カテゴリー「コンサート感想」の記事

2025年4月12日 (土)

「東京・春・音楽祭2025」、ムーティの指揮でオール・イタリア・プログラム

春らしい暖かな4月の週末。
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昨日の雨で富士山は雪化粧。

昨日は上野で「東京・春・音楽祭2025


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場所は東京文化会館大ホール。

演奏は2009年以来頻繁にこの音楽祭のために来日している、巨匠リッカルド・ムーティの指揮。

 

10時23分沼津発の東海道線に乗り、1時少し前に上野到着。

上野公園はいつものように海外からの観光客ばかり。
ところどころに中学生の修学旅行生らしき集団。
桜はほとんど散っていた。

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コンサートは夜なので、しばし公園内を散策したのちに国立科学博物館特別展「古代DNA 日本人のきた道」へ。
その後は「お茶の水ディスクユニオン」へ。

このあたりの詳細は後日。

 

コンサートは7時開演。

6時前に着いてしまったので、どこかカフェで時間を過ごそうと思っていたら、どこも既にクローズド。


やむなく開場の6時まで文化会館のロビーでいろいろなチラシを見たりしていた。


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そして開演。

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「東京・春・音楽祭2025」

・歌劇「ナブッコ」序曲  :ヴェルディ
・歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲 マスカーニ
・歌劇「道化師」間奏曲  :レオンァヴァッロ
・歌劇「フェドーラ」間奏曲 :ジョルダーノ
・歌劇「マノン・レスコー」間奏曲 :プッチーニ
・歌劇「運命の力」序曲  :ヴェルディ

・コンテンプラツィオーネ:カタラーニ
・交響詩「ローマの松」  :レスピーギ

  リッカルド・ムーティ(指揮)
  東京春祭オーケストラ
  コンサートマスター:郷古 廉

 

イタリアオペラの巨匠の作品がずらりと並ぶオール・イタリア・プログラム。

 

オケはこの音楽祭のために集められた人たち。

 

毎年の常連もいるらしいけれど、客席から見るとメンバーは皆若い。
持参したオペラグラスで見ると知っているのはN響第一コンマスの郷古廉さんくらい。

 

一見、音大オケのような若者ばかりなので、最初大丈夫かいな・・・
と思ったけれど、演奏が始まると杞憂であることがわかった。

沢山出てくる管楽器のソロはうまいし弦楽器も後ろのプルトまでよく鳴っている。

ムーティはとても83歳とは見えない若々しさ。

 

きびきびと進める指揮棒からはオーラが出ていて、ムーティの曲への共感が自然とオケに伝わっていく。
真剣なまなざしで一糸乱れず食い下がっていくオケ。

2曲目の歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲の美しさには涙が出そうになった。
充実した前半が終わり満席の会場は興奮状態。

 

後半はカタラーニとレスピーギ。

カタラーニの曲は初めて聴く。
ほとんどオペラ「ワリー」1曲で知られるカタラーニ。
美しいヴァイオリンの流れが続く、ちょっぴりワーグナーのティストが感じられる佳曲だった。

 

そしてレスピーギの「ローマの松」。
ムーティはフィラデルフィア管を指揮して名演の録音を残している。

開演前からバンダ(別動隊)の場所が気になっていた。
客席を見渡してもその気配はなく、ステージに目を移すと前半にはなかった椅子がステージの左右の両脇と後方の3か所にずらりと並べてあった。
各6脚ずつ合計18脚。

実際並んだのは正面にトランペット2にフリコルノ4。
両脇はそれぞれトランペット3にトロンボーン3、合計18人。

「ローマの松」は実演で何度か聴いているけれど、バンダがこんなに多いのは初めてだ。

東京文化会館にはパイプオルガンがないので、その分の補強なんだろうか、と勝手に想像していた。(電子オルガンは入っていたけれど、ほとんど聞こえませんでした)

 

第1曲の「ジャニコロの松」のフォルティシモでのヴァイオリン群のピッタリそろったボーイング、「カタコンブの松」の緊張感あふれるピアニシモから爆発的なフォルティシモでのホルンはベルアップ。
「ボルゲーゼ荘の松」でのクラリネットその他の管楽器のソロもお見事。

そして満を持してひた押しに押してくる終曲の「アッピア街道の松」。

遠近感を保ちながらピアニシモから始まるベース群の響き、コールアングレのソロに引き続き次第に加わる管楽器群、ズシンと響く大太鼓。
バンダ18人の威力もあったけれど、けっしてうるさくはならず、終盤に向けて大きなカーヴを描きながら巨大なクライマックスを築いていたのが圧巻。


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終演後、団員たちが去っても、ステージ前に押し寄せた観客の歓呼に応え、ムーティは何度もステージまで出てきてくれた。
手にはイタリア国旗。

オール・イタリア・プログラムだったからかな。

このクラスの指揮者になると、さすがに音楽の深さと表現の幅の次元が違う。

ムーティはやはり凄かった。

 

Youtubeはムーティ指揮シカゴ響の「ローマの松」

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2025年2月 4日 (火)

札幌交響楽団東京公演2025

2月第2週。今週から寒気到来の予報。

昨日は札幌交響楽団の東京公演を聴くためにサントリーホールへ。


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東京でコンサートがある時は、お茶の水ディスクユニオンへ寄ってからコンサート会場に行くのがルーティーンになっていた。

最近は音盤購入のペースを抑えていて、そのまま直に会場に行こうかなと迷っていると、ネットで新宿ディスクユニオンクラシック館がこの日限定の990円以下半額のセール中の記事を見つけてしまった。

サントリーホールならば新宿からでも良いな・・・・

勃然と湧き上がる音盤購入の衝動。

 

開演時間から逆算して家を出たのが1時過ぎ。


目的地が新宿なので小田原から小田急に乗り換えることにした。

小田原で下車してロマンスカーの特急切符を購入。

時間調整でスタバでコーヒーなんぞを飲んでいた。

 

時間になったので改札に行くと人身事故のため運休の表示で呆然。

がっくりとして長い行列を並び、切符を払い戻して急遽JRに予定変更。

だいぶ予定が狂って新宿着は17時。

 

コンサート開場は18時半、夕食を先にするかディスクユニオンでレコードを見るか迷った末に
制限時間を17時45分までと決めてユニオンへ。

ここでの購入については次回です。

 

ディスクユニオンを後にして地下鉄六本木一丁目駅着は18時過ぎ。

インフルエンザは癒えたとはいえ、年末から引き摺っている風邪の影響からしばし咳込んでしまうのと花粉症が始まったのかクシャミも出るので、クリニックで処方された咳止めを持参していた。

服用するには食事を摂らねばならず、とりあえず目に入ったタリーズでホットドックとコーヒーの軽い夕食。

 

急いでホールに向かうと広上淳一さんのプレトークが始まっていた。

今日のプログラムは

・組曲「乱」      :武満徹
・ピアノとオーケストラのためのリトミカ・オスティナータ*  :伊福部昭
・10のバガテルから第4曲*  :チェレプニン(ピアノのアンコール)
・交響曲第2番ニ長調      :シベリウス
・悲しきワルツ         :シベリウス(アンコール)

 外山啓介(ピアノ)*
 広上淳一(指揮)
 札幌交響楽団

広上淳一の指揮とピアノソロは沼津に毎年のように来演していた外山啓介。

曲は武満徹に伊福部昭、そしてシベリウスの交響曲第2番のまさに北海道ならではのプログラム。

プレトークに続いて、札幌交響楽団の首席指揮者だった秋山和慶さんを追悼してモーツァルトのディヴェルティメントK136第2楽章の演奏。

 

組曲「乱」は黒澤明監督の映画「乱」のために書かれた映画音楽から4曲の抜粋。

映画「乱」の音楽を演奏していたのが札幌交響楽団だった。

武満徹は自分の作品にティンパニの使用は積極的でなかったけれども、この曲は黒澤監督の要求で作曲者の意に反して、最初の曲からティンパニがドロドロ鳴っている。

全般的に陰鬱で暗い曲。

続いて伊福部昭のピアノとオーケストラのためのリトミカ・オスティナータ。

これが怒濤の凄演で、聴いていて鳥肌が立ってきた。

途中でゴジラのテーマも出てきた。

終わったあとにブラボーの嵐に盛大な拍手。

満席のホール全体が興奮状態。

 

後半のシベリウスも気合いの入った指揮者とオケ。


第2楽章最後のピチカート大きな見得を切る広上の指揮。

最後までオケが鳴りきった壮大な演奏だった。


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ピアノソロのアンコールは、伊福部昭を世に出した作曲家チェレプニンの10のバガテル。

 

オケのアンコールはシベリウスの悲しきワルツ。


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札響の実演は学生時代にずいぶん聴いたので懐かしかった。


40数年ぶりの実演を聴いて、着実にレベルが上がっているのが嬉しい。

会場を後に急ぎ電車に飛び乗り、品川発22時19分こだま静岡行きで帰宅は日付が変わる10分前。

明けて今日は仕事。

よく眠れたので疲労感は残っていない。。

 

Youtubeは伊福部昭の「ピアノと管弦楽のためのリトミカ・オスティナータ」

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2024年12月29日 (日)

今年最後の冬の音楽会

孫達が帰省してきて大暴れ。

世話の合間に片付けやら掃除やらの慌ただしい年の瀬。

今日墓の掃除をしていたら、お墓の裏の土の中から仏像が出てきた。
あまり古いものではなさそうだ。

ご先祖の誰かが埋めたのだろうか。

 

昨日は、年に一度音楽好きの仲間が集まる「冬の音楽会」。

 

場所は隣町の長泉町文化会館ベルフォーレのイベントホール。


これは音楽好きの仲間たちが、日頃練習していた音楽をジャンルを超えて、自由に演奏して皆で楽しむ会。


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10回目の今回は18の個人やグループが出演。

 

自作の弾き語りや歌、トランペットソロやピアノソロにピアノデユオ、小さな子どもと一緒のファミリーの合奏、珍しいファゴット三重奏などなど・・・

バルトークからポップス、童謡までの多彩な内容。

バルトークを弾いた女性は、アマチュアながら国内のコンクールの入賞歴もある強者。

 

今回は娘のファミリーも出演させていただき、婿殿は自作をギターで弾き語り。
3歳と1歳の孫は初デビューとなりピアノと歌と踊りを披露。

長男は体調最悪だったけれど、本番になったら笑顔で愛嬌をふりまいていた。

 

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沼響からも2人が参加した。

ティンパニのWさんによる「新世界より」と「ラデツキー行進曲」の独演は、多重録音を駆使してなかなかの好演。

ファゴットのMさんによるソロはアーンの「クロリスへ」。

そしてファゴット三重奏など。

 

最後は全員合唱で「故郷」

 

今年の最後を飾る楽しい音楽会でした。

 

Youtubeはアーン作曲「クロリスへ」、ピアノ伴奏が美しい。

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2024年12月 7日 (土)

ルミエ・サクソフォンクアルテット沼津公演

12月最初の週末。寒さ厳しく、もう師走の気分。
過ぎ去った秋。

昨晩はルミエ・サクソフォン・クァルテットのコンサート。

 

仕事を終えてホール近くの「バーミヤン」で夕食。
久しぶりに行ったら配膳ロボットが料理を運ぶシステムに変わっていた。

「ずいぶん料理が来るのが遅いなぁ」と思いながらスマホをいじっていたら、顔を上げたら配膳ロボットが目の前に立っていた。

店員さんに比べ何か味気ないな。

 

コンサート会場は、市民文化センター小ホール。


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この団体は東京芸術大学同窓生のメンバーによるサクソフォン・クアルテットで、今回は創設10周年を記念した一連のコンサートのひとつ。

 

アルトサクソフォンの戸村愛美さんは沼津市出身。
地元高校の音楽科から東京芸術大学に進学。


今年7月にグラズノフのコンチェルトを聴いている。

・アンダンテとスケルツォ    :ボザ
・楽器紹介~山の音楽家
・25の練習曲から4曲     :ブルグミュラー
・英雄ポロネーズ        :ショパン
     休憩
・ボレロ            :ラヴェル
・弦楽四重奏曲         :ラヴェル

~アンコール
  「ふるさと」

 ルミエ・サクソフォン・クァルテット
   住谷美帆(ソプラノ)
   戸村愛美(アルト)
   中嶋紗也(テナー)
   竹田歌穂(バリトン)

          沼津市民文化センター小ホール


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今回は10周年を記念して、メンバー4人の故郷での4回のコンサート。

茨城、鳥取に続いて沼津は3回目。

ファイナルは東京文化会館でのコンサートを予定している。

 

最初のボザはサクソフォン・クァルテットオリジナル曲の定番。

安定したテクニックと均一な音色、アンサンブルの緻密さでまずは実力を披露。

続く「山の音楽家」はバリトンサックスの中嶋さんのアレンジ。

手際よく各楽器のカラーを紹介。

ブルグミュラーではピアノ初心者おなじみの曲集から「素直な心」「アラベスク」「清らかな小川」「貴婦人の乗馬」の4曲を巧みなアレンジで聴かせる。


ショパンの「英雄ポロネーズ」も同じような傾向。

サクソフォン・クァルテットは、弦楽四重奏にも似た同質性とバランスが感じられて

音楽性も高いものが多い。

この形態ではダニエル・デファイエやマルセル・ミュールら、偉大な先人たちのアンサンブルがあり、それぞれ優れたディスクを残している。

手持ちでは10枚ほどのコレクション

この団体10年という歴史を経て、アンサンブルとしてかなり熟成しているように思えた。

メンバーも若いのでパワーと持久力も十分。

それは後半のラヴェルで遺憾なく発揮されていた。

「ボレロ」では執拗なリズムを主にバリトンサックスが担当。

アレンジが巧みで、4人での演奏ながら室内楽的な面白みの中に、フルオケで聞くような色彩感も感じられる良い演奏だった。

弦楽四重奏曲は第1、2,4楽章を演奏。

こちらもアレンジが非常に良く、時としてオリジナルかと思えるほど。

曲の持つフランス的な洒落た軽みと音色感はサクソフォンに合っている。

これ、弦楽器でも難しいのに管楽器ではかなりの難曲だと思う。

 

4人ともなかなかの名人で、中でもソプラノサックスが傑出。

 

終演後のオリジナルグッズ売り場はかなりの盛況だった。

結成10年を経て、途中コロナ禍をはさみながらも着実に歩んできた結果なのだろう。

 

Youtubeはルミエサクソフォンクアルテットによるプラネルの「バーレスク」

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2024年10月20日 (日)

團伊玖磨の交響曲第5番「駿河、復活再演のことなど

10月も後半の日曜日は昨晩から気温が下がり朝は冷たい雨。

午前中に所用があり弟の家に寄った後に静岡市清水区へ。

電車に乗って40分余り、昨日最高気温30度を記録した清水駅に降り立つと小雨交じりの寒風が吹く秋を飛び越して冬のような肌寒さ。


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駅前広場で開催中のビーチバレーボール大会も寒そうだ。

 

今日は清水フィルによる團伊玖磨の交響曲第5番の復活公演。


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この曲は59年前の昨日沼津で初演された曲。

 

ちょうど昼時だったので清水港のまぐろ館で昼食

天気はよくないけれど日曜とあってかなりの混みようだ。

結局お一人ならば空いています、という声に釣られて入った店で3色海鮮丼。


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偶然、今回のコンサートでエキストラとして参加していた、沼響のコンサートミストレルのYさんも昨日同じ店で同じものを食べていた。

 

團伊玖磨の交響曲第5番は初演後ほとんど再演されず、1988年に交響曲全集として録音されたけれど、楽譜の所在がわからなくなっていた。

「交響曲駿河の演奏会を実現する会」のメンバーが、横須賀市役所に保管されていた自筆総譜を探し出し、その自筆譜を元に浄書し総譜とパート譜を作製した。

作製の過程には大変な苦労があったようだ。
作製するにあたってはクラウドファンディングによって資金を集めている。

私もささやかながら、協力させていただきました。

演奏会前日の昨日、実現する会のメンバーの方から「良い席を用意させていただきます」との丁寧な電話が入り恐縮。

そしてコンサート開演は14時。


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・ヒューマンセッション 一万人の港響曲より  :宇崎竜童
    第1楽章「陽光」
    第2楽章「羽衣の舞」
    第6楽章「志みず道にて」

・かっぽれフラメンコ              :宇崎竜童
・清水エスパルス公式応援歌 「王者の旗」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・交響曲第5番「駿河」             :團伊玖磨

 松元宏康(指揮)
 清水フィルハーモニー管絃楽団
 森一馬(歌)
 清水木遣り保存会、港かっぽれ振興会

 

プログラム前半は、歌有り踊り有り木遣りありと郷土色のかなり強いもの。

宇崎竜童の曲は3管の大きな編成の本格的な管弦楽曲。

和太鼓も入り伊福部昭や小山清茂の管弦楽曲を聴くような、懐かしさと美しさあふれる佳曲だった。

曲の合間に指揮の松元氏とコンマスの方の解説付き。

指揮の松元氏はお笑い芸人としての顔もあり、M1グランプリでは3回戦まで進んだという
なかなか面白かった。

 

後半はいよいよ交響曲第5番。

曲は全3楽章、オケは3管編成にホルン6本というかなり大きな編成。

駿河銀行の70周年記念依嘱作とはいえ祝祭的な雰囲気は皆無。

第1楽章はヴァイオリンソロで始まり、しばらく弦楽四重奏の形で進むユニークなもの。

喜遊曲風の第2楽章を経て変奏曲の第3楽章。


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事前に贈られたスコア片手に、團伊玖磨指揮ウィーン響のCDで予習はしていた。

いやぁ、正直なところ水準の高さに驚いた。

たくさんあったソロも立派でした。

静岡県にゆかりのある曲がこのような形で蘇ったことに感謝します。

ありがとうございました。

 

Youtubeは團伊玖磨の祝典行進曲、秋山和慶の指揮

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2024年9月15日 (日)

富士フィルハーモニー管弦楽団 第48回定期演奏会

9月も半ば、昨晩雨が降ったので湿度が高い。

本日の最高気温33度。

畑の草刈りはようやく終了。

草刈り機の替え刃をネットで買ったらサイズを間違えて、やむなく古い刃のママで作業。

どうも最近凡ミスが多い。
おとといスーパーに買い物に行ったら財布を忘れて出直したりしている。

 

今日は隣町の富士フィルハーモニー管絃楽団の定期演奏会。


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富士のホールまでは自宅から小一時間。

早めに家を出てホール近くのハードオフでも冷やかそうかとも思ったけれど、家の雑事で結局家を出たのがお昼過ぎ。

 

ホール到着はちょうど13時。
開演にはまだ1時間ほどあるけれど、ホールの駐車場はほぼ満車。
なんとか滑り込みで駐めることができた。

昼食はホール近くの小さな食堂で鳥ご飯付きざるそば780円。

富士フィルは10年ほど前にマーラーの「復活」を聴いている。

 

今回のコンサートは、パリオリンピックにちなんだお洒落なプログラム。

ベルリオーズ以外は全て踊りの曲なのは意図したものだろうか。

・序曲「ローマの謝肉祭」    :ベルリオーズ
・亡き王女のためのパヴァーヌ  :ラヴェル
・小組曲からバレエ       :ドビュッシー
・組曲「牝鹿」から3曲      :プーランク
・組曲「アルルの女」からファランドール :ビゼー
・歌劇「サムソンとデリラ」からバッカナール :サン・サーンス
・組曲「火の鳥」から4曲     :ストラヴィンスキー

アンコール
 喜歌劇「天国と地獄」からカンカン  :オッフェンバック

 石﨑真弥奈(指揮)
 富士フィルハーモニー管弦楽団

フランス作曲家のオールスターが勢揃い。
ホルンとしては大ソロがある曲が2曲。


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沼響からも何人かエキストラで参加しているし知り合いの団員も多数。

自分としてはプーランクがお目当て。

「牝鹿」の実演は初めて聴く。

やはり生で聴くと意外なパートの活躍に気づかされたりする。

チューバが要所要所で重要な役割を果たしていた。

 

MCも入りわかりやすくも楽しいコンサート。

 

Youtubeはプーランクの組曲「牝鹿」から第1曲、サイモン・ラトル指揮ロンドン交響楽団

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2024年7月28日 (日)

劇団四季静岡公演のキャッツ

猛暑、連日40度近い日が続く。

これだけ熱いと外出する気は失せてしまう。

ご近所の畑も日中作業する人もなく雑草が伸び放題。

お年寄りが多いだけに控えているのだろう。

我が家の畑も雑草をかき分けながら胡瓜、トマトを収穫する始末。

 

昨日は劇団四季静岡公演のミュージカル「キャッツ」

今回出演する娘の友人が良い席を確保してくれた。

 

開演は13時、場所は静岡市民文化会館。

早めに自宅を出て静岡市へ向かう。


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道中図書館で借りた劇団四季の「CATS」のライヴCDを車中で聴いていた。

渋滞もなく90分ほどで到着。

 

かつてこのホールでは駐車場の確保で苦労したので、娘と待ち合わせて早めに会場へ向かう。

車をホールの近くへ駐めたあと昼食の場所を物色。

 

近くに洒落たブックカフェを見つけたので入ってみる。


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店主の選書眼が光る厳選された本のみが整然と並ぶ書架。

しばし眺め店主に話しかけると、ランチメニューはないというので外に出だ。

 

娘がすぐ近くにネットで評価の高いカフェダイニングがあるという。

行ってみるとほとんど予約席で埋まっていたけれど幸いカウンター席が空いていた。

 

人気店らしく、次々と客が入ってきては満席ですと断られていた。


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ここではランチメニューの油淋鶏定食、ライス、ドリンク付き。

 

店をでて会場へ。


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ホールに入ると舞台は都会のゴミ捨て場。


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壁面にはご当地静岡のお店のチラシなどが貼り付けたユニークな舞台。


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「キャッツ」は初めてなので事前に予習はしておいたけれど、ストーリーはよくわからない。

ロイド・ウエッバーの音楽と、劇団四季のメンバーのエネルギッシュで洗練されたダンスを楽しむ2時間半。

娘の友人の高田直美さんは今日の舞台ではタントミール役。

隣町の三島市出身で娘とは高校の同級生の仲。

 

彼女は高校の時から劇団四季に入って「キャッツ」に出演するのが夢だったという。

劇団四季研究所のオーディションを受け、1000人の応募の中からの20人に選ばれた。

その間ミス日本のファイナリストにも選ばれた才媛。

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暗い舞台に一人スポットライトが当たる冒頭から彼女がいきなりソロと踊りで登場。

正直なところ驚いた。

 

その後も大活躍。

終演後、娘と一緒にご挨拶することができました。


スッピンながら美しく、我が子と同し年とはいえしっかりとした人生の目的を持ち、それを努力で実現した姿が眩しいほど。

 

これからも応援します。

 

Youtubeは劇団四季静岡公演のプロモーションビデオ

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2024年7月22日 (月)

尾高忠明指揮富士山静岡交響楽団のショスタコーヴィチ

本日大暑。

梅雨も明けて本格的な夏、どころか6月から連日の30度越え。

毎年の気温の上昇は止まず。
昨年は過去2000年で最も暑い夏だったそう。

今年は昨年よりも暑いのではなかろうか。


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本日朝の牛臥山公園からの海。


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先週半ばから孫達が帰省していて大暴れ。

金曜夜は文化センターでクラシックレコードコンサートの解説やら、土日は婿殿と飲んだりしていてブログの更新が滞った。

 

そのような中で土曜の午後は富士山静岡交響楽団三島公演。


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三島では今年2回目の公演で前回は高関健の指揮でブルックナーの交響曲第8番

今回は尾高忠明の指揮でチャイコフスキーとショスタコーヴィッチのロシアプロ。


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・ヴァイオリン協奏曲 ニ長調   :チャイコフスキー
・スコティッシュ・メロディ :ヨアヒム
(アンコール)

・交響曲第5番 ニ短調   :ショスタコーヴィチ

 前田妃奈(ヴァイオリン)
 尾高忠明(指揮)
 富士山静岡交響楽団

 

ヴァイオリンは2022年ヴィェニャフスキ国際ヴァイオリンコンクール優勝の前田妃奈

 

富士山静岡交響楽団は先月、日本オーケストラ連盟の正会員として承認されたばかりのまさに登り調子のオケ。

やる気十分のオケとソリストが練達の指揮に導かれ、2曲とも聴き応えのある名演になった。

 

チャイコフスキーではストラディヴァリウス「ヨアヒム」が美しく響き、力強さの中に豊かな歌心も感じられて、第一楽章の出だしにはホロリときた。
バリバリと豪快に鳴り響くフィナーレも見事。

アンコールは楽器にちなんだ偉大なヴァイオリニスト、ヨアヒムの無伴奏ヴァイオリンのための「スコティッシュ・メロディ」

 

尾高忠明のショスタコーヴィッチは読響を指揮した第5番のCDを所蔵済み。

沼響のHPでの聴き比べではずいぶんと厳しい内容になってしまったけれど、今回の演奏は燃えるような熱気の中でオケを存分に鳴らし切った壮大な演奏となった。

 

第一楽章クライマックスでの壮絶な盛り上がりからして会場は興奮気味。


研ぎ澄まされた厳しさ漂う第三楽章もよく、力の入ったフィナーレもアンサンブルの乱れもなく終結部に向かってのクライマックスの構築も見事。


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最後に尾高さんのユーモアたっぷりのスピーチがあり「三島のウナギが実に美味しかった。静響はどんどん上手くなっています」と。

聴衆も素晴しく、楽章間の静寂と壮大な響きで終わったショスタコーヴィチでも一瞬の間を置いての盛大な拍手とブラボーが良かった。

爽やかな後味の残るコンサート。

今日のような演奏が聴けるならば毎回聴きたい。

 

Youtubeは尾高忠明のショスタコーヴィッチ、交響曲第5番。立教大学のオケ。

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2024年7月 8日 (月)

三島ゆうゆう祝祭管弦楽団第4回定期演奏会

連日の猛暑。
昨日は静岡市で最高気温40度。

本日、耐震診断のために市から委託された建築士の方が来訪。

建築士の方は来るなり「解体するんですか?」

耐震診断を申し込んであると、危ない家を解体するときに市から補助金が出るらしい。

なにせ昭和の初めの建物で、耐震については全く考慮されていない我が家。

いろいろと手直ししてあるので、しばらくはそのままのつもり。

一時間ほど診ていただき、結果は後日郵送されてくるらしい。

 

昨日は七夕。


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田子の月の七夕の一日限定「冷やし笹ぼたもち」。


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午前中は帰省している孫達を連れて家内の実家に行っていた。

 

午後は、三島ゆうゆう祝祭管弦楽団第4回定期演奏会。

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・交響詩「フィンランディア」   :シベリウス
・アルト・サクソフォーンと弦楽オーケストラのための協奏曲
                 :グラズノフ
・交響曲第2番 ニ長調      :シベリウス
・威風堂々 第1番(アンコール)

  戸村愛美(アルト・サクソフォーン)
  米田覚士(指揮)
  三島ゆうゆう祝祭管弦楽団

 

このオケは3月に聴いている

シーズン毎にメンバーを募るというユニークなオケで、地域で活躍している音大出身者やアマオケの中でも腕に覚えのある奏者を集めている。

指揮の米田覚士氏はかつて沼響に下振りで来ていただいたこともある若手指揮者。
ソリストの戸村愛美さんは沼津市出身。

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シベリウスの2曲は沼響でも演奏した曲。

グラズノフは数少ないサクソフォーンのためのクラシカルな曲では著名な曲だけれど、
実演で聴くのは初めて。

少ない練習回数の中での混成オケゆえの粗さはあったけれども、シベリウスはパワフルなブラス群の健闘が光っていた。

戸村愛美さんの演奏するグラズノフのサクソフォーン協奏曲はやわらかでしっとりとした美しい音色で楽しめた。

 

オケのメンバーは知っている人たちばかり。

終演後に楽屋を訪ね知人たちと歓談。

 

Youtubeはグラズノフのサクソフォーン協奏曲

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2024年6月11日 (火)

Orchestra Est 第9回定期演奏会

本日晴天、各地で真夏日

昨日午前中にはかかりつけのクリニックで定期健診。

ついでに市から健康審査の受信券が来たので前立腺の検査もお願いした。

 

日曜は川崎で2月に三島で聴いたOrchestra Estの演奏会。


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三島公演の時に、この演奏会を知って、サン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」と「惑星」という魅力的なプログラムに惹かれてやって来た。

9時30分沼津発のJRで11時30分川崎着。

開場まで時間があったので川崎モアーズのサイゼリアで昼食。
ついでに同じ建物にあるブックオフへ。

店はかなり広くてクラシックのCD棚は充実。

LPもあったけれど、どこにもあるような一般的な国内盤が中心だった。

CD棚を見ていたら声楽関連に良いものが多くて思わず見入ってしまった。

ここでビゼーの未完のオペラ、「イワン4世」のCDを発見。
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指揮はオネゲルで名演を聴かせたツィピーヌによるもの。

デルヴォー指揮の同じくビゼーの「真珠採り」全曲とカップリングのCD2枚組。

アンスネスの弾くヤナーチェクとニールセンのピアノ曲集と一緒に購入。


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思いの外時間が経ってしまって、開演が迫ったのでホールのミューザ川崎へ急ぐ。

2階席に座るとプレコンサートとして弦楽器セクションによるホルストの「セント・ポール」組曲が始まるところだった。


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・交響曲第3番 ハ短調 「オルガン付き」  :サン・サーンス
・組曲「惑星」               :ホルスト

  松元宏康(指揮)
  Orchestra Est
  大木麻理(オルガン)
  ワグネル・ソサエティ女声合唱団

 

このオケは東京大学のOBオケで、2016年にできたばかりの学生の気分を残した若いメンバーばかりのオケ。


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東大オケは、2019年に聴いた三石精一さん指揮のサン=サーンスの3番が白熱の名演だった。

今回のメンバーにはその時学生だった人たちも加わっているのではないかと思う。

オルガンの大木麻理さんは、沼響がデュリュフレのレクイエムを演奏したときに弾いていただいている。

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大ホールに鳴り響くパイプオルガンの響き。

この音に浸りたくてここ数年サン・サーンスの3番ばかり演奏会で聴いている。

 

松元氏の指揮は内声部を効果的に浮き上がらせながらキチンと整えていく演奏。

三島の時も感じたけれど、このオケは音の出だしに一瞬低音部が先に出る。

「惑星」は4管の巨大編成にオルガンも加わり、バスオーボエやバスフルートの特殊楽器にテナーチューバ、ホルン6人、ティンパニも2 人。
弦楽器は16型でコントラバスは9人

「火星」では低音を支えるオルガンや「天王星」のバスオーボエのソロも効果的に鳴っている。

「海王星」での舞台裏の女声合唱も良い雰囲気だった。

メンバーが若いので最後までパワーが持続していた。

 

やはり惑星は生に限るな。

 

Youtubeは昨年の東大オケのサン・サーンス、この演奏も実演を聴きました。

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