カテゴリー「コンサート感想」の記事

2024年12月 7日 (土)

ルミエ・サクソフォンクアルテット沼津公演

12月最初の週末。寒さ厳しく、もう師走の気分。
過ぎ去った秋。

昨晩はルミエ・サクソフォン・クァルテットのコンサート。

 

仕事を終えてホール近くの「バーミヤン」で夕食。
久しぶりに行ったら配膳ロボットが料理を運ぶシステムに変わっていた。

「ずいぶん料理が来るのが遅いなぁ」と思いながらスマホをいじっていたら、顔を上げたら配膳ロボットが目の前に立っていた。

店員さんに比べ何か味気ないな。

 

コンサート会場は、市民文化センター小ホール。


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この団体は東京芸術大学同窓生のメンバーによるサクソフォン・クアルテットで、今回は創設10周年を記念した一連のコンサートのひとつ。

 

アルトサクソフォンの戸村愛美さんは沼津市出身。
地元高校の音楽科から東京芸術大学に進学。


今年7月にグラズノフのコンチェルトを聴いている。

・アンダンテとスケルツォ    :ボザ
・楽器紹介~山の音楽家
・25の練習曲から4曲     :ブルグミュラー
・英雄ポロネーズ        :ショパン
     休憩
・ボレロ            :ラヴェル
・弦楽四重奏曲         :ラヴェル

~アンコール
  「ふるさと」

 ルミエ・サクソフォン・クァルテット
   住谷美帆(ソプラノ)
   戸村愛美(アルト)
   中嶋紗也(テナー)
   竹田歌穂(バリトン)

          沼津市民文化センター小ホール


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今回は10周年を記念して、メンバー4人の故郷での4回のコンサート。

茨城、鳥取に続いて沼津は3回目。

ファイナルは東京文化会館でのコンサートを予定している。

 

最初のボザはサクソフォン・クァルテットオリジナル曲の定番。

安定したテクニックと均一な音色、アンサンブルの緻密さでまずは実力を披露。

続く「山の音楽家」はバリトンサックスの中嶋さんのアレンジ。

手際よく各楽器のカラーを紹介。

ブルグミュラーではピアノ初心者おなじみの曲集から「素直な心」「アラベスク」「清らかな小川」「貴婦人の乗馬」の4曲を巧みなアレンジで聴かせる。


ショパンの「英雄ポロネーズ」も同じような傾向。

サクソフォン・クァルテットは、弦楽四重奏にも似た同質性とバランスが感じられて

音楽性も高いものが多い。

この形態ではダニエル・デファイエやマルセル・ミュールら、偉大な先人たちのアンサンブルがあり、それぞれ優れたディスクを残している。

手持ちでは10枚ほどのコレクション

この団体10年という歴史を経て、アンサンブルとしてかなり熟成しているように思えた。

メンバーも若いのでパワーと持久力も十分。

それは後半のラヴェルで遺憾なく発揮されていた。

「ボレロ」では執拗なリズムを主にバリトンサックスが担当。

アレンジが巧みで、4人での演奏ながら室内楽的な面白みの中に、フルオケで聞くような色彩感も感じられる良い演奏だった。

弦楽四重奏曲は第1、2,4楽章を演奏。

こちらもアレンジが非常に良く、時としてオリジナルかと思えるほど。

曲の持つフランス的な洒落た軽みと音色感はサクソフォンに合っている。

これ、弦楽器でも難しいのに管楽器ではかなりの難曲だと思う。

 

4人ともなかなかの名人で、中でもソプラノサックスが傑出。

 

終演後のオリジナルグッズ売り場はかなりの盛況だった。

結成10年を経て、途中コロナ禍をはさみながらも着実に歩んできた結果なのだろう。

 

Youtubeはルミエサクソフォンクアルテットによるプラネルの「バーレスク」

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2024年10月20日 (日)

團伊玖磨の交響曲第5番「駿河、復活再演のことなど

10月も後半の日曜日は昨晩から気温が下がり朝は冷たい雨。

午前中に所用があり弟の家に寄った後に静岡市清水区へ。

電車に乗って40分余り、昨日最高気温30度を記録した清水駅に降り立つと小雨交じりの寒風が吹く秋を飛び越して冬のような肌寒さ。


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駅前広場で開催中のビーチバレーボール大会も寒そうだ。

 

今日は清水フィルによる團伊玖磨の交響曲第5番の復活公演。


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この曲は59年前の昨日沼津で初演された曲。

 

ちょうど昼時だったので清水港のまぐろ館で昼食

天気はよくないけれど日曜とあってかなりの混みようだ。

結局お一人ならば空いています、という声に釣られて入った店で3色海鮮丼。


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偶然、今回のコンサートでエキストラとして参加していた、沼響のコンサートミストレルのYさんも昨日同じ店で同じものを食べていた。

 

團伊玖磨の交響曲第5番は初演後ほとんど再演されず、1988年に交響曲全集として録音されたけれど、楽譜の所在がわからなくなっていた。

「交響曲駿河の演奏会を実現する会」のメンバーが、横須賀市役所に保管されていた自筆総譜を探し出し、その自筆譜を元に浄書し総譜とパート譜を作製した。

作製の過程には大変な苦労があったようだ。
作製するにあたってはクラウドファンディングによって資金を集めている。

私もささやかながら、協力させていただきました。

演奏会前日の昨日、実現する会のメンバーの方から「良い席を用意させていただきます」との丁寧な電話が入り恐縮。

そしてコンサート開演は14時。


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・ヒューマンセッション 一万人の港響曲より  :宇崎竜童
    第1楽章「陽光」
    第2楽章「羽衣の舞」
    第6楽章「志みず道にて」

・かっぽれフラメンコ              :宇崎竜童
・清水エスパルス公式応援歌 「王者の旗」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・交響曲第5番「駿河」             :團伊玖磨

 松元宏康(指揮)
 清水フィルハーモニー管絃楽団
 森一馬(歌)
 清水木遣り保存会、港かっぽれ振興会

 

プログラム前半は、歌有り踊り有り木遣りありと郷土色のかなり強いもの。

宇崎竜童の曲は3管の大きな編成の本格的な管弦楽曲。

和太鼓も入り伊福部昭や小山清茂の管弦楽曲を聴くような、懐かしさと美しさあふれる佳曲だった。

曲の合間に指揮の松元氏とコンマスの方の解説付き。

指揮の松元氏はお笑い芸人としての顔もあり、M1グランプリでは3回戦まで進んだという
なかなか面白かった。

 

後半はいよいよ交響曲第5番。

曲は全3楽章、オケは3管編成にホルン6本というかなり大きな編成。

駿河銀行の70周年記念依嘱作とはいえ祝祭的な雰囲気は皆無。

第1楽章はヴァイオリンソロで始まり、しばらく弦楽四重奏の形で進むユニークなもの。

喜遊曲風の第2楽章を経て変奏曲の第3楽章。


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事前に贈られたスコア片手に、團伊玖磨指揮ウィーン響のCDで予習はしていた。

いやぁ、正直なところ水準の高さに驚いた。

たくさんあったソロも立派でした。

静岡県にゆかりのある曲がこのような形で蘇ったことに感謝します。

ありがとうございました。

 

Youtubeは團伊玖磨の祝典行進曲、秋山和慶の指揮

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2024年9月15日 (日)

富士フィルハーモニー管弦楽団 第48回定期演奏会

9月も半ば、昨晩雨が降ったので湿度が高い。

本日の最高気温33度。

畑の草刈りはようやく終了。

草刈り機の替え刃をネットで買ったらサイズを間違えて、やむなく古い刃のママで作業。

どうも最近凡ミスが多い。
おとといスーパーに買い物に行ったら財布を忘れて出直したりしている。

 

今日は隣町の富士フィルハーモニー管絃楽団の定期演奏会。


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富士のホールまでは自宅から小一時間。

早めに家を出てホール近くのハードオフでも冷やかそうかとも思ったけれど、家の雑事で結局家を出たのがお昼過ぎ。

 

ホール到着はちょうど13時。
開演にはまだ1時間ほどあるけれど、ホールの駐車場はほぼ満車。
なんとか滑り込みで駐めることができた。

昼食はホール近くの小さな食堂で鳥ご飯付きざるそば780円。

富士フィルは10年ほど前にマーラーの「復活」を聴いている。

 

今回のコンサートは、パリオリンピックにちなんだお洒落なプログラム。

ベルリオーズ以外は全て踊りの曲なのは意図したものだろうか。

・序曲「ローマの謝肉祭」    :ベルリオーズ
・亡き王女のためのパヴァーヌ  :ラヴェル
・小組曲からバレエ       :ドビュッシー
・組曲「牝鹿」から3曲      :プーランク
・組曲「アルルの女」からファランドール :ビゼー
・歌劇「サムソンとデリラ」からバッカナール :サン・サーンス
・組曲「火の鳥」から4曲     :ストラヴィンスキー

アンコール
 喜歌劇「天国と地獄」からカンカン  :オッフェンバック

 石﨑真弥奈(指揮)
 富士フィルハーモニー管弦楽団

フランス作曲家のオールスターが勢揃い。
ホルンとしては大ソロがある曲が2曲。


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沼響からも何人かエキストラで参加しているし知り合いの団員も多数。

自分としてはプーランクがお目当て。

「牝鹿」の実演は初めて聴く。

やはり生で聴くと意外なパートの活躍に気づかされたりする。

チューバが要所要所で重要な役割を果たしていた。

 

MCも入りわかりやすくも楽しいコンサート。

 

Youtubeはプーランクの組曲「牝鹿」から第1曲、サイモン・ラトル指揮ロンドン交響楽団

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2024年7月28日 (日)

劇団四季静岡公演のキャッツ

猛暑、連日40度近い日が続く。

これだけ熱いと外出する気は失せてしまう。

ご近所の畑も日中作業する人もなく雑草が伸び放題。

お年寄りが多いだけに控えているのだろう。

我が家の畑も雑草をかき分けながら胡瓜、トマトを収穫する始末。

 

昨日は劇団四季静岡公演のミュージカル「キャッツ」

今回出演する娘の友人が良い席を確保してくれた。

 

開演は13時、場所は静岡市民文化会館。

早めに自宅を出て静岡市へ向かう。


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道中図書館で借りた劇団四季の「CATS」のライヴCDを車中で聴いていた。

渋滞もなく90分ほどで到着。

 

かつてこのホールでは駐車場の確保で苦労したので、娘と待ち合わせて早めに会場へ向かう。

車をホールの近くへ駐めたあと昼食の場所を物色。

 

近くに洒落たブックカフェを見つけたので入ってみる。


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店主の選書眼が光る厳選された本のみが整然と並ぶ書架。

しばし眺め店主に話しかけると、ランチメニューはないというので外に出だ。

 

娘がすぐ近くにネットで評価の高いカフェダイニングがあるという。

行ってみるとほとんど予約席で埋まっていたけれど幸いカウンター席が空いていた。

 

人気店らしく、次々と客が入ってきては満席ですと断られていた。


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ここではランチメニューの油淋鶏定食、ライス、ドリンク付き。

 

店をでて会場へ。


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ホールに入ると舞台は都会のゴミ捨て場。


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壁面にはご当地静岡のお店のチラシなどが貼り付けたユニークな舞台。


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「キャッツ」は初めてなので事前に予習はしておいたけれど、ストーリーはよくわからない。

ロイド・ウエッバーの音楽と、劇団四季のメンバーのエネルギッシュで洗練されたダンスを楽しむ2時間半。

娘の友人の高田直美さんは今日の舞台ではタントミール役。

隣町の三島市出身で娘とは高校の同級生の仲。

 

彼女は高校の時から劇団四季に入って「キャッツ」に出演するのが夢だったという。

劇団四季研究所のオーディションを受け、1000人の応募の中からの20人に選ばれた。

その間ミス日本のファイナリストにも選ばれた才媛。

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暗い舞台に一人スポットライトが当たる冒頭から彼女がいきなりソロと踊りで登場。

正直なところ驚いた。

 

その後も大活躍。

終演後、娘と一緒にご挨拶することができました。


スッピンながら美しく、我が子と同し年とはいえしっかりとした人生の目的を持ち、それを努力で実現した姿が眩しいほど。

 

これからも応援します。

 

Youtubeは劇団四季静岡公演のプロモーションビデオ

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2024年7月22日 (月)

尾高忠明指揮富士山静岡交響楽団のショスタコーヴィチ

本日大暑。

梅雨も明けて本格的な夏、どころか6月から連日の30度越え。

毎年の気温の上昇は止まず。
昨年は過去2000年で最も暑い夏だったそう。

今年は昨年よりも暑いのではなかろうか。


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本日朝の牛臥山公園からの海。


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先週半ばから孫達が帰省していて大暴れ。

金曜夜は文化センターでクラシックレコードコンサートの解説やら、土日は婿殿と飲んだりしていてブログの更新が滞った。

 

そのような中で土曜の午後は富士山静岡交響楽団三島公演。


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三島では今年2回目の公演で前回は高関健の指揮でブルックナーの交響曲第8番

今回は尾高忠明の指揮でチャイコフスキーとショスタコーヴィッチのロシアプロ。


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・ヴァイオリン協奏曲 ニ長調   :チャイコフスキー
・スコティッシュ・メロディ :ヨアヒム
(アンコール)

・交響曲第5番 ニ短調   :ショスタコーヴィチ

 前田妃奈(ヴァイオリン)
 尾高忠明(指揮)
 富士山静岡交響楽団

 

ヴァイオリンは2022年ヴィェニャフスキ国際ヴァイオリンコンクール優勝の前田妃奈

 

富士山静岡交響楽団は先月、日本オーケストラ連盟の正会員として承認されたばかりのまさに登り調子のオケ。

やる気十分のオケとソリストが練達の指揮に導かれ、2曲とも聴き応えのある名演になった。

 

チャイコフスキーではストラディヴァリウス「ヨアヒム」が美しく響き、力強さの中に豊かな歌心も感じられて、第一楽章の出だしにはホロリときた。
バリバリと豪快に鳴り響くフィナーレも見事。

アンコールは楽器にちなんだ偉大なヴァイオリニスト、ヨアヒムの無伴奏ヴァイオリンのための「スコティッシュ・メロディ」

 

尾高忠明のショスタコーヴィッチは読響を指揮した第5番のCDを所蔵済み。

沼響のHPでの聴き比べではずいぶんと厳しい内容になってしまったけれど、今回の演奏は燃えるような熱気の中でオケを存分に鳴らし切った壮大な演奏となった。

 

第一楽章クライマックスでの壮絶な盛り上がりからして会場は興奮気味。


研ぎ澄まされた厳しさ漂う第三楽章もよく、力の入ったフィナーレもアンサンブルの乱れもなく終結部に向かってのクライマックスの構築も見事。


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最後に尾高さんのユーモアたっぷりのスピーチがあり「三島のウナギが実に美味しかった。静響はどんどん上手くなっています」と。

聴衆も素晴しく、楽章間の静寂と壮大な響きで終わったショスタコーヴィチでも一瞬の間を置いての盛大な拍手とブラボーが良かった。

爽やかな後味の残るコンサート。

今日のような演奏が聴けるならば毎回聴きたい。

 

Youtubeは尾高忠明のショスタコーヴィッチ、交響曲第5番。立教大学のオケ。

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2024年7月 8日 (月)

三島ゆうゆう祝祭管弦楽団第4回定期演奏会

連日の猛暑。
昨日は静岡市で最高気温40度。

本日、耐震診断のために市から委託された建築士の方が来訪。

建築士の方は来るなり「解体するんですか?」

耐震診断を申し込んであると、危ない家を解体するときに市から補助金が出るらしい。

なにせ昭和の初めの建物で、耐震については全く考慮されていない我が家。

いろいろと手直ししてあるので、しばらくはそのままのつもり。

一時間ほど診ていただき、結果は後日郵送されてくるらしい。

 

昨日は七夕。


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田子の月の七夕の一日限定「冷やし笹ぼたもち」。


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午前中は帰省している孫達を連れて家内の実家に行っていた。

 

午後は、三島ゆうゆう祝祭管弦楽団第4回定期演奏会。

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・交響詩「フィンランディア」   :シベリウス
・アルト・サクソフォーンと弦楽オーケストラのための協奏曲
                 :グラズノフ
・交響曲第2番 ニ長調      :シベリウス
・威風堂々 第1番(アンコール)

  戸村愛美(アルト・サクソフォーン)
  米田覚士(指揮)
  三島ゆうゆう祝祭管弦楽団

 

このオケは3月に聴いている

シーズン毎にメンバーを募るというユニークなオケで、地域で活躍している音大出身者やアマオケの中でも腕に覚えのある奏者を集めている。

指揮の米田覚士氏はかつて沼響に下振りで来ていただいたこともある若手指揮者。
ソリストの戸村愛美さんは沼津市出身。

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シベリウスの2曲は沼響でも演奏した曲。

グラズノフは数少ないサクソフォーンのためのクラシカルな曲では著名な曲だけれど、
実演で聴くのは初めて。

少ない練習回数の中での混成オケゆえの粗さはあったけれども、シベリウスはパワフルなブラス群の健闘が光っていた。

戸村愛美さんの演奏するグラズノフのサクソフォーン協奏曲はやわらかでしっとりとした美しい音色で楽しめた。

 

オケのメンバーは知っている人たちばかり。

終演後に楽屋を訪ね知人たちと歓談。

 

Youtubeはグラズノフのサクソフォーン協奏曲

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2024年6月11日 (火)

Orchestra Est 第9回定期演奏会

本日晴天、各地で真夏日

昨日午前中にはかかりつけのクリニックで定期健診。

ついでに市から健康審査の受信券が来たので前立腺の検査もお願いした。

 

日曜は川崎で2月に三島で聴いたOrchestra Estの演奏会。


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三島公演の時に、この演奏会を知って、サン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」と「惑星」という魅力的なプログラムに惹かれてやって来た。

9時30分沼津発のJRで11時30分川崎着。

開場まで時間があったので川崎モアーズのサイゼリアで昼食。
ついでに同じ建物にあるブックオフへ。

店はかなり広くてクラシックのCD棚は充実。

LPもあったけれど、どこにもあるような一般的な国内盤が中心だった。

CD棚を見ていたら声楽関連に良いものが多くて思わず見入ってしまった。

ここでビゼーの未完のオペラ、「イワン4世」のCDを発見。
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指揮はオネゲルで名演を聴かせたツィピーヌによるもの。

デルヴォー指揮の同じくビゼーの「真珠採り」全曲とカップリングのCD2枚組。

アンスネスの弾くヤナーチェクとニールセンのピアノ曲集と一緒に購入。


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思いの外時間が経ってしまって、開演が迫ったのでホールのミューザ川崎へ急ぐ。

2階席に座るとプレコンサートとして弦楽器セクションによるホルストの「セント・ポール」組曲が始まるところだった。


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・交響曲第3番 ハ短調 「オルガン付き」  :サン・サーンス
・組曲「惑星」               :ホルスト

  松元宏康(指揮)
  Orchestra Est
  大木麻理(オルガン)
  ワグネル・ソサエティ女声合唱団

 

このオケは東京大学のOBオケで、2016年にできたばかりの学生の気分を残した若いメンバーばかりのオケ。


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東大オケは、2019年に聴いた三石精一さん指揮のサン=サーンスの3番が白熱の名演だった。

今回のメンバーにはその時学生だった人たちも加わっているのではないかと思う。

オルガンの大木麻理さんは、沼響がデュリュフレのレクイエムを演奏したときに弾いていただいている。

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大ホールに鳴り響くパイプオルガンの響き。

この音に浸りたくてここ数年サン・サーンスの3番ばかり演奏会で聴いている。

 

松元氏の指揮は内声部を効果的に浮き上がらせながらキチンと整えていく演奏。

三島の時も感じたけれど、このオケは音の出だしに一瞬低音部が先に出る。

「惑星」は4管の巨大編成にオルガンも加わり、バスオーボエやバスフルートの特殊楽器にテナーチューバ、ホルン6人、ティンパニも2 人。
弦楽器は16型でコントラバスは9人

「火星」では低音を支えるオルガンや「天王星」のバスオーボエのソロも効果的に鳴っている。

「海王星」での舞台裏の女声合唱も良い雰囲気だった。

メンバーが若いので最後までパワーが持続していた。

 

やはり惑星は生に限るな。

 

Youtubeは昨年の東大オケのサン・サーンス、この演奏も実演を聴きました。

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2024年6月 2日 (日)

ファビアン・トゥアンのオーボエとアンサンブル・エシュテ

6月最初の日曜日。

曇りのち午後から強い雨。

午前中は畑の草取りで午後は三島でアンサンブル・エシュテの演奏会。


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・オーボエ協奏曲 ハ長調 K.314   :モーツァルト
・オーボエ協奏曲 ニ長調       :R.シュトラウス
・交響曲第8番ヘ長調 Op.93    :ベートーヴェン

アンコール
・交響曲第7番イ長調 第4楽章短縮版:ベートーヴェン
・ガブリエルのオーボエ        :モリコーネ

 ファビアン・トゥアン(オーボエ)
 近藤聡(指揮)
 アンサンブル・エシュテ

 三島市民会館大ホール

 

中部関東の音楽愛好家で結成されたアマオケということだが水準が高いのにびっくり。

最初プロかと思った。

ソロは元ミラノ・スカラ座管首席にして、現在はイタリア最古のオケ、聖チェチーリア音楽院管首席オーボエ奏者、ファビアン・トゥアンの客演でモーツァルトとリヒャルト・シュトラウスのオーボエ協奏曲。


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大変な名手で特にシュトラウスは凄かった。

伴奏のオケも良くて、関係者に聞いたら2回しか合わせていないとのこと。

 

ほかにベートーヴェンの交響曲第8番。


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トゥアン氏はこの楽団のオーボエ奏者である団長さんがFacebookで知り合ったことがきっかけで、この演奏会だけのために来日したとのこと。

能登半島地震に向けた入場無料のチャリティコンサート。

アンコールのモリコーネの名作「ガブリエルのオーボエ」のトゥアン氏の演奏には涙が出そうになりました。

良いものを聴かせていただきました。

 

Youtubeはトゥアンのオーボエでバッハのオーボエ協奏曲

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2024年4月 2日 (火)

シルヴァン ・カンブルランのダフニス

晴れのち曇り。しだいに雨の予報。


ここ数日の暖かさから遅れ気味だった桜の開花が一気に加速。


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沼津市民文化センターの桜は8分咲き。


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工事中だった東側の駐車場が仕えるようになっていた。


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3月最終日の日曜は音楽大学フェスティバルオーケストラのコンサートで川崎に行っていた。
開演は3時。


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12時過ぎの東海道本線で行く予定でそれまで、沼響の後援会員に送るチケットの準備をしていた。軽い昼食を摂ってさぁ出発。

ところがいつも置いておく引き出しの中にチケットがない。

おかしいな????

探しているうちに本当に買ったのかな?とまで思えてきた。

ちょうど頭を打って硬膜下血腫の副作用でしばし記憶が飛んでいた時期。

 

とにかくチケットを買った事実を確認しようと、EXCELで記録している音盤購入やチケット購入などの音楽関係の購入記録を見てみると確かに購入している。

列車の発車時刻が迫る中深呼吸して再探索。

するとあった!

引き出しの中にある雑多な書類の間に挟まっていた。

 

なんとか間に合って川崎到着は開演30分前。

 

内容はフランスの名匠シルヴァン ・カンブルランの指揮する「ダフニスとクロエ」全曲。

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・交響曲第10番~アダージョ      :マーラー
・バレエ音楽「ダフニスとクロエ」全曲 :ラヴェル

 シルヴァン ・カンブルラン(指揮)
 音楽大学フェスティバルオーケストラ

 

オケは首都圏9音楽大学からの選抜メンバーと合唱団。

前プロにマーラーの交響曲第10番からアダージョ。

 

いや~良かった。


音大生だけあって音程はしっかりしているし管楽器のソロもうまい。

マーラーではカンブルランは比較的速めのテンポ。

透明な響きの中で各声部を明確に浮かび上がらせる見通しの良い演奏。

トランペットの長大なハイトーンと終結部のピッコロのピアニシモもバッチリ決まっている。

 

そしてなかなか生で聴けないダフニスとクロエ全曲。

四管のフルオケにウィンドマシーンを含む多彩な打楽器群。そして合唱。

ラヴェルの精緻なオーケストレーションが実際に見ながらだとよくわかる。

舞台裏のホルンの遠近感も良く出ていた。

 

響きの変化を狙って紙で顔の前面を隠しながらの冒頭の合唱から始まり、しだいに楽器が加わり壮大な山場を造り上げている。

 

もうその部分から期待以上の演奏。

 

カンブルランの指揮の下、学生たちの真剣でひたむきな演奏に合唱が入る「夜明け」には鳥肌が立ってきた。

混成オケながらフランスの香りが感じられたのはカンブルランのマジックなのだろう。

 

せっかく川崎まで来たのだからと20分ほど足を延ばしてお茶の水ディスクユニオンへ。

3月初めに寄っているのに相変わらず懲りない自分。

 

インターバルが短いので前回とあまり様変わりはないと思っていたらかなり変化があった。

長い間の探求盤が格安で見つかったり、と意外な収穫がありました。

 

詳細は後日。

 

Youtubeはカンブルランの「ペトルーシュカ」

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2024年3月12日 (火)

ドビュッシーと魅惑のフランス音楽、萩原麻未と工藤重典のデュオコンサート

3月も半ばになり今日は朝から冷たい雨。

オフィスの建物の地面に咲いていたハナニラの白い花。


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外来種とのこと。

今季は沼響の広報誌の編集担当。記事が出来上がったので印刷会社にネットで発注。

安い金額で手軽に印刷ができる良い世の中になった。

 

ドラゴンボールや、ドラクエのキャラクターで世界的に知られた漫画家の鳥山明氏死去。

死因は「急性硬膜下血腫」とのこと。

自分が暮から患ったのが「慢性硬膜下血腫」。

同世代だし他人事とは思えない。

 

40年以上前、自分が学生だった頃に鳥山氏を目撃したことがある。

1981年2月のことで場所は北海道のデパート。

その日中古レコード市をやっていて珍しいレコードをしこたま買い込んでいた。

この隣接していた会場で鳥山氏のサイン会が開かれていた。

ちょうど「Dr.スランプ」が売れ始めていた頃だった思う。

鳥山氏は色白で優男風のごく普通の人に見えた。

なぜかその時の氏の表情まで覚えている。

 

日曜は三島市民文化会館主催のコンサート、

2004パリ・オリンピックにちなんだ「ドビュッシーと魅惑のフランス音楽

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地方都市とはいえ興味深い内容のコンサートが二日間にわたって開かれていた。

二日とも行きたかったけれど土曜は仕事が入ってダメ。

 

ホールロビーには三島プラザホテル所蔵の高田博厚作のコクトーやロマン・ロランほかの塑像が飾られていた。

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聴いたのは萩原麻未工藤重典のデュオコンサート。

 

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第一部の前半は萩原麻未のピアノソロでドビュッシー
なお2曲目は「デルフィの舞姫」に変更。

後半から工藤重典のフルートとのデュオでサン・サーンスとフォーレ

第二部はプーランクのフルートソナタにフランクのヴァイオリンソナタのフルート版というもの。

 

この二人ならば、と期待して行ったけれど期待以上の素晴らしい内容だった。

萩原麻未は、1位をなかなか出さないことで有名なジュネーヴ国際音楽コンクールの優勝者。このコンクールの優勝者にはミケランジェリやアルゲリッチなど錚々たる名が連なっている。

ちなみにポリーニは2回出場して2回とも2位だった。ホルンのバボラークも1位なしの2位。

 

最初のドビュッシーは「月の光」。

曲の初めの二つの音で「は!」と心を奪われた。

なんと柔らかで繊細な美しい音。

続いて前奏曲集第一巻からの数曲。

工藤重典が入ってからは工藤氏による簡単な曲解説付き。

 

そして後半のプーランクとフランクが圧巻だった。

プーランクのフルートソナタは、工藤氏の師であるランパルのフルートとプーランク自身のピアノにより、ストラスブール音楽祭で1957年6月18日に初演されている。。

 

初演時の面白いエピソードを工藤氏が紹介してくれた。

このとき音楽祭の出演のため大ピアニストのルービンシュタインがストラスブールに滞在していた。

ルービンシュタインはこの曲をどうしても聴きたかったのだが、あいにく初演の前日までしか滞在することができない。

そこでランパルとプーランクは、ルービンシュタインのために公式な初演の前日にこの曲を演奏したのだという。

観客はルービンシュタイン一人。

 

工藤氏のプーランクはまさに入魂の演奏だった。

祈りのような深い思いに満ちた第2楽章のカンティレーナ。

おそらくこの曲の演奏に関しては、今はこれ以上の演奏はないだろう、と思えるほど。

 

フランクの名作はフルートで演奏すると東洋的なテイストが感じられる。

オルガン弾きのフランクが書いた曲は一つ一つの旋律の息が長い。

フルートで吹くとブレスも含め相当な技を必要とするはずだけれど、工藤氏は苦も無く吹いていた。

 

萩原さんのピアノもドビュッシーの時とは異なるがっしりとした音色と力強い打鍵。

フルートに寄り添いながら時として対等に渡り合うスリリングな演奏を展開。

フィナーレも圧倒されました。

 

アンコールはラヴェルの「ハバネラ形式の小品」

このラヴェルを演奏を聴いているうちに、70年代のはじめの中学生の時に聴いたイタリアのフルーティスト、セヴィリーノ・ガッゼローニの演奏会のことを思い出した。


場所は昭和20年代に建てられた古い沼津の公会堂。

中学の音楽の先生から声をかけられて聴きに行ったと記憶している。

もう半世紀も前のことだ。

自分が聴いた初めての世界的な音楽家がガッゼローニだった。

 

そして、その時のアンコールがラヴェルの「ハバネラ形式の小品」。


伴奏ピアニストはブルーノ・カニーノ

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工藤氏の演奏を聴いているうちに、ガッゼローニの表情や前のめりになって弾くカニーノの姿が半世紀の時を超えて蘇ってきた。

 

ガッゼローニのコンサートの前半はヘンデルやヴィヴァルディ、後半は福島和夫やペトラッシ、シュトックハウゼンらの現代音楽だったと思う。

これらの曲を中学生の自分がどれだけ理解できたのかは疑問だけれど、ヴィヴァルディよりもペトラッシの「スーフル」や福島和夫の「冥」の演奏は今でも印象に残っている。

松平頼暁の「ガッゼローニのための韻」では最後にガッゼローニ自身が発する「ガ!・ゼ!・ロー!・ニ!」の言葉で曲を締めくくっていた。

こんなことも思い出した。

 

音楽は古い過去の記憶を呼び覚ます。

 

今回の三島のコンサートは客の入りはよくなかったけれども、世界最高水準の演奏が気軽に聴けることができてありがたかった。

 

このような意欲的な催しをこれからも続けていって欲しいと思う。

 

Youtubeは萩原麻未の弾くラヴェルのピアノ協奏曲ト長調第1楽章、ジュネーヴ国際音楽コンクールの本選ライヴ

 

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