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2025年7月12日 (土)

ジョナサン・ノットとスイス・ロマンド管弦楽団、そしてHIMARIのことなど

7月も半ば、金曜土曜は風も吹いて比較的過ごしやすい一日。


今週水曜はスイスロマンド管弦楽団の来日公演に行っていた。


場所はサントリーホール。



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この日はどうしても抜けられぬ会議があり、やむなく出勤。
会議終了と同時に東京に向かう算段をしていた。


ところが先方の都合で会議は他日に延期となり早めに東京に行くことができた。


 


東京までは最近もっぱら新幹線を使わず普通列車のグリーン券。



今回もそのつもりが3月の料金改定で、東京までだと新幹線よりも高かくなってしまっていた。
やむなく普通席で。



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早めの夕食は、お茶の水の三島由紀夫の行きつけの店、画廊喫茶「ミロ」でハヤシライス。



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三島由紀夫の定席だったという場所には三島由紀夫の写真が飾ってある。



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店に入った時はその席には男性が座っていて読書中だった。


 


スイスロマンド管弦楽団は1987年の来日公演を聴いている。


アルミン・ジョルダンの指揮でアルゲリッチをソリストに迎えたラヴェルのト長調のコンチェルトを含む「スペイン狂詩曲」、「ラ・ヴァルス」、「ボレロ」といった舞曲系のオール・ラヴェルプロだった。


アンセルメの時代のスイスロマンド管の暖色系の音色とは異なる、透明度の高いヒヤリとした青白いオケの響きが、非常に印象に残っている。


じわりじわりと着実に温度を上げていき、青白き炎が燃え上がるクライマックスを迎えたボレロなど見事なものだった。


アンコールは確かドビュッシーの「古代のエピグラフ」の第1曲をアンセルメ編曲版で演奏したように記憶している。そしてもう一曲はシャブリエの「楽しい行進曲」だったような・・・


 


今回の来日公演は現音楽監督のジョナサン・ノットに天才ヴァイオリニストHIMARI。



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・ドビュッシーによるエチュード     :ジャレル
・ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47    :シベリウス
 アンコール~
  無伴奏ヴァイオリンソナタ第6番 ホ長調 op.27-6 :イザイ


・バレエ「春の祭典」          :ストラヴィンスキー 
 アンコール~
  組曲「マ・メール・ロワ」~妖精の国   :ラヴェル


 


今話題のHIMARIが出るというのでチケットは完売。



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最初にノットによる日本語と英語による挨拶のアナウンスがあった。


第1曲はスイスロマンド管の"composer-in-residence”のミカエル・ジャレルによる「ドビュッシーによるエチュード」


この曲はドビュッシーのピアノ曲の練習曲集から3曲を選んで管弦楽化している。


作曲と言うよりもドビュッシーのスタイルに比較的忠実に編曲したもの。


よくできたアレンジで、あたかもドビュッシー自身のオーケストラ曲のように響いていた。


 


オケの音はジョルダンの指揮で聞いた時のような、冷たさのある透明感のようなものが僅かながら感じられる。


これがこのオケの伝統的な音色なのだろうか。


 


2曲目はHIMARIの登場。


なぜかトラブルがあったようで、ひとりのコントラバス奏者が舞台そでに引っ込んだままなかなかステージに現れない。


しばらく待たされコントラバス奏者がステージに戻ると、聴衆が固唾をのむなかでHIMARIの登場。


 


シベリウスのヴァイオリン協奏曲は好きな曲で、実演では十代の頃の五嶋みどり、諏訪内晶子、竹澤恭子の女流ばかり3人の演奏を聴いている。


この中では小さな体を折り曲げるようにして力強く弾いていた五嶋みどりと、強烈なエネルギーの放射が感じられた竹澤恭子の演奏が印象に残っている。


 


そしてHIMARI。


印象的な序奏が始まる。


最初あれ?と思ったのが、音が小さい。


小さな体格のせいなのだろうか楽器が不調なのだろうか。


同じような体格と年齢で聴いた五嶋みどりの時はもっと強烈な響きで始まったと記憶している。


 


自分としては演奏に乗り切れないまま第2楽章に突入。


ここでようやく深くしみじみと歌うヴァイオリンの音色に没入することができた。
とても14歳の少女とは思えない大人の音楽。


アンコールはイザイの難曲、無伴奏ヴァイオリンソナタ第6番。
これは凄かった。


 


イザイの曲はかなり前に、たまたま宿泊していた蓼科のリゾートホテルのロビーコンサートで、現在シュターツカペレ・ドレスデンの第2コンマスになっている湯本亜美が弾いていた。



酔客のいるようなガヤガヤとした中で、毅然としてバリバリと弾いていた姿を今でも思い出す。


その時の彼女もまだ10代の少女だった。



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後半は「春の祭典」。


編成も大きくなりオケの配置も前半とは大きく変わっていた。


比較的軽いノリで整然と進めていくハルサイ。


野性的なテイストよりも要所要所を引き締めて精緻に音化していく手慣れた演奏。


 


あぁ、この曲もベートーヴェンやマーラーのような古典なんだ。


細かなところで今まで気が付かなかった音が鳴っている箇所もあり、通常とは異なった版を使っているのかな・・
など思いながら聴いていた。


 


スイスロマンド管はさほど機能的なオケではないけれど、色彩の豊かさとジョルダン以来のサラリとした透明な音色感の絶妙なバランスは変わっていない。


アンコールの「マ・メール・ロワ」からの終曲「妖精の国」に、その美点が最上の形で出ていた。


冒頭のふわりとした美しい響きには感動しました。


 


Youtubeはノット指揮スイス・ロマンド管の「春の祭典」


 

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