ホーレンシュタインのウィンナワルツ
ここ数日の気温の上昇で、庭の花木が一斉に咲き始めた。
ハナミズキにツツジ、そしてスズランにも似たドウダンツツジの白い花。
先週から我が家の修繕に職人が入っている。
雨漏りの修理に入った職人さんは75歳。
高い屋根の上でもひょいひょいと身軽に作業をする姿にしばらく見とれていた。
とにかく曽祖父が建てた古い家なので、いろいろと痛みが出ている。
ホーレンシュタインのウィンナワルツ集
リーダーズダイジェスト社によるミュンシュ、ケンペ、ライナーら、名指揮者たちを起用した通販向け独自の録音シリーズ中の1枚。
このシリーズにはレイボヴィッツによるベートーヴェンの交響曲全集録もあり、いずれも名エンジニア、ケネス・ウイルキンソンの手になる優秀録音。
この時ホーレンシュタインは、LPにして3枚分のウィンナワルツの録音を残している。
手持ちは国内RVC盤LP。
オケはウィーン国立歌劇場管弦楽団。
・歌劇「ジプシー男爵」序曲
・アンネン・ポルカ, Op.117
・ワルツ「酒、女、歌」, Op.333
・ワルツ「春の声」,op.410
・ワルツ「ウィーン気質」,Op.354
・ワルツ「美しく青きドナウ」,Op.314
ヤッシャ・ホーレンシュタイン(指揮)
ウィーン国立歌劇場管弦楽団
録音 1966年
ホーレンシュタインはウクライナのキーウ生まれながら、幼い頃にプロイセンのケーニヒスベルク(現ロシア領)に移住し、12歳の時にはウィーンで名ヴァイオリニスト、アドルフ・ブッシュに師事。以後音楽の教育はウィーンで受けている。
この演奏は、大編成のオケでシンフォニックに壮大に歌い上げたウィンナワルツ。
いわゆるウィーン本場のワルツといった趣は感じられない。
ワルツとはいえストイックに問い詰めてきっちり型にはめていくホーレンシュタイン。
歌劇「ジプシー男爵」序曲など、立派な交響詩を聴いているような錯覚に陥るほど。
一方で「ウィーン気質」のような曲では、ほのかな甘いロマンの香りも漂う。
ヨハン・シュトラウスの音楽なのに、R.シュトラウスの音楽を聴かされているような気分になってきた。
50年代から60年にかけて、米WESTMINSTER、米VOX,米VANGURDなどマイナーレーベルに非常に多く登場するウィーン国立歌劇場管弦楽団。
実体はウィーンフィルやフォルクスオパーのオケだとか、いろいろ推測されている。
かつてロジンスキーが語っていた、ウィーンフィルの母体である国立歌劇場のオケと、フォルクスオパーのオケやウィーン交響楽団のメンバーなどのウィーンで活動している音楽家がその都度集り、組織された録音用オケ。
というのが実際の多くの姿だったと思うけれども、この録音を聴く限りウィーンフィルのメンバーが主体だと思う。
録音は良い。
Youtubeはホーレンシュタインのマーラー、交響曲第5番
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