ダン・タイ・ソンピアノリサイタル in 静岡
6月も半ばに入り梅雨の一休み。
昨日はダン・タイ・ソン ピアノリサイタルに行っていた。
場所は静岡市の音楽館AOI.
開演が16時なので、午前中は畑の生垣の剪定の後始末など。
早めの昼食を済ませ駅へ向かう。
東海道線13時35分沼津発の浜松行き。
AOIのホールはビルの8階。
エレベーターホールが狭いので、開場時間に行くと建物の外に入場待ちの長い行列ができていた。
ロビーで何人かの人に挨拶されたけれど、その中の一人はどうしても思い出せない。
人違いかな??
・前奏曲 第1、7 番
・「風景」より 湖
・「歌と踊り」第8番 :以上 モンポウ
・ノクターン 変ロ短調 Op.9-1
・ポロネーズ 嬰ハ短調 Op.26-1
・3つのマズルカ Op.50
・バラード 第1番 ト短調 Op.23 :以上 ショパン
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・ロンド イ長調 D951/Op.107(連弾): シューベルト
・マ・メール・ロワ(連弾) :ラヴェル
・4手のためのピアノソナタ FP.8(2台ピアノによる演奏)
・2台のピアノのためのエレジー
・「仮面舞踏会」の終曲によるカプリッチョ曲 :以上プーランク
~アンコール
・「シテール島への船出」 :プーランク
ダン・タイ・ソン(ピアノ)
エヴァ・ポブウォツカ(ピアノ)
2階左側のバルコニー席だったのでダン・タイ・ソンの手の動きがよく見えた。
右手の人差し指に白いテープを巻いていた。
練習で痛めたのだろうか。
ダン・タイ・ソンは1980年第10回ショパン国際ピアノコンクールの覇者。
この年は、ポゴレリッチの予選敗退に抗議して、審査員のアルゲリッチが辞任するなどの波乱のあった年。
この時の順位は
第1位: ダン・タイ・ソン(ベトナム)
第2位: タチアナ・シェバノワ(ソ連)
第3位: アルチアン・パパジャン(旧ソ連)
第4位: 該当者なし
第5位: 海老彰子(日本)、エヴァ・ポブウォツカ(ポーランド)
その後の入賞者の活躍ぶりからすると、かなりレベルの高かった年のように思える。
後半で共演したボブウォツカはダン・タイ・ソンと同世代。
同じ回の第5位で、マズルカ賞も受賞している。
キラキラと光り輝くようなモンポウが鳴った瞬間、これは楽しめるコンサートになりそうだとの予感。
『風景』より 湖では、クリスタルガラスのような深くも美しい音、鏡のような湖面に風が静かに流れ、さざ波を立てていくような風景が広がる。
素晴らしい曲そして演奏。
深い余韻をもってホール全体に響くショパン。
美しいアルペジョが静かに会場を満たしていく。
ピアノからふわりと真綿のような柔らかな音を聞いたのは、クラウディオ・アラウの実演以来のこと。
やはりショパンを得意としているのだろう。
真摯に作品に向き合う誠実な姿が伝わってくる。
演奏の見事さに曲が終わる瞬間、拍手がすぐに沸くことがなく、しばらくの時間満席の会場が水を打ったような沈黙に包まれていた。
円熟期を迎えたダン・タイ・ソンが、世界的な巨匠であることをいまさらながら実感する。
バラード第1番の壮大にして入魂の演奏で前半を終了。
後半はエヴァ・ポブウォッカとの連弾と2台のピアノの曲で、シューベルト、ラヴェル、プーランクの作品
この二人は同世代で第10回ショパン国際ピアノコンクールの入賞者。
気心知れた二人のデユオ。
ゆったりと揺れながら歌い上げるシューベルト晩年の作品のロンド。
ラヴェルの「マ・メール・ロア」は、ダン・タイ・ソンは体を左右に動かしながら音楽の流れに乗っていく。
下で支えるポブウォッカのピアノ。
ラヴェルの第2曲「親指小僧」では、優しく柔らかく入り込むカッコウの声が印象的。
超快速の第3曲「パゴダの女王レドロネット」に続く4曲めの「美女と野獣の対話」で、一瞬わずかなズレを感じさせる瞬間はあったけれど、プーランクでは一転、火花を散らすような丁々発止のスリリングな対話。
プーランクらしい明るくお洒落な楽しさを感じさせるのもお見事。
巨匠二人がお互いに触発し合い楽しみながら、大きな世界を造り上げていくのが素晴らしかった。
アンコールはプーランクの「シテール島への船出」
Youtubeはダン・タイ・ソンのラヴェルからソナチネ
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