ベームとベルリンフィルのモーツァルトの交響曲全曲録音のことなど
曇り時々雨。再び梅雨の曇り空。
湿度が高く、朝に立ち寄ったコンビニの玄関正面ガラスが水滴で白く曇っていた。
先月から通勤の車中でベームのモーツァルトを聴いている。
ベルリンフィルを指揮した独逸グラモフォンに残した交響曲全集録音。
独グラモフォンのBOXセットCD10枚組で、番号無しの交響曲を含む全47曲を収録。
これを8歳の時の交響曲第1番 K.16から順番に聴いている。
今はようやく第39番から41番までの最終10枚目。
初期の作品は、編成も規模も小型ながらいずれも若き日の天才作曲家の息吹が感じられる佳曲ばかり。
第1番第2楽章のドレファミの旋律が、最後の交響曲第41番「ジュピター」フィナーレに堂々たる威容で現われるのは有名な話。
10番台までの曲は、同時代の作曲家たちの影響が色濃く出ていて、演奏旅行の度に数多くの作曲家の技術とその地のスタイルを吸収しつつ成長していったのを実感する。
なかでも15歳の時に作曲した第12番には、それ以前の作品と一線を画す進歩が如実に感じられる。
それまでの曲では第1楽章の小節数が100小節に満たないものが多かったのが、第12番は157小節。
以後150小節を超える曲が続き、第20番を過ぎるあたりからもうお馴染みのモーツァルトの交響曲の世界。
次の飛躍は第25番と第31番「パリ」あたりで、第25番になるとさらにランクアップして第1楽章の小節数は200小節を超え、第33番に至っては370小節。
自然と演奏時間も長くなり音楽の充実度も格段に上がっていく。
第33番を聴いているうちに、実演で聴いたカルロス・クライバーの軽やかにしてデモーニッシュな指揮ぶりを思い出した。
ベームの演奏は最初期の交響曲から無骨なほど誠実に仕上げていて、それでいて重くもならず50曲近い交響曲全てが高水準なのが驚異的。
録音は1959年から1968年までのものだが、古楽器演奏隆盛の今でも古さは感じられない。
Youtubeはベーム指揮ウィーンフィルの「ハフナー」
| 固定リンク
「音盤視聴記録」カテゴリの記事
- アントニン・キューネルと武蔵野音楽大学ウィンドアンサンブル(2025.07.08)
- 小菅優の「ファンタジー」(2025.07.02)
- スピヴァコフスキーのチャイコフスキー(2025.06.30)
- ランパル、ORIONへのバッハ(2025.06.29)
- ベームとベルリンフィルのモーツァルトの交響曲全曲録音のことなど(2025.06.24)
コメント