カテゴリー「音盤視聴記録」の記事

2024年9月13日 (金)

シュヒター指揮N響の放送録音

お彼岸間近だというのに連日の30度越え。

猛暑日となった地域もあり未だ夏。

ちょうど10年前の今日、亡き父の法事の時にはヒガンバナが咲いていた。


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今年はヒガンバナ本体もまだ見かけない。。

 

一昨日の夕方、我が家2階からの美しき夕暮れ。


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南西の空には金星が見えた。

 

N響の常任指揮者だったウィルヘルム・シュヒターの演奏。
N響を指揮したドヴォルザークを中心としたCD2枚組。


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CD1
1. ドヴォルザーク:交響曲 第9番 ホ短調 Op.95「新世界より」
2. レスピーギ:交響詩「ローマの松」

CD2
1. ドヴォルザーク:交響曲 第8番 ト長調 Op.88
2. スメタナ:交響詩「モルダウ」
3. ドヴォルザーク:スラヴ舞曲 第10番 ホ短調 Op.72の2

 ウィルヘルム・シュヒター(指揮)
 NHK交響楽団

 録音 :
CD1;1959年3月21日, 8月7日 NHKホール(ライヴ、ステレオ)
CD2;1959年 NHKホール(ライヴ、モノラル)

シュヒターは1957年のベルリンフィルの来日時には、カラヤンに同行しベルリンフィルを指揮している。
最後はドルトムント歌劇場の音楽監督。

N響の常任指揮者としてN響を徹底的にしごいた名トレーナー。

録音はモノラル期に通俗名曲の録音が数多くあったものの今では全く忘れ去られている。

 

N響常任時代のシュヒターは、徹底した鬼のような練習でしごきにしごき、楽団員の3分の1が入れ替わったとの話もある。

放送用録音の収録の際は、楽員がうんざりするほど同じ箇所を何度も何度も繰り返し演奏させ、その中から出来の良い部分のみを編集して放送するといった徹底ぶり。
だが放送された演奏は、当時のN響団員がN響とは思えない素晴らしさだったとのコメントを残している。

(このエピソードは「それゆけ!オーケストラ」石丸寛 著に詳しい)

CD1はステレオ録音で旧NHKホールでの常任指揮者就任直前の聴衆を入れたライヴ。

CD2は放送用録音。

正直なところ水準の高さに驚いた。

シュヒターのトレーニングがいかに凄かったかが如実にわかる演奏。

前任者の同じウイルヘルム、ウイルヘルム・ロイブナーのゆるい演奏と比べるととても同じオケとは思えない。

 

「新世界より」は厳しさの中にロマンティックに歌わせた演奏で、ウォームなオケの響きと力強さもあってなかなかの演奏だと思う。

ただ第4楽章で金管群にほころびが散見されるのは、当時のN響の限界かもしれない。

第2楽章の中間部で1番、2番ホルンがミュートで演奏する部分でなぜかミュートなしで演奏していた。

「ローマの松」は緻密にしてオケを雄大に鳴らした「新世界より」以上の世界水準の名演。

2曲ともステレオ録音なのがありがたい。

 

CD2はモノラルの放送用録音、おそらくテープ回しっぱなしの何度も同じ所を繰り返し演奏させ良い箇所を取りだして編集済みの放送録音。

完成度の高さは驚異的。

細かなフレーズでの各楽器のバランスが完璧、オケの歌わせ方のうまさなどCD1の2曲以上の水準。


「モルダウ」の中間部の独特のテンポの揺れも面白い。

ただ全体に重い印象なのはシュヒターの指揮に責任があるのかもしれない。

 

Youtubeはシュヒター指揮N響のブラームス、ハンガリー舞曲第5番

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2024年9月 8日 (日)

ヘレヴェッヘのブルックナー、宗教音楽曲集

日曜日、再びの猛暑で熱中症厳重警戒。

昨日から伸び放題となっていた畑の耕作放棄部分の雑草の草刈り。

草刈り機のバッテリーが古くてすぐに切れてしまう。
結局刈残しが出てしまって、再度仕切り直し。

畑のミカン。


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今年は当たり年かもしれない。

実りすぎなので摘果しないと・・・・

 

今年生誕200年を迎えたブルックナー。

今日は定番の交響曲ではなくて宗教曲を聴いた。


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・エクアーレ第1番 ハ短調 WAB 114
・アヴェ・マリア -
・キリストはおのれを低くして WAB 11
・正しき者の唇は知恵を語る WAB 30
・エクアーレ第2番 ハ短調 WAB 149
・この場所は神が作り給う WAB 23
・王の旗は翻る WAB 51
・ミサ曲第2番 ホ短調 WAB 27

  フィリップ・ヘレヴェッヘ(指揮)
  ラ・シャペル・ロワイヤル
  コレギウム・ヴォカーレ
  アンサンブル・ミュジーク・オブリク

     録音1989年

3本のトロンボーンのためのエクアーレと無伴奏のモテット集。

そして管楽器オーケストラの伴奏によるミサ曲第2番。

 

オランダの指揮者ヘレヴェッヘは古楽器系の指揮者。

ヘレヴェッヘは2001年の来日時にロイヤルフランダースフィルとの実演を三島で聴いている。

プログラムはマーラーの「子供の不思議な角笛」とブルックナーの交響曲第7番だった。
メゾソプラノはブリッタ・シュワルツにバリトンはヨッヘン・クッファー。

この年の別の日の東京と大阪ではブルックナー「交響曲第9番」の4楽章補筆完成版を演奏している。

この時早めに会場に到着してしまったので近くのコンビニで時間調整をしていたら、
ヘレヴェッヘが店に入ってきて三角サンドイッチを買っていった・・・

そんなことはよく覚えている。

 

三島でのオケは対向配置、バスチューバが一人金管群から離れて左側のコントラバスの横に鎮座していた。


この配置ではブルックナーのワーグナーチューバとホルンとの荘重なコラールがさぞ合わせにくかろうと思っていたら第2楽章直前にチューバ奏者がノコノコと右側に移動していた。

演奏は速いテンポ、カロリー低めで見通しの良い透明な響きの清らかなブルックナーだったと記憶している。

この数年前に同じ曲をヨッフム指揮コンセルトヘボウで聴いているけれど、全く別の曲のように聞こえた。

そしてこの宗教曲集の演奏。

 

混じりけのない美しい響きが宗教的な合唱曲にはよく合っていると思う。

クリーンな雰囲気の品の良さもあり心地よい感動を誘う名演だ。

 

Youtubeはブルックナーのエクアーレ

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2024年9月 3日 (火)

ブクステフーデのパッサカリア ニ短調 BuxWV 161

9月に入り吹く風に微かに秋の気配。

明け方にかなりの雨が降って家の床下に湧水。

我が家のある場所は海岸から数キロ離れてはいるけれど、古くは海岸線が近くまで迫っていた。

近所の農家が田を掘り起こしたら大量の水草と一緒に古代の漁撈用の石の錘がたくさん出たという。

 

数年前に庭の地面を掘ったところ粘土層が現れた。

粘土層は水を吸収しにくいので、許容量を超える雨が降ると雨水が地下に浸透しきれずに噴出するのだろう。

ここ数日で上流の天城山系では千ミリ近い雨が降っている。

地球温暖化と異常気象は想像を超えた速さで進行中。

 

 

しばらく前から、枕頭にCDラジカセを置いてバッハなどの器楽曲を聴きながら寝付くのが習慣になっている。

だいたい最後まで聞かずに寝落ち。

ひととおりバッハの曲を一巡して巡り着いたのがブクステフーデ。

ここ数日バッハに大きな影響を与えた音楽家ブクステフーデのオルガン曲集を聴いている。

 

ドイツから出ていた廉価盤CDシリーズ、クアドロマニアのCD4枚組

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ブクステフーデ:オルガン作品集
CD1『待降節~クリスマス』(全15曲)
CD2『四旬節~受胎告知』(全15曲)
CD3『受難~復活祭』(全14曲)
CD4『聖霊降臨祭~三位一体』(全16曲)

  ウルリク・スパング=ハンセン (オルガン)

 CD1:1990年デジタル録音 デンマーク、プレステー教会のルンド・オルガン
 CD2:1992年デジタル録音 ドイツ、ノルデンのシュニットガー・オルガン
 CD3:1991年デジタル録音 フランス、ヴィシーのオーベリアン・オルガン
 CD4:1993年デジタル録音 デンマーク、ロスキルデ大聖堂のラファエルス・オルガン

 

これはCD6枚として出ていたスパング=ハンセンのブクステフーデのオルガン作品全集からの4枚組。

それぞれのCDのタイトルの中に十数曲のコラール前奏曲を含んでいる。

 

質朴にして控えめな音楽でありながら、バッハとはまた異なる深遠な世界を誘ってくれるブクステフーデの音楽。

ブクステフーデのオルガン曲はVOXから出ていたヴァルター・クラフトの全集が愛聴盤だが、このスパング=ハンセン盤も良い。
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1枚目のCDでは演奏の最中に小鳥の囀りのような音が聞こえる。はて???

 

2枚目の4曲目が「パッサカリア ニ短調 BuxWV 161

ヘルマン・ヘッセの名作「デミアン」にも紹介されている名曲だ。

 

同じフレーズを低音部が永遠に続くかのように繰り返される。

バッハの偉大なオルガン曲「パッサカリア」に大きな影響を与えたであろう巨大な音楽がここでも聴くことができる。

素晴らしい曲。

 

Youtubeはブクステフーデのパッサカリアニ短調、ピアノ版

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2024年9月 1日 (日)

ジョン・ヴィンセントの交響曲

今日から9月、台風は紀伊半島沖でほとんど停止その後熱帯低気圧に。


日曜朝の狩野川の様子。


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朝は晴れていたけれど大雨警報解除されぬまま、本日の地域防災訓練は中止となった。

昼前には突然の地震。


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震源地は山梨県の富士五湖周辺でM4.3。

 

20世紀アメリカの作曲家Johon Vincent(1902-1977)の作品をオーマンディ指揮のフィラデルフィア管弦楽団で聴く。

米ColumbiaのLPで手持ちはモノラルだがステレオバージョンも存在する。


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・交響詩「デカルトに」
 Part I - Introduction:

      Cogito, Ergo Sum(我思う、ゆえに我有り)
     ; Intuitions; Vortex; Meditations
 Part II - Folium Passacaglia;

      Exaltation; Contemplation; Finale

・交響曲 ニ長調 「祝祭的な楽章」*

 ユージン・オーマンディ(指揮)
  フィラデルフィア管弦楽団
   録音:1959年4月1日、1957年4月17日*

ヴィンセントはイギリスのウォルトンやフランスのデュリュフレと同年生まれ。

アメリカではコープランドとほぼ同世代の作曲家。
ウォルター・ピストンとナディア・ブーランジェに作曲を学んでいる。

この音盤は、昨年お茶の水ディスクユニオンでの購入

この時、大ピアニストで初代ポーランド首相パデレフスキの交響曲「ポーランド」やロバート・ラッセル・ベネットの交響曲。

史上最大編成にして最長の交響曲と言われるブライアンの交響曲第1番などのマイナーな交響曲作品の演奏が大量に安く出ていて、ほとんど名のみ知っていて実際には聴いたことがない作品ばかりだったのでせっせと買い込んだ。

ヴィンセントは未知の作曲家だったけれど、オーマンディならば悪く無かろうとほんの軽い気持ちで購入したもの。

結果は大当たり。

交響詩は思わず構えてしまいそうな難し気なタイトルだけれど、鳴っている音楽はさほど難解には感じられない。

同時代のアメリカの作曲家のサミュエル・バーバーウイリアム・シューマンにも通じるモダンで垢ぬけたスタイル。

 

なかでも交響曲が祝祭的な雰囲気に満ち、近代オーケストラのヴィルトゥオジティを極限まで要求するような華やかで魅力満載の曲だった。

演奏はフィラデルフィア管の威力全開のパワフルで圧倒的な音響世界が目の前に広がる。

 

Youtubeはジョン・ヴィンセントの交響曲ニ長調

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2024年8月31日 (土)

カルロス・クライバーの「エレクトラ」

昨日は終日大雨警報。

明けて8月最終の土曜日は朝から青空の晴れ模様。
されど大雨警戒レベルは3のまま。

台風10号は四国のあたりでほとんど停滞しながらも、遠く東北北海道までも大雨を降らせている。


コロナ感染は癒えたけれど後遺症なんだろうか、咳ががなかなか止まらず今週木曜のオケの練習は休んでしまった。

東京から来る予定の鈴木衛先生は、新幹線が台風の影響で止まって、来ることが出来なかったとのこと。


腰痛も収まらずいろいろYoutubeの記事を見ながらストレッチなどをしていたら、記事の中に安静だけではなく動くことも大切とあったので午前中に畑の草取りをしてみたら不思議と腰の痛みが和らいだ。

しばらくこのスタイルで過ごしてみよう。


車載カーナビ搭載のCDプレーヤーの調子が悪くてCDが入ったまま出てこなくなった。

ちょうどカルロス・クライバー指揮するR.シュトラウスのオペラ「エレクトラ」が入っていて、同じCDを車の中で何度も聴くことに。
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楽劇 「エレクトラ」全曲  :R.シュトラウス

 イングリット・シュテーガー
 マルタ・メードル 
 ヴォルフガング・ヴィントガッセン ほか

 カルロス・クライバー(指揮)
 シュトゥットガルト国立歌劇場管弦楽団、合唱団
    録音1971年6月 ライヴ

良い演奏だけれどさすがに飽きてきたので、イジェクトボタンを何回も押し続けたらようやく出てきた。

10年近く使っているカーナビはデーターも古いので、代わりのものをネットで探したらCD付きのカーナビが少ないのに気が付いた。

結局安い外国製CDプレーヤーを買って、今のカーナビにBluetooth で接続することに。

数日調子良く使っていたけれど連日の猛暑。

CDプレーヤーの液晶が車内の猛烈な暑さでおかしくなって、表示されなくなってしまった。

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2024年8月28日 (水)

芥川也寸志の「交響管弦楽のための音楽」

くもり時々雨。
鈍足台風は発達しながらまもなく九州に上陸の気配。

台風の影響で県西部はかなりの雨。

コロナ感染後5日を過ぎ熱は下がれども咳は止まらず、なんとなく怠さも抜けない。

今は2日前から発症した腰痛も辛い。

今月の24日はアマオケのOrchestra da Vinchのコンサートへ行く予定で、チケットも購入してあった。

プログラムは、「シンフォニア・タプカーラ」を中プロに、芥川也寸志の「交響管弦楽のための音楽」、メインがショスタコーヴィッチの交響曲第8番という非常に意欲的なプログラム。

残念ながらコロナに罹ってチケットを流してしまった。

 

今日は芥川也寸志の「交響管弦楽のための音楽」と「弦楽のためのトリプティク」を聴く。
東芝EMIから出ていたLPで、黛敏郎の「バカナール」ほかのカップリング

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・交響管弦楽曲のための音楽
・弦楽のための三章

  森正指揮
  東京交響楽団
 
   録音 1961年

スパッと割り切ったリズムの冴えと十分鳴り切ったオケ。
録音も非常に鮮明。

この時期の日本のオケ録音の中でも傑出した演奏だと思う。

 

Youtubeは交響管弦楽のための音楽

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2024年8月26日 (月)

熱は下がりいろいろと聴き始めました。ギボンズの教会音樂集など

台風は列島を九州から縦断するかのような進路で接近中。

キッチンの窓の外にはヤモリの姿。


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実はこの下にもう一匹います。

 

8月終わり近くになってとうとうコロナウイルスに感染。

最近なんとなく気が緩みマスクを外す機会が増えていた。

最初は鼻水から始まったので、クーラーが原因の典型的な夏風邪だと思っていたら水曜の晩に熱が急に出た。38度。

いつ処方されたか不明の古いロキソニンを服用したら熱は下がり、そのまま治ると思いながら翌日軽い気持ちで病院に行ったらコロナの判定。

 

病院に行った日の木曜午後から再び熱が出て、体のだるさの程度が今まで経験した風邪やインフルエンザとも異なることを実感。

その日は職場とオケに連絡をしたくらいの記憶しかなくほとんど寝ていた。

処方された薬はカロナールを含み4種類。

カロナールは今回あまり効かないようだったので、金曜からはカロナールに替えてロキソニンと胃薬と処方された残りの3種類を服用していた。

金曜には熱は落ち着いたけれど今度は腰痛が始まってしまって今では腰の方が辛い。

 

音楽は土曜から聴きはじめている。

外出できず時間があるのでオペラやマーラーあたりを聴きたいところだけれど、重いセットを探し回るのも億劫なので結局目についたLPを中心に聴きはじめた。

 

以下備忘録として。


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・「カルミナ・ブラーナ」 :オルフ
  小沢征爾(指揮)
  ボストン交響楽団

  ニューイングランド音楽院合唱団  


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・無伴奏合唱曲集  :チャイコフスキー
 アレクサンダー・スヴェシニコフ(指揮)
 アカデミー・ロシア合唱団


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・歌曲集「白鳥の歌」全曲  :シューベルト

 エルンスト・ヘフリガー(テノール)
 イエルク・デーラー(ピアノフォルテ)

 

・日本の吹奏楽 1978年 大学一般職場編


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・日本の吹奏楽 1986年 高校編


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・モテット「踊れ、喜べ、幸いなる魂よ」K.156 :モーツアルト
 交響曲 ヘ長調 K.75     :モーツアルト
 室内カンタータ「オルフェオ」(世界初録音) :ペルゴレージ

 白井光子(ソプラノ)
 ハンス・コッペンブルク(指揮)
 フランクフルト室内管  (1977年1月 ヘッセン放送録音)

 カメラータ・トウキョウのLP

 


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・組曲「水上の音楽」     :ヘンデル
 組曲「王宮の花火の音楽

 アウグスト・ヴェンツインガー(指揮)

 バーゼル・スコラ・カントウルム


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・ハイドンの主題による変奏曲    :ブラームス
 交響詩「テイル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」 :R.シュトラウス

 ジョルシュ・ジョルジュスク(指揮)
 ジョルジュ・エネスコフィル


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・大序曲「1812年」     :チャイコフスキー
 弦楽セレナーデからワルツ :チャイコフスキー
 序曲「謝肉祭」      :ドヴォルザーク
 「真夏の夜の夢」からスケルツオ :メンデルスゾーン
 歌劇「椿姫」間奏曲    :ヴェルディ
 歌劇売られた花嫁」からポルカ :スメタナ
 

 ジョージ・ウェルドン(指揮)
 フィルハーモニア管
 ロイヤル・マリーンズバンド


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・ハンガリー詩編       :コダーイ
 詩編交響曲         :ストラヴィンスキー*

 イーゴリ・マルケヴィッチ(指揮)
 ソビエト国立響、モスクワフィル*
 アカデミーロシア合唱団


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・交響曲第5番変ホ長調  :シベリウス

 ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)
 フィルハーモニア管

 

・ピアノ協奏曲 嬰ヘ短調   :リムスキー=コルサコフ
 ピアノ協奏曲 嬰ヘ短調   :スクリャービン*

 ミヒャエル・ポンテイ(ピアノ)
 リチャード・カップ(指揮)
 ハンス・ドレヴァンツ(指揮)*
 ハンブルク響

 

・交響曲第1番 変ホ短調   :エネスコ
 ミハイ・ブラデショウ(指揮)
 ジョルジュ・エネスコフィル

 

・弦楽四重奏曲第16番 変ホ長調 K.428 :モーツァルト
 弦楽四重奏曲第17番 変ロ長調「狩り」K.458
 バルトーク弦楽四重奏団


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・ギボンズ教会音楽集    :ギボンズ
 デヴィッド・ウルスタン(指揮)
 オクセンフォード・クラークス


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・ヴァイオリン協奏曲 ニ長調  ベートーヴェン

 ヘンリク・シェリング(ヴァイオリン)
 ピエール・ティボー(指揮)
 パリ音楽院管弦楽団


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・交響曲第3番 変ホ長調 「英雄」  :ベートーヴェン
 

 ハンス・クナッパーツブッシュ(指揮) 
 ミュンヘンフィル
 1952年 ミュンヘンライヴ
 (標記はバイエルン放送響で1950年録音となっている)

 

・交響曲第3番 変ホ長調 「英雄」  :ベートーヴェン
 ハンス・クナッパーツブッシュ(指揮) 
 ウィーンフィル

 1962年ザルツブルクライヴ

 

以上すべてLP

それぞれの盤について、いろいろな面白い発見があったりして楽しんでいた。

なぜか声楽関係が多くなった。

心が洗われるようなギボンズの聖歌集やペルゴレージのカンタータは、落ちついた深い感動に誘う名曲。

演奏も非常に良い。

ニキシュ時代のゲヴァントハウス管の副指揮者だったルーマニアの巨匠ジョルジュスクの演奏では、とりわけ直接深い親交のあったシュトラウスが緻密にして壮大、時にユーモアも感じさせる大変な名演奏。

巨大なスケールで聴かせるウエルドンの「1812年」は、グリーグの清楚な演奏で慣れ親しんでいた指揮者だけに意外な一面を感じさせるもの。

ピリピリするような緊張感に満ちたマルケヴィッチのコダーイ。

派手なファンファーレで始まるエネスコの交響曲は、若書き故のとりとめのなさが延々と続く曲。

 

若き日のシェリングが聴かせる瑞々しいベートーヴェンでは、冒頭木管楽器の色気あるカラフルな響きに思わず仰け反る。

カデンツァは第一楽章はヨアヒム、第2、3楽章はカール・フレッシュとの情報はあるけれど、第一楽章のヨアヒムのカデンツァは一般に弾かれているヨアヒムのものとは異なるようだ。

 

そして巨大な造形の中に不思議な静けさを感じさせるクナッパツブッシュの2つのエロイカ。

ミュンヘン盤はLPにはバイエルン放送響との標記があるがこれは誤り。

ウィーン盤はクナが聴衆の拍手が止む前に指揮を始めてしまっているため、冒頭の和音に拍手が被っている。

Youtubeはギボンズの「Drop,drop,slow tears」

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2024年8月20日 (火)

フランソワのドビュッシー、「ピアノのために」新旧聴き比べ

お盆も過ぎて孫たちはそれぞれ帰っていった。

ほっとするやら寂しいやら。

昨日関東地方で激しい雷雨。

埼玉にいる娘からは、カミナリの音で怯えて泣き叫ぶ孫娘の映像が送られてきた。

 

こちら沼津では遠雷と微かな雷の音。

遠く伊豆半島の中央部で雨が降っている。

南の夜空に電光。

そのうち深夜に沼津に大雨警報が突然出た。

ネットで知って外を見ると雨は全然降っていない。
どうやら沼津の西部のみの狭い区域に集中的に降ったようだ。


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日曜は孫たちを連れて天城の東京ラスク伊豆ファクトリーに行っていた。

沼津アルプストンネルと伊豆縦貫道が整備されて自宅から車で30分余り。
以前は一時間近くの行程。


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今年の5月から880円で4種のジェラート食べ放題。

ラスクと各種ナッツとソースのトッピングも自由。
コーヒーその他軽いドリンクも飲み放題。

駐車場は県外ナンバーの車が多かったけれど余り認知されていないのか、さほど混んではいない。

幼児が楽しめるキッズルームもあり、ほとんど貸し切り状態なので孫たちは大喜び。

 

サンソン・フランソワのドビュッシー。

フランソワの未完となったドビュッシー・ピアノ曲全集録音プロジェクトからセレクトされた国内盤LP.


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・組曲「子供の領分」 
・版画  
・「ベルガマスク」組曲 
・ピアノのために  

    サンソン・フランソワ(ピアノ)
 
    録音 1968~1969年、パリ、サル・ワグラム、
       1969年5月27、28日 
       モンテカルロ、サル・ドゥ・ラルカザール(版画のみ)

数年前に、日本を代表する調律師だった瀬川宏さんからフランソワの豪華客船でのクルージングコンサートに調律師として同行された時の話を伺ったときから、なんとなくフランソワが身近な存在に感じている。

フランソワ独特の予想もつかない音楽のユレや、粋で洒落た雰囲気が漂う素敵なドビュッシー。

LPやCDで何度も聴いている演奏で、長らく歴史に残る名演だとは思うけれども、聴いていて曲によって演奏のムラが気になった。

テクニックは微妙なところだけれど、時に出現する力が抜けたような軽く流す瞬間がほんの僅かの緊張感の弛緩を誘って、曲によっては焦りにも似た曲と格闘しているような息苦しさを感じさせる時があると思う。

最初特に「ピアノのために」の終曲トッカータにその点を感じていた。

 

フランソワは「ピアノのために」をステレオで2回録音している。

旧録音は全集録音とは別の1961年録音。


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こちらは東芝のセラフィムの廉価盤LP (EAC-30060)で出ていて、全集録音とは別のドビュッシーのピアノ曲集。

私はドビュッシーのピアノ曲の面白さをこのLPで知った。

いわば刷り込み。

 

あらためて「ピアノのために」の新旧録音を聴き比べてみた。

自由奔放なファンタジーを感じさせる旧録音に対して、再録音ではひとつひとつの音符に意味があるような陰影の深さのある密度の濃い表現。

最初再録音を聴いた時に感じた息苦しさは、旧録音を聴いた後で聴きなおすとなぜか失せていた。

不思議なことだ。

演奏の度にその時その場のインスピレーションで表現を変えていった、まさに天才のお仕事。

 

Youtubeはフランソワの弾く「ベルガマスク」組曲

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2024年8月18日 (日)

ハワード・ミッチェルの「Adventures In Music」日本版

台風が去った土曜日の朝。


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この日も熱い一日になった。


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孫達が来ていて日の大部分は世話で追われている。

 

ハワード・ミッチェルの「Adventures In Music」日本版

3年ほど前にハードオフのジャンクコーナーで第1集と第2集を見つけて救出したアルバム。

気になって第2集(SRA2062)の再聴。

 

ハワード・ミッチェルはアメリカの指揮者

 

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・組曲「ハーリ・ヤーノシュ」王の入場、音楽時計 :コダーイ
・組曲「イタリアの印象」からロバに乗って    :シャルパンティエ
・カイピラの小さな汽車             :ヒナステラ
・組曲「展覧会の絵」から殻を付けた雛の踊り   :ムソルグスキー ラヴェル編
・組曲「動物の謝肉祭」~白鳥          :サン・サーンス
・組曲「物語」から白い小さなろば        :イベール
・組曲「ローマの松」ボルゲーゼ荘の松      :レスピーギ
・花のある庭                  :ティラー
・組曲「ハンガリアンスケッチ」村の夕暮れ    :バルトーク
・組曲「死の谷」~砂漠の水           :グローフェ
・雪がおどっている               :ドビュッシー
・交響詩「海」から波のたわむれ         :ドビュッシー

  ハワード・ミッチェル(指揮)
  ワシントン・ナショナル交響楽団

これはアメリカでは12枚のLPシリーズとして発売されたもので、クラシックの名曲から細切れながら非常に幅広い範囲でセレクト。


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中でもマクダウェルやメノッティ、ハンソンなどアメリカの近現代の作曲家たちの作品を数多く取り上げているのが特徴だ。

日本では第1集の内容はアメリカ版そのままで第2集の曲は日本独自のセレクト。

日本で第3集以降が出ていたのかはわからない。

演奏は高い水準で均一、ミッチェルの職人的な手際の良さが感じられるもの。

バルトークとグローフェはなかなかの名演。

原曲がピアノ曲のイベールとドビュッシーの「雪が踊っている」も幻想的な雰囲気が良く出ている。

なお編曲者の記載はない。

 

Youtubeはバルトークの「ハンガリアン・スケッチ」

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2024年8月15日 (木)

スクロヴァチェフスキーのショスタコーヴィチ、交響曲第5番

お盆です。
庭に突然咲いた百合の花。


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最初日本原産のテッポウユリかと思っていたら、テッポウユリは6月に咲くはず。

調べてみたら、この時期に咲くのは種で増える台湾原産のタカサゴユリか、タカサゴユリとテッポウユリの交配種シンテッポウユリ。

 

野鳥が種を運んできたようだ。

蒼い空に見えるスジ雲は秋の雲。

 

孫達が帰省してきて賑やかだ。
昨日は午後に母の面会、久しぶりにひ孫達に会った母は非常に喜んでいた。

夜は弟夫婦もやってきて4家族でバーベキューの一夜。

翌日に健康診断を控えているので酒は控えめにしていた。

 

大型の台風7号が接近中。

 

 

もうひとつショスタコーヴィチ。

スクロヴァチェフスキー指揮のハレ管弦楽団を英IMPのCDで。


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・交響曲第5番 ニ短調

 スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指揮)
 ハレ管弦楽団

  録音 1990年

こちらも個性的な演奏。


スクロヴァチェフスキーはミネソタ響(当時はミネアポリス響)と読響を振った録音もある。

ミネアポリス響の演奏はオケの響きが薄い干し物のような演奏だった。

 

このハレ管との演奏も枯れた雰囲気は共通。

澄み切った叙情の中にも切れ味鋭いナイフの薄い刃先がぐいぐいと迫ってくるような緊迫感があって、いたずらに効果を狙わない渋くも辛口の演奏。

第1楽章中間部のクライマックスでトランペットパートが突然落ちるのはスクロヴァチェフスキーの指示なんだろうか。

 

スクロヴァチェフスキーではミネソタ響時代のラヴェルの管弦楽曲全集が思い出深い。

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モダンで洗練、明晰にして切れ味鋭いリズム感も印象的な名演だった。

「古風なメヌエット」はこれ以上の演奏を知らない。

 

Youtubeはスクロヴァチェフスキーのボレロ

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