カテゴリー「音盤視聴記録」の記事

2020年7月15日 (水)

キース・ジャレット ソロコンサート

くもり時々晴れ。
異常に長かった今年の梅雨もようやく明ける兆し。

コロナ禍は東京中心に全国へ拡散の気配。

 

「キース・ジャレット・ソロコンサート」を聴く。

ECM録音のLP3枚組。


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1973年におこなわれたヨーロッパツァーのうち、ブレーメンとローザンヌでのライヴを収録したもの。

全てキースのソロによる即興演奏。

 

バッハやモーツァルトたちが日常披露していた即興演奏によるコンサートライヴ。

 

ブレーメンでは当初キースの体調不良のためキャンセルが発表された。

ところが開演予定の4時間前に突然キースが「どうしてもやりたい」と言い出したのだという。

 

急な発表で集まった客は200名ほど。

集まった僅かな聴衆の前でキースの即興演奏は鬼気迫るもの。

 

これはもうジャズやクラシックという範疇を超えている。

 

バッハのような厳格な対位法を連想させるフレーズから突然ロックやレゲェ調に展開。


ローザンヌでのライヴでは、プリペアードピアノや打楽器のようなピアノの使い方があったりと、聴いていてどこへ飛んでいくのかわからない予測不能さが凄い。

 

録音はケルンコンサートのような音のピュアさはないけれども一種粗削りな音響が演奏全体に緊張感を加えている。

 

Youtubeはキース・ジャレット、1984年東京でのアンコール

 

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2020年7月11日 (土)

クラシック・レコードコンサートの再開

曇り時々雨の土曜日
梅雨前線未だ消えず、昨晩から再び断続的に激しい雨。

曇りの合間に僅かに顔を出す太陽が眩しい。

 

昨晩は沼津市民文化センター主催のクラシックレコードコンサートの解説だった。

1月以来実に半年ぶりの再開。

この催しを始まったのは市民文化センターができた翌年の1983年。

以来35年を超える中でこれほどのブランクがあったのは初めてだ。

 

仕事を早めに終えて文化センターに行き、会場でオーディオのチェックと持参したソフトを試聴。
文化センターの職員といろいろと話しながらの準備。

文化センターではこのコロナ禍で主催事業は全て中止か延期となり、このレコードコンサートが4月以後今年最初の自主事業だという。


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今回は感染対策のため定員を絞り完全事前予約制とした。

参加者はマスク着用、入場する時には手指消毒。

休憩時間を長くとりその時は窓を開けて換気。

などなど・・・・

 

プログラムもいつもよりも短めにした。


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センター職員に聞くと受付開始二日で定員に達してかなりの人をお断りしたとのこと。

外は雨。

来られた方々は常連さんが多かった。

 

プログラムは今年のベートーヴェン生誕250年にちなんで、「運命」をメインに、同時期の作曲家にしてベートーヴェンとも接触のあったモーツァルトとシューベルトの作品の数々をベートーヴェンとの相関図を示しながらの解説。

 

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お客さんの反応はやはりいつもと違っていた。

真剣に一音一音を噛みしめながら聴いている様子が静かに伝わってくる。

 

生演奏ではないけれども、一つの音楽を不特定多数の人々と共有するこの瞬間が大切なのだ。

 

質問や意見もいつも以上に活発。

この催しは隔月開催だけれど、今までできなかった分毎月お願いしますとのご意見が出た。

ありがたいお言葉ながらこのような状況では次回の開催も流動的。

 

事情を説明して予定通り隔月の開催を告げた。

 

今回はいつもよりかなり早く終了しそうなので、アンコールとして何枚かのディスクを準備していたけれども、久しぶりの解説で調子に乗ってしゃべり過ぎた。

いささか疲れたのでそのまま終了。

 

センターを出ると空から強い雨。

次回は9月。

東京では感染者数が連続200人越えで記録更新中。

予定通りの開催ができるだろうか。

Youtubeはフランスの指揮者ロランス・エキルベイの「運命」、古楽器による演奏

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2020年7月 7日 (火)

ボンガルツのコダーイとクライネルトのプロコフィエフ

7月第2週に入り熊本の豪雨は九州全土に広がり未だ止まず。
ここ沼津でも数日大雨警報のまま。

 

本日休み、午前中は母の知人のパネル展を観に母を連れて千本プラザへ。

ここでかつて同じセクションでお世話になった先輩のSさんに会った。

今は新たな職場で奮闘中だとのこと。

お互いの近況やら今後のことなど。

ちょいとお疲れ気味のようだった。

 

ボンガルツのコダーイとクライネルトのプロコフィエフ

旧東欧の指揮者二人の演奏。

 

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・管弦楽のための協奏曲 :コダーイ

 ハインツ・ボンガルツ(指揮)
 ドレスデンフィルハーモニー管弦楽団

・スキタイ組曲 「アラーとロリー」:プロコフィエフ
 

 ロルフ・クライネルト(指揮)
 ベルリン放送交響楽団

 

米URANIAのLP。EQカーヴはAESで聴いた。

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コダーイの管弦楽のための協奏曲は、シカゴ響創立50周年を記念して委嘱された作品、

20世紀屈指の名作オーケストラ曲ともいえるバルトークの著名な作品よりも3年早く作曲された20分弱の作品。

 

どうしても同郷のバルトークの作品と比べてしまうので分が悪い。

 

バルトークのオケコンには膨大な録音があるのにコダーイの同曲の録音は数えるほどしかなく、自分の手持ちはこのボンガルツのほかフェレンチクとグシュルバウアーくらい。

作品の魅力としてはバルトークの曲には及ばず、今思うとほとんどコダーイのオケコンの印象は残っていない。

 

オーケストラの名人芸を競うというよりも各パートの合奏体としての魅力を引き出した作品と言えるようだ。

そしてボンガルツの演奏。

ハインツ・ボンガルツ(1894-1974)はブルックナーなどのほかシベリウスなどにも名演を残している知る人ぞ知る旧東ドイツ指揮界の名匠。

 

ドヴォルザークの交響曲第7番は素晴らしい演奏だった。

うーん、名指揮者ボンガルツにしてもさほど名曲だとは思わない。

 

カップリングはやはり旧東ドイツを中心に活動していたロルフ・クライネルト(1911~1975)」。

旧東ベルリンのベルリン放送交響楽団の音楽監督をアーベントロートから引き継ぎ、急逝したあとはハインツ・レーグナーが引き継いでいる。

 

クライネルトでは、スイトナーの「軍隊」とカップリングされて国内発売されていたハイドンの「時計」が、オケの渋い響きを生かしながら自然な音楽の流れが心地よい演奏だった。

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だがこのプロコフィエフは恐ろしく不器用な演奏。

ひょっとしてちゃんと振れていないのではなかろうか。

 

速いテンポで春の祭典ばりの野性味で迫る演奏が多い「魔人チョルノボフの踊り」など、通常の倍ぐらいの超スローモーさで凶悪さよりも気持ちの悪さと不気味さでは最右翼。

 

Youtubeはプロコフィエフの「スキタイ組曲」、ゲルギエフの指揮

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2020年7月 5日 (日)

ハロルド・バウアーのバッハとドビュッシー

曇りのち雨の日曜日。

熊本の豪雨は未曽有の大水害となってしまった。


このコロナ禍の中で被災された人たち、救助する側、救助を待つ人々の非常な苦労を思う。

 

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先月末に仕事場近くの路傍に咲いていた美しい合歓の花。

 

 

今日はハロルド・バウアー(1873- 1951)のバッハとドビュッシーを聴く。

 

RCAビクターが出していた往年の音楽家たちの録音を集めたセットもの「赤盤復刻シリーズ」からの1枚。

ブックオフで格安でバラ売りしていたものを入手。


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① 主よ、人の望みの喜びよ   :バッハ
② 月の光           :ドビュッシー
③ 天使の夢          :ルービンシュタイン
④ 子守歌           :グリーグ
⑤ ノヴェレッテ 二長調    :シューマン

  

 ハロルド・バウアー  (pf)

録音 ①1928年5月15日 ②1929年3月21日 ③1924年6月17日
   ④1942年1月9日 ⑤1929年4月8日

 

端本故に解説や録音データは付いていない。

録音年は別資料による。

 

バッハはいわゆる有名なヘス編曲ではなくバウアー自身の編曲。

このCDにはラフマニノフとバウアーの師パデレフスキーのピアノ演奏もカップリングされている。

 

ドイツ系イギリス生まれのハロルド・バウアーは10歳の時にヴァイオリニストとしてデビュー。

いわば天才少年だったのだろう。

 

当時人気絶頂だった世界的ピアニスト、パデレフスキーの勧めでピアニストに転向。

 

パデレフスキーもさして技巧派ではなかったけれどバウアーもそのような趣。

 

優しくおっとりとした芸風はヴィルトオーゾピアニストが輩出した同時代の流れの中では異色の存在だった。

 

録音はピアノロール以来数多く残されている。

映像もあるらしい。

聴くと、柔らかでふわりとした独特の音が古い録音から伝わってくる。

このしっとりした響きは他のピアニストから聞かれない独特のものだ。

 

ドビュッシーの「子供の領分」はバウアーが初演している。

ドビュッシーが想定していたのは案外バウアーのような音色なのかもしれない。

 

Youtubeはバウアーのバッハ、「主よ、人の望みの喜びよ」

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2020年7月 3日 (金)

クルツのショスタコーヴィチとプロコフィエフ

曇りのち雨、再び雨模様の金曜日。

通勤時の狩野川は一昨日の大雨の名残で水位は高い。


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雲の合間からわずかに富士山頂。

 

昨日アンチェルで聴いたショスタコーヴィッチの交響曲第1番。

 

この交響曲第1番を別の演奏でも聴きたくなって、バレエ音楽の権威ロシア生まれでグラズノフの弟子エフレム・クルツの演奏も聴いてみた。


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・交響曲第1番 ヘ短調 作品10  :ショスタコーヴィチ
・交響曲第1番 ニ長調 作品25『古典』:プロコフィエフ

  エフレム・クルツ(指揮)
  フィルハーモニア管弦楽団

  録音:1967年

 

米セラフィムのLPでプロコフィエフの交響曲第1番とのカップリング。

アンチェル盤ほどの緊迫感はないものの、天才作曲家の若書きの作品のフレッシュさと青春の息吹のようなものがリズムの冴えと躍動感から伝わってくる。

さすがの名演。

 

プロコフィエフは軽い落ち着きの中に洒落た趣のすてきな演奏だ。

EQカーヴはこちらもAES。

 

Youtubeはクルツのプロコフィエフ、交響曲第1番

 

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2020年7月 2日 (木)

アンチェルのショスタコーヴィチ、「祝典序曲」

7月、昨日は接近した寒冷前線の影響で火曜夜から大雨となり大雨洪水警報の一日。

今日は一転して梅雨の合間の晴天。

 

遠方にいる父方の従兄弟から久しぶりに電話がかかってきた。

父方の叔父叔母は全て故人となり、従兄弟たちとはすっかり疎遠になっている。
自分と同世代の従兄弟としばしの思い出話。

 

最近の小学生の鑑賞教材ではショスタコーヴィチの「祝典序曲」やグリーグの「ホルベルク」組曲などが取り上げられているらしい。

 

時代は変わったものだ。

聞けば子供たちの反応も上々だという。

 

「祝典序曲」はドナルド・ハンスバーガー編曲による吹奏楽版が非常に有名。

 

中学の時、吹奏楽部の顧問の先生と吹奏楽コンクールの全国大会を名古屋まで聴きに行った。
その時聴いた出雲第一中学の「祝典序曲」の鮮烈な演奏は、未だに頭の中に残っている。

 

その当時はオーケストラ版の録音が少なく吹奏楽版の方が圧倒的に有名だった。

 

今日はひさしぶりにオリジナルのオケ版祝典序曲を聴いてみた。

取り出したのはチェコの名指揮者カレル・アンチェルのもの。


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・交響曲 第1番 ヘ短調 作品10、
・祝典序曲 作品96

  カレル・アンチェル(指揮)
  チェコフィルハーモニー管弦楽団

【録音】1964年4月7-9日、4月20日  
    プラハ、ルドルフィヌム

 

手持ちは独逸ベーレンライターから出ていたLP。オリジナルはチェコ・スプラフォン。

 

黒光りするようなブラスの輝かしい響きに一糸乱れぬ弦楽器群。

快適なテンポで流れていくシャープで隙のない緊張感に満ちた素晴らしい演奏だ。

 

この曲で未だにこの演奏を超えるものはないと思う。

 

アンチェルの演奏は、その後国内盤LPやCD化されたものを入手したけれど、このベーレンライター盤のLPの音が最も良い。

 

カップリングされた交響曲第1番も聴いてみたが、こちらも筋肉質のぴしっと引き締まった緊張感が全曲を支配する名演だ。

EQカーヴはAES。

 

youtubeはユーリ・シモノフ指揮モスクワフィルの「祝典序曲」、絵になるような面白い指揮。

指揮者しか映していないのも納得

 

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2020年6月28日 (日)

「ホルン吹きの休日」 ヘルマン・バウマン

昨晩から強い雨の日曜日。

これから一週間は雨の予報。

こんな日は一日引きこもり。

 

溜まった新聞を拾い読みをしながらチラシと一緒にまとめたり、ダイレクトメールをシュレッダーにかけたりと家の雑事。

午後になって、箱根山麓の広大な土地でジャガイモを栽培している父方の祖母の実家から親戚がやってきた。


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祖母が我が家に嫁に来てから90年近くにもなるのに、毎年この時期に三島名産のジャガイモを持ってきてくれる。

 

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今年もキタアカリとメィクィーンの箱を二つ。

祖母は自分が生まれる前に亡くなっているので顔を知らない。
持ってきてくれた父の従兄弟も80を越えている。

日焼けした笑顔は自分が幼い時のまま変わらない。
いつまでもご壮健でお過ごしください。

いつもありがとうございます。


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さっそくじゃがバターでいただきました。

 

今日はヘルマン・バウマンのホルンを聴いていた。
キングレコードが出していたLPでバウマン来日時の録音。

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「ホルン吹きの休日」

01. サン=サーンス:演奏会用小品 作品94
02. メンデルスゾーン:無言歌 Op 38-3
03. サン=サーンス:白鳥
04. J.シュトラウス:甘い涙
05. サン=サーンス:ロマンス Op 36
06. マレ:バスク人
07. ラフマニノフ:ヴォカリーズ Op 34-14
08. クライスラー:愛の悲しみ
09. スクリャービン:ロマンス(遺作)
10. グリーンスリーヴズ(イギリス民謡)
11. モーツァルト:アンダンティーノ K 374g
12. ボロディン:セレナード
13. ロッシーニ, バウマン:狩のランデヴー

 ヘルマン・バウマン (hr)
 本荘玲子(pf)
           録音 1982年6月19~21日
              戸田市民会館

 

ホルン吹きにとっては馴染みの名曲ばかり。

張りのある音色にゆったり余裕のテクニック。

 

やはりうまいなぁ。

ごろんと横になりながら聴いていた。

Youtubeはバウマンの吹くシューベルト、「アヴェ・マリア」

 

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2020年6月24日 (水)

モートン・グールドの「1812年」

昨日と同じような雲の多い晴れ。
気温は高く本日の最高気温34度。

 

モートン・グールドの指揮するチャイコフスキー、「1812年」を聴く。

聴いたのは伊RCAから出ていたLPで、有名なドラティ盤と同じ「ウェリントンの勝利」とのカップリング。

 

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 モートン・グールドはアメリカの作曲家にしてアレンジャー、指揮者。

とにかく大変な才人で、クラシックからポピュラーのヒット作まで幅広いジャンルの作曲や指揮者としての録音がある。

 

この録音は米マーキュリーが出したドラティの「1812年」に対抗して作成されたアルバム。

オリジナルは「ボレロ」とのカップリングだった。

 

録音だけではなく演奏も立派。

冒頭のチェロアンサンブルの厚い響きと完璧なバランスで鳴り響く、
弦楽器のみならず管楽器も腕っこきが集まっているようだ。

ブリリアントでゴージャスな音の饗宴。

注目の終盤でも大砲がスピーカーの左右から交互に咆哮。

 

鐘はスピーカーの中央部から2種類の鐘が鳴っている。

 

B面のベートーヴェンは演奏としては1812年よりも良いかもしれない。

ただしこちらはマスケット銃の音はラチェットを使用しているようだ。

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実はネット情報で、このグールドの「1812年」の最近復刻されたCDでは大砲と鐘が入っていないとのこと。

 

どうやら収録時に別採りした大砲と鐘の音のマスターテープを紛失してしまったらしい。

 

そこであらためて米RCAのオリジナルLP(LSC2345)を棚から取り出してみた。
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このLPには詳細な録音データが書かれている。

1959年にニューヨークのマンハッタンセンターでの録音。
補助マイクを12本使用。

大砲と鐘については演奏とは別に録音したと確かに書かれている。

 

大砲にはCarroll Canon、鐘にはSchulmerich carillonと書かれているけれど意味不明。

Schulmerich という鐘のメーカーがあるけれども、メーカーの創立が1962年なのでこの録音の後だ。

 

解説には演奏と大砲とをシンクロさせるのに苦労したともある。

 

録音時のオケの編成はヴァイオリン22 ヴィオラ9 チェロ8 コントラバス4。

コントラバスの4人は少ない気がするけれど力のあるチェロがその分補っているようだ。

 

特に低音部は充実していて冒頭のチェロ合奏は見事な響き。

ともあれ1959年録音としては驚異的な音の良さで演奏も見事。

 

オケの名はないけれど、おそらく優秀なフリーランスにメトロポリタン歌劇場やニューヨークフィルのメンバーを加えたと想像する。

とにかく相当な腕利き集団だ。

 

今回イタリア盤と米オリジナルLPを聴き比べて、音のバランスと質が異なることが判った。

 

オケのリアルさでは米RCAのオリジナルが圧倒的に良く冒頭のチェロアンサンブルはまさに実在の響き。


ステレオ効果を強調したこの時期の録音に特徴的な左右に極端に分かれる音像も面白い。

ただし終盤の大砲と鐘の音は、最新のデジタル録音の同様の演奏に比べると響きがかなり混濁している。

 

そして一方のイタリア盤。


オケの定位や響きはオリジナルに比べるとかなり甘い。
それでもオリジナル盤を聴かなければ優秀録音として十分通用する。

面白いのは終盤の大砲と鐘の音は、オリジナルLPがかなり混濁していたのに比べこちらは明瞭な音。
大砲の一発一発が明快に識別できる。

 

別のアナログマスターが存在するのだろうか。

 

Youtubeはモートン・グールドの「アメリカン・サリュート」

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2020年6月23日 (火)

カラヤン&フィルハーモニア管との「プロムナードコンサート」その他

低く垂れ込めた雲の合間に青い空。
湿度は高く梅雨の合間の晴れた1日。

 

家にある古いものの大量処分中。

 

旅行の時に買った各種ガイドブックや大学時代の参考図書など、既に役割を終えたものをしみじみと手に取りながらも処分。

大量の文庫本なども多くは処分することにした。

今読み返してみると古い文庫本の活字の小さいことに驚く。


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大叔母が女学校の音楽教師時代に使った珍しい楽譜と、明治期の日本楽器製オルガン。

100年を超えても未だに音は出る。

これは捨てられない。

 

 

カラヤンのフィルハーモニア管時代の管弦楽小品集を聴く。


70年代に東芝EMIが発売した廉価盤LPで番号はAA5108.

これはシリーズもので、東芝EMIが発売した初めてのカラヤンの千円盤だった。

最初千円で発売されたのがオイルショックによる値上げですぐに1200円。

 

このシリーズは1940年代から1960年にかけて録音したカラヤンのEMIへのレコーディングのうちフィルハーモニア管との録音を中心に、一部40年代のウィーンフィルと50年代末のベルリンフィルとのステレオ録音を混在させたもの。

 

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① 喜歌劇《天国と地獄》序曲
② 喜歌劇《軽騎兵》序曲
③ 喜歌劇《こうもり》序曲
④ 喜歌劇《ジプシー男爵》序曲   
⑤ ラデツキー行進曲
⑥ 皇帝円舞曲             
⑦ ポルカ《雷鳴と電光》作品324
⑧ ピチカート・ポルカ         
⑨ ワルツ《うわごと》        

ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)

フィルハーモニア管弦楽団

 

録音 1950年5月20日④⑥⑧⑨
   1955年4月③
   1960年9月①②⑦
   1955年?⑤

 

1950年5月20日録音の「シャンペンコンサート」と1960年9月録音の「プロムナード・コンサート」の両アルバムがオリジナル。
そして「こうもり」序曲のみ1955年4月録音の全曲録音から収録。

 

録音会場はすべてロンドンのキングズウェイホールだが、当然のことながら「シャンペンコンサート」のシュトラウス4曲と「こうもり」序曲はモノラル録音。

 

AA5081ではモノラル録音はすべて電気的にステレオ化してある。

 

なお60年録音の「プロムナード・コンサート」は、カラヤンがフィルハーモニア管を振った最後のスタジオ録音となった。

 

 

実は1953年から1955年にかけて、カラヤンは1960年録音の「プロムナード・コンサート」と全く同じ曲目を同じ曲順で録音している。

オケはこちらもフィルハーモニア管。

 

「プロムナード・コンサート」


・ワルツ《スケートをする人々》作品183
・トリッチ・トラッチ・ポルカ作品214
・ラデツキー行進曲
・狂詩曲《スペイン》
・楽しい行進曲
・ポルカ《雷鳴と電光》作品324
・喜歌劇《軽騎兵》序曲
・歌劇《バグパイプ吹きのシュワンダ》よりポルカ
・喜歌劇《天国と地獄》序曲)

これがよほど売れたのか全く同じ内容で60年にステレオ録音。

 

そこでこのAA5081.

 

聴いてみるといろいろと面白いことがわかった。

EQカーヴはいずれもcolumbiaカーヴ。

 

このLPは、オリジナルステレオ録音とモノラルからの疑似ステレオ録音の混在で最初の2曲、「天国と地獄」と「軽騎兵」は1960年録音。

ここではEQカーヴがぴたりとはまり実に鮮明な生々しい音。


これほどの優秀録音だとは思わなかった。

 

1955年録音の「こうもり」序曲となるとがくりと音像が狭くなる。

 

B面はラデツキー行進曲から。

 

1960年録音の真正のステレオ録音かと思いきや、音像は疑似ステレオのままだった。

なんと「ラデツキー行進曲」は1960年のステレオ音源を使わずに1955年のモノラル音源の旧録音をわざわざステレオ化して製品化したようなのだ。

ジャケットには*はモノラル録音を電気的にステレオ化したものです、との表示はあるけれどラデツキー行進曲には*表示はない。

 

Youtubeは2020年のウィーンフィル・ニューイヤーコンサートから「軽騎兵」序曲。ネルソンズの指揮

 

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2020年6月21日 (日)

ウイリアム・スタインバーグの「惑星」

6月も後半に入り路傍の紫陽花もそろそろおしまい。

 

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終日雨だった金曜は気温が下がり半袖では過ごせぬほど。
土曜の最高気温も27度程度、比較的過ごしやすい一日。

 

移動自粛緩和で、各地の行楽地は昨日あたりから人出が増えている。
ガソリンを入れるために外出すると国道を走るツーリングのバイクが多数。

緊張が大幅に緩みなんとなくのコロナ慣れ。

抗体検査の結果では日本国内の感染者が少ないことが判明。
未だ感染者が爆発的に増えている国もあり危険なのはこれからではなかろうか。

 

 

大幅な断捨離で部屋の片付けの最中に書架に躓き右足を強打して一日中痛い。
どうも最近動きが鈍くなってきた。

 

 

ウイリアム・スタインバーグの「惑星」を聴いていた。
手持ちは70年代後半に出た国内廉価盤LP.


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・組曲《惑星》 作品32

  ウィリアム・スタインバーグ(指揮)
  ボストン交響楽団
  ニュー・イングランド音楽院合唱団

 

     録音:1970年

 

ラインスドルフから小澤征爾への中継ぎのような形でスタインバーグがボストン響の音楽監督だった時代の録音。

 

短い3年という音楽監督、ピッツバーグ響との兼任だったので残された録音は少ない。

 

だが今聞いてみるといずれも名演揃いでこの「惑星」は代表的な遺産。

 

「火星」は作曲者の自演に限りなく近い猛烈に早いテンポ。

 

1拍目の強烈なアクセントでひた押しに押してくるド迫力が凄まじく、ボストン響の切れの良いアンサンブルもあってピーンと張りつめた緊張力に息を飲む。

 

「金星」のロマンティックな歌に続く「水星」ではこれほど木管楽器群の絡み合いが明瞭な演奏も類を見ない。
雄大な「木星」に深い詠嘆の気配が漂う「土星」など。
オーケストラのショウピースに陥りがちなこの曲を深いところで捉えている稀有な演奏だ。

 

「惑星」ではボールトや著名なイギリスの指揮者たちによる名演が多いけれども、アンサンブルの精度と深い解釈、知情意のバランスの良さで最右翼の名演だと思う。

 

自分が通っていた高校の音楽室に備えられていた「惑星」が、このスタインバーグの演奏だった。
あれは確かグラモフォンのレギュラー盤。

 

その頃、カラヤン指揮ウィーンフィルやストコフスキーの演奏が既に廉価盤で出ていて、生意気盛りの自分は、著名な指揮者の演奏が廉価盤で出ているのになぜ無名の(その頃スタインバーグの名を知らなかった)の高いレコードを学校が買うのか不思議に思った、なんてことを思い出した。

 

Youtubeはスタインバーグ指揮ボストン交響楽団のベートーヴェン、交響曲第7番のフィナーレ。

マーラー版の改変が随所で聴くことができます。

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