メニューインとシュナイダーハンのモーツァルト
大寒の月曜日は朝まで雨が残り、日中は初春のような暖かさだった。
庭の白梅が少しずつ咲き始めた。
今年は例年に比べ遅いようだ。
もう一枚は3年前の白梅。
インフルエンザの症状はようやく落ち着いた。
先週からの一週間はコンサートの予定をふたつ入れてあった。
一つは隣町長泉町での青柳いずみこさんのコンサート。
クープランで始まるフランス音楽を中心とした魅力的なプログラム。
しかも入場無料。
そして昨日月曜日は、昨年の沼響の第40回定期演奏会の「シンフォニア・タプカーラ」をはじめ沼津市制百周年の「第九」など、長いあいだ沼響を指揮していただいた喜古恵里香先生のコンサート。
東京交響楽団を指揮してのマーラーの「巨人」。
前プロは大谷康子さんのソロで、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番というもの。
ふたつとも非常に楽しみにしていたコンサートだった。
結局両方とも行くことができなかった。
昨日は行くかどうか最後まで迷っていた。
翌日に仕事の復帰を控え、水曜には大切な来客もあり、しかも金曜日には市民文化センター主催のクラシックレコードコンサートの解説が控えている中で、結局、体調管理を最優先として、ゆっくり体調を整える方を選んだ。
若い頃には苦も無く強行したであろうスケジュール。
やはり年だな。
昨日は家で、東響のコンサートの前プロだったモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番を聴いていた。
ウオルフガング・シュナイダーハンとメニューインのヴァイオリン。
2つとも国内盤LPで廉価版として出ていた古い演奏。
・ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調 K.219『トルコ風』
ウオルフガング・シュナイダーハン(ヴァイオリン)
ハンス・シュミット=イッセルシュテット(指揮)
北ドイツ放送交響楽団
録音 1960年
ユーディ・メニューイン(ヴァイオリンと指揮)
バース音楽祭管弦楽団
録音1961年
シュナイダーハンはこの曲を1967年の全集録音を含めて、4種のスタジオ録音を残している。ほかにライヴ録音もいくつかあるようだ。
1960年録音は2回目の録音で、ヨアヒムのカデンツァを採用。
メニューインの録音は、全7曲の番号付きのヴァイオリン協奏曲に加えて、協奏交響曲にK.190の2つのヴァイオリンのための協奏曲と偽作の「アデライーデ協奏曲」を含む珍しい全集。
こちらは4年前にも聴いていた。
2つの演奏を聴き比べてると、同じ時期の録音ながらだいぶ印象が異なる。
シュナイダーハンには練れた落ち着きと風格が感じられ、すっきり格調高く流した趣。
これはイッセルシュテットの伴奏の影響が大きいと思う。
メニューインはヴィヴィッドな勢いの感じられる演奏。
4年前に聴いた印象とだいぶ違っていた。
トロンとした、いく分甘いメニューインのヴァイオリンにロマンティックなテイスト。
シュナーダーハンの演奏に比べると、テクニックに幾分安定を欠く。
なおカデンツァはメニューイン独自のもの。
Youtubeはシュナイダーハンの弾くモーツァルト、K.219のコンチェルト。シューリヒト指揮の1960年ライヴ。名演です。
| 固定リンク
「音盤視聴記録」カテゴリの記事
- 展覧会の絵3題、リンガイセンとフレモーそしてロンバール(2025.03.25)
- コンドラシンのバラキレフ(2025.03.23)
- バルビローリのシベリウス、交響曲第5番(2025.03.20)
- アルトゥール・モレイラ=リマのショパン(2025.03.18)
- 3月のクラシック・レコードコンサートは花と鳥をテーマに(2025.03.16)
コメント