梅雨に入り連日の雨。

昨晩窓にはヤモリの姿。
しっぽが少し短かった。
先週土曜日にかつて沼響で一緒に演奏していた高校の先輩宅に遊びに行っていた。
前回御自宅に伺ったのは10年以上も前。
御無沙汰だったので自宅の場所もわからなくなっていたほど。
先輩はCD初期には英国関連のスピーカーとCDプレーヤーはREVOXなどを使っていた。
その後いろいろと変遷。
久しぶりに伺うとシンプルなシステムになっていた。
オーディオシステムの中心に普通に鎮座しているアンプが見当たらない。
その代わり放送局で使うようなミキサーが置いてあった。

これがプリアンプの役割を果たしているという。
聴くのはCDのみで、CDプレーヤーはESOTERICの高級プレーヤーを使用。
スピーカーはElectro-Voiceの中型スピーカー。
ケーブルと電源回りは相当手を加えてあり、ミキサーの下には細長い形状のパワーアンプのようなもの。
今までのオーディオの概念から大きく外れたシステムなので驚いた。
正直なところ本人も導入するのにあたって迷ったとのこと。
システム全体の値段を聞いたら驚くほど安かった。
この値段でこのようなリアルな音が出るのはちょっと信じ難い体験。
このオーディオシステムは録音スタジオの現場の装置を再現したものだとのこと。
Electro-Voiceのスピーカーは、拙宅でも今のSpendorの前にInterface:Aというスピーカーを使っていた。
パッシブラジエターという方式を採用した中型サイズのスピーカーで、専用のイコライザーアンプが付属するユニークなものだった。

このスピーカーは非常に良い音で、気に入ってしばらく使っていたけれど、経年劣化でエッジがボロボロになりやむなく廃棄。
劣化しなければそのまま使っていたと思う。
今回は聴き慣れているCD2枚を持参した。
一枚は古いDELOSのCDで、ローゼンバーガの弾く水に関係した音楽を集めたもの。
LP発売時には長岡鉄男が超優秀録音として推奨していた盤。
もう一枚はオルガンの音が気に入っている、セルジュ・ボド指揮のサン・サーンスの交響曲第3番。
ピアノ曲から聴いてみた。

最初聴いた印象は繊細でピュアな音。正直なところ美しいけれど音に力がない。
音像が平板で横に広がっているのも気になった。
ところがミキサーのつまみをいじると音は一変。
音にエネルギーが加わり芯も見えてきた。
ベーゼンドルファー・インペリアル・コンサートグランドの特徴的な低音もしっかり聞こえている。
続いてサン・サーンス。

細かな部分まで再生できてはいるけれど、オーケストラとしてのパワーはあまり感じられなかった。
自宅のシステムで聴いた時は知られざる名演だと思っていたけれど、先輩のシステムでは室内楽的に美しくまとまっている印象で、さほどインパクトは感じられない。
先輩宅のCDを何枚か聞いてみた。
キングズシンガーズ、そしてキャサリーン・バトルの黒人霊歌など。
このあたりの録音は、このシステムにとってバツグンの相性のようで、しっかりとした響きとステージ上の演奏家の立ち位置などもわかるほど。

最後にマンフレッド・ホーネック指揮のマーラーの交響曲第3番。
ダイナミックオーディオが発売したSACD2枚組で、なんと定価が3万5千円!!
近くのハードオフで数百円で入手したらしい。
最初の部分だけ聴いてみる。
確かに凄い音が入っていることを実感、SN比も良い。
しかし値段を考えるとどうかな・・・
「ステレオ」誌にも紹介された、2月に遊びに行ったもうひとりのオーディオ好きの先輩のシステムとは対極の思想から創られたオーディオシステム。
オーディオは奥深いし上を見れば切りがない。
そもそも自分は手間のかかるものは苦手である程度で妥協してしまう性格なので、ほどほどで止めておこう。
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