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2025年4月12日 (土)

「東京・春・音楽祭2025」、ムーティの指揮でオール・イタリア・プログラム

春らしい暖かな4月の週末。
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昨日の雨で富士山は雪化粧。

昨日は上野で「東京・春・音楽祭2025


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場所は東京文化会館大ホール。

演奏は2009年以来頻繁にこの音楽祭のために来日している、巨匠リッカルド・ムーティの指揮。

 

10時23分沼津発の東海道線に乗り、1時少し前に上野到着。

上野公園はいつものように海外からの観光客ばかり。
ところどころに中学生の修学旅行生らしき集団。
桜はほとんど散っていた。

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コンサートは夜なので、しばし公園内を散策したのちに国立科学博物館特別展「古代DNA 日本人のきた道」へ。
その後は「お茶の水ディスクユニオン」へ。

このあたりの詳細は後日。

 

コンサートは7時開演。

6時前に着いてしまったので、どこかカフェで時間を過ごそうと思っていたら、どこも既にクローズド。


やむなく開場の6時まで文化会館のロビーでいろいろなチラシを見たりしていた。


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そして開演。

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「東京・春・音楽祭2025」

・歌劇「ナブッコ」序曲  :ヴェルディ
・歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲 マスカーニ
・歌劇「道化師」間奏曲  :レオンァヴァッロ
・歌劇「フェドーラ」間奏曲 :ジョルダーノ
・歌劇「マノン・レスコー」間奏曲 :プッチーニ
・歌劇「運命の力」序曲  :ヴェルディ

・コンテンプラツィオーネ:カタラーニ
・交響詩「ローマの松」  :レスピーギ

  リッカルド・ムーティ(指揮)
  東京春祭オーケストラ
  コンサートマスター:郷古 廉

 

イタリアオペラの巨匠の作品がずらりと並ぶオール・イタリア・プログラム。

 

オケはこの音楽祭のために集められた人たち。

 

毎年の常連もいるらしいけれど、客席から見るとメンバーは皆若い。
持参したオペラグラスで見ると知っているのはN響第一コンマスの郷古廉さんくらい。

 

一見、音大オケのような若者ばかりなので、最初大丈夫かいな・・・
と思ったけれど、演奏が始まると杞憂であることがわかった。

沢山出てくる管楽器のソロはうまいし弦楽器も後ろのプルトまでよく鳴っている。

ムーティはとても83歳とは見えない若々しさ。

 

きびきびと進める指揮棒からはオーラが出ていて、ムーティの曲への共感が自然とオケに伝わっていく。
真剣なまなざしで一糸乱れず食い下がっていくオケ。

2曲目の歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲の美しさには涙が出そうになった。
充実した前半が終わり満席の会場は興奮状態。

 

後半はカタラーニとレスピーギ。

カタラーニの曲は初めて聴く。
ほとんどオペラ「ワリー」1曲で知られるカタラーニ。
美しいヴァイオリンの流れが続く、ちょっぴりワーグナーのティストが感じられる佳曲だった。

 

そしてレスピーギの「ローマの松」。
ムーティはフィラデルフィア管を指揮して名演の録音を残している。

開演前からバンダ(別動隊)の場所が気になっていた。
客席を見渡してもその気配はなく、ステージに目を移すと前半にはなかった椅子がステージの左右の両脇と後方の3か所にずらりと並べてあった。
各6脚ずつ合計18脚。

実際並んだのは正面にトランペット2にフリコルノ4。
両脇はそれぞれトランペット3にトロンボーン3、合計18人。

「ローマの松」は実演で何度か聴いているけれど、バンダがこんなに多いのは初めてだ。

東京文化会館にはパイプオルガンがないので、その分の補強なんだろうか、と勝手に想像していた。(電子オルガンは入っていたけれど、ほとんど聞こえませんでした)

 

第1曲の「ジャニコロの松」のフォルティシモでのヴァイオリン群のピッタリそろったボーイング、「カタコンブの松」の緊張感あふれるピアニシモから爆発的なフォルティシモでのホルンはベルアップ。
「ボルゲーゼ荘の松」でのクラリネットその他の管楽器のソロもお見事。

そして満を持してひた押しに押してくる終曲の「アッピア街道の松」。

遠近感を保ちながらピアニシモから始まるベース群の響き、コールアングレのソロに引き続き次第に加わる管楽器群、ズシンと響く大太鼓。
バンダ18人の威力もあったけれど、けっしてうるさくはならず、終盤に向けて大きなカーヴを描きながら巨大なクライマックスを築いていたのが圧巻。


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終演後、団員たちが去っても、ステージ前に押し寄せた観客の歓呼に応え、ムーティは何度もステージまで出てきてくれた。
手にはイタリア国旗。

オール・イタリア・プログラムだったからかな。

このクラスの指揮者になると、さすがに音楽の深さと表現の幅の次元が違う。

ムーティはやはり凄かった。

 

Youtubeはムーティ指揮シカゴ響の「ローマの松」

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