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2025年1月12日 (日)

アーヴィングのチャイコフスキー、ピアノ協奏曲第3番のことなど

薄曇りの日曜日。

本日地元のどんど焼きがあり、朝には正月飾りと古いしめ縄を公会堂に持って行った。

この時、空から雨がポツリポツリ。

昨日は家内の実家に寄り妻の両親にご挨拶。

夕食は皆で沼津丼丸のテイクアウト。

自分はオホーツク丼。
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大きな海老とイクラとウニも入って税込み550円。

 

イギリスの指揮者ロバート・アーヴィングの指揮でチャイコフスキー、グラズノフにグリンカの曲。米KAPPのLPで。


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・ピアノ協奏曲第3番からアレグロ・ブリランテ :チャイコフスキー*
・バレェ「ライモンダ」からパ・ド・ドウ    :グラズノフ
・歌劇「ルスランとリュドミュラ」からパ・ド・トロイス :グリンカ

   ロバート・アーヴィング(指揮)
   ニューヨーク・シティ・バレエ管弦楽団
   サイモン・サドフ(ピアノ)*

30年の長きに渡って、名振付師バランシン率いるニューヨーク・シティ・バレエ団の音楽監督だったアーヴィング。

アーヴィングの残された録音はほぼバレエ曲に限定されているけれど、どれもリズムの切れ味鋭くオケを効果的に鳴らした快演ばかり。

アーヴィングの演奏は見つけたらゲットすることにしている。

 

デジタル録音として残された、ストラヴィンスキーやチャイコフスキーの作品を集めた「バランシンアルバム」(米Nonsuch)が代表作だろう。
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この3曲もバランシンがバレエの演目として取り上げた曲だと思う。

ピアニストのサイモン・サドフ(Simon Sadoff)についてはよくわからない。

海外のサイトではバランシンの上演記録の中によく出てくるので、ニューヨーク・シティ・バレエの専属ピアニストだったのかもしれない。

 

チャイコフスキーの曲は未完のピアノ協奏曲の完成された第1楽章で、作曲者の死後、遺作として出版された作品。

この曲はもともと交響曲として着想されながら、途中でピアノ協奏曲に予定変更。

結局、作曲は遅々として進まず第1楽章のみが完成された形で残された。


チャイコフスキーの死後、弟子のタネーエフが、残されたスケッチから「アンダンテとフィナーレ」という形で再構成し全3楽章のピアノ協奏曲として完成させている。


録音もギレリスその他何枚か出ている。

後に旧ソ連の作曲家ボガチレフが、そのタネーエフの手が入ったピアノ協奏曲第3番を交響曲に編曲し、第3楽章にチャイコフスキーのピアノ曲「18の小品」のオケ編曲を第3楽章のスケルツォ楽章として加え、全4楽章の交響曲として交響曲第7番として発表した。

いわばチャイコフスキーの未完の作品の編曲を、そのまた別人が編曲したというもの。

 

さらにロシアの作曲家ピョートル・クリモフが、タネーエフ版のピアノ協奏曲第3番を再編して、3つの楽章の交響曲としてあらたに発表したので、話が複雑になってしまった。

一時期このクリモフによる曲が「未完成交響曲『ジーズニ』」として、あたかもチャイコフキーの新しい幻の交響曲であるかのように発表された。


テレビでドキュメンタリー番組も放送され、かなり派手にPRされて日本国内で演奏された。

自分の聴いた印象では、1950年代に発表されたボガチレフ編の3つの楽章との違いはほとんどなかったように記憶している。

 

話は戻してこのアーヴィングの演奏。

この3曲ではピアノが達者なので、チャイコフスキーが一番楽しめた。

アーヴィングの指揮もソロにピタリと付けた練達の伴奏ぶり。

グラズノフとグリンカは演奏は良いけれど、バレエ無しの音だけでは曲のつまらなさは如何ともしがたい。

EQカーヴはAESで聴いた。

優秀なステレオ録音。

 

Youtubeはアーヴィング指揮コープランドのロデオ

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