カテゴリー「音盤視聴記録」の記事

2019年5月20日 (月)

アモイヤルとパレーのスペイン交響曲

5月も後半、西から天気は大きく崩れ屋久島からは大雨の驚きの映像が入ってきた。

夕方から雨。

 

今日はなじみのクリニックで定期健診。
3月後半からの宴席の連続が祟って血液検査の値は最悪。

 

今回の定演の曲目「スペイン交響曲」を聴く。

演奏はフランスのヴァイオリニスト、ピエール・アモイヤル

伴奏はフランスの指揮者、ポール・パレー。
手持ちはエラートの外盤LP.

 

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・スペイン交響曲 ニ短調 作品21
・ノルウェー狂詩曲
 
 ピエール・アモイヤル(ヴァイオリン)
 ポール・パレー 指揮
 モンテ・カルロ国立歌劇場管弦楽団
 
 1972年10月録音

 

自分はこの曲の熱心な聴き手ではなく、このレコードを購入した理由はパレーの比較的新しい録音だという理由。

ポール・パレーはドビュッシーやラヴェルとも親交のあった大指揮者。

 

アモイヤルは12歳でパリ音楽院一等賞。

 

その後渡米しハイフェッツに5年間師事。
ハイフェッツには非常に高く評価され、ヴァイオリンを買い与えられたほど。

 

 

この演奏は、芯の強いピシッとした美しい音色に抜群のテクニック。

とても23歳のデビュー録音とは思えない。

ADFディスク大賞受賞盤。

 

ポール・パレーの伴奏はソロ以上に見事だ。

第5楽章序奏で、下を支えるホルンのリズムをさりげなく微妙に遅らせていきながらヴァイオリンのソロに受け渡すところなど、自分が今この曲を吹いているだけにパレーの譜の読みの深さがよくわかる。

 

アモイヤルもパレーから学ぶことが非常に多かったに違いない。

この時点でパレーはなんと86歳。

 

この巨匠にがっぷり組んでいる若き日のアモイヤルも凄い。

 

以前聞いた時はこれほどの演奏だとは思わなかったが今回ffrrカーヴで聴いて印象は一変した。

 

ヴァイオリン協奏曲第3番を改作した「ノルウェー狂詩曲」も白熱の名演だ。

パレーの名指揮でオケの技量が数倍にも跳ね上がったかのよう。

 

Youtubeはアモイヤルのヴァイオリンでドビュッシーの歌曲「美しき夕暮れ」

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2019年5月19日 (日)

タンゴ・プロジェクト

 

晴れ、一時雨がぱらついたけれども爽やかな良い天気。

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日曜の朝、ポコとの散歩の風景。

遊休農地にポピーが満開だった。

 

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今日は家内の親戚の法事。

 

奇しくもお寺の永明寺はシベリウスと親交のあった外交官、市河彦太郎の眠る場所。

親戚の墓参りの合間にあたりを見回すと市河家の墓所はすぐわかった。
墓地の入り口の初代市長を輩出した和田家の墓所のすぐ近く。

 

法事の後は親戚一同で老舗割烹「はやし家」で昼食。

 

ここは天麩羅が有名で、落ち着いた和風の店内に高級感が漂い良い雰囲気。
だが今の時代、いろいろと苦労されている様子。

ラーメンがメニューに入っていたのには驚いた。
これも時代の流れなんだろう。

 

 

家内の身内なので、この時だけしか顔を合わせない親戚が半数ほど。

それでもお酒が入りにぎやかな雰囲気だ。

昼間の酒は良く効く。

 

家内の運転で家内の両親と帰宅。
そのまま爆睡。

 

夕方目が覚めて聴いたのはタンゴ。

 

米ノンサッチのLPで「タンゴ・プロジェクト」

 

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現代の3人の演奏家たちによる1981年録音。

 

アコーディオンとピアノとヴァイオリンという素朴なスタイル。
タンゴの原型の姿を再現したもの。

 

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ウィリアム・シンメル(acd)
マイクル・ザール(p)
スタン・クルディス(vn)

 

ラ・クンパルシータ、エル・チョクロなどの有名曲を集めたアルバム。

 

タンゴの全盛期は1920年代から40年代頃らしい。
この頃に偉大な音楽家たちが輩出している。

 

ダンスはともかく、今、タンゴの音楽を日常に聴く人たちは少ないように思う。

 

でも、このちょっぴり官能的で憂いを含んだ大人の雰囲気は素敵だ。

Youtubeはタンゴの名曲「エル・チョクロ」 、ダリエンソの名演

 

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2019年5月 8日 (水)

オーマンディーとチェリビダッケのプロコフィエフ

空前の大型連休も明けて令和の世も本稼動。
今日は朝から涼しい一日。

連休中に何日か仕事に出ていたので昨日は休み。

 

午前中に銀行に行くと、今まで経験しなかったような混雑。

駐車場には誘導係の行員まで出ている。
案内する若い男女の胸には研修の名札。

今年新しく入ったばかりの行員たち。
生き生きと働く若者たちの姿はキラキラと輝き眩しいほど。

 

自分も心機一転、新たな時代とともに新鮮な気持ちで日々を過ごしたいもの。

 

今日はプロコフィエフの古典交響曲を聴く。

聴いたのはオーマンディーの2種の録音とチェリビダッケの演奏。

 

オーマンディーにはモノラルとステレオでそれぞれ2種のスタジオ録音がある。

 

・1946年10月13日
・1955年12月18日
・1961年3月26日
・1972年1月12日

 

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最初の3種米COLUMBIAそして最後はRCAへの録音。
いずれもオケは手兵フィラデルフィア管弦楽団

 

手持ちは1955年と1961年の録音。

55年録音は日本コロンビアの10インチ盤。

61年録音はCBSソニーが出していた廉価盤LP。

 

若い頃から晩年まで、比較的芸風の変化が少なかったオーマンディーだが、 この2種の演奏の印象はかなり異なる。

1955年は凝縮されたオケの響きに厳しさすら漂う緊張感に満ちた演奏。

 

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対して1961年はオケを豊麗に鳴らし切った壮大な演奏、ゴージャスな分幾分楽天的に聞こえる。
テンポも多少遅くなった。

 

スコア片手に聴いたわけではないが、いずれもオーケストレーションに手を加え編成もかなり拡大しているようだ。

ソリストの力量とオケ全体の精度では明らかに1955年盤に軍配が上がる。

 

55年盤のフィナーレでの一糸乱れぬ弦楽器群のアクロバット的な妙技は凄い聴きもの。

 

いずれもEQカーヴはコロンビア。

 

日本コロンビアの10インチ盤にカップリングされているカバレフスキーの「道化師」組曲も素晴しい名演だ。
そしてもう一枚プロコフィエフ。

 

チェリビダッケ若き日のベルリンフィルとの録音。
手持ちは東芝が出したLP.

 

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チェリビダッケの希少なスタジオ録音のひとつ。
1948年の録音。

チェリビダッケの古典交響曲は何種か残されていて、リハーサル付きの映像まで出ている。

このベルリンフィルとの演奏はキビキビ溌剌とした良い演奏だが、惜しむらくはオーマンディーの演奏を聴いた後。

 

オケの性能が段違いで、この頃のベルリンフィルが戦争の痛手から癒えていないことがよくわかる。

EQカーヴはOld78。

 

Youtubeはチェリビダッケのプロコフィエフ、リハーサル

 

 

 

 

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2019年5月 6日 (月)

ネット不通、そしてマズアの「新世界より」

連休最終日、昨日今日と国道の渋滞はなし。
長い休みで日本国民連休疲れか。
自分は本日仕事。

 

土曜日帰宅後にネットが全く使えなくなってしまっていた。

カミナリの影響で瞬電があったのでその影響らしい。
風呂のスイッチも電源が落ちていた。

回線終端装置の電源を入れなおしたり初期化して再設定してもだめ。
インターネット接続ができない。

 

夜遅くまで四苦八苦、やむなくNTT西日本の24時間サポートに電話すると、
「契約解除されているのでサポートできません」という女性のすまなそうな声。

 

「????」

 

そうだった・・・・

数年前にドコモに切り替えたのであった。

いろいろ再チャレンジしてもダメ。
時計を見たら12時を回っていた。

どうも冷静さを欠いているようなので、一旦頭を冷やして翌日再トライ。

とりあえずタブレットからLTE接続でブログ記事をアップ。

 

日曜日にドコモのサポートへ電話した。

 

いろいろと担当の方と2時間近く試行錯誤の末、結局回線終端装置を交換することになった。

本日帰宅後に装置を交換。 そして再設定で無事復旧。

 

ネットなしの不便さを痛感した二日間。

 

音楽はクルト・マズアの「新世界より」。
手持ちはTeldecの外盤CD。

 

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Symphony No. 9 In E Minor, Op. 95, "From The New World"
Slavonic Dances*
Dumka, Op. 72, No. 2 5:33
Sousedská, Op. 46, No. 6 4:55
Furiant, Op. 46, No. 8

 

Kurt Masur ‎
New York Philharmonic*,

 

Recorded at Avery Fisher Hall, New York, October 17, 1991. Live recording.
Recorded at Avery Fisher Hall, New York, November 1991.*

 

「新世界より」は以前100種類ほどの演奏の聴き比べをしたことがあり、
以後食傷気味になってしまい聴く気持ちが萎えてしまっていた。

 

このCDは以前ハードオフで108円で見つけそれっきり聴くこともなく放置していたもの。

 

 

マズアはかなり以前にゲヴァントハウス管との来日公演を聴いた。

場所は東京文化会館。

あいざーまん氏の「海外オーケストラ来日公演記録抄」によると

1983年11月18日

 

曲はブラームスの交響曲第3番とマーラーの交響曲第1番「巨人」

 

演奏ではブラームスでの渋いオーケストラの音色が印象に残っている。
だがオケはかなり疲弊していて「巨人」では雑な演奏になっていた。

公演記録を見ると10月下旬から仙台から鹿児島までほぼ毎日のかなりの強行軍。
聞いた日はその最終公演。

長い楽旅にオケも指揮者も日本に飽きていたのかもしれない。

 

今日聞いたのはニューヨークフィルハーモニックとの演奏で、1991年10月、マズアがニューヨークフィルの音楽監督に就任して2ヵ月後の録音。

その前年に旧東独逸は消滅している。

 

東独逸楽壇の中心的な存在だったマズア。

国家崩壊時の現体制を見限った鮮やかな転身ぶりとその後のニューヨークフィルの音楽監督就任については、いろいろと取り沙汰されたけれど実際のところはよくわからない。

とにかくすごい政治力の持ち主なんだろう。

 

このころアメリカのメジャーオケの音楽監督は、ニューヨークフィルハーモニックのほか、フィラデルフィア管はサヴァリッシュ、クリーヴランド管のドホナーニ、ヒューストン響のエッシェンバッハと、ドイツ系指揮者の音楽監督が多かった。

 

 

そしてこの演奏、聴いてみるとすっきりと美しく、それでいて風格と壮大さも感じられる安定した仕上がり。

曲の良さをストレートに伝える名演だと思う。

 

第一楽章序奏のホルンと第2主題呈示部最後(153,161小節)と再現部(374、382小節)で現れるフルートと弦楽器の同じ主題の繰り返しはスプラフォン新版。

新版で通すのかと思いきやどうも古いジムロック版と同じような箇所もある。

要するに使用譜面はいいとこ採りの折衷版。

 

この曲の初演は1893年12月16日、カーネギーホールにて、アントン・ザイドル指揮、ニューヨークフィルハーモニック協会管弦楽団。

作曲者立会いの初演オケなので、通常の譜面に書かれていない初演時のドヴォルザークの指示など、ニューヨークフィル独自の伝承が残っている可能性も否定できない。

 

第3楽章の突然のティンパニーの強奏などは今まで聴いたことのない解釈だ。

youtubeはマズアの「新世界より」

 

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2019年5月 4日 (土)

「アンジュール」のグレン・グールド

晴れのち午後から雹混じりの雷雨の土曜日。

 

火曜日までは気温は低く灯油を買い足りしていたのが5月に入ってから天候が激変。
本日は夏日に迫る気温。

 

午後からは大粒の氷が降ってきた。
そしてカミナリと雨。

 

娘は海老名周辺で雷雨の中で野外ライヴに出演。

 

大型連休一週間が経過。

全国的に渋滞、わが家近くの国道も伊豆方面、沼津港方面に向け上下線とも滞り気味。
見ると県外ナンバーの車ばかり

 

空前の長休み、その上改元の浮かれ気分もあって皆さんとにかくどこかに出かけようという気分になっているのかもしれない。

 

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ショートムービー「アンジュール」のサウンドトラックを聴いた。

 

これはベルギーの絵本作家ガブリエル・バンサン作の代表作「アンジュール・ある犬の一日」をアニメ化した作品。

 

「アンジュール」はエンピツで書かれたデッサンのみの文字のない絵本。

 

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車から投げ捨てられた一匹の犬が必死に車の後を追うシーンから物語は始まる。

 

この物語をアニメ化するにあたって音楽はグレン・グールドの演奏が使われた。

 

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プロデュース:多賀英典
監督:二階 健
音楽:グレン・グールド
メインテーマ曲:アヴェ・マリア(バッハ〜グノー)
/宮本笑里×グレン・グールド×坂本龍一
選曲監修:宮澤淳一

 

01ピアノソナタ ホ短調op.7 (グリーグ)

02ピアノソナタ第13番変ホ長調op.27-1「幻想曲風ソナタ」 (ベートーヴェン)

03平均律クラヴィーア曲集第1巻
         ~前奏曲とフーガ第22番変ロ短調BWV867 (J.S.バッハ)

04アヴェ・マリア (ショートムービー「アンジュール」メインテーマ曲)
(J.S.バッハ、グノー)

 

グレン・グールド(P) (4)宮本笑里(vn) 坂本龍一(syn)

 

この作品のメインテーマとなったグノーのアヴェ・マリアは、グールドの弾く平均律クラヴィーア曲集第1巻第1曲のハ長調の前奏曲の演奏に、宮本笑里の弾くヴァイオリンと坂本龍一のシンセサイザーをかぶせている。

 

ただしグノーの「アヴェ・マリア」とバッハの原曲では小節数が異なるため、グールドの演奏をコンピューター解析して足りない部分を新たに合成して自動ピアノで演奏させている。
したがってこの曲のみグールド独特の歌声は聞こえない。

 

グリーグのピアノソナタはグリーグ20代の作品。

これが非常に良い。

 

叙情小曲集のようなローカル色はあまり感じられず、ベートーヴェンのピアノソナタのような構成のがっしりした聴き応えのある曲。

あまり著名な曲ではないが演奏の良さで聞かせる。

 

スコットランド系のグールドの母は作曲家グリーグの遠縁だという。

 

「アヴェ・マリア」はさらっと聴くと合成加筆された部分はわからない。
が、やはり音楽だけではグールドの個性が際立っている。

 

Youtubeはグールドの弾くグリーグ、ピアノソナタ

 

 

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2019年5月 3日 (金)

駿河の湯、そしてトスカニーニのサン・サーンスのことなど

 

晴れのち曇り。巷の十連休も半ばを過ぎたあたり。

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一昨日の千本海岸。ここも釣り人。

 

本日仕事。自分としては昨日まで連休が取れたのでこれで充分。

この連休は遠出はしなかったものの社会人となった子どもたちが帰省してきて、久しぶりに家族揃って団欒の時間を過ごすことができた。

 

子どもたちは、GW後半は友人と旅行に行ったり野外ライヴのバンド出演があったりと、それぞれ若者らしい十連休を満喫する様子。

 

昨日は家内と日帰り温泉「駿河の湯」に行っていた。

すぐ近くに「万葉の湯」がありこちらは何度か行き会員にもなっている。

 

駿河の湯は初めて。これがなかなか良かった。

源泉掛け流しの天然温泉で湯に清潔感が感じられるのが良い。

 

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富士山は雲に隠れて見えなかったが、屋上の露天風呂からは駿河湾が一望できる。

薬湯にどっぷり浸かったあとは露天のジャグシーで入りボゥーっとしていた。

頬に触れる春風の心地よさ。

早い時間なので自分のほかは二人しかいない。

 

その後1階の岩盤浴へ。
汗が絞り出たところで再び露天風呂。

最近肩が痛いので「もみほぐし」もやってみた。

手練のお姉さまにぐいぐいと揉まれて体がだいぶ軽くなってきた。

 

「姿勢が悪いようですね。耳の下に肩が来るつもりの姿勢を保ってください」

 

なるほど・・・・

 

その後施設内で軽い昼食の後、リラックスルームでしばしの午睡。

 

ゆったりとした時間が流れた何もしない休日。

 

このような日も良いものだ。

 

家に帰って新しく作った「駿河の湯」の会員カードを見てみたら、有効期限の欄が
R1年5月1日となっている。

「あれ?昨日の日付?」

令和元年の翌年は令和1年だと思っているのか?
電話してみた。

 

係の女性「すいません、入れておきます」
???それだけだった。
次はいつ行くかわからないが今日のレシートは残しておこう。

 

勤務地へ帰っていった娘から、国道が大渋滞で全然進まないというメールが入ってきた。

新東名の事故と三島ウォークの混雑で、国道1号線は上り下りも大渋滞。

 

夜は同じ町内に住む幼馴染の御母堂のお通夜に出席。
そのため本日予定していたオケの練習は欠席。

 

 

練習には参加できなかったけれど定演の演奏曲サン・サーンスの交響曲第3番を トスカニーニの演奏で聴く。

手持ちは国内盤CD.

 

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・交響曲ニ短調              (フランク)
・交響曲第3番 ハ短調 「オルガン付き」 (サン・サーンス)*

 

  アルトゥーロ・トスカニーニ指揮
  NBC交響楽団
  ジョージ・クルック(org)、

 

    1940年12月14日,1946年3月24日 
    NBC8Hスタジオ             
    1952年11月15日(放送録音)、11月14日(リハーサル)*
    カーネギーホール

 

 

サン・サーンスは客席入りの放送録音と前日のリハーサル録音から編集。

フランクは第1楽章が1940年、第2,3楽章は1946年の別の年の録音のハイブリッド盤。

これはトスカニーニの指示だという。

サン・サーンスを聴いた。

曖昧さのない筋肉の塊のような硬質な演奏。

 

息をつかせぬ緊張感の中、触れれば血の吹き出るように切れ味鋭く旋律を歌い上げていく。

全ての楽器が完璧に近いバランスを保ったまま鳴り響いているのが圧巻だ。

 

自分が吹く目立たぬ部分の音を注意して聞いてもしっかり程よい音量で聞こえている。

 

ただしこの録音時点のカーネギーホールにはパイプオルガンがなかった。(今もあるのかしらん?)

この録音では今回の沼響の定演と同様電気オルガン(当時はハモンドオルガンか?)を使っている。

 

録音では第1楽章第二部のポコ・アダージョの部分ではパイプオルガンに比べてもさほど遜色なく音が響いているのだが、第2楽章後半のマエストーソではオルガンが空間の真ん中にぎゅうと押し込められたような狭い響き。

残響豊かな広大な空間が感じられないのだ。

 

ただしオケの部分は素晴しい。

正確無比な管楽器の細かな動きとフィナーレでの煌びやかな響きの洪水。

 

トスカニーニはキャリアの比較的早い時期からサン・サーンスの交響曲第3番を振っている。

 

この曲の録音としては、ピエロ・コッポラ指揮パリ音楽院管弦楽団、シャルル・ミュンシュ指揮ニューヨークフィルハーモニックに次ぐ3種目の録音だが、音はトスカニーニの残された録音中最上の部類で3種の中では最も良い。

 

なおトスカニーニは終結部のティンパニーの譜面に手を加えている。

 

 

youtubeはトスカニーニのローマの祭

 

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2019年5月 1日 (水)

平成から令和へ、そしてフランセの行進曲集

平成から令和へ

令和の始まりは水曜日。曇りのち雨。

平成最後の日だった火曜日も雨模様。気温も低かった。

 

 

昨日は昼前に沼津港で友人と食事の約束があるという娘を車で送る。

港に通じる国道は大渋滞。
どうやら今年のGW、いつもの年よりも沼津へ来る観光客が多いようだ。

 

その足でストーヴに使う灯油を買いに行くと偶然中学の同級生に会った。
なんでもこの3月に脳梗塞で倒れ療養中だという。
幸い発見が早く薬の服用のみだったとのこと。

 

自分も日頃の不摂生が祟って、最近肩の痛みがひどく夜も十分に睡眠がとれていない。
他人事ではない。

 

そして令和の初日の朝、友人と待ち合わせだという娘を沼津駅まで送りそのまま牛臥山公園に行ってみた。

 

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穏やかな海。

 

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そしてたくさんの釣り人、海に遊ぶ人々。

ウミウが三羽。

 

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帰ると母が旧御用邸に行きたいと言い出した。

何でも元号が変わったので記帳したいのだという。

母はどっぷり昭和の人間。

自分は昭和と平成がほぼ半分ずつ。

娘たちは平成生まれ。
思えばこの平成の時代は自分にとっては子育ての時代だった。

 

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御用邸はかなりの人出、車のナンバーは県外ナンバーが多い。

 

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邸内を市の職員が走り回っている。

「第26期燦々ぬまづ大使」藤木由貴さんの認証式があるのだという。

 

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記帳所で記帳をしていると認証式典が始まった。

両隣の十二単(じゅうにひとえ)と束帯姿の人は市の職員だそうだ。

 

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昼食は御用邸内の喫茶「主馬(しゅめ)」でロイヤルカレー。

 

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音楽はフランセの行進曲集。
仏パテの10吋盤でモノラル。

 

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・六つの大行進曲 第一帝政のスタイルで
・映画「ヴェルサイユもし語りなば(Si Versailles m'était conté)」の音楽。(1954)

  ジョルジュ・ツィピーヌ指揮
  コロンヌ管弦楽団。

軽妙洒脱なフランセの芸風とはまた異なる勇壮で華やかな行進曲の数々。

 

フランス独特の明るい音色が特徴的なホルン合奏の狩猟ラッパ隊やコルネットが大活躍。これが滅法楽しく、それでいてノンキなテイストが漂うのが面白い。

 

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映画音楽ではイギリス国歌「ゴット・セイヴ・ザ・クィーン」とフランス国歌「ラ・マルセイエーズ」が掛け合い、最終的にフランス国歌が勝つという、チャイコフスキーの大序曲「1812年」のパロディのような曲となっている。

 

 

Youtubeは映画「ヴェルサイユもし語りなば」からエディット・ピアフの熱唱

 

 

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2019年4月29日 (月)

ツィピーヌのフォーレ「マスクとベルガマスク」

連休3日目の月曜日。

 

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雨上がりの朝、遠出してポコと裏山の奥までの散歩。

野鳥のさえずりの中、山道を登って行くと突然ポコが興奮状態に。
見るとぬかるみの泥溜まりにイノシシの足跡。

 

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イノシシの泥遊びの場所「ぬた場」を見つけたようだ。

そして麓に下りて花畑で落ちつきを取り戻したポコ。

 

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散歩から帰ると雨がポツリポツリ。

 

午後から家内の買い物につきあって沼津市街へ。

いつもより人出が多かった。
この連休中全国からラブライバー達が集まっているようだ。

街中を散策して「鮪小屋」で早い夕食。

客はそれなりに入っていたけれども、以前食べた時よりも精彩を欠く内容。

 

オネゲルで驚異的な名演を残しているクリュイタンスと同世代のフランスの指揮者ジョルジュ・ツィピーヌ指揮するフォーレの管弦楽曲集。

 

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・組曲「ドリー」(アンリ・ラボー編)
・組曲「マスクとベルガマスク」
・組曲「ペレアスとメリザンド」(シャルル・ケックラン編)

 

  ジョルジュ・ツィピーヌ指揮
  オペラ=コミック国立劇場管弦楽団

    1955年6月4、5日*、12、13日
    パリ、メゾン・ド・ラ・ミュテュアリテ

 

ロマンティックにして明晰、気品漂う素晴らしい演奏。

あたかもモノクロの名作映画を観るような趣。

 

アンサンブルはラフだがホルンのルシアン・テーヴェをはじめとした往年の管楽器奏者の名人芸を楽しめる。

次回定演で取り上げる「マスクとベルガマスク」について手持ち音源をいろいろ聴いた中で、このツィピーヌ盤が最も私の琴線に触れた。

 

手持ちは米AngelのLPでジャケットは素っ気ないものだが音は良い。

 

Youtubeはツィピーヌの指揮するフォーレ、「ペレアスとメリザンド」からシシリエンヌ

 

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2019年4月28日 (日)

月光天文台、スコダのシューマン

日曜日の朝、なかなか完成しない家の近くの道路工事現場からの富士山。

 

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昨日の冷たい雨で麓まで雪化粧。

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宝永火口が良く見える。

裏山にはヤマフジが咲き庭のツツジは散り始め。

 

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夜遅くから雨。

娘が帰省してきて庭の変貌ぶりに驚いていた。

 

午後から家内と月光天文台

 

この天文台はかつて沼津市内の香貫山山頂にあって小学生たちの遠足コースとなっていた。

1972年に大流星雨が出現するとされたジャコビニ流星群騒動の時には夜遅くに山頂の天文台まで見に行ったのも懐かしい思い出だ。

この時流星は全く出現せず、立錐の余地もないほど大勢集まった人たちのがっかりとした様子とヨッパライの喧嘩があったことを今でもはっきり覚えている。

 

それからまもなくして箱根の麓、函南町の山麓に月光天文台として移転した。

 

場所はかなりの山奥。

 

対向車が来ると困るような狭い道を20分ほど登るといきなり広い場所に出た。

建物も意外と新しくて広い。

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テレビドラマ「相棒」のロケ地として使われたこともあるらしい。

 

ちょうどプラネタリウムが始まる時間だったのでそのまま会場へ。

椅子の座り心地が良く、ヒーリングミュージックと解説の女性の声でそのまま寝落ち・・・

 

目覚めたところで博物館内を見て回ると、天体写真のほか各種岩石、化石類など、かなり充実の展示。

リアルタイムの太陽の様子と詳細なスペクトル表示も興味深い。

 

マニアックな内容で自分たちのほかには小学生を連れた家族連れが数組程度。

 

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外に出ると曇り空、朝には良く見えていた富士山も雲の中。

 

遠く駿河湾も見えて天気がよければ絶景なのだろう。

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その後数件家内のショッピングに付き合い帰宅。

 

ウィーンのピアニスト、パウル・スコダのシューマン
先日デムスのハンマーフリューゲルで聴いた「子どものためのアルバム」。

 

手持ちはCBSから出ていた国内盤LP

 

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・子供のためのアルバム OP68.

 パウル・バドゥラ・スコダ(ピアノ)

             SOCZ-92

 

しっとりとした美しい音色、幾分軽いけれども聴いていて心穏やかになるようなピアノ。

 

平易な曲だけれども深い音楽に聞こえるのはスコダの芸だろう。

 

かつてはデムスやグルダと並びウィーンの三羽烏と呼ばれたスコダ。

他の2人ほど華々しい印象はないけれど、着実な円熟のへ歩みを感じさせる演奏。

 

youtubeはスコダのシューマン「子供の領分」

 

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2019年4月27日 (土)

デルヴォー、ハンブルクのボレロ

平成最後の土曜日。 年号の変わり目大型連休の初日は朝から雨。

気温は下がり朝の外気温は11度。
午後から雷雨。

 

遠く伊豆の山々は雪を被っていた。

夜に一度しまいかけたストーヴに火を点ける。

 

昨晩は社内の大きな部門の管理職を集めた歓送迎会。
場所は市内ホテル内のステーキのお店

 

去った人新しく来た人の大部分は顔見知り。

 

若い頃共に苦戦した時の苦労話やら思い出話エトセトラ。
おまけに新体制のグチも少々。

 

ともあれ最前線から退き気楽な身分となった自分には懐かしい思い出ばかり。

確か送別会はこれで終わりのはず。

 

3月半ばから始まり、有志による非公式の小さなものから公式なものまで、もう何回あったかわからなくなってしまった。

 

今日はフランスの指揮者、ピエール・デルヴォーの「ボレロ」を聴く。

 

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デルヴォーのボレロではコロンヌ管とのEMI録音がよく知られ、LP期には
東芝のセラフィムの廉価盤LPが出ていた。

 

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他に米Comandoにも同じコロンヌ管を振ってボレロを録音している。

 

聴いたのはこの演奏ではなくハンブルク国立フィル(現ハンブルク・フィルハーモニカー)を指揮した録音。

国内盤は60年代初めに発売された日本コロンビアからの家庭用名曲シリーズの中に入っていた。

 

手持ちは英ORIOLEのLPで番号はRM205。

 

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・ボレロ               (ラヴェル)
・亡き王女のためのパヴァーヌ   
・牧神の午後への前奏曲        (ドビュッシー)
・組曲「3つのオレンジへの恋」    (プロコフィエフ)

 ピエール・デルヴォー指揮
 ハンブルク国立フィルハーモニー管弦楽団

 

日本コロンビアの国内盤はステレオだったがこちらはモノラルバージョン。
おそらくステレオも同時に出ていたと推測する。

 

このボレロはかなり遅いテンポ。

史上最も遅いボレロと巷で言われているフレイタス・ブランコ盤よりも遅い。

 

この遅いテンポでも音楽は弛緩せず緊張感を保ちつつ進む。
演奏の出来としては2種のコロンヌ管との録音を凌ぐ。

 

オケのアンサンブルも見事であたかもフランスのオケのような官能的にして色彩豊かな音なのが素晴らしい。

 

ハンブルク国立フィルはハンブルク州立歌劇場のピットに入るオケ。
この録音当時の音楽監督はカイルベルトからサヴァリッシュに交代したあたり。

 

カップリングされた「亡き王女のためのパヴァーヌ」と「牧神の午後への前奏曲」の艶っぽくも気品漂うオケの音が美しい。

中でも木管楽器が秀逸。

ホルン主席はクナッパーツブッシュ時代のバイロイトでソロホルン奏者だったハインリッヒ・ケラー。

 

パヴァーヌも7分を超える超スローモーな演奏。
管楽器は相当息継ぎが大変だったと思う。

 

「牧神の午後への前奏曲」のフルートソロを吹くクラウス・ショコウは相当な名手。
カール・リヒターのブランデンブルク協奏曲第2番の旧録音でもソロを吹いている。

 

この頃のハンブルク州立歌劇場はドイツ国内でも指折りの名手を集めていた。

 

モノラルとはいえNABカーヴで再生すると非常に生々しい音だ。

youtubeはデルヴォー&ハンブルクフィルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」
LPからのRIAA再生のため音は良くないが管楽器群の優秀さはよくわかる。

 

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