家で期間限定のずわい蟹汁おしんこセット、830円。


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今年はずわい蟹が豊漁。

北海道のえりも町では、昨年から今まで縁がなかったオオズワイガニが突然捕れ出したという。

 

名曲コンサート本番は無事終了しました。


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今回は鈴木衛先生の指揮とMCでワーグナーやドヴォルザークなどのポピュラーな曲。

特に前半は団員のT君によるオペラからのオケ版アレンジを使用。

・歌劇「ローエングリン」から第3幕前奏曲と婚礼の合唱。
・歌劇「ローエングリン」から第2幕エルザの大聖堂への行列 :ワーグナー
・歌劇「アイーダ」から凱旋行進曲          :ヴェルディ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・交響曲第9番 ホ短調 「新世界より」  :ドヴォルザーク
  

  アンコール
・劇付随音楽「夏の夜の夢」から結婚行進曲 :メンデルスゾーン

  鈴木衛(指揮とMC)
  沼津交響楽団

 

自分は後援会組織である「友の会」の担当なので、9時には会場に入り受付コーナーの準備。

10時からゲネプロ、開場は13時15分

入会受付に座っていると入ってくるお客の表情が良く見える。

以前職場が一緒だった先輩の顔を見つけて声をかけたりしていた。

 

そして開演。


前日の練習録音を聴いて、ワーグナーではトロンボーンと重なる部分のホルンがあまり聞こえてこなかったので、そこは頑張らずにトロンボーンに任せることにした。


年季が入り自分の体力も落ちている中、手抜きではないけれど、いろいろと策を弄するようになってきた自分。


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日曜は天気にも恵まれ、曲がポピュラーなためか客の入りは良かった。

指揮の鈴木先生のMCも好調で、名曲の数々をわかりやすく漫談調の楽しい解説。

 

会場から質問なども出て良い雰囲気で演奏できたコンサート。

 

鈴木先生がステージ上から呼びかけてくれた関係で終演後に、「友の会」に新たに4人の方から申込がありました。

 

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