ジュリーニの「運命」
6月も半ば。
昨日梅雨冷え(つゆびえ)で最低気温は15℃
ちょうどゴミ当番に当たっていて、朝の6時半からご近所の二人と30分ほど集積場所での立ち合い。
雨の中風もあって、前日の暑さが信じられないほど寒かった。
土曜日はダン・タイ・ソンのコンサートの前に静岡市立美術館に立ち寄りお目当ての「水木しげる」の図録の購入。
静岡市立美術館は、コンサート会場まで徒歩5分ほどの至近距離。
この展示は、先月孫のピアノ発表会の時のついでに来ている。
その時は孫と一緒だったので、とても落ち着いてみることもできず、図録も買いそびれていた。
会場に入ると翌日が会期終了ということでかなりの混雑。
中でも女性の来場者が多いのが目立っていた。
図録は著名人の執筆陣に、作品のカラー写真がふんだんに使われた豪華版。
水木しげるの生涯と作品をかなり奥深く紹介している優れものだ。
実は職場で、この展示を見に行った女性職員からこの図録を見せられ、欲しくなったもの。
一般の書店に並ばないこのような出版物は、このチャンスを逃すとなかなか入手できない。
今度は展示をゆっくり見ることができた。
今沼響で秋の演奏会で取り上げるベートーヴェンの「運命」を聴く。
久しぶりに「運命」を練習してみて、やはりこれは大変な曲だと思う。
具体的に説明するのは難しいけれど、音のひとつひとつに、ベートーヴェンの意思が宿っているようなピリピリとした緊張感がたまらない。
今日はジュリーニの演奏。
ロスアンゼルスフィル音楽監督時代の録音。
手持ちのディスクはグラモフォンの国内盤LP.
・交響曲第5番ハ短調 op.67『運命』
カルロ・マリア・ジュリーニ(指揮)
ロサンゼルスフィルハーモニー管弦楽団
録音:1980年12月
ライナーノートには、この録音に関する米誌に掲載された記事の一部が引用されている。
そこには若いころに「運命」を指揮した時、「うまくいかなかった記憶だけしかない」ということや、この録音までジュリーニは15年間「運命」を指揮するのを避けていたということが書かれていた。
大指揮者ジュリーニしてこの言葉。
レコードに針を下ろし第1楽章の数小節を聴きはじめたけれど、尋常でない演奏を感じて途中で止めスコアを見ながら聴くことにした。
ジュリーニはブライトコップ旧版を使用しつつも自筆譜を参考したという。
「運命」は、出版の際にベートーヴェン自身が校正し手を加えたというブライトコップの版下が第二次世界大戦の戦火で焼失してしまっているので、「運命」の最終の形はわからない。
ジュリーニの演奏は予想通りの遅めのテンポながら、きわめて情熱的。
木管の一部やヴィオラの細かな動きが突出しているように聞こえたけれど、スコアを見たら譜面のとおりでした。
大きな広がりを持たせながら音楽は力強く突き進んでいく。
リハーサルの際、ジュリーニは、第4楽章13小節めあたりで、往年の指揮者が実践している木管楽器にホルンを重ねることはしない。
ここでは第2ヴァイオリンとヴィオラの16分休符の扱いを、事前リハーサルではかなり協調していたという。
遅いテンポの中に、書かれた音は1音なりともないがしろにしないという姿勢が感じられ、魂を込めたような熱気が凄まじい。
第4楽章のリピートで楽章冒頭に回帰する部分では鳥肌が立ってきた。
「運命」はその後ミラノスカラ座フィルを指揮した晩年の録音が残されている。
Youtubeはジュリーニのリハーサル、曲はブルックナーの交響曲第9番
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