カテゴリー「音盤視聴記録」の記事

2021年3月 3日 (水)

イオネル・ペルレアのロッシーニ

昨日の雨は夜のうちに上がり本日快晴。
今日はひな祭り。

 

オケでロッシーニの歌劇「どろぼうかささぎ」序曲を練習中。

 

ロッシーニは、若い頃にほとんどの作品を発表して早々に引退。

その後は自由気ままに贅沢と美食の日々の長い余生を送ったしあわせなヒト。

そのくらいのイメージで作品自体は軽く薄いものと勝手に思い込んでいた。

 

先日の練習時に小太鼓と大太鼓、シンバルが入り、楽しく吹いているうちに曲としてよくできているのではないかを思えてきた。

 

スコアを見るとロッシーニの序曲はどの曲も譜面ヅラがシンプル。

 

「ウイリアムテル」序曲のように交響曲のような体裁の大きな規模の曲もあるけれども、多くの序曲はゆっくりした序奏から始まって管楽器のソロを交えながら速い主部に突入。

中間部は管楽器を加えテンポを緩め、終結部では徐々に楽器を加えながら長大なクレシェンド(いわゆるロッシーニクレシェンド)でお開きというどの序曲も同じような起承転結。

 

メロディもオペラの中身とは無関係な素材を使っていて「セビリアの理髪師」のように他のオペラの序曲を使い回があったりする。

 

それでも時代を超えて多くの曲が生き残っているのは、親しみやすいメロディ、そしてシンプルのようでいて実は巧みな楽器の使い方にあるのだろう。

 

そこで歌劇「どろぼうかささぎ」序曲、手持ちの演奏をいくつか聴いてみた。


ライナー、セラフィン、そしてペルレアの演奏で聴く。
いずれも70年代に出た国内廉価盤LP.

 

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ハンガリーの名指揮者フリッツ・ライナーはずいぶんとシンフォニックなロッシーニ。
妥協を許さぬ恐ろしいまでの必殺の精密なアンサンブルで聴かせる。

フォルティシモなど怒られているかのような衝撃で迫って強烈だ。


ユーモアのカケラもなし
版が沼響の版と異なるがオペラの曲ではよくあることだ。

 

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イタリアの名伯楽トウリオ・セラフィン(Tullio Serafin, 1878 - 1968)は飄々とした軽みの感じられるロッシーニ。

これは素晴らしい。

こちらはシンバルがたくさん入る版を使用。

オケはセラフィンが音楽監督をつとめていたローマ歌劇場。

 

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意外に良かったのはルーマニアで生まれで、主にイタリアで活動した指揮者イオネル・ペルレア(Ionel Perlea、1900 - 1970)のロッシーニ。

 

ペルレアといえば米VOX系に多量の録音があり、どの演奏も没個性で特に特徴がない印象があった。

 

若い頃に読んだある音楽評論家が書いた指揮者名鑑に、これほど無能な指揮者も珍しいと酷評されていたのがインプットされていたこともありあまり興味を引く指揮者ではなかった。

 

ところがこの演奏。

 

ごく普通の演奏だけれど、聴いていてなんとも滋味の感じられる演奏。

立派すぎるライナーの演奏よりも今の自分にはペルレアの演奏の方がよほどしっくりとくる。

続く「セミラーミデ」序曲は一層の名演だ。
こちらのオケはバンベルク交響楽団。

 

Youtubeはアバド指揮ウィーンフィルの「どろぼうかささぎ」序曲

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2021年3月 2日 (火)

ケルティック・ウーマン

今日は朝からまとまった雨。
寒冷前線が通過し午後から雨風強し。
これは春一番?

 

今日は軽い曲を。

アイルランドの女性ボーカルグループ、ケルティック・ウーマンのアルバムを通勤の車中で聴いている。

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「ケルティック・ウーマン」

01. イントロ:ラスト・ローズ・オブ・サマー|ウォーキング・イン・ジ・エアー
02. メイ・イット・ビー
03. イニシュフリーの島
04. ダニー・ボーイ
05. ワン・ワールド
06. アヴェ・マリア
07. センド・ミー・ア・ソング
08. シューリ・ルゥ(ウォーク・マイ・ラヴ)
09. オリノコ・フロウ
10. サムデイ
11. シー・ムーヴド・スルー・ザ・フェア
12. ネッラ・ファンタジア
13. バタフライ
14. ハリーズ・ゲームのテーマ
15. ソフト・グッバイ
16. ユー・レイズ・ミー・アップ
17. アショカン・フェアウェル|コントラディクション[ライヴ]
Bonus Live Track
18. シ・ド・マモーイ(お金持ちの未亡人)[ライヴ]
19. 主よ、人の望みの喜びよ[ライヴ] 〔日本盤ボーナス・トラック〕
20. アイ・ドレムト・アイ・ドゥウェルト・イン・マーブル・ホールズ[ライヴ] 〔日本盤ボーナス・トラック〕

 

2006年にビルボード誌の世界音楽チャート連続68週1位という偉業を成し遂げ、トリノ冬季オリンピックでは荒川静香がエキシビジョンでこの中の曲を採用。


CMでも使われていた。

 

ちょうど一年前にハードオフのジャンクコーナーで110円での発掘品。

曲はオリジナル曲のほかは「ダニー・ボーイ」や「シューリ・ルウ」などの著名なアイルランド民謡、そしてエンヤで大ヒットした「オリノコフロウ」にバッハまで。

 

ケルトというキーワードの中で非常に多彩な内容。

女声たちの高い音楽性と優れたアレンジ。

 

透明で純な美しい声に心が洗われるよう。

幾分もの悲しくも諦めにも似た風情が沖縄民謡の数々を連想させる。

美しさの裏側に垣間見えるアイルランドの苦難の歴史。

 

中でもアイルランド・ゲール語で歌われる「シュールリル」や、「シー・ムーヴド・スルー・ザ・フェア」に心を打たれる。

 

Youtubeはケルティック・ウーマンの Siuil a Run - Walk My Love

 

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2021年2月28日 (日)

バルビローリのエルガー、エニグマ変奏曲

2月も今日で終わりの日曜日。


天気も良くて流れる空気に春の気配。
家の近くの河津桜は満開から散り始め。


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昨日の自宅近くの富士。


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ちょうど一年前は娘の結婚式だった。

今月孫が生まれて今日が退院日。

コロナ禍で会うことができず孫とは本日初対面。

昨晩は婿殿が来て家内と3人で祝杯をあげていた。

 

バルビローリのエルガーを聴く。

英Pye原盤のティチクの国内盤LP.


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・エニグマ変奏曲 Op.36
・チェロ協奏曲 Op.85 *
・弦楽のためのエレジー  Op.58

 ジョン・バルビローリ(指揮)
 ハレ管弦楽団
 アンドレ・ナヴァラ(チェロ)*

    録音 1956年 1957年*

 

一連のティチクから出ていたこのPyeのLP国内盤は音が痩せていてキンキンしていて音が良くないと言われていて、後のEMIの再録音に比べると影が薄い印象だった。

 

今、再生環境が大きく変わった中での再聴。

 

バルビローリはエニグマ変奏曲を3回録音している。
このPyeへの録音は2回目のもの。

 

マンチェスターのハレ管弦楽団は、ロンドンの著名楽団と比べると超一流とは言えないけれども、長い間バルビローリの薫陶を受けていてバルビローリが指揮したときは力の入った高水準の演奏を聴かせてくれた。

 

ハレ管弦楽団はエルガーの交響曲第1番を初演した団体で、バルビローリ自身もクィーンズホール管弦楽団のチェロ奏者時代にエルガーのチェロ協奏曲に伴奏者として立ち会っている。

 

この演奏は多少アンサンブルにラフな部分もあるけれども、壮年期のバルビローリの速いテンポで激しいまでの力の入ったエルガー。

ニムロッドも感動的だ。

 

音も悪くない。

オプションで加わる終結部のパイプオルガンも盛大に鳴っていた。

 

Youtubeはサー・コリン・デーヴィス指揮のエルガー、「ニムロッド」

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2021年2月22日 (月)

カラヤンのチャイコフスキー、三大バレエのことなど

2月も残り少なくなった月曜日。

昨日から4月並みの暖かさで最高気温は20度越え。

花粉も盛大に飛び朝はクシャミ3連発。
ついでに両足こむら返りのおまけ付き。

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写真は自宅近くからの土曜日の富士。

 

本日里帰り中の娘が男子出産。

予定日は過ぎていたけれども無事に生まれてひとまず安心する。

コロナ禍のため自分は病院に入ることが出来ず、退院の日までは娘が送る写真をながめる日が続く。

今日はカラヤンのチャイコフスキーを聴く。

グラモフォンから出ていたLP2枚組。

 

いわゆる三大バレエの組曲やハイライト、弦楽セレナーデを収めたLP2枚組。

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・弦楽セレナーデ ハ長調作品48
・バレエ《白鳥の湖》作品20組曲**
・バレエ《眠れる森の美女》作品66組曲**
・バレエ《くるみ割り人形》組曲作品71a*

 

 ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)
 ベルリンフィルハーモニー管弦楽団

 録音年月日:1966年10月6日、1966年10月13日、12月26日* 1971年1月4、22日、2月17日**

 

カラヤンのチャイコフスキーの三大バレエ録音は、同じような曲目でモノラルのフィルハーモニア管との録音やウィーンフィルとのステレオ盤などがあり、それぞれ4回ずつの録音がある。

 

チャイコフスキー特有の劇場的な音楽にはカラヤンの音作りがピタリとはまる。

弦楽セレナーデも含め、三大バレエの録音はオケのうまさもあって文句なく楽しめる。

名人揃いのベルリンフィル。各楽器のソロも見事なもの。


中でも全盛期のロータ・コッホのオーボエソロが秀逸。

 

カラヤンはレコーディングとコンサートでレパートリーを明確に分けていて、演奏記録を見る限りコンサート会場で演奏したチャイコフスキー作品は、何度も何度も録音を繰り返した4番以降の交響曲とピアノ協奏曲第1番のみ。

管弦楽曲に関してはバレエ曲を含むチャイコフスキー作品を一度もコンサートでは演奏していない。

 

これは不思議な気がする。

EQカーヴはAESで聞いた。

 

Youtubeはカラヤン指揮のチャイコフスキー、「弦楽セレナーデ」。1980年録音

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2021年2月20日 (土)

チェコの指揮者ボフミール・リシュカとジャレル・シェイナを聴く

薄曇りの土曜日。午後から気温が上昇、風も強くなった。

コロナの感染者数は少しずつ減少し始めたけれどもここ数日下げ止まり。
7月開催のオリンピックは微妙なところ。

ワクチン接種も始まって今年半ばには明るい日常が見えてほしいもの。

 

チェコの指揮者ボフミール・リシュカとジャレル・シェイナを聴く。

日本コロンビアのステレオ初期の古いLPでオケはチェコフィル。


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・歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」序曲 (モーツァルト)
・歌劇「アウリスのイフィゲニア」序曲 (グルック)
・歌劇「タンクレディ」序曲      (ロッシーニ)

  ボフミール・リシュカ(指揮)
  チェコフィルハーモニー管弦楽団

 

・歌劇「イワン・スサーニン」序曲     (グリンカ)
・楽劇「パルシファル」第一幕前奏曲     (ワーグナー)

  カレル・シェイナ(指揮)
  チェコフィルハーモニー管弦楽団

 

シェイナはスメタナの祝典交響曲、ドヴォルザークのスラヴ舞曲集やCD化もされている「田園」などがあり、多少は知られた存在だけれどリシュカの録音はほとんど出ていない。

ステレオではこの盤の3曲のほか18世紀チェコの作曲家プントのホルン協奏曲くらいしか見当たらない。

ちなみにホルンソロは長くチェコフィルの首席だったシュテフェック。

 

この序曲集はチェコ・スプラフォン原盤。

このような地味なアルバムが国内盤で出ていたことが驚きだ。

 

ジャケットの解説には指揮者の紹介は全くなくてチェコフィルの説明のみ。

アルバムタイトルもチェコフィル名演集。
この内容と全く同じ内容のチェコ・スプラフォン盤も存在する。

同じチェコフィルを振っていながらA面とB面で指揮者が異なるのは、オリジナルは10インチ盤として別々に出ていたのではなかろうか。

 

ボフミール・リシュカ(1914-1990)はチェコ生まれ。


ギュンター・ヴァントやルドルフ・ケンペ、クルト・ザンデルリンクらとほぼ同世代でチェコではチェコフィルの指揮者だったアンチェルとノイマンの中間の世代。


長くプラハ音楽院の教授を勤め門下にはビエロフラーベクがいる。
経歴はこのくらいしかわからない。

多くの指揮の名教師の例に漏れず、地味な現場と後進の指導で終えた人生だったのかもしれない。

 

リシュカの3曲ではロッシーニが良い。

沸き立つようなリズムとオケの響きも輝かしい。


モーツァルトとグリンカはガシャガシャとうるささが前面に出てしまった。
チェコフィルらしくないラフなアンサンブルも気になった。

 

B面のシェイナの演奏を聴いて正直なところホッとする。

きっちり造形を整えながらオケを壮大に鳴り響かせる技はリシュカを超えている。

録音のクオリティもシェイナの方がよい。

A面とB面とでイコライザーカーヴは明らかに異なっていた。

 

Youtubeはシェイナ指揮チェコフィルの「パルシファル」前奏曲

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2021年2月14日 (日)

チック・コリア逝く

朝から暖かな日曜日。

昨日婿殿が来て会食。

 

夜遅くに突然の地震。

横揺れが長く続く遠くの震源地からの巨大地震特有の揺れ。
揺れの最中に東日本大震災の時の生々しい記憶が蘇ってきた。

震源地は福島県沖。

さほど大きな揺れとは感じなかったけれども沼津は震度3.

 

宮城福島は震度6強という熊本地震と同規模の揺れだった。

隣町の富士市に住む大学同からSNSに停電の知らせ。

沼津市内でも一部地域で停電があったらしい。

東日本大震災から10年、未だ余震が続いている。

 

 

チック・コリアの訃報が入ってきた。

チック・コリアは1989年6月に沼津にやってきた。

 

「チック・コリア&アコースティックバンド」


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比較的若いメンバーとの丁々発止のスリリングなやりとりが今でも鮮明に思い浮かぶ。


「スペイン」の強烈な演奏は今でも強く印象に残っている。


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学生時代に聴いたゲリー・バートンとの「クリスタル・サイレンス」。

来日時にキース・ジャレットとモーツァルトのピアノ協奏曲を協演した場面などが思いで深い。

 

そのキース・ジャレットも病に倒れて久しい。

若い頃から聴き親しんだ馴染みの音楽家たちが次々と鬼籍に入っていく。

 

Youtubeはチック・コリア&ゲリー・バートンの「クリスタル・サイレンス」

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2021年2月 9日 (火)

ハーゼルベック、管楽器とオルガンのための音楽

昨日の朝、千本海岸へ行くと白波立つ駿河湾。


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強風のため釣り人の姿も見えず、堤防に走る人もいなかった。

 

今日は一転して穏やかな良い天気。


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静浦漁港から見える富士山はだいぶ雪が風で飛ばされていた。

 

今日は管楽器とオルガンのための作品を聴く。


米ターナバウトのLPでホメリウス、クレプスなど、いずれも18世紀 前半のバロック期から古典派への橋渡し的な 作曲家たちの管楽器とオルガンのために書かれた作品を集めたもの。


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・Wachet Auf, Ruft Uns Die Stimme (Trompete)
      Composed By – Johann Ludwig Krebs


・Nun Freut Euch, Lieben Christen G'Mein (Oboe)
      Composed By – Christian Gotthilf Tag


・O Heil'ger Geist, Kehr Bei Uns Ein (Horn)
      Composed By – Gottfried August Homilius

・Herr Christ, Der Einig Gottes Sohn (Oboe)
      Composed By – Georg Friedrich Kauffmann

・Treuer Gott, Ich Muß Dirklagen (Oboe D'Amore)
      Composed By – Johann Ludwig Krebs

・Komm, Heilger Geist, Herre Gott (Horn)
      Composed By – Gottfried August Homilius


・Wie Schön Leuchtet Der Morgenstern (Oboe)
      Composed By – Georg Friedrich Kauffmann

・Fantasia ä 4 In F-Dur (Oboe)
      Composed By – Johann Ludwig Krebs

・Nun Danket Alle Gott (Horn)
      Composed By – Christian Gotthilf Tag

・Herr Jesu Christ, Meines Lebens Licht (Oboe)
      Composed By – Johann Ludwig Krebs

・In Allen Meinen Taten (Trompete)
      Composed By – Johann Ludwig Krebs

・Partita Iii In D-Moll (Flöte): Allegro - Largo-Vivace
      Composed By – Johann Wilhelm Hertel

      Flute – Helmut Riessberger
      Horn – Friedrich Gabler
      Oboe – Alfred Hertel
      Organ – Franz Haselböck
      Trumpet – Josef Spindler

 

元々地味な存在の作曲家の作品をウィーンの地味な演奏家達が演奏している地味なアルバム。

オルガンを弾いているハーゼルベックは今や指揮者として八面六臂の活躍中。

 

他はアルノンクール率いるウィーンコンチェルトムジクスのメンバーやウィンフォルクスオパーの首席、ウィーン国立音大の教授など。

バッハも引用しているコラール プレリュードをしっとりと聴かせてくれている。

中ではフルートのHelmut Riessbergerの暖かな響きが印象に残った。

 

Youtubeは今話題のハーゼルベックのベートーヴェン、「エロイカ」

 

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2021年2月 8日 (月)

グラフマンのブラームスとプロコフィエフ

昨日は春を思わせるような暖かさで雲一つ無い日曜日。


富士山の雪はだいぶ飛ばされていた。


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明けて今日は一転、寒風吹きすさぶ真冬の月曜日。

アメリカのピアニスト、ゲリー・グラフマンを聴く。


聴いたのはブラームスのピアノ曲。
米コロンビア原盤の国内盤LP.


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・パガニーニの主題による変奏曲 Op.35
・ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ Op.24*

  ゲリー・グラフマン (ピアノ)
  録音:1967年1965年*

グラフマンは現在95才。
ユジャ・ワンラン・ランの師匠として知られる。

かつてグラフマンはレオン・フライシャーとともにアメリカのピアニストのホープのような存在で、共に米コロンビアレーベルにかなりの量の録音を残している。

 

一時期、右手の故障が伝えられてそのうち新しい録音も聞かれなくなった。

その点は同じく右手が故障し左手のピアニストとして名を上げたフライシャーに似ている。

 

このブラームスはグラフマン壮年期の演奏。

ヘンデルバリエーションではカチリとした固い音色と造形の確かさに、古典的なスタイルを好んだブラームスの姿が浮き彫りにされている。

一転してパガニーニは目の覚めるような鮮やかなテクニック。

 

そしてセルと共演したプロコフィエフのピアノ協奏曲第3番を聴く。

こちらも国内盤LP.


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・ピアノ協奏曲第3番ハ長調 Op.26
・ピアノ協奏曲第1番変ニ長調 Op.10
・ピアノソナタ第3番イ短調 Op.28『古い手帳から』*

 ゲリー・グラフマン(ピアノ)
 ジョージ・セル(指揮)
 クリーヴランド管弦楽団

    録音 1966年 1962年*

 

プロコフィエフはこのコンビにピタリの快演。

ピアノがオケのひとつのパートのように聞こえる。

グラフマンの演奏をジョージ・セルが好んでソリストに選んだのがわかるような気がする。

同じスタイルだ。

 

Youtubeはグラフマンの弾くプロコフィエフ、左手のために書かれたピアノ協奏曲第4番

 

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2021年2月 6日 (土)

ドラティのウィンナワルツ集

2月最初の週末。
晴れた日が続き今日は暖か。

今年の初午は2月3日。

この日は朝早く起きて庭のお稲荷さんを祀った。


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コロナ退散と家内安全を願う。

 

ハンガリーの指揮者アンタル・ドラティのシュトラウス、ウィンナワルツを聴く。
手持ちは米マーキュリー原盤の国内盤ペラジャケLP.

ハードオフのジャンクLP棚からの救出品。


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・ワルツ「ウィーンの森の物語」
・皇帝円舞曲
・ワルツ「ウィーン気質」
・ワルツ「南国のばら」
・ワルツ「春の声」
・ワルツ「芸術家の生涯」

 アンタル・ドラティ(指揮)
 ミネアポリス交響楽団

   録音 1956年11月

 

膨大な録音量を誇るドラティ。

シュトラウスファミリーのワルツやポルカも数多く録音していて、曲によっては何度か録音を繰り返している。

 

若い頃のバレェ・リュッスの指揮者時代に作曲したヨハン・シュトラウス二世のワルツやポルカの旋律を集めたバレエ「卒業記念舞踏会」という作品もあって、ミネアポリス響との録音のほか晩年にはウィーンフィル!を振った録音もある。

さらにこの曲にはフィストラーリやマッケラスといったバレェの現場が長かった名指揮者たちの録音も残されていた。

 

マーキュリーにはこのほかロンドン響とのほぼ同内容の再録音もある。

 

ハンガリーはオーストリアの隣の国。

フリッツ・ライナーやジョージ・セルなど、ハンガリー出身の大指揮者の何人かはウィンナワルツの名演を残していた。

ドラティには以上のほかロンドンフィルを振ったJ.シュトラウス集の録音も残されている。

 

最初にミネアポリス響との録音。

 

速いテンポの1拍めにアクセントを置くシンフォニックで鋭角的なワルツ。

「春の声」など幾分ミリタリー調だけれど、今の自分にはこのようなスタイルも嫌いではない。

EQカーヴはNAB。

 

次にロンドンフィルとの再録音。


DECCA録音の国内盤LP、かつて2枚組2千円で出ていたもの。


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1枚はクリップスとクナッパーツブッシュがウィーンフィルを振ったもの。
2枚目はドラティ指揮ロンドンフィルによる演奏。

 

最初この2枚組を入手したときにウィーンフィルとの1枚目に注目。


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ドラティの1枚は、不人気な売り残りを無理やり人気指揮者の録音と合わせ売りしている商法が感じられ、あまり良い気はしなかった。

入手した当時は、ドラティのウィンナワルツなんて誰が聴くの?と思ったのが正直なところ。

 

ミネアポリス盤とだぶっている「ウィーンの森の物語」と「春の声」を聴いてみた。

オケの体質もあって幾分古風な響きがロマンティックな暖かさを感じさせるもの。

テンポの揺れもこちらの方が大きい。

きちりと型を整えながらも適度な遊びもあってこれは良い。

 

「ウィーンの森の物語」の序奏のツィターはミネアポリス盤の方がはるかにうまい。

 

Youtubeはドラティ指揮ロンドンフィルのワルツ「美しく青きドナウ」

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2021年2月 2日 (火)

ジュスキントの「惑星」

本日節分。


昨晩からの強い雨は朝には上がり午後からは晴れ。
気温は上昇、最高気温は19度。

終日強風。

今年は124年ぶりに2月2日が節分。
いつもの年よりも今年は季節の移ろいが早いようだ。

 

昨日今日は休みで、母の通院と最近転びやすくなった母のためにケアマネージャーさんが来訪。

滑り止めの靴や靴下を選んでくださった。

 

LPのEQカーヴに目覚めてから過去に聴いた音源を順次聴き直している。

今日はホルストの「惑星」。

ワルター・ジュスキント指揮セントルイス交響楽の演奏を聴いてみた。


手持ちは70年代発売の日本コロンビアLP.


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・組曲「惑星」

 ワルター・ジュスキント(指揮)
 セントルイス交響楽団
 ミズーリーシンガース

 録音 1974年9月

かつて「惑星」の録音といえば初演者のボールトのほかはストコフスキー、カラヤンあたりが定番の演奏で、長い間イギリス以外の指揮者の録音がなかった。

 

それが70年代に入ってブームのようになって爆発的に録音が増えた。

思いつくだけでも、メータ、オーマンディ、バーンスタイン、ショルティ、プレヴィン、ハイティンク、小澤征爾、マリナーのほか「惑星」のイメージからほど遠いスタインバーク、そしてボールトの5回目の録音など・・・・

 

そのような中でのジュスキント。

このプラハ生まれのベテラン、地味な指揮者に日本コロンビアも売り出しに苦慮したのではなかろうか。

この演奏はVOX原盤、国内では廉価盤で「惑星」の最新録音としていきなり発売された。

 

20年前の自分のコメント記事を見ると録音状態の悪さが影響しているような感じ。
ずいぶんと酷評だ。

 

そこで再び取りだしての聴き直し。

VOXなのでNABあたりかと探ってみるとColumbiaカーヴが良かった。

 

今回再びスコアを見ながら聴いてみて印象が一変した。

録音は細部まで明瞭で響きも豊かな優秀録音。

かつてSACDでも出ていて今では非常な高値が付いている。

 

演奏も端正にして雄大。

最近の演奏に比べるとずいぶんと遅いけれども、ソツの無いテンポ運びとバランスの良いオケの響きはさすが老練。

フォルティシモの中でオケが細部が明瞭にして壮大に鳴りきっているのが見事。

 

火星 では、徐々にテンポを上げながらも息の長いクレシェンドが、じわりじわりと緊張と増し息詰まるような興奮を盛り上げる。

金星のさらりとした甘さが気品を感じさせ「木星」の中間部も感動的だ。

 

豪快な「 天王星」はこの演奏の最大の聞きもの。

スコアを見ながら聴くとホルストの精緻なオーケストレーションが手に取るように再生される。
ティンパニの掛け合いやオルガンのグリッサンドも凄まじい。

 

ジュスキントで今聞ける録音は伴奏録音ばかり。
ほとんど忘れ去られているジュスキントだがこれは知られざる名演だ。

 

Youtubeはジュスキント指揮のコープランド「アパラチアの春」

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