カテゴリー「文化・芸術」の記事

2020年1月23日 (木)

調律師、瀬川宏さんのことなど

今日は朝から一日雨。
本日休み。

最近バランスを崩してよく転ぶ母がまた転倒。
今度はダメージが大きかったので病院に連れて行った後様子を見ている。
どうも気持ちは若いままで、体が付いていかない自覚に欠けているようだ。

午前中には家の修繕の職人さんが入り作業。

 

昨年の今頃、縁あって一緒に酒席を共にした日本を代表する調律師の瀬川宏さんが昨年末に亡くなられていた、とその時同席した方から連絡があった。

 

驚いて昨年末の朝日新聞を見ると経歴とともに訃報が出ていた。享年77歳。

瀬川さんは昨年の時点で入退院を繰り返した状態だったのが、ちょうどご一緒した時は小康を得て体調が良かった時だった。

 

瀬川さんは隣町の三島市出身。

リヒテルやミケランジェリの調律師。
ヨーロッパでも活躍し、ショパン国際ピアノコンクールでの調律もおこなっていた。

ご一緒した時には、リヒテルやミケランジェリの知られざるエピソードや演奏の秘密など、驚きの内容をいろいろと話してくださった。

 

豪華客船のクルージングコンサートのために乗船していた最晩年のサンソン・フランソワに二週間同行したことや、アンドレ・ワッツ、ワイセンベルク、ゲルバー、そしてアランフェス協奏曲の初演者、デ・ラ・マーサや女流ヴァイオリニスト、イダ・ヘンデルの素顔など。

ピアニストに限らない大演奏家たちの交友の数々。

とりわけ印象深かったのは、フルトヴェングラーやメンゲルベルクとも共演したドイツのピアニスト、コンラート・ハンセンの自宅に招かれた時の話だった。

 

演奏家のことだけではなく、ピアノ調律の苦労話や環境汚染のために今は良いフェルトが入手できなくなってしまった話、ホールの響きのことなど、一言一言が驚きの連続でまさに珠玉の時間だった。

 

その後瀬川さんは体調を崩されて入院。

人づてに、また一緒に飲みながら話をしたいということや私の拙ブログも読んでいるという話を伺い、いつか再会することを楽しみにしていた・・・・

もっといろいろな話を伺いたかった。

 

演奏史の貴重な生き証人がいなくなってしまいました。

 

心よりご冥福をお祈りいたします。

Youtubeは世田谷のストリートピアノを調律する瀬川さん。
私がお目にかかった一ヶ月後のお姿です。

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2019年12月28日 (土)

「ハプスブルグ展」そしてビーチャムのメサイアのことなど

今年最後の土曜日は冷えて朝の気温は7度。

昨日で仕事納めといきたいところだけれども諸事情で今日が仕事納め。
現役の担当が経験不足のため以前関わりのあった自分が出勤してアドバイス。

 

この4月でサブリタイアとなったけれども自分の出勤場所はそのまま。
気楽な身分となった一方入ってくる情報は減った。

それでも自分の好きな分野、適度な緊張感もありそれなりに楽しめた1年だったと思う。

 

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お昼は中華。

「萬品香」の台湾ラーメンと回鍋肉丼。


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あい変わらずのカロリー多め。

 

さて明日から年始の準備をしよう。
今年はいつもと異なる来客の予定。

 

先月一橋大オケを聴くために上京したおり立ち寄った「ハプスブルク展」の備忘録。

 

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場所は上野の国立西洋美術館。

ハプスブルグ家の数あるコレクションからその栄光の歴史を辿ろうとするもの。

 

皇帝や皇妃らの肖像画が多いのは、自らの権威を示すと同時に最盛期の自分の姿を後世に残すためだろうか。

政略結婚のために嫁いだ王妃の近況を実家に知らせるための絵や、見合い写真のような役割をしたものまで。


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スペイン王フェリペ4世の娘で、神聖ローマ皇帝レオポルト1世の最初の皇后をベラスケスが描いた有名な「青いドレスの王女マルガリータ・テレサ」などはその代表的なものだ。

 

今回は同じモデルでポーズも同じブタペスト国立西洋美術館所蔵のフアン・バウティスタ・マルティネス・ デル・マーソ作の「緑のドレスの王女マルガリータ・テレサ」も並べて展示。


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サイズもほぼ同じなので遠目には同じように見えた。

だが近くで見ると芸格の差は歴然だ。

画家の大部分は自分には馴染みのない人たち。
工房作品も多かった。

 

展示の最後の部屋、ハプスブルク家の栄光の歴史が閉じようとする部分でのハプスブルク家最後の皇帝「オーストリア・ハンガリー二重帝国皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の肖像」(ヴィクトール・シュタウファー作)の老いて疲れたように見える皇帝の姿。

 

同じ部屋でのその王妃「薄い青のドレスの皇妃エリザベト」(ヨーゼフ・ホラチェク作)の現実離れした美女エリザベトの姿とは対照的。
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他にはハプスブルク家最盛期の皇帝たちの輝くような西洋甲冑の数々が目を引いた。


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マキシミリアン1世のものなどピッカピカに磨き上げられていて、今にも動き出しそうな雰囲気。


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さぞや重かろう。

 

美術館を出ると東京文化会館前に見事な銀杏の黄葉。

 

 

音楽は、年末ということでヘンデルの「メサイア」。

 

イギリスの指揮者トーマス・ビーチャム指揮ロイヤルフィルによる全曲盤から。

数種類あるビーチャムの「メサイア」録音中最後のもので、同じくイギリスの指揮者ユージン・グーセンスによる現代の巨大編成オケのための編曲。

手持ちは国内盤LP3枚組。


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ジェニファー・ヴィヴィアン(ソプラノ)
モニカ・シンクレアー(メッゾ・ソプラノ)
ジョン・ヴィッカーズ(テノール)
ジョルジョ・トゥッツイ(バス)

指揮:サー・トマス・ビーチャム

ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団&合唱団
(合唱指揮:ジョン・マッカーシー)

 

【録音】
  1959年6月9日~13日、15日~17日、20日、24日、26日、7月3日、
      17日~18日、

  ロンドン、ウォルサムストウ・アッセンブリー・ホール

 

これは金管楽器や打楽器が活躍するゴージャスなアレンジで、今となっては時代を感じさせる。

それでも今聞いてみると表面的な派手さばかりではなく、細かな部分での弦楽器と木管楽器の扱いなどが絶妙。

 

ソリストも合唱もオケに負けずにパンチのある歌唱を聞かせてくれていて、祝祭的でワクワクするような高揚感がなんとも楽しい。

 

Youtubeは大編成オケと合唱の「メサイア」

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2019年10月15日 (火)

雨の横浜、横浜美術館

日曜の暑さから一転して小雨振る10月半ばの週。

 

気温は下がり10月中旬並みの肌寒さ。

 

台風の被害は東日本の広範囲に及び、犠牲者の数も増え続けている。

 

 

こんな時だけれども、昨日は以前から予定をしていたユーリ・テミルカーノフ指揮読売日本交響楽団を聴くために横浜に行っていた。

 

 

朝、通常の出勤の時間に家を出た。

 

暑かった日曜の感覚のままだったので薄着で家を出たのが失敗の元。

 

駅のホームに立つと肌寒い。
周りを見ると皆さん長袖に上着。

 

自分は肌着の上に長袖シャツ一枚の姿だ。

 

横浜駅には10時30分の到着。

 

横浜も雨。

 

このままでは風邪をひきそうなので、軽いジャンパーでも買おうかと財布に割引券が入っていた横浜駅前の「洋服の青山」に向かうと11時開店だった。

 

直ぐ近くに「ドトール」があったのでここで暖かなカフェモカを飲みながらの時間調整。

 

青山に入って店員に尋ねると、この店はフォーマルが中心らしく、高そうなスーツばかりが並んでいる。
「2階にコートがありますが」ということなので行ってみると、どうみても本格的なコートばかり。

 

かろうじて見つけた半額値札のレインコートはサイズが合わなかった。

 

やむなく薄めのハーフコートにした。
ここで想定外の痛い出費。

 

コートを着てしばらく歩いているうちに今度は暑くなってきた。

 

みなとみらい線に乗りみなとみらい駅へ。
Img_20191014_114349-2 コンサートは2時開演なので近くの横浜美術館に行ってみる。

 

ここでは「オランジュリー美術館コレクション ルノワールとパリに恋した12人の画家たち」展

 

横浜美術館は初めての訪問。

 

最初に無料の「絵でたどるペリー来航」展を観る。

 

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ペリー来航時に同行した画家ヴィルヘルム・ハイネの描いた石版画などと写真家のエリファレット・ブラウン・ジュニアの撮影した写真が展示されている。

 

コンパクトながら非常によくまとまった展示。

 

当時400枚余り撮影されたというブラウン・ジュニアの写真は残念ながら現在6枚しか確認されていない。そのうち5枚は国内に有り、いずれも重要文化財に指定されている。

 

ここでは「遠藤又左衛門と従者」のレプリカが展示されていた。

 

同じブラウンが撮影した写真の現存する6枚のうちのもう一枚は函館にあって、かつて函館に旅行した時に見ている。

 

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ただこの時の函館の展示では日本最古の写真との解説があったが、ペリーの函館滞在は1854年5月17日から6月3日まで、横浜滞在は同じ年の2月13日から4月18日までなので、正確には横浜の写真の方が数か月だけ早いことになる。

 

 

そして「ルノワールとパリに恋した12人の画家たち」展
Orangerie_ogp パリのオランジュリー美術館の常設展示作品から、画商ポール・ギュヨームコレクション。
の展示。

 

ルノワールをはじめとしてマチス、ピカソ、ドガ、モネ、マリー・ローランサン、モジリアニなど、19世紀から20世紀初めの著名な画家13人の作品を集めたもの。

 

 

画商ポール・ギュヨーム。

 

詩人アポリネールのアドバイスを受け若きモジリアニの才能を見出したことで有名だが幅広い交友は超人的。
個人でこれだけの芸術家たちと深い交友があったことに驚く。

 

ギヨームは42歳の若さで逝っている。

 

72469653_2502101656575873_30817389444092 ここではユトリロの描いたベルリオーズの家やバレエリュッスの「牝鹿」の下絵なども観ることが出来た。

 

会場にはルノワールの「ピアノを弾く少女」に描かれているプレイエル社製ピアノが展示されていてプーランクのノヴェレッテが流れていた。

 

72321466_2502103346575704_76354238218009 長くなったのでコンサートの感想は次回。

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2019年10月 7日 (月)

ららぽーと沼津と旧御用邸での茶会、そして舘野泉のピアノのことなど

曇り夕方から雨。
10月も一週間が過ぎ夏の暑さは昨日まで。

「ららぽーと沼津」オープン。

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2日のプレオープンには周辺国道が強烈な渋滞。

連日の混雑を聞いていたので、ある程度落ち着いてから行くつもりが、昨日家内が「ららぽーと」で重たいものを買うというので荷物運びに駆り出された。

 

オープン最初の日曜なので混雑は必至と渋滞を予想していたものの駐車場にはすんなり入ることができた。
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ショッピングしているうちに次第に混み始めた。

 

ショップの店員達は新人が多くて、人数が多い割には時間がかかってどこも行列。
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昼食時には混雑のピーク。

 

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一番人気の湯河原の「飯田商店」は90分待ちのプラカードが・・・・

 

 

最初から混むところで食事するつもりはないけれども、どこも大層な人の列。

 

結局、焼肉京昌園のランチセットにした。

 

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この店はアプリで待ち時間を知らせてくれるのでその間にショッピングができるのが良い。

 

食事を済ませららぽーとを出て沼津御用邸記念公園へ向かう。

 

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沼津市芸術祭の茶席に参加

茶道3流派の競演

 

ララポートの駐車場から出るのに手間取り、旧沼津御用邸到着時はほとんど終了時間の直前。

 

こんな時間なので自分たち夫婦のみ。

本日最後の参加者らしい。


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もう片付けを始めていたけれども席を設けていただきました。

 

茶の席は全く素人なのでいくぶん緊張気味。

 

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和服姿の品の良いご婦人が丁寧にお茶を点てていただき、作法も教えてくださった。

 

ららぽーとの喧噪から別世界の落ち着いた時間を過ごすことが出来ました。

ありがとうございました。

 

 

今日は舘野泉のピアノでフィンランドの作曲家たちの作品を聴いていた。

 

タイトルは「フィンランド ピアノ名曲ベストコレクション2」

キャニオンから出ていたLPで近代フィンランドの作曲家5人の作品を収めている。

 

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01夢想op.58-1 (シベリウス)
02静かな西風op.74-2 (シベリウス)
03村の教会op.103-1 (シベリウス)
04即興曲op.5-5 (シベリウス)
05ロマンス変ニ長調op.24-9 (シベリウス)
06ロマンティックな情景op.101-5 (シベリウス)
075月の夜op.27-4 (パルムグレン)
08夕べの歌op.47-1 (パルムグレン)
09月の光op.54-3 (パルムグレン)
10とんぼop.27-3 (パルムグレン)
11海op.17-2 (パルムグレン)
12夏の夜の牧歌op.16-2 (メリカント)
13牧歌op.73-1 (メリカント)
14ゆるやかなワルツ (メリカント)
15秋の朝op.21-2 (カスキ)
16古い時計台op.48-2 (カスキ)
17夜の海辺にてop.34-1 (カスキ)
18激流op.48-1 (カスキ)
19小さなガヴォットop.3-3 (クーラ)
20結婚行進曲op.3-2 (クーラ)

 

 舘野泉(P)

 

 録音 1988年1月

 

フィンランドの作曲家としてはシベリウスの存在があまりにも大きく、他の作曲家たちは巨大な太陽に隠された惑星のような存在になってしまっていて気の毒なほど。

 

トイヴォ・クーラは酔った兵隊との口論で射殺されるという悲劇的な最期
ヘイノ・カスキなどはシベリウスと同じ日に亡くなっている。

 

巨人シベリウスの影に隠れて目立たないけれども他の4人も才能豊かな作曲家たちだ。

 

ここで聴かれる作品はいずれもロマンティックで美しい小品ばかり。

 

このように並べて聴いてみると、シベリウスの作品は身近な題材を取り上げた内容であっても密度が高く、簡単に聞き流すような作品でないことを実感する。

「村の教会」はシベリウス晩年の傑作「アンダンテ・フェスティーボ」と同じ素材からなるもの。

 

中では素朴でいて爽やかな美しいメロディ満載のメリカントの作品に一番惹かれる。

 

舘野泉のピアノは、作品への深い愛情と共感に満ちた美しい演奏を聴かせてくれる。

EQカーヴはColumbiaカーヴで聴いた。

 

Youtubeはメリカントの「牧歌」

 

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2019年10月 5日 (土)

山種美術館「大観.春草.玉堂.龍子 日本画のパイオニア」展と名曲喫茶「ライオン」のことなど

10月最初の土曜日、本日の最高気温31度。

 

朝、市街中心部を流れる狩野川堤防を歩いていた。

日差しは強いが頬に触れる川風に秋の色。

 

 

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川向こうの林立するマンションの間からの富士山。

 

ズームアップすると宝永火口もくっきり見えた。


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木曜の東京行きでは山種美術館をはじめ、渋谷の老舗名曲喫茶「ライオン」に久しぶりに寄りその他音盤購入もいくつか。

 

 

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山種美術館は広尾開館10周年記念「大観.春草.玉堂.龍子 日本画のパイオニア」展。

 

内容は当美術館が所蔵する近代日本画の四巨頭、横山大観、菱田春草、川合玉堂、川端龍子の作品を集めた展示。


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横山大観は出雲旅行の際に足立美術館でかなりの作品を見た。

 

 

今回館内で撮影を許されている唯一の作品、大観の「心神」


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大観の絵は小さなサイズの絵でも、その奥に広大な世界が無限に広がっていくのを感じさせる。

 

だが自分には時としてその巨大さに押し潰されそうな重圧を感じることがある。

 

 

今回ここに展示されている4人の作品では、菱田春草と川合玉堂の作品に最も親近感を覚えた。

 

なかでも玉堂の「渓雨紅樹」が良かった。

 

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静かな秋、山村の紅葉の向こうに霧雨に煙る山々、遠くに傘をさして歩く二人の農夫の姿

 

ミュージーアムショップで絵はがきを買い求めたほど。

 

 

昭和の狩野永徳とも呼ばれた川端龍子の大作「鳴門」は、沼津江浦の静かな海を見て真逆の荒れた鳴門の海を想像して描いた、のだそうだ。

 

よく見ると確かに右側の海岸は江浦海岸のデフォルメだ。

 

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その後は渋谷に行きレコファン渋谷店を冷やかし、道玄坂の1926年創業の老舗名曲喫茶「ライオン」でコーヒーブレイク。

 

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ここに訪れたのは30年ぶりくらい。

場所がどうしても思い出せず、迷ってしまってようやくたどり着いた店の外観は以前と変わらず中もそのまま。

 

この場所だけ時間が止まっているかのようだ。

 

 

壁の中空にはめ込まれた手作り感のあるスピーカーは、記憶ではもう少し大きかった印象があったのだが空間の広さに比べて小さく感じた。

 

お客さんは10人ほど。

 

流れていた音楽はクロイツァーのピアノでリストのメフィストワルツ。
CDのようだ。

 

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やがて現代音楽に変わった。

 

チェンバロによる刺激的な曲が大音量で鳴っている。
自分は初めて聴く曲。

 

静かにコーヒーを飲みながらクラシック音楽を聴く場が名曲喫茶とするならば、かなり異質な音楽が流れている。

 

周りを見ると読書する人、論文らしき原稿を書いている男性、ノートパソコンを叩いている人、じっと聴いている紳士、若いアベックなど、みなさん静かに聞き入っている。

 

リクエストだったのだろうか。

 

自分には正直苦痛な音楽だった。

 

流れていた曲はリゲティの「コンティヌム」。

 

続いて定例のレコードコンサート。

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内容はスタインバーグ指揮のピッツバーグ交響楽団によるウィンナワルツ特集。

 

ずいぶんとマニアックな演奏を流しているものだ。
これは同じものを持っている。

 

使用していた米Captolのレコードは盤が汚れていてノイズが大きかった。

 

レコードをかける学生アルバイトらしき男性のレコードの扱いも気になる。

 

レコードをターンテーブルに載せるときにセンターを狙わず漫然とスピンドル周辺を探りながら置いている。

 

あれでは大切なレコードがヒゲだらけだ。

 

 

 

今や希少価値となった名曲喫茶。

 

末永く続けていただきたいだけに、多くの人が訪れるように些細なことにも気を使って欲しい。

 

 

しばしここで時間調整をして御茶ノ水ディスクユニオンへ。

 

 

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2019年7月17日 (水)

恐竜博2019と三国志展

週の半ばの水曜日。


朝までの小雨はやがて上がり昼ごろには青空。
気温も上がりようやく夏らしくなってきた。

 

 

ここ数日の肌寒さに夏風邪をひいてしまった人多数。

 

 

4月以降立場が変わったものの、定例の会議でも以前と変わらず自由に発言できる環境なのがありがたい。
周りが気遣っている様子も見えるので、余計な口は出さずに流れに任せてはいるが。

 

 

先週金曜の芸大でのコンサート終了後、そのまま上野泊。

 

 

東京二日目の土曜日も上野から。
この日も小雨。

 

土曜の本来の目的は、紀尾井ホールでおこなわれるMMCJのオーケストラ・コンサート

 

 

 

実は浅草で「全日本レコード&CDサマーカーニバル」があり、実はそちらもお目当てのひとつ。

 

上野に宿を取ったのもそのためだった。

 

 

 

だが最近、身近の海外在住が長かったコレクターからのイタリアや東欧の稀少マイナーレーベル外盤数千枚の投げ売り大放出が有り、その煽りでいささか購入過剰気味。

 

おそらく浅草レコード市でも100~200円で稀少盤が出るわけもなく、この種の巨大レコード市は体力と時間も消耗するので、直前まで迷いながら自粛することにした。

 

 

この時期の上野の美術館、博物館は魅力的な展示が多い。

 

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最近見たNHKのテレビ番組の影響で、国立科学博物館で開催中の「恐竜博2019」を選択。

 

 

 

思えば2004年にオープンした東京国立科学博物館新館は初めてだ。

 

行ってみるとちょうど初日ということで長い行列。
予想通り小さな子連れの若い夫婦が多い。

 

内心しまった!と思ったものの、巨大な手を持つ恐竜ディノケイルスの復元全身骨格の初展示にも興味があったので惰性で並ぶ。

 

Img_20190713_093603 幸い待ち時間20分程度で入場できた。

 

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ディノケイルスの復元骨格はなるほど巨大だけれども、巨大な手のインパクトに比べて、なんだこんなものか、というのが正直なところです。

 

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自分が子供の頃と比べ恐竜の概念は大きく変わった。

 

毛がふさふさとした恐竜が卵を暖めているCGを観ると、今更ながら恐竜が鳥類の先祖であることを実感する。

 

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NHK製作の多彩な4KのCGも楽しめた。

 

 

あまりにリアルな映像に、幼い子には現実とも区別がつかなくまるのではないか
などと思ったりしていた。

 

 

 

ついでに日本館(旧東京科学博物館本館)にも行ってみる。

 

 

とても全部を観る時間はない。

 

セレクトして見たのは2階の「日本人と自然

 

 

 

古い階段を上っているうちに、幼い頃母に連れられてこの階段を上ったことを思い出した。
磨り減っていた石の階段は新しい樹脂で補強されていた。

 

 

 

日本人の起源の研究はDNA配列解析の研究で大きく進んでいる。

 

現代日本人と縄文人とのかかわりを、遺伝子レベルの最新の成果を知りたかった。

 

 

同じフロアに200年前の江戸時代の墓地から脂漏状態で発見された女性のミイラがあった。
とても200年前とは思えないほど生前の面影を残した小柄な女性の姿。

 

江戸時代に亡くなった人とはいえあまりにも生々しく、故人の尊厳を考えて公開にあたっては賛否両論があったとのこと。
この場所のみ撮影禁止だった。

 

見ているうちにいろいろなことが頭に浮かんできた。

 

この小柄な女性は200年前の江戸でどのような人生を歩んだのだろうか。

 

ビデオで公開されている発掘時の映像で見る丁寧な埋葬状態には共に生きた人々の故人に対する深い愛情と悲しみが伝わってくる。

 

厳粛な気持ちになりしばしその場で佇んでいた。

 

 

続いて国立博物館へ行き「三国志展

 

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曹操高陵からの出土品などの最新の発掘品の展示の数々。

 

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おそらく副葬品の多くは盗掘されていたとはいえ、白磁の壷「罐」は今までの白磁の起源を覆すものだという。
写真で見る稀代の英雄曹操の陵墓は意外なほど質素。

 

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正直なところ明や清時代の絵巻や、展示の各所で見られたゲームキャラの三国志の英雄達の像には興味なし。
Dsc01228 後漢や三国時代の「関内侯印」金印や各種の石牌などに面白いものが多かった。

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見終わり外に出ると未だコンサートの開演まで時間がある。

 

さてどうしよう・・・
紀尾井ホールのある四谷の手前にお茶の水・・・

 

ここで音盤購入の虫がフツフツと湧き上がってきた。

 

連想は御茶ノ水ディスクユニオンに及び時間調整で寄る事にしてしまった。

 

 

購入結果とMMCJのコンサートの感想は次回。

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2019年5月22日 (水)

ギュスタヴ・モロー展

昨日の大雨から一転、本日快晴気温も高い。

 

昨日所用があり東京へ行っていた。
朝出かけようとすると屋久島で大雨を降らせた雨雲が接近して大雨警報発令中。

 

駅に着くと東海道線が興津、田子の浦間で上下線とも不通。
ホームにあふれる人達。

 

 

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用件は午後からだったので、当初各駅停車で行くつもりだったけれども急遽新幹線に変更。
東京では娘と待ち合わせて会社近くのホテルのレストランで昼食。
外は土砂降りで風も強い。

 

 

 

所用を済ませ多少時間があったので「ギュスタヴ・モロー展」に行ってみた。
場所は汐留のパナソニック汐留美術館。

 

 

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強い雨の中でも駅から濡れずに建物まで行けるのがありがたい。

 

 

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展示はパリのギュスターヴ・モロー美術館から数々の素描から試作も含めた70点ほどの展示。

 

 

神話の世界からのさまざまな女性の姿。

 

写実的ではないが強烈な個性で迫る作品の数々。

 

お目当ての「出現」では、実物を見ていろいろなことが初めてわかった。

 

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空中に浮かぶヨナカーンの首を見つめるサロメ。

 

その奥にいる人々の表情ははっきり書かれていないが、その冷静な佇まいからは
彼らにはその首が見えていないようだ。

 

後で加筆されたように見える柱の模様も含めて新たな発見。

 

会場内ではパナソニック汐溜美術館の中核コレクションであるモローの愛弟子ジョルジュ・ルオーの作品も展示。

 

自分としてはこちらの方が好み。

 

 

そのまま帰宅せず御茶ノ水ディスクユニオンに寄ると盛大にCDの半額セール中。

 

メディアとしてのCDの先が見えてきてCDが売れなくなっているのだろう。

 

LPコーナーを見ると500円以下のLP10枚以上1枚100円の表示。

 

ジャケット難有りなどで比較的面白いものもあったので結局手を出してしまいました。

 

詳細は後日。

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2019年5月17日 (金)

沼津市立図書館 市河彦太郎展

晴れ、西風吹く金曜日。

 

連休前に転倒して両手を地面についてしまった時に手を傷めたらしい。
左手の痛みがひどくなったので家の近くの整形外科に行ってみた。

 

肩の痛みもあったので肩から手の先までレントゲン撮影。
ドクターの見立てでは骨に異常はないとのこと。
ただ左手の前腕骨と手骨の間の軟骨を傷めた可能性があるらしい。

 

軟骨はレントゲンに写らない。
肩はいわゆる五十肩。
筋肉をほぐす体操の説明書と湿布薬をいただいて終わり。

 

ともあれこの程度でよかった。

 

 

大作曲家シベリウスに最も親しく接した日本人。


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沼津出身の外交官、市河彦太郎を紹介する展示を沼津市立図書館で開催中です。

 

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市河彦太郎は初代フィンランド公使にして作家の有島武郎や芹沢光治良をはじめ多くの文化人とも交流がありました。

 

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今回彼が赴任先の国々で入手した20世紀初頭の貴重な洋書1200冊余りの中からセレクトして初めて紹介。

 

他に樺太視察での絵日記やご親族から提供された写真など。
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この展示には自分も関係していて、市河彦太郎のご親族の方と親しくお話も伺うこともできました。
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洋書については非常に珍しいものばかりでシベリウスとの関係も紹介しています。

 

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5月26日まで。

 

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市河彦太郎 略歴

 

旧制沼津中学校卒業 在学中に一級後輩の芹沢光次良とともに同人誌「たんぽぽ」を主宰。
東京大学法学部卒業
外交官として天津、シカゴ、カルカッタ、ヘルシンキ、ロンドンへ赴任。
昭和12年、フィンランド政府より「コマンドール=ローズ=ブランシウ勲章」を授与される。
外務省文化事業部第三課長、同第二課長の後イラン特命全権大使。
昭和21年4月、森田豊寿の衆議院議員選挙の応援演説中に倒れ急逝。享年50歳。

 

日本の文学書を「たんぽぽ文庫」と称して赴任先の海外の図書館に寄贈している。
芹沢光治良の小説「人間の運命」に出てくる外交官石田のモデル。

 

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Youtubeはシベリウスの交響曲第5番から、P.ヤルヴィ指揮ベルリンフィル

 

 

 

 

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2018年12月 9日 (日)

トレチャコフ美術館 ロマンティック ロシア展

曇り、今日は今年一番の寒さ。

 


甥の住む京都は初雪が降ったとのこと。


先日行ったBunkamura30周年記念「国立トレチャコフ美術館 ロマンティック ロシア展」のことなど。


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19世紀後半、帝政ロシア時代末期の画家たちの傑作が集まった。

クラムスコイの「忘れえぬ女」も来ている。



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見ると女性の瞳にはうっすらと涙。
あまりの美しさに絵の前でぼーっとなってしまった。


「月明かりの夜」の幻想的な世界はとてもこの世のものとは思えないほど。

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ほかにシーシキンら四季折々のロシアの風景。

シーシキンの「雨の樫林」には、そのまま森の中に自然に足を踏み入れていくような感覚に襲われる。



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アル中姿のムソルグスキーの肖像画で有名なレーピンではアントン・ルービンシュタインやシャリアピンら歴史的な音楽家たちの肖像画。

同じ日に見た17世紀バロック期のルーベンスらの作品の、どこか手の届かぬ遠い世界の出来事とは異なる身近に感じる世界の数々。



今日はロシアの美貌ピアニスト、リューボフ・チモフェーエヴァがメロディアレーベル残したハイドンのピアノソナタ全集から。

手持ちは日本ビクターが出していたLP11枚組。



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1977年から1981年にかけてのチモフェーエヴァ20代後半の時期の録音。

このころのハイドンのピアノソナタ全集の存在は貴重だった。

その中の最初期の作品を聴いてみた。


1曲1曲丁寧に弾いていて、さりとて学究的な窮屈さもなく落ち着いて聴ける演奏なのが良い。

ランドンの全集に基づくウィーン原典版を使用。
第1番から順番に収録。

大宮真琴氏の詳細な解説も読み応えのあるもの。


イコライザーカーヴはNABで聴いてみた。
Ffrrも粒立ちがはっきりしていてどちらかは難しいところ。

youtubeはチモフェーエワの弾くラフマニノフ

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2018年12月 7日 (金)

ルーベンス展、そしてフランクのピアノ協奏曲第2番のことなど

晴れ時々曇り。

今週は寒暖差の大きな一週間だった。

 

仕事上では今年最後の大きな山場を超えた感触。

 

昨日は所用で東京に行っていた。

 

東京は雨が降る寒い一日。

 

要件が早めに終わったので娘と待ち合わせた昼食の後に展覧会を二つ。

 

 

 

 

 

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最初は上野の国立西洋美術館で「ルーベンス展―バロックの誕生」


17世紀ルーベンス工房の大作の数々やルーベンスが描く肖像画の数々。

そしてルーベンスの作品に大きな影響を与えた古代ローマの彫刻などの展示。



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宗教的なものや神話を題材とした大作よりも、自画像や家族の肖像に強く惹かれた。

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別会場の常設展は撮影可。


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中庭の紅葉が散っていて良い風情だ。

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もうひとつのトレチャコフ美術館展の感想は後日。



ルーベンス工房の所在地はベルギーのアントウェルペン。

今日はナクソスから出ているベルギーの作曲家フランクのピアノとオーケストラのための作品を集めたアルバムから。




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・交響的変奏曲
・交響詩「魔神」
・ピアノ協奏曲第2番*

ピアノ;フランソワ ジョエル・ティオリエ、
    マルティン・ファン・デン・フック*

 

 ロベルト・ベンツィ指揮
 アルンヘムフィルハーモニー管弦楽団

指揮者のベンツィは11歳で指揮デヴュー。

 

 

その後伸び悩んだ印象のある人。

 

 

 

 

 

このピアノ協奏曲第2番を聴く。


 

 

 

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店頭でこのCDを初めて目にしたとき驚いた。
フランクにピアノ協奏曲があるとは知らなかった。

よくあるチャイコフスキーの交響曲第7番とかリストのピアノ協奏曲第3番、ベートーヴェンの交響曲第10番のようなキワモノかと思いきやさにあらず。


れっきとしたセザール・フランク13歳の時の作品だ。


ソナチネアルバムを聴くような初々しさの中に技巧的な盛り上がりを随所に散らばらせている曲。

若い頃のフランクがリストの影響をかなり受けているのが垣間見えて興味深い。


爽やかな第一楽章のメロディには純粋無垢な若者の清々しさが感じられ美しく、後のフランクの内省的な作品と比べると若き日のフランクの野心が見えてくるようで微笑ましい。



このピアノ協奏曲第2番は30分を超える堂々たる作品。

第2楽章のパストラール風の曲想がフランス音楽であることを認識させてくれる。
13歳でこれだけの曲を書いている。

やはり天才なのだろう。

youtubeはフランクのプレリュード、フーガと変奏曲

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