カテゴリー「音盤視聴記録」の記事

2025年3月23日 (日)

コンドラシンのバラキレフ

日曜の朝、狩野川河川敷から春霞の富士山。

暑さ寒さも彼岸まで。


485845929_9513227698796532_1945814928534

本日の最高気温24℃。

お彼岸で孫達が帰省してきて連日大暴れ。

なかなか落ち着いて音楽を聴くことができない。

コンドラシンのBOXから、ロシア五人組の一人バラキレフ

467

・交響曲第1番ハ長調                    :バラキレフ

   モスクワフィルハーモニー管弦楽団

    録音 1961年 

バラキレフはいわゆる「ロシア5人組」の一人。

バラキレフ以外の4人がそれぞれ本職は音楽以外であったけれども、バラキレフは本職の音楽家だった。

ピアノ曲「イスラメイ」は難曲として知られる。

 

残された作品は少なく交響曲は2曲。

交響曲第1番は完成まで30年以上を費やした労作。

 

さほど演奏される曲ではないけれど、ビーチャムやスヴェトラーノフの録音があるし、フィルハーモニア時代のカラヤンが、インドのマハラジャ、マイソール公の依頼で録音もしている(ちなみにマイソール公のリクエストのもう1曲はルーセルの交響曲第4番)。

 

バラキレフが本職の音楽家だったとはいえ、5人組の他のリムスキー・コルサコフ、ボロディン、ムソルグスキーといった今でもコンサートの定番となっている作曲家たちに比べると、マニアックで凝り過ぎの曲が多くて一般的な人気はいまひとつ。

 

この交響曲第1番もボロディンの亜流のような雰囲気だ。

美しいメロディが凝ったオーケストレーションで聞かれるので、演奏が良ければそれなりに聴き映えがする曲。

さすがのコンドラシン。

 

ぬかりなく見事に曲の魅力を引き出している。

 

Youtubeはバラキレフの交響詩「タマーラ」、ケント・ナガノ指揮モントリオール交響楽団

| | コメント (0)

2025年3月20日 (木)

バルビローリのシベリウス、交響曲第5番

彼岸の中日は暖かな一日。花粉も盛大に飛散。

沼響の第41回定期演奏会のチラシ。


480664072_687080296984414_65078500702778

今回は全て20世紀の作品になった。

 

今日は沼津出身の昭和初期の外交官、市河彦太郎の研究をされている九州の大学の先生に会う機会があり、いろいろなことを伺った。

市河彦太郎は初代フィンランド公使。

当時の公使館が、シベリウスの次女の住まいと同じフロアの隣人だったこともあり、シベリウス本人とも親しく接していた。

おそらくシベリウスと最も親しかった日本人。

 

今回の定演のメインはシベリウスの交響曲第5番。
シベリウス生誕50年記念コンサートで初演された曲だ。


Dsc00753_20250320222601

画像はシベリウス生誕70周年記念コンサートのシベリウス夫妻。
後ろに市河彦太郎の姿が見える。

 

今日はバルビローリの指揮するシベリウスの交響曲第5番を聴いていた。

バルビローリのシベ5の手持ちはライヴも含めて4種ほど。

 

Pye原盤のテイチクの廉価盤LPがこの曲の出会いだった。
この時自分は中学生。
ホルンが活躍する第3楽章を何回も聴いた懐かしの演奏。


Iimg800x80017377897016264cdppbq174286

・交響曲第5番変ホ長調 op.82 :シベリウス
 

 サー・ジョン・バルビローリ(指揮)
 ハレ管絃楽団
 初出 1959年

 

半世紀も前の購入盤だが未だ手元にある。

久しぶりに聴いたけれど、どうも良くない。

締まりの無い軟弱な演奏に聞えてきた。

こんな演奏だったかなぁ・・・

ステレオとはいえ録音も貧弱。

 

気持ちを切り替えて再録音の東芝EMI盤を聴いてみる。

Sibelius_barbi
 ・交響曲第5番変ホ長調 op.82 :シベリウス
 

 サー・ジョン・バルビローリ(指揮)
 ハレ管絃楽団
 録音 1966年7月

 

こちらもLP.

録音は良くなったけれど、バルビローリの基本的な解釈はPye盤とあまり変わらない。

両方とも、この曲キモのひとつであるティンパニがほとんど聞えないのだ。

 

仕切り直してライヴも聴いてみよう。

Youtubeはバルビローリのシベリウス、交響曲第5番第3楽章

| | コメント (0)

2025年3月18日 (火)

アルトゥール・モレイラ=リマのショパン

3月は早くも半ばを過ぎ、月曜は彼岸の入り。

仕事はオフだったので、香花を購い、墓の掃除にお寺への付け届けなど。

沼響の後援会員のための会報の印刷発注、定演プログラムの曲目解説を考えたりしているうちに1日が終わる。

今日の日中は晴れ。朝は寒く着る服に迷うほど。


夜遅くから雨、遠くに雷鳴。

 

昨年亡くなったブラジルのピアニスト、アルトゥール・モレイラ・リマ(1940-2024)のショパン。
手持ちはDENONが出していたLP

 

023846

「ショパン・リサイタル』
・幻想即興曲 嬰ハ短調,
・スケルツォ第2番 変ロ短調
・夜想曲第2番 変ホ長調
・練習曲 ハ短調「革命」
・練習曲 ホ長調「別れの曲」
・バラード第3番 変イ長調
・前奏曲第15番 変ニ長調「雨だれ」
・前奏曲第24番 ニ短調
・マズルカ第5番 変ロ長調
・夜想曲 第20番嬰ハ短調 「遺作」

 アルトゥール・モレイラ=リマ(ピアノ)

 録音 1977年石橋メモリアルホール

 

1977年モレイラ=リマ来日時の録音。

この時ショパンのワルツ集と、ヴィラ=ロボスのピアノ曲集も録音している。

3枚の録音のうちこのショパン名曲集はCD化され、何回も再発されていた。

ショパンの代表曲を集めていて、演奏も良いからだろう。

 

モレイラ=リマは、1964年のショパンコンクールで第2位、この時の1位はアルゲリッチ。

その後リーズとチャイコフスキーの2つのコンクールでも第3位入賞。

いわゆるコンクール荒らしと言えるかもしれない。

 

リーズの時の1位はラドウ・ルプー、チャイコフスキーの時はクライネフとジョン・リルが1位だった。
何度もコンクールにトライしながらも強力なピアニストと競合して、とうとう優勝に縁がなかった、ついていないピアニスト。

ちなみに2位だったショパンコンクールでは、4位に中村紘子、3位に入ったリーズでは5位にケフェレックが入っている。

 

このショパンはしっとり落ち着いた演奏で悪くない。

音も美しい。

ただ際立った個性はあまり感じられない。

続けて聴くと、スケルツォや幻想即興曲のような比較的重い曲よりも、エチュードやプレリュードのような小さめの曲が良いようだ。

著名なコンクールの上位に食い込みながら優勝できなかったのは、このあたりに原因があるのかもしれない。

この録音とは同時期の別の録音が、ワルツ集なのもなんとなくわかる。

 

Youtubeはモレイラ=リマの弾くショパン、別れの曲

| | コメント (0)

2025年3月16日 (日)

3月のクラシック・レコードコンサートは花と鳥をテーマに

土曜の午後からの雨は日曜の夕方まで続く。

再び気温は下がり、土曜の前日金曜との最高気温差はマイナス7度。

今日も一日冷たい雨。

金曜夜は前日の沼響の練習に引き続き市民文化センター。

クラシックレコードコンサートの解説だった。

 

夕方、市民文化センターに行くと隣の市民体育館との間の広場にキッチンカーが数台並んでいた。

480963509_9473568152762487_9164068797078

どうやらプロバスケットチーム「ベルテックス静岡」に静岡ホームゲーム戦がこの金、土曜であるらしい。

 

今回のレコードコンサートのテーマは「春に聴きたい音楽~花と鳥にちなんで」

 

78389256_2623772311075473_86731_20250316190701

 

春に関係しながらも花と鳥に関係する曲を選んでみた。

 

メインはストラヴィンスキーの「火の鳥」。

これ、沼響が5月の定演で取り上げる曲で演奏会のコマーシャルも当て込んだ内容。

 

最初にチェンバロ曲を3曲ほど。

チェンバロの基本的な構造と原理を、鳥の羽の実物を見せながらの解説。

今はカラスの羽が主流。


Img_20250316_175021_9332

 

曲はバッハと同時代のフランスの作曲家フランソワ・クープランとラモー、ダカンの3人の作品。

クープランには「鳥のさえずり」という曲もあるけれど、あえて「神秘的なバリケード」を選曲。

ダカンは「かっこう」ラモーは「めんどり」といういずれも鳥にちなんだ曲。

 

続いてその流れでレスピーキの組曲「鳥」。

この曲にはラモーの「めんどり」のほか古い時代の鍵盤音楽が素材として使われている。

演奏はいろいろ迷った末にドラティ指揮ロンドン響にした。


Img_20250316_175433_382

 

そして今年生誕150年のラヴェルの「鏡」から「悲しい鳥」。


Image00092

 

この曲の本邦初演はなんと沼津。

安川加寿子により、1951年に奇しくも市民文化センターのあるこの地にあった沼津東高校の講堂「香陵会館」でおこなわれている。

そのことを当時のプログラムを示しながら解説。

 

その後はR.シュトラウスの「ばらの騎士」からワルツ、J.シュトラウス2世の「春の声」

ヴィヴァルディの「四季から春」、チャイコフスキーの「花のワルツ」など。

 

最後にストラヴィンスキーの「火の鳥」1919年版組曲をアバドの演奏で。

 

今回比較的ポピュラー曲だったので、沢山のお客さんが来て下さり補助席を出すほどでした。


Img_20250314_201112_986

 

休憩時間に沼響の定演の宣伝をしたら何人かの方にチケットを買っていただきました。

 

終演後お年寄りの常連さんが私のところにやってきて、1枚のLPを見せてくれた。

前回紹介した偉大なピアニスト、クラウディオ・アラウの弾く「皇帝」のレコード。

ガリエラ指揮フィルハーモニア管伴奏のEMI盤だった。


Img_20250316_172942_9372

若い学生時代にアラウの実演を聴いて感激して買ったレコードだという。

もうプレーヤーもないので差し上げますとのことでした。

この皇帝は既に所有していたけれど、カップリングされていたウェーバーのコンチェルトシュトウックが珍しかったので、ありがたく頂戴しました。


大切に聴かせていただきます。

前日夜は仕事に引き続きの沼響の練習だったので、終わった後はいささかしゃべり疲れ気味。

けれどもアンケートを読むと来た方々に喜んでもらえたようで良かった。

 

Youtubeはクープランの「神秘的なバリケード」、映画「ツリー・オブ・ライフ」のサウンドトラックから

 

| | コメント (0)

2025年3月 9日 (日)

ベルティーニのドビュッシー、「放蕩息子」と「選ばれし乙女」のことなど

昨日の雨は夜には上がり、午後からは暖かくなった日曜日。
夕方に一時にわか雨。


101_0054

今朝の狩野川河川敷からの富士山。

昨日は帰省していた娘と孫、そして婿殿と中伊豆の東京ラスク・伊豆ファクトリーに行っていた。

目的はジェラートとラスク食べ放題に幼児向けのキッズルーム。

ここは昨年の8月以来の訪問。

この時マスクを忘れて行ったら一週間後にコロナ発症

 

自宅から東京ラスクまでは車で30分余り。
到着するとみぞれ混じりの雨が降ってきた。

東京、神奈川あたりの車で駐車場はほぼ満車。

前回の訪問は夏だったけれど、今回はジェラートバイキングのコーナーには誰もいない。

カウンターに職員の姿も見えない。

3月なのにこの寒さ。

さすがに冷たいジェラート食べ放題をする人はいないと見えた。

売店の方はかなりの混雑。

 

せっかく来たので、呼び鈴で店の人を呼び受付を済ませ、4種のジェラート(バニラ、チョコ、ヨーグルト、いちご)に8種類ほどの東京ラスク
トッピング食べ放題。


Images-1_20250309221501

自分たちファミリーが食べ始めたら、人がだんだん増え始めてたちまち満席に・・・・

はからずも我々が人寄せになったような・・・


Images_20250309221501

屋内は暖房がしっかり効いているし、ジェラートの横にはコーヒーその他のホットドリンク飲み放題。

身体をあまり冷やすことなく楽しめました。

その後キッズルームで孫たちを遊ばせ、帰りに回る寿司屋で早い夕食。

その夜は婿殿と久しぶりの酒を酌み交わしたけれど、彼は前日の仕事の疲れが抜けず早々と寝落ち。

 

土曜日は孫たちの世話で音楽は聴けず。

孫たちが帰った今日の夜にドビュッシー。

ドビュッシー初期のカンタータ2曲を聴く。


20190522205336af8

・カンタータ「放蕩息子」  
・カンタータ「選ばれた乙女」*    :以上ドビュッシー

 ジェシー・ノーマン (ソプラノ) ホセ・カレーラス (テノール)
 ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ (バリトン)

 イレアナ・コトルバシュ (ソプラノ)*
 グレンダ・モーリス (アルト)*

 ガリー・ベルティーニ (指揮)
 シュトゥットガルト放送交響楽団
 シュトゥットガルト放送合唱団*

録音: 30-31 August and 8 September 1981, Villa Berg, Stuttgart, Germany

Orfeoの外盤LPで、先日新宿ディスクユニオンで購ったもの。

マーラー演奏で名高いベルティーニだけれど、自分にとってのベルティーニはフランス音楽の名指揮者。


自分が初めて購入したベルティーニの演奏は、スウェーデン放送響を指揮したドビュッシー。曲は「牧神の午後への前奏曲」「春」「小組曲」のBASF盤だった。


3312308

購入は1983年8月8日。

地元のレコードショップに、なぜかごく短期間輸入LPが並んでいた時期があり、その時リッチの弾くシベリウスのヴァイオリン協奏曲英盤と一緒に購入したもの。

 

ベルティーニはパリ音楽院でナディア・ブーランジェ、オネゲル、メシアンに作曲を学んでいる。いずれも20世紀を代表する巨人たちだ。

 

この2曲のカンタータにはドビュッシーと親交のあったアンゲルブレシュトのモノラル録音があった。


Unnamed_20250309222001

「放蕩息子」はこのベルティーニ盤がステレオ初録音だったのが意外。

「選ばれし乙女」はこの前にウィン・モリスやバレンボイムのステレオ盤があった。

 

「放蕩息子」はドビュッシー22歳の時の作品で、この曲でローマ大賞を受賞している。
3度目の挑戦だった。

「選ばれた乙女」その3年後の作品。

 

甘く官能的な「放蕩息子」は、ドビュッシーらしくない保守的な作品。

その保守的なところがローマ大賞の審査員に受けたのだろう。
楽し気な輪舞を描いた第4曲めの「行列」に、かろうじて後年のドビュッシーの片鱗が感じられる。

 

「選ばれた乙女」は一転して個性的な色彩感に、ぐっとドビュッシーの個性が湧き出た作品。

ベルティーニの演奏は、歌手に当時最強クラスの歌手たちを揃えていて、「放蕩息子」がずいぶんと立派な作品に聞こえてくる。

 

Youtubeはベルティーニの「選ばれし乙女」

| | コメント (0)

2025年3月 7日 (金)

キリル・コンドラシンのチャイコフスキー、組曲第3番

昨日來の雨は朝には上がり本日快晴。


482125230_2760909400761058_4721929655153

過ぎ去った雨雲は富士山に雪を降らせ、今朝の姿は真っ白でした。

通勤の車中でロシアの指揮者キリル・コンドラシンの演奏を聴いている。

VENIASから出ていたCD9枚組。

 

手兵モスクワフィルを指揮した旧メロディア音源を中心が主だけれども、RCAから出ていたRCAビクター管とのセション録音も入っている怪しげなセット。
モノラルとステレオが混在だが概ね音は良い。

 

チャイコフスキーの組曲第3番を聴いた。

 

チャイコフスキーは4曲の管弦楽のための組曲を残している。

いずれも4曲ないし5曲の曲を並べたもので、モーツァルトのピアノ曲の編曲作品である第4番は「モーツァルティアーナ」と作曲者自身が副題を付けている。

これら4つの組曲は、交響曲ほど形式に厳格でなく自由な小品を集めた感じ。

軽い舞曲的な曲が多いのは、バッハ以来の管弦楽組曲の伝統を踏襲しているからだろう。

だがいずれも編成も大きく交響曲級の長大な作品群。

51ugdmjkp5l_ac_sy450_

組曲第3番ト長調Op.55   :チャイコフスキー

  第1曲 「エレジー」 Andantino molto cantabile
  第2曲 「憂鬱なワルツ」 Allegro moderato
  第3曲 「スケルツォ」(Scherzo) Presto 
  第4曲 「主題と変奏曲」(Tema con variazioni)Andante con moto

 キリル・コンドラシン(指揮)
 モスクワフィルハーモニー管弦楽団
 
 録音 1962年

 メロディア音源で良好なステレオ。

中でも第3番はまるでシンフォニーのよう。

それもそのはず、最初この曲は交響曲として着想されている。

特に第1,第4曲が長大で、第4曲に至っては20分を超えていて単独で演奏されることもあるほど。

全曲は40分を超える大作。

 

緻密な中に重厚壮大な迫力で迫るコンドラシンの演奏もその印象を助長している。

中でも各バリエーションの性格を見事に描き分けた、第4曲は非常に聴きごたえのあるもの。

コンドラシンに鍛え抜かれたオケのアンサンブルも見事で、ヴァイオリンが超絶的な細かな動きを聴かせる第2変奏など凄い。

 

Youtubeはチャイコフスキーの組曲第3番

| | コメント (0)

2025年3月 4日 (火)

駒形克己の「Little tree」、そしてプレヴィンのプロコフィエフのことなど

日曜までの4月なみの暖かさから月曜は真冬の寒さに逆戻り。
最高気温の温度差は10℃以上。

昨日朝からまとまった雨。

埼玉からは雪を見てはしゃぐ孫の姿が送られてきた。

今日も昼過ぎから雨が降り、夕方にはみぞれに変わっていった。

空を見上げ、この雨雲が大船渡まで行って欲しいと思う。

国内最大級の山火事は、もはや手の付けられない状態で拡大するばかり。


Dsc_3011

沼津市大岡出身の世界的な造本作家、駒形克己の「Little tree」


Dsc_3012

 

ページをめくる毎に小さな木が立ち上がり、周りの風景も変わります。


Dsc_3010

季節とともに生長していく木の様が人生になぞられ、それぞれに素敵なソネット。

一冊ずつ厳選された紙を素材に手作業で作られた逸品。


Littletree

 

2010年ボローニャ・ラガッツィ優秀賞受賞作。

駒形さんはNBAの招待状のデザインや、安全地帯などの一流アーティストのレコードジャケットも手掛けている。

 

アンドレ・プレヴィンのオムニバス盤を聴く。


R240716415652022468764

・古典交響曲     :プロコフィエフ
・ジムノペディ第1番 :サティ~ドビュッシー編
・序曲「ルイ・ブラス」 : メンデルスゾーン:
・「すずめばち」序曲  :ヴォーン・ウイリアムス
・熊蜂は飛ぶ      :
・交響組曲「シェヘラザード」から若い王子と王女
    :以上リムスキー・コルサコフ
・ばらの騎士からワルツ :R.シュトラウス

 アンドレ・プレヴィン(指揮)
 ロンドン交響楽団
 
 米RCAのLPで1973年発売。

さまざまなアルバムからの寄せ集めで、サティとR.シュトラウスはオリジナルのアルバムを言及済み。

いずれも自然な流れの中で、オケを鳴らし切った鮮やかな名演揃い。

メンデルスゾーンとR.シュトラウスではブリティッシュブラスの輝かしい響きが堪能できる。

プロコフィエフとメンデルスゾーンはこれほどの快演はなかなか聴けない。

 

録音の時期と場所が異なるので、EQカーヴも曲によって微妙に異なっていた。

基本はRIAAで維持しつつも、「すずめばち」序曲はNABにすると各楽器の動きが明瞭に聴こえていた。

 

Youtubeはキリ・テ・カナワとアンドレ・プレヴィン

| | コメント (0)

2025年3月 2日 (日)

ジュリーニ~ザ・シカゴ・イヤーズ

3月最初の日曜日。

最高気温は20度を超えて九州では夏日を記録。

明日から天気は崩れ気温も急降下。

暖かさと一緒に花粉症の季節到来。

朝から盛大なクシャミ、目もかゆい。乾いた空気に喉もいがらっぽく咳こみがち。

乾燥と強い風に煽られて大船渡の大規模山火事は終息の見通し立たず。


101_0040

この暖かさで裏山の河津桜が満開。


101_0041

梢にはメジロの姿。

 

ジュリーニ~ザ・シカゴ・イヤーズ

シカゴ響との70年代の録音を集めたCD4枚組

ここしばらく通勤の車中で、ジュリーニがシカゴ響を指揮した交響曲を中心に集めたCD4枚組を聴いていた。


5099943175222

・マーラー:交響曲第1番ニ長調『巨人』 
       録音 1971年3月30日、
・ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調 Op.92
       録音 1971年3月29日
・ブルックナー:交響曲第9番ニ短調
       録音 1976年12月1・2日
・ブラームス:交響曲第4番ホ短調 Op.98
       録音 1969年10月15日
・ベルリオーズ:劇的交響曲『ロメオとジュリエット』抜粋(声楽付きの曲を除外)
・ストラヴィンスキー:『火の鳥』組曲(1919年版)
・ストラヴィンスキー:『ペトルーシュカ』組曲(1947年版)
       録音 1969年10月13・14・15日

録音場所は全てシカゴ、メディナ・テンプル

シカゴ交響楽団
カルロ・マリア・ジュリーニ(指揮)

いずれも70年前後の旧EMI録音。

収録日を見るとブルックナーのみじっくり時間をかけている。

カーステレオの音なので、しっかりとした装置で聴けば異なる印象となるかもしれないけれど、いずれの曲も高い次元で安定したシカゴ響のアンサンブルに、ジュリーニ特有の孤高の厳しさがストレートに迫ってくる演奏だ。

 

晩年の高みに向かう過渡期的な録音の数々。

LP初出の際非常に高い評価を得ていたブルックナーに最も感銘を受けた。

「ペトルーシュカ」は曲があまりにも少なくて物足りない。

 

Youtubeはジュリーニのブルックナー、交響曲第9番のリハーサル

| | コメント (0)

2025年2月26日 (水)

ワルター・ホーリーのテレマン、トランペット協奏曲

寒さも和らぎあちらこちらで梅の開花。


朝、ポコの散歩をしていたら隣に住む90近いおじいさんが畑作業中。


Dsc03152

挨拶したらキャベツをくださった。

気候不順で今年は野菜が不作。

自分の畑もトマト、ブロッコリーなど例年に比べ低調。

いただいたキャベツは小さかったけれど、今は高値なのでありがたい。

 

ドイツのトランペット奏者ワルター・ホーリー(Walter Holy 1921-2006)のテレマンその他のコンチェルト。
米マーキューリーのLPで、先日新宿ディスクユニオンで見つけたもの。


R1607981316030590684997

・6本のトランペットと2台のチェンバロのための協奏曲 ニ長調  :ステルツェル
・トランペット協奏曲 ニ長調  :レオポルド・モーツァルト
・トランペット協奏曲 ニ長調  :テレマン
・トランペットと3本のオーボエのための協奏曲 ニ長調  :テレマン

 ワルター・ホーリー(トランペット)ほか
 G.シュタイルネルト、H.G.ラスト、ウイリー・シェネル(オーボエ)
 マンフレッド・フーグ、マルティン・ガリング(チェンバロ)
 イエルグ・フェルバー(指揮)
 ハイルブロン・ヴュルテンベルク室内管弦楽団

 

J.フェルバーとM.ガリングはVOX系のレーベルに60年代に多くの録音を残している。

ジャケットの体裁から購入したときにてっきりVOXあたりの廉価盤と思っていたら、マーキュリーのリビングプレゼンスシリーズの盤だったので驚き。

トランペットのワルター・ホーリーはケルン放送響のトランペット奏者。
バロックトランペットのパイオニアとして知られた名手だ。


Holy

輝かしさよりもメロウな音色で聴かせるトランペット。

聴いた感じではバロックトランペットではなく、通常の楽器で演奏しているようだ。

とにかく安かったので購入したLPだけれど、バランスの良い鮮明な録音が嬉しい。

演奏も良く意外な掘り出し物。

 

Youtubeは名手ホーカン・ハーデルベルガーが吹く、テレマンのトランペット協奏曲

| | コメント (0)

2025年2月24日 (月)

井上道義のハイドン、オラトリオ「四季」

この連休に娘と孫達が帰省、今日は連休最終日。

孫たちと日本で二番目に古い水族館、伊豆・三津シーパラダイスに行っていた。

Img_20250224_111443_082

デッキからの淡島遠景。
富士山は半分雲に隠れている。

 

井上道義のハイドン、オラトリオ「四季」から


Dsc_2941

・オラトリオ「四季」より
 

 豊田喜代美(ソプラノ)
 佐々木正利(テノール)
 高橋啓三(バリトン)  
 井上道義(指揮)
 ジュネスミュジカル・オーケストラ、合唱団

   録音 1980年7月6日 NHKホール(ライヴ)

2001年7月8日の「第74回 青少年音楽祭」を最後に活動を停止した、ユネスコ傘下の青少年音楽日本連合(JMJ)は、東京近郊の大学生や30歳以下の社会人のアマチュア音楽家を集めて年2回演奏会を開いていた。


内容はオーケストラ、マンドリンオーケストラ、合唱団の3つの団体でその都度オーディションでメンバーが選ばれていた。

指揮者やソロ演奏家は国内の一流演奏家が参加している。

 

JMJはユネスコ関係の国際的な団体で、各国で同じようなオケが組織されたり、諸外国からメンバーを選抜して演奏もしていた。

日本でもジュネスの国際オケが来演して、セルジュ・ボドが指揮してテレビ中継やFMでも放送もされている。
この時の「ローマの松」は非常な名演で、今でもエアチェックしたカセットテープを持っている。


R1304016415472898885255

かつてコンサートホールレーベルから発売されていた、ワルター・ジュスキント指揮のドヴォルザークの交響曲第8番も、この関係団体ではなかろうか。

 

そして井上道義の「四季」

1980年の記録で、オケ単独としては、武満徹の「グリーン」とプロコフィエフ「ロメオとジュリエット」抜粋が演奏されている。

手持ちはこの際作成されたLPで関係者に配布されたものらしい。

 

中古で入手、本来は2枚組のはずが「四季」の1枚しか入っていなかった。

ソリストは当時の第一線で活躍していた歌手たち。

1980年の井上道義はニュージーランド国立響の音楽監督で、国内での活躍の場を広げつつある時期だった。

 

この演奏は、オケのウォームな響きとソリストの優秀さが印象に残る。

若々しくも情熱的な井上の指揮に応えるオケと合唱団の心意気が直に伝わってくる、聴いた後に爽やかな印象の残る演奏。

 

Youtubeは井上道義の伊福部昭、「日本組曲」から。オケは千葉県青少年オーケストラ

| | コメント (0)

より以前の記事一覧