カテゴリー「音盤視聴記録」の記事

2022年12月 4日 (日)

モーツァルト父子の曲をネヴィル・マリナーで聴く

12月。晴れのち曇り。

土曜の夕刻,狩野川からの富士山。


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冬の姿になりました。

 

今日は親戚の法事があり、昨日から二人の娘夫婦が我が家に宿泊。

昨晩は若い婿殿二人とスコッチウィスキー3種を飲み比べながらの楽しい時間。

その横をカタコトの言葉を発し始めた孫が走り回っている。

 

今日は法事の終了後、佐野美術館敷地内の「せせらぎ亭」で和風懐石。

食事の後は三島大社に皆で参拝。

 

娘達は夕方には帰っていった・・・・

 

祭のあとのような寂しさの中、夕食は家内と二人。

 

 

昭和初期のマッチ箱のコレクションが身内の家に伝わっている。


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その数およそ千枚ほど。

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美しく3冊のアルバムに整理されて状態も非常に良い。


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とても90年以上の年月を経たとは思えない鮮やかさだ。

ほぼ全国を網羅しているけれど、地元沼津のカフェや料理屋、映画館などのマッチ箱が多数含まれているのが貴重。

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昨日懇意にしている市内の歴史研究団体の役員さん達に見せたら一同大興奮。

役員さん達はいずれも数十年歴史を研究してきた手練れの郷土史家の人々。

 

このまま埋もれてしまうのも惜しいので、なんらかの形で紹介したいと思う。

 

今日はマリナーのモーツァルトそのほか。
手持ちは阿蘭陀フィリップスのLP.

同じ内容のCDも出ていた。

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1.セレナード第13番ト長調K.525「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
2.アダージョとフーガ ハ短調K.546
3.カノンとジーグ            :モーツァルト
4.カッサシオント長調          :レオポルド・モーツァルト

サー・ネヴィル・マリナー(指揮)
アカデミー・オブ・セントマーティン・イン・ザ・フィールズ

録音1984年1月、11月 ロンドン

 

パッヘルベルはカノンの中間部にジーグを配した個性的なもの。

レオポルド・モーツァルトの曲は、中間部のいくつかの楽章がいわゆる「おもちゃの交響曲」と同じ曲になっていて、かつて「おもちゃの交響曲」の作曲者がレオポルド・モーツァルトとされた根拠となった曲。

今ではこの曲はオーストリア、チロル地方の作曲家エドムンド・アンゲラーの作ということで落ち着いている。

 

キリリと引き締まったアンサンブルに格調高く歌い上げていて、いわゆる「おもちゃの交響曲」も聴いていて気持ちが良い。

ウィンドマシンらしきものの音が聞こえたり、カッコウの音が調子っぱずれなのがなんとも剽軽だ。

録音も美しく遊び心の中に最上のモーツァルトを聴くことができる。

4年前にもこの盤は聴いていた。

 

Youtubeはこのマリナーの演奏で「カッサシオン」第3楽章

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2022年11月29日 (火)

ハワード・ミッチェルのラヴェル

11月最後の週は雨模様。

夜遅くに風雨強し、なぜか風は暖かい。

ワールドカップサッカーは初戦ドイツ戦での勝利で大いに盛り上がったものの第二戦に苦杯を喫し、ドイツはスペイン戦を引き分けに持ち込み混戦模様。

いよいよ先が見えなくなってきた。

サッカーは点が入りにくい競技なだけに、実力が均衡しているワールドカップでは試合をやってみなければわからない。

 

昨日オフで母を胃腸科クリニックに連れて行ったりしていた。

そして先日植木屋に頼んで伐採した柿の老木の跡に散乱している柿の葉の後始末。

自分が子供のころから馴染んだ柿の木だっただけに名残り惜しかったけれど、大きくなりすぎて付近の電線に枝が接触してきたのと、ここ数年はほとんど実を付けなくなっていた。

不思議なことに今年は今まで経験しなかったような沢山の実を付けた。

しかもその実ひとつひとつが蕩けるように甘かった。
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植物にも感情があるのだろうか。

切らないように懇願しているかのように思えたけれど毎年の落ち葉の量がものすごかったのと、その木の種から育ったもう一本の柿の木があるので先週お別れすることにした。

 

本日出勤

オフィス近くのハンバーグ専門店「とんちんかん」で昼食。
ハンバーグだけでも20種を超えるバラエティに富んだメニューで、何年も前から通っている店だけれど未だに全部を食べきれていない。

今日は「焼肉風ハンバーグ」。


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焼肉の下にハンバーグが隠れている。

 

アメリカの指揮者、ハワード・ミッチェル(1911-1988)。

聴いたのは日本ビクターが出した幼い子向けのクラシック音楽の紹介LP。

「名曲、絵とお話から」(日本ビクター SRA2064)

昨年末に地元のハードオフジャンクコーナーからの救出品。

米RCA盤のタイトルは「For the Young in Heart / Music to Tell a Story By」

この時同じシリーズのLPをもう一枚ゲットしている。(SRA2062)

 

ミッチェルはアメリカのメジャーオケ、ワシントン・ナショナル交響楽団の首席指揮者だった。(1949-1969)

ナショナル響はミッチェルのあとのアンタル・ドラティの時代に飛躍的に進歩したので、ミッチェル時代のナショナル響は低迷していた時代と言われる。録音も少ない。

 

手持ちでは、この2枚のほかはショスタコーヴィチの交響曲第5番とポール・クレストンの交響曲第2番その他くらい。

正直なところあまり印象に残っていない。


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ミッチェルはナショナル響の首席指揮者時代に、子ども向けのコンサートを積極的に開いてクラシック音楽の啓蒙とアメリカの作曲家たちの作品の紹介に力を注いていた。

このレコードも同じ目的で製作されたものだろう。

内容がちょっと凝っていて、いわゆる子ども向け名曲コンサートのアルバムとは一線を画す。

 

チャイコフスキーの「眠りの森の美女」のほか、アメリカの作曲家マクダウェルやコープランドなどがさりげなく入れてあったりする。


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・バレー「眠りの森の美女」から長靴をはいた猫、白い猫、ワルツ :チャイコフスキー
・組曲「インディアン」から戦いのときに  :マクダウェル
・組曲「マメールロア」からパゴダの女王レドロネット、美女と野獣の会話 :ラヴェル
・組曲「ペール・ギュント」から山の魔王の宮殿にて :グリーグ
・組曲「火の鳥」からカッチェイの踊り       :ストラヴィンスキー
・組曲「ビリーザキッド」から国境の町の街道で   :コープランド
・交響詩「中央アジアの草原にて」         :ボロディン
・歌劇「ヘンゼルとグレーテル」序曲        :フンパーディンク

  ハワード・ミッチェル(指揮)
  ナショナル交響楽団

 

演奏は正直なところあまり期待していなかったけれど、曲によっては大当たりもあった。

中でもラヴェルは特大ホールラン級の名演。

儚く繊細でいながら色彩も豊か。

音楽の流れも自然で、これは全曲を残して欲しかった。

ミッチェルのラヴェルでは私家盤の非売品で「ダフニスとクロエ」第2組曲のライヴもあり是非聴いてみたいもの。

マクダウェルもリズムも鮮やかな名演だ。

 

入手したもう1枚SRA2062の内容はより一層凝っていて

・組曲「ハーリ・ヤーノシュ」王の入場、音楽時計 :コダーイ
・組曲「イタリアの印象」からロバに乗って    :シャルパンティエ
・カイピラの小さな汽車             :ヒナステラ
・組曲「展覧会の絵」から殻を付けた雛の踊り   :ムソルグスキー ラヴェル編
・組曲「動物の謝肉祭」~白鳥          :サン・サーンス
・組曲「物語」から白い小さなろば        :イベール
・組曲「ローマの松」ボルゲーゼ荘の松      :レスピーギ
・花のある庭                  :ティラー
・組曲「ハンガリアンスケッチ」村の夕暮れ    :バルトーク
・組曲「死の谷」~砂漠の水           :グローフェ
・雪がおどっている               :ドビュッシー
・交響詩「海」から波のたわむれ         :ドビュッシー

イベールとドビュッシーの1曲は原曲がピアノ曲だが編曲者のクレジットはない。

 

実はこのSRA2062の内容は日本独自の企画らしい。

米RCA盤のミッチェル録音では、よりグレードの高い名曲紹介シリーズとして「Adventures In Music」という一連のシリーズがあり、Grade 1からGrade 6まで各2枚合計12枚のLPが出ていた。

SRA2062はこの「Adventures In Music」シリーズからのピックアップ盤だった。

番号が飛んでいるのでSRA2063もあったのだろうか。

 

ちなみに「Adventures In Music」に登場する作品は実に多彩。

アメリカの作曲家ではゴットシャルク、ハンソン、メノッティ、ヴァージル・トムソンにカーペンター、「展覧会の絵」のオケ編もあるルシアン・カイエ。

その他の国ではミヨー、バルトークのミクロコスモスのオケ版、ホルストの「どこまでもバカな男」、

 

そしてブラジルの作曲家Mozart Camargo Guarnieri(1907-1993)。
この名前は本名で、彼の父親が名付けてしまったのだが、後に作曲家として名を成したときにあまりにも恐れ多いのでMozartを削除して活動している。

ちなみに彼の3人の兄弟の名はロッシーニ、ヴェルディとベッリーニだった。

 

「Adventures In Music」の内容は古い時代の作曲家のリュリ、コレルリから20世紀のウェーベルンまで。
とても子ども向けとは思えない内容だ。

アメリカ盤にはかなり詳細な解説書も付いていたらしい。

最近音盤購入の意欲が薄れがちだったけれど、「Adventures In Music」をコンプリートで聴いてみたい欲望がフツフツと湧き上がってきた。

 

Youtubeはミッチェルの「Adventures In Music」からモートン・グールドの「アメリカン・サリュート」

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2022年11月27日 (日)

ホルライザーのブルックナー

昨日は雨、今日は朝から良い天気の日曜日。


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雪を被った富士山と狩野川の川面にカルガモの姿。

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来年の定演の曲目、ブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」を聴く。

自分の刷り込みは中学生の頃に買ったラインスドルフ指揮のボストン響


RCAグランプリシリーズの千円の廉価盤LPだった。


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ジャケットにホルンソロのJ.スタリアーノのクレジットがあったのと、解説を広い読みして盛り上がりそうな曲だと思って購入。

 

実際聴いてみて正直なところ????

曲の良さが全然わからなかった。

そのころのラインドルフは、ミュンシュの後任としてボストン響との録音の数は多かったけれども評判はあまり芳しくなかった。

今聴きなおしてみると端正にしてしみじみと歌う名演だと思う。

 

今日はホルライザー(1926-2006)の演奏で聴く。

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・交響曲第4番 ホ短調 「ロマンティック」  :ブルックナー

 ハインリッヒ・ホルライザー (指揮)
 バンベルク交響楽団

      録音:1959年10月29、30日

 

ホルライザーはドイツの著名オペラハウスでキャリアを積み上げた現場叩き上げの指揮者。
バイロイト音楽祭にも出演。

ベルリン・ドイツオペラの音楽監督時代にクリスティアン・ティーレマンを見出している。

残された録音はオペラが大部分だけれど米VOXにはブラームスやチャイコフスキーの録音も残している。

 

このブルックナーもVOX系の米ターナバウドのLP.

地味で朴訥な芸風のホルライザーならばブルックナーに合っているのではないかと思い入手。

 

冒頭のホルンソロを聴いてピッチがかなり低いのに驚いた。

正確な回転数でプレスされていないのではなかろうか。

渋い響きのバンベルク響の音がますます地味になってしまっている。

 

演奏は予想通り淡々粛々と進めていくブルックナー。

比較的早いテンポの中でのごく自然な音楽運び。

 

時には力強くオケを鳴り響かせる小細工なしの正統派のブルックナー。

かなりの名演だと思うけれど、音の不安定さは演奏の質よりも製盤に問題があるのだと思う。

世評高いベーム指揮ウィーンフィルとの録音に比べピッチが半音近く低く聞こえる。

 

Youtubeはウィンナホルンズによるブルックナーの交響曲第4番から第3楽章

 

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2022年11月23日 (水)

オボーリン、メモリアルアルバム

勤労感謝の日の今日は一日冷たい雨。

 

ロシアのピアニスト、レフ・オボーリン(1907―1974)を聴く

 

手持ちはメロディア原盤新世界レコード社から出ていたLP3枚組。
全てモノラル録音。
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・四季      :チャイコフスキー
・ピアノ協奏曲第2番  :ラフマニノフ
・ピアノ協奏曲第1番  :ハチャトウリアン*
・ピアノ三重奏曲第1番 :メンデルスゾーン**
・ピアノ三重奏曲第2番 :メンデルスゾーン**

  レフ・オボーリン(ピアノ)

  アレキサンドロフ・ガウク(指揮)
  アラム・ハチャトウリアン(指揮)*
  モスクワ放送交響楽団

  ダヴィッド・オイストラフ(ヴァイオリン)**
  スヴャストラフ・クヌシェヴィツキー(チェロ)**

 

ラフマニノフはニコライ・アノーソフ指揮全同盟放送交響楽団による1951年録音のライヴCDもあり、他に来日時の映像がDVDで発売されている。

オボーリンといえばオイストラフと組んだベートーヴェンのヴァイオリンソナタが有名で。伴奏ピアニストとしての印象が強かった。

リヒテルやギレリス以降のロシアのピアニストたちに比べると地味な存在だけれど、1927年第1回ショパン国際ピアノコンクールで第1位。

この時のコンクールではポーランドとソビエト連邦からの参加者が大部分でコンクールは予選と本選のみ。
本選ではショパンのピアノ協奏曲の第二楽章だけという内容だった。

 

以前聴いた時は録音が鈍く暗くモコモコしていた印象があったけれど、EQをAmerican78にしてみたら思いのほかクリアな音質になって印象は一変した。

オボーリンのことは何度か書いている

 

メンデルスゾーンは一部のネット情報では、2曲ともステレオ録音が存在し、第1番はステレオ盤のみでモノラルは存在しないという。

だがこのアルバムを聴く限りでは、第1番も第2番と音の程度は同じ。

2曲ともオリジナルモノラルだと思う。

この3枚組セットの中ではオボーリン自身が初演したハチャトウリアンが秀逸。

厳しく張り詰めた緊張感が全編に漂い、ハチャトウリアン本人の伴奏指揮の雄弁さもあって未だにこの曲の演奏としてトップは硬い。

オボーリンのハチャトウリアンには、ムラヴィンスキー指揮チェコフィルのプラハでのライヴ録音もある。(未聴です)

録音もこのセット中では最も良い。

なおこの曲に指定されている特殊楽器フレクサトーンは使用していないようだ。

 

youtubeはノルウェーのオケでハチャトウリアンのピアノ協奏曲、18分40秒あたりからフレクサトーンの登場。だけどミュージカルソーとしか見えないんですけど。

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2022年11月19日 (土)

ジャン・アランのオルガン曲全集

土曜日の朝、富士山頂にうっすらと雪。


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母のために5回目のコロナウイルスワクチンの予約をしようとしたら、最短で来月20日過ぎ。4回目の時が楽勝だったのですっかり油断していた。

4回目の時に比べて集団接種の回数が減ったのと、第8波の襲来が現実的となり予約が増えたのだろう。

自分はかかりつけのクリニックで申込み済み。

 

フランスの作曲家ジャン・アランのオルガン曲を聴く。

ジャン・アランは第二次世界大戦で若くして戦死してしまったので、残された作品は少ない。
がいずれも珠玉の作品ばかり、旋法的なミサは愛聴盤。

 

ちなみに名オルガニスト、マリークレーヌ・アランは妹。

聴いたのはアラン生誕100年の記念の年に、ノルウェーのレーベルSIMAXからリリースされたCD2枚組。


この2枚に収められた作品がアランが作曲したオルガン曲の全て。


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・リタニア JA119(作品79)
・空中庭園 JA71(作品50)
・小品 JA33
・幻想曲第1番 JA72(作品51)
・幻想曲第2番 JA117(作品73)
・オルガン組曲 JA69/70/82 (作品48)
・前奏曲とフーガ JA75/57
・アンダンテ JA89bis
・妄想 JA63
・シトー修道会の聖体奉拳のためのコラール JA134
・課題提出曲 JA37
・哀歌 JA14
・ドリア旋法のコラール JA67(作品47-1)
・フリギア旋法のコラール JA68 (作品47-2)
・アリア JA138
・3つの舞曲 JA120A(作品81)
・モノディ JA135
・昔の様式の悲歌 JA38
・クレマン・ジャヌカンの主題による変奏曲 JA118(作品78)
・賛美歌「輝く創り主」による変奏曲 JA27(作品28)
・2つの世俗的前奏曲 JA64/65
・アグニ・ヤヴィシュタのための2つの踊り JA77/78
・ジュール・ルメートルの詩に JA62
・間奏曲 JA66bis
・戻らなくなった2つの音による子守歌 JA7bis(作品2)
・グラーヴェ JA32
・一風変わった空気 JA79
・フリギア旋法のバラード JA9
・終課のための後奏曲 JA29

 ラーシュ・ノットゥー・ビルケラン(オルガン)
  (ファーゲルボルグ教会のゴル・オルガン2007年製作)

   録音:2010年2月18-20 日、4月24-25日、27-28日
      オスロ、ファーゲルボルグ教会

 

輝かしいばかりの音の燦爛と東洋的な静けさとの対比。

神秘的にして深い瞑想を誘うような不思議な空間が再現する音楽だ。

音の一粒一粒の純度の高さがアランの音楽の特徴だと思う。

この美しさの中に潜む不安を伴った響きがなんとも印象的だ。

 

 

最初のリタニア JA119(作品79)の最初のフレーズが、吹奏楽曲の名作、アルフレッド・リードの「ロシアのクリスマスの音楽」に使われているメロディに非常によく似ている。

ギリシャ正教のコラールのひとつかもしれない。

なおモーリス・デュリュフレが彼のオルガン曲「アランの名による前奏曲とフーガ」の中でもこの主題を引用している。

 

録音はスピーカーの存在を忘れるほど驚異的に良い。

 

Youtubeはジャン・アランの「旋法的なミサ」からグローリア

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2022年11月15日 (火)

Masters Of The Bow、古い時代のヴァイオリニスト、アウアー、ブルメスター、サラサーテ

11月も半ばとなり気温が徐々に下がってきた。


出勤時に路面が濡れていた。

明け方に雨が降ったようだ。


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畑のミカンが色づいてきたので日曜に収穫。

古い木で酸味が強いのでしばらく熟成することにする。

画像は日曜に家内と行った「ららぽーと沼津」内にある湯河原飯田商店の醤油チャーシューメン。

ラーメンデーターベース総合ランキング全国一位を誇る名店の支店。


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いつも行列の人気店だけれど、この日は誰も並んでいなかった。

 

今日は古い時代のヴァイオリニスト3人。

レオポルド・アウアー(1845-1930)、

ウィリー・ブルメスター(1869-1933)、

パブロ・デ・サラサーテ(1844-1908)

いずれも音楽史に名を残す歴史的なヴァイオニスト。

 

聴いたのはカナダから出ていたLP「Masters Of The Bow」シリーズ からEdition 2。

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・ハンガリー舞曲第1番 (ブラームス ヨアヒム編)
・「なつかしい土地の思い出」Op.42-3からメロデイ(チャイコフスキー ウイルヘルミ編)
    
  Leopold Auer,(Violin)
  W. Bogustkahein(Piano)
  録音 1920年

・パルティータ第3番からガヴォット
・管弦楽組曲第3番から「アリア」 (ウイルヘルミ編) 以上バッハ
・ソナチネ第1番からメヌエット    :デュセック
・主よ、汝に感謝すから「アリオーソ」 (ブルメスター編)
・協奏曲ト短調から「サラバンド」   (ブルメスター編)
・ソナタト短調から「メヌエット」   (ブルメスター編)  以上 ヘンデル
・カストールとポリュクスから「ガヴォット」 (ブルメスター編) :ラモー
・3つの悲しき旋律から「アンダンテ・レリジオーソ」 :(ブルメスター編) :シンディング

  Willy Burmester(Violin)
  録音 1909年9月27日、ベルリン

 

・無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番 ホ長調「プレリュード」:バッハ
・夜想曲 変ホ長調 op.9-2  (サラサーテ編)   :ショパン
・ 序奏とカプリース=ホタ
・序奏とタランテラ op.43~「タランテラ」
・ミラマール=ソルツィーコ op.42
・バスク奇想曲 op.24
・ツィゴイネルワイゼン
・ハバネラ
・ザパテアード                 :以上サラサーテ

  Pablo de Sarasate (Violin)
  録音 1903年

 

チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を献呈されたレオポルド・アウアー、
シベリウスからヴァイオリン協奏曲を献呈されたブルメスター。

 

実際はアウアーは演奏不能としてチャイコフスキーに作品をつき返し、ブルメスターはスケジュールが合わず、いずれも別のヴァイオリニストが初演している。

そして「ツィゴイネルワイゼン」があまりにも有名なサラサーテ。

 

アウアーはハイフェッツやミルシュタインなど20世紀を代表する大ヴァイオリニストたちの師として知られる。

今でも数多くのヴァイオリニストが取り上げる、大作曲家たちのヴァイオリン協奏曲のカデンツァを多く作曲している。

アウアーの残された録音は弟子のためにプライヴェートに吹き込んだこの2曲のみで、これは私家盤からの復刻。

 

演奏は1世紀以上前のものでかなり異様なスタイル。

粘り気のある軟体動物のようなブラームス。

弓を弦にがっしりと当てて力強く我が道を行く演奏。

これがなんとも説得力を持って聞き手に迫ってくるのが不思議。

この2曲ではチャイコフスキーの方が抵抗なく聴けるけれど、これがブラームスやチャイコフスキー本人が実際に聴いた演奏なのだろう。

 

 

ブルメスターは来日して2曲の録音を残している。

ここにあるのは独グラモフォン&タイプライター社に残した全録音。

時代を超越する気品のようなものが感じられて、この3人の中ではもっとも感銘を受けた。

 

 

サラサーテは残された作品を聴いてもかなりの技巧派であったことがわかる。

これらの録音でもバリバリと破綻なく弾きまくっている。

この録音のいくつかの曲の前後にサラサーテらしき人のおしゃべりがいくつか入っていて、演奏よりもこちらの方が気になった。

 

いずれも100年以上前の録音とは思えない良い音だ。

 

youtubeはブルメスターの弾くヘンデル「アリオーソ」

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2022年11月11日 (金)

ラムルー時代のマルティノン

良い天気が続く、本日最高気温23度風もない。

ドンキ屋上駐車場からの富士山。


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冬が近づきコロナ感染者は徐々に増え始めて第8波の到来が現実的に。

ここ数日睡眠不如意。

昨日は体がだるくてオケの練習を休んでしまった。

 

今日は行きつけのクリニックで定期健診。

血糖値多少高め血圧その他は正常値。

ついでにコロナワクチン5回目の接種も予約しておいた。

 

最近、モノラル専用機として使っているアナログプレーヤー、ビクターのQLA7の調子が悪い。

1978年発売という古いプレーヤーで、かなり前に大量のLPと一緒にいただいたもの。


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動作が安定していて、モノラルLPを過不足なく聴かせてくれていた。

DENONのモノラル専用カートリッジDL102と組み合わせている。

最近プレイスィッチを押しても動かなくなる頻度が多くなった。

 

思えば発売後40年を超え今まで動いていたのが不思議なほど。

 

幸い今日は機嫌が良く動いてくれている。
モノラルLPを聴いてみる。

取り出したのはフランスの名指揮者ジャン・マルティノンの若き日の録音で、ルーセル、オネゲルほかのフランス音楽を振ったLP.
オケはラムルー管弦楽団。


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・組曲「蜘蛛の饗宴」  :ルーセル
・牧神の午後への前奏曲 :ドビュッシー
・交響詩「魔法使いの弟子」 デユカス
・夏の牧歌    :オネゲル
・パヴァーヌ   :フォーレ。

 ジャン・マルティノン(指揮)
 ラムルー管弦楽団
 

  録音:1953年2月

手持ちは1970年代末に日本フォノグラムが出たフィリップス。アーティストギャラリーシリーズの国内盤LP。

学生時代に買った懐かしのLP.


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その後国内初出のEPIC盤も入手。

今日はEPIC盤。EQカーヴはAESで聴いてみた。

楽器の響きが明瞭で奥行きもありモノラルとは思えないほど。

この頃ラムルー管で使われていたコルバソンの音もよくわかる。

マルティノンの指揮は明晰にして情感豊か。

ルーセルとオネゲルが特に良い。

中でもフルートソロが素晴らしい。

Epic盤にはフルートソロとしてF. Carratgéとクレジットされているけれど、ネットで検索しても情報がない。
同じEpic盤のフルネがラムルー管を振った「アルルの女」でも吹いていることがわかったくらい。

フォーレのパヴァーヌはマルティノン唯一の録音だったと思う。

 

Youtubeはマルティノン指揮ラムルー管の「夏の牧歌」

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2022年11月 9日 (水)

エドウィン・フィッシャーのシューベルトのことなど

立冬過ぎても今日は暖か。

午前中は役所の方が来て母の介護認定の審査だった。

母はこのような時になると元気になって饒舌。

 

昨日は仕事、オフィスを出て帰宅途中に空を見あげると皆既月食。

442年ぶりの天王星食と同時進行という歴史的な夜。


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スマホで撮影したけれど。
こんなもんだろう。


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先週金曜日の夜は市民文化センターでクラシックレコードコンサートの解説だった。


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前回の「ウィーンで活躍した古典派の作曲家たち」の続編としてシューベルト、そして没年が1年違いのベートーヴェンから年末には一足早い第九を取り上げた。


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始まる前に新聞社の取材が入り結局インタビューが長引き夕食を取れずに本番に突入。

今回も終ったあとに来場者の方々から熱心な質問をいただいた。
使用譜の版の問題などかなりマニアックな内容。

 

最初にエドウィン・フィッシャーのピアノで、シューベルトの「楽興の時第3番」を取り上げたけれど、端正な中にも柔らかな余韻があって今更ながら偉大なピアニストであることを実感する。

 

Youtubeはホロヴィッツの弾く「楽興の時第3番」

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2022年11月 1日 (火)

ニーノ・ロータの映画「山猫」サントラ

今日から11月、終日曇り

畑のみかん類が今年も豊作。


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温州みかんに夏みかん、ネーブルにレモン。


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まだ青いレモンを採ってみたら爽やかでみずみずしい味がした。


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樹齢百年近い蜜柑の老木もけなげに大きな実を付けている。


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ヴィスコンティの名画「山猫」のサントラLPを聴く。

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このLPの購入動機は単に指揮者がフランコ・フェラーラだったことによる。

イタリアの指揮者フランコ・フェラーラは名教師として名高く、門下にはアバド、バレンボイム、ムーティ、シャイー、チョウン・ミョウン・フムなど著名指揮者たちの名が並ぶ。

自身も指揮者として聖チェチーリア音楽院管弦楽団の常任指揮者も歴任しているけれど、30代の終わりに指揮台に立つと失神してしまうという奇病に罹り第一線から退いた。

その後は作曲家や教師として活動、特に映画の分野では百本近い映画の音楽を指揮している。

 

黛敏郎が作曲した映画「天地創造」の音楽もフェラーラが指揮している。

「山猫」のサントラもそのひとつ。

 

オケはLPの表記ではローマ交響楽団となっているが、実体は聖チェチーリア音楽院管弦楽団との情報有り。

この「山猫」の音楽はニーノ・ロータが作曲している。

通して聴くと曲の配置が絶妙で、よくできた交響曲を聴くかのよう。

 

組曲の形ではムーティ指揮スカラ座フィルとジェルメッティ指揮モンテカルロフィルのCDも出ている。

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それぞれの曲はダイナミックにして美しい。

中でもヴェルディのピアノ曲「ワルツヘ長調」をニーノ・ロータがオケ用に編曲しているのが珍しい。

ジャケット解説にはこの曲はヴェルディの未出版曲と書いてある。

演奏の良し悪しは、原色調のどぎつい響きの録音が気になってよくわからない。

 

この「山猫」の舞踏会の場面で使われているいくつかの舞曲は、完成間近のギリギリのスケジュールの中で作曲され急いで録音されたとのこと。

おそらくあまりリハーサルの時間が取れなかったのではなかろうか。

ヴェルディを含む舞踏曲だけを集めた組曲版のムーティがスカラ座管弦楽団を振ったCDに比べるとだいぶ聴き劣りがする。

 

自分の手持ちでフェラーラ指揮のクラシカルな作品の音源は1枚のみ。
曲はレスピーギの「リュートのための古風な舞曲とアリア 全曲」

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音の状態も良くないのでこの1枚だけではフェラーラの実力はわからない。

 

Youtubeは「山猫」予告編

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2022年10月30日 (日)

フックスの皇帝レクイエム

本日快晴、朝から暖かな日曜日。

狩野川河川敷からの富士山。

カルガモの鳴く声が聞こえてきた。


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近くの小学校のグラウンドでは子供たちがサッカーの練習中。


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コロナ禍も3年の時を経てようやく峠を越えた様子。

平和で穏やかな風景。

少しずつ日常が戻りつつあるけれども、この3年間で日本の古くからの慣習やしきたり、ごくあたりまえのようになっていた日常の常識が大きく変わった。

 

ウィーン・バロックの作曲家ヨハン・ヨーゼフ・フックス(1660-1741)の「皇帝のレクイエム」を聴く。


Arte Novaから出ているCDで「皇帝レクイエム」ほかフックスの様々な作品を集めたもの。


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・ 2つのヴァイオリンのための3声のソナタ ニ調 K342
・オルガンのためのシャコンヌ K403/2
・グラーヴェ ~3声のソナタ ニ調 K342より
(2つのトロンボーン、オルガン、ヴィオローネ)
・メディア・ヴィータ・イン・モルテ・スムス(我らは死の只中に生き)
 コラール、ダーフィト・グレーゴル・コルナー「カトリック大聖歌集」(ニュルンベルク、1625)のヴァージョンによる
・デ・プロフンディス(深き淵より) K130 モテット
・オルガンのためのアダージョ K400 ~ソナタ第3番より
・レクイエム・エテルナム(永遠の安息を) ~キリエ(主よ憐れみたまえ)
・ディエス・イレ(怒りの日)
・モテット:リベラ・メ(我を解き放ちたまえ) K54
・ラルゴ ~2声のカノンE66より(2つのトロンボーン、オルガン、ヴィオローネ)
・ドミネ・イェズ・クリステ(主イエス・キリストよ)
・サンクトゥス(聖なるかな)
・アダージョ K400 ~ソナタ第3番より(2つのトロンボーン、オルガン、ヴィオローネ)
・アニュス・デイ(神の子羊)/ルクス・エテルナ(永遠の光)/レクイエム・エテルナム(永遠の安息を)

  ルネ・クレマンシック(指揮)
  クレマンシック・コンソート
  ヒロ・クロサキ(コンサート・マスター)

            録音:1991年5月 ウィーン

フックスはウィーンのシュテファン大聖堂の第一楽長を経て神聖ローマ帝国の宮廷楽長に就任。以後終生その地位に留まる。

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フックスが著した対位法教本「グラドゥス・アド・パルナッスム」はハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンも学んでいる。

この教本は今でも現役

ちなみにドビュッシーのピアノ組曲「子供の領分」の第一曲「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」は同名のクレメンティが作曲したピアノ練習曲集のパロディ。

 

このCDには皇帝レクイエムの前に小編成の器楽とオルガンのための作品が配されている。

「皇帝レクイエム」は皇帝レオポルト1世の皇太后エレオノーラの葬儀(1720年)のために作曲された。

深く敬虔な祈りの心が美しいメロディに乗って聞こえてくる。

 

バロック期の音楽というよりも、時代を先取りした古典的な格調の高さの中にロマンティックさも宿した名品だ。

クレマシック一党の演奏も非常に良い。

Youtubeはフックスの「皇帝レクイエム」

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