カテゴリー「コンサート感想」の記事

2019年2月17日 (日)

日曜はオーケストラ三昧、木嶋真優のヴァイオリンそして沼響の練習

暖かなで穏やかな日曜日。

ポコも日なたで上機嫌。


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今日は静岡交響楽団定期演奏会、今回は三島。


開演前に、先月感銘を受けた三島の佐野美術館の「甦る刀剣」展に行くつもりで早めに家を出たけれども道路が渋滞。


とても観る時間はなく、やむなく直接ホールに向かうと近くの駐車場は満車。

幸い近くの駐車場に停めることができた。


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コンサートの内容は高関健指揮でオールショスタコーヴィチプログラム。


・組曲第1番

・ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調  作品77

・交響曲第5番 ハ短調        作品47


 高関健  指揮
 静岡交響楽団
 木嶋真優   (ヴァイオリン)


ヴァイオリンは今話題の木嶋真優。


席はほぼ中央前から4番目で完全にソリストがお目当て。

前日の清水公演での好調ぶりは事前情報で入っていた。


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最初の組曲ではフォルティシモでのオケの音の混濁が気になった。

ホールに慣れていないようだ。



そしてヴァイオリン協奏曲。


彼女の超絶のヴァイオリンは期待通り。

変幻自在の音色変化、そしてストラディヴァリウスが朗々と鳴っている。



第3楽章の幽玄な世界ではあたかも薪能の場に立ち会っているかの如し。

古代の巫女の儀式に立ち会っているかのようで、会場の聴衆も釘づけ状態。


パッサカリアの長大なカデンツァを経て終曲のブルレスケに突入するスリリングな瞬間ではゾゾゾっと鳥肌が立った。

これは凄い!


合わせ名人の高関健の棒さばきも見事なもの。


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後半の交響曲も手慣れた指揮にオケも良く応えた熱演だった。


フィナーレで指揮とオケとでテンポの齟齬はあったもののオケが壮大に鳴り切っていて 楽しむことが出来ました。


静響も高関さんが指揮者になってから面白くなってきた。


終演は5時過ぎ。




コンサートが終わった後、興奮冷めやらぬ中その足で沼津市民文化センターへ向かう。

沼響の日曜練習。

場所は小ホール。


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曲はフォーレの組曲「マスクとベルガマスク」の初合わせにラロのスペイン交響曲と サン・サーンスの交響曲第3番。


久しぶりの弦楽器、管打楽器の合奏だ。


なんとか練習開始の6時には間に合った。

静響のコンサートを聴いた沼響の団員が練習途中でポツリポツリと会場に入ってきた。


オーケストラ三昧の一日。



Youtubeは木嶋真優の弾くショスタコーヴィッチ、今日のソロはこの映像よりも凄かった。

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2019年1月21日 (月)

東京大学音楽部管弦楽団第104回定期演奏会のことなど

新たな週の始まり。本日快晴。

日曜は東京大学音楽部管弦楽団第104回定期演奏会に行っていた。

場所はサントリーホール。




9時50分沼津発高速バス新宿行に乗る。


途中足柄SAでトイレ休憩、渋滞で遅れることも予想して昼食用にホットドックとドリンクを購入。


定刻通りに渋谷に到着。地下鉄でサントリーホールへ。

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東大オケは100年近くの歴史を誇る学生オケの雄。


かつて作曲家の柴田南雄氏が1978年に演奏された東大オケのマーラーの演奏を聴いた感想を書いていた。



・・技術的な出来栄えから言えば東京にいくつかある職業オーケストラの真ん中よりも上かもしれぬ。・・・

曲は早川正昭指揮の交響曲第6番。


この一文が頭に残っていて東大オケの同曲の私家版LPも手元に有る。(山岡重信指揮のもの)




今回の曲は


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・組曲「マ・メール・ロワ」  :ラヴェル

・交響詩「死と変容」     :R.シュトラウス


・交響曲第3番 ハ長調「オルガン付き」 :サン・サーンス



   三石精一指揮
   東京大学音楽部管弦楽団
 
   オルガン:小島弥寧子

というもの。


チケットは完売。

今回の座席は1階前から6列13番、ほぼ理想的な場所だ。

 
マ・メール・ロワとサン・サーンスはかつてこのホールでプロオケの演奏を聴いている。


ラヴェルは1995年ブーレーズ指揮のロンドン交響楽団。
サン・サーンスは1989年バレンボイム指揮のパリ管弦楽団。

 
ブーレーズの時は共演予定のポリーニが体調を崩し、予定されていたバルトークのピアノ協奏曲第2番がシェーンベルクのピアノ協奏曲に変更になり、当日になって協奏曲も も弾くことが出来ず、結局シェーンベルクのピアノ小品を数曲弾くだけになってしまった。
その埋め合わせとして、当初プログラムになかった「マ・メール・ロワ」が演奏された。


演奏はこの組み合わせで悪かろうはずもなく手慣れた名演だったという印象。

ちなみにメイン曲は「春の祭典」だった。



バレンボイムの時のサン・サーンスは前プロで、メインはスクリャービンの「法悦の詩」。

中プロとして何かあったはずだが思い出せない。


この時はスクリャービンの巨大編成オケの印象が強烈で、サン・サーンスは透明で美しい演奏だったものの曲の弱点がさらけ出されてしまって期待外れが大きかった印象しか残っていない。




そんなことを思い出しながら、そして今練習中のサン・サーンスのホルンパートを反芻しながら聴いていた。




三石精一は隣町のアマオケ三島フィルの指揮者だったので何度か聴いている。


オケを手際よくまとめる職人的な手腕の中にもがっしりとした構成力で聴き手を掴む手練れの指揮者の印象。


そして開演。




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ステージに登場したのは自分の子どもたちと同じ世代の学生たち。


最初のラヴェルから初々しく清々しい響きがホールに漂う。

良くコントロールされた透明な弦楽器の響きに感心する。

コンマスのヴァイオリンソロなど立派なものだ。


巨大な編成の「死と変容」もクライマックスでの熱く巨大な響きも聴きごたえのあるもの。金管楽器の多少の混濁はやむなしか。



後半のサン・サーンスは手に汗握る白熱の演奏で、空気を揺るがすオルガンの巨大な響きの中で学生たちの熱き思いがストレートに伝わり、会場も興奮状態となっていた。


弦楽器もうまいがオーボエのソロが見事。


アンコールは歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲をオリジナルとおりのオルガン付きで。


目を真っ赤にしてヴァイオリンを弾いていた女性奏者たちはこれで卒団なのだろうな。


爽快にして気持ちの良いコンサートでした。


帰りはインフルエンザで臥せっていた娘のマンションに寄り、帰宅は10時少し前。

Youtubeはデュトワ指揮モントリオール響のサン・サーンス交響曲第3番 

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2018年12月28日 (金)

韮山時代劇場で娘のライヴ

晴れ、昨晩は台風並みの強風。

寒波が降りてきたようだ冷えてきた。

娘は友人と東京に遊びに行き家内は年末の買い物。




本日で今年の仕事納め。

社長の年末の挨拶。
昨年は同じ場所に古くからの友人が立っていたことを思い出した。


前社長であった彼はこの3月に急逝。

1年経つのは早いもの。

現社長の話を聞きながら昨年の同じ場面を昨日の出来事のように思い出していた。




今週の火曜日、振替休日のクリスマスイヴには娘が所属するバンドのライヴに家内と行っていた。

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場所は伊豆の国市韮山にある時代劇場映像ホール。


この劇場に来たのは久しぶりで映像ホールの場所がわからない。

道すがらの人に尋ねて案内された場所は大ホールだった。




中に入ると地元の高校吹奏楽部の定演の真っ最中。

早々にホールから出て映像ホールを探す。



するとコミュニティFMの放送局の横に映像ホールの小さな表示が見えた。


会場に入るとさほど広くはないが天井が高い半円形の建物。


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客は出演者を含めて50人ほどが丸テーブルを囲んでお茶やお菓子をつまみながら聴いていた。




ちょうどバッハの「半音階的前奏曲とフーガ」を若い女性が弾いている。

ピアノはヤマハの小型グランドピアノ。

調律が万全でなく、それぞれの音のピッチが不揃いで音が暴れている。

これでは奏者が気の毒だ。


なんとなくチェンバロっぽく軽い響きなのは、楽器のコンディションのためだろう。




ライヴといっても気心知れたアマチュア音楽家たちが集まってさまざまなジャンルの音楽を気楽に楽しむというもの。

出演は全部で11団体と個人。


クラシック有り、フォークギターの弾き語りありロックバンドありといった雑多なもの。



自作のピアノ曲を弾く若い女性や自作の弾き語りを披露する若者達も。

バッハ、ベートーヴェン、ドビュッシーからチック・コレア、日本のポップスエトセトラ。



出演者の平均年齢は若く、聴衆もその仲間とおぼしき人達。

自分がこの中でかなり年長の部類であることを意識する。



演奏レベルに差はあれどお互いに仲間の演奏を無心に楽しんでいるのが良い雰囲気だ。

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このコンサートは今回が5回目だと言うことで娘は第1回からの常連らしい。


娘はヴォーカルのかたわらMCやらホルンを愉しげに吹いたりしていた。


曲はチック・コレアの「ラ・フィエスタ」やメンバーのオリジナル、その他「アランフェス協奏曲」など。



いつ練習したのだろう?



会場で母校の吹奏楽部顧問であり後輩のK君を見つけた。

教え子の高校生がここでイベールの難曲、サクソフォン協奏曲を吹いたのだという。

私「へぇー、音大を目指しているの?」
K「その気はないようです」




終演は5時過ぎ。

帰りに家内と「一匹の鯨」でR50ラーメンと餃子。

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ミョウガが良い味を出している辛口ラーメンだ。

その後家近くの人気のケーキ店「ぺるる」に寄ってみるとケーキは売り切れだとのこと。


ちょうど店のクリスマス・イベントでトランペットの演奏を披露していたらしくサンタの衣装の男女が楽器を片付けていた。

よく見ると男性は市内老舗吹奏楽団の顔見知りの団員。



ともあれ、おいしいケーキや紅茶もいただきながら娘の活躍を見ていた2時間余り。



ここ数年でも印象的なクリスマスイヴ。


youtubeはチック・コレアの「クリスタル・サイレンス」

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2018年11月17日 (土)

ウェルザー=メスト&ウィーンフィル来日公演

曇のち晴れ、朝晩少しずつ冷えてきた。

木曜は所用があり東京に行っていた。

用件は午後からだったので朝早めに家を出て、国立博物館で開催中の「マルセル・デュシャンと日本の美術展」。

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デュシャンの特異な作品の数々のうち主に絵画作品が中心の展示。

既製品に多少手を加えた作品としては有名な「泉」(小便器)、瓶乾燥器など。

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ウーム、正直なところ私には解説を見て初めて意味がわかる作品が多かった。

平日でもあり入場者はさほど多くない。


デュシャンと関連付けて第二部は「デュシャンの向こうに日本がみえる」と称して国立博物館所蔵の作品展示。

自分としてはこちらがお目当て。

利休が愛した長治郎作の黒楽茶碗「むかし咄」

豊臣秀吉の北条攻めの際、伊豆韮山の竹を使い利休が作製したと伝わる竹一重切り花入れ「園城寺」。


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本阿弥光悦作の国宝「舟橋蒔絵硯箱」と光悦自身の美しい書「摺下絵和歌歌巻」。


そして狩野探幽と俵屋宗達が同じ題材で書いた「龍図」


他に東洲斎写楽、喜多川歌麿など。

国宝重文がずらりと並んだ展示。

いずれも広く知られた逸品ばかり。

間近に見る利休の切花入には周りに人もおらず、時間の経つのを忘れて長い間見入ってしまった。

竹の口をよく見ると内部に通る一筋の茶紫の線が実に良い雰囲気だ。

これは至近距離で見ないとわからない。

光悦の蒔絵のどっしりとした重量感。


デュシャンとの関連はよくわからないが良いものを見た。


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ちょうど国立博物館では庭園の一般開放中で、紅葉を期待して入ってみた。




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紅葉にはまだ早かったけれども、庭園内に点在する江戸時代の茶室の素朴で落ち着いた趣に心安らぐ思い。

利休の作品の余韻にうまくつながった。


昼食は娘の働く会社近くのステーキレストランで娘と待ち合わせ。


午後からの所用を済ませて夜はミューザ川崎シンフォニーホールでウィーンフィル来日公演。


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ウィーンフィルの実演は1989年のアバドでモーツァルトとブルックナーを聴いて以来。
その時はオーチャードホールだった。



今回の席は4階やや右側。このホールの上の階は前の席との間が狭い上に一列が長い。
居心地は良くないが音はバランス良く聞こえていた。


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指揮はウィーン国立歌劇場総監督を歴任しクリーヴランド管弦楽団の音楽監督にして ニューイヤーコンサートにも登場しているフランツ・ウェルザー=メスト。

・序曲「謝肉祭」作品92        ドヴォルジャーク
・ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 イ短調 作品102
                     ブラームス
・「神々のたそがれ」第3幕抜粋   
              ワーグナー~ウェルザー=メスト編曲

ヴァイオリン:フォルクハルト・シュトイデ
チェロ   :ペーテル・ソモダリ

ブラームスとワーグナーの曲は作曲者自身がウィーンフィルを振って演奏している曲だ。

ソリストの二人はウィーンフィルの団員でヴァイオリンはコンマスの一人でチェロはウィーン国立歌劇場のソロチェリスト。


最初のドヴォルザークからコントラバス8人の16型。

ウェルザー=メストの音楽は奇をてらわずウィーンフィルの特質を上手く引き出していく正統的なもの。


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オケ全体の響きに溶け合いながらも自己主張も充分。

ソロとオーケストラが一体となってじっくり豊かに歌い上げる第二楽章を聴いているうちに、ブラームスとウィーンフィルとの深い絆のようなものが時代を超えて伝わってきた。


これが伝統というものなのか。



流れの良いウェルザー=メストの指揮もウィーンフィルの自発性を見事に引き出している。




ワーグナーは楽劇「神々のたそがれ」第3幕から4曲をウェルザー=メストが編曲して接続曲としたもの。

夜明けとジークフリートのラインへの旅に始まり1曲置いて葬送行進曲。
最後に終曲。

再び16型、ティンパニ奏者2人にワーグナーチューバを含むホルン8人、バストランペットも加わる大編成。

これは圧巻だった。

深く奥行きのある重量級の音がほどよい音圧でホール内を満たし、ウィーンフィル独特のティンパニの音がずしりと音楽全体を引き締めていく。

フォルティシモでのウィンナホルン8本の咆哮には鳥肌が立ってきた。
ジークフリートコールのホルンソロでは、最初ステージ裏で吹いているように聞こえたけれど、良く見るとステージ上で吹いていた。
これは音を後ろの壁面に反射させて、あたかも遠くのステージ裏から響くように吹いていたのではなかろうか。
これには驚いた。



アンコールはヨハン・シュトラウスを2曲。


・ワルツ「レモンの花咲くころ」
・ポルカ「浮気心」

やはりこのような曲になるとウィーンフィルは特別な存在だ。

youtubeはウェルザー=メスト指揮クリーヴランド管のブルックナー、交響曲第8番

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2018年10月28日 (日)

バボラーク・アンサンブルを聴く

穏やかな10月最後の日曜日。

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昼下がりに近くの牛臥山公園に行ったりしていた。



ここの小浜海岸は、井上靖の自伝的な小説を原作として映画化された「わが母の記」で ロケに使われた場所。

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役所浩司扮する主人公の洪作が母役の樹木希林を背負う印象的な場面で使われていた。

原田眞人監督は同郷にして高校の先輩。

ススキ越しに大瀬岬が良く見えた。


夜は隣の新築祝いの宴席。
ご主人は腕の良い大工なのでかなりの部分は自作。

最新の技術と実験的な手法を取り入れていて、最小限のエネルギーで冷暖房をまかなえる屋内の空気循環の工夫には驚くことばかり。

隙間風自然冷房の築90年のわが家と比べて隔世の思い。



今月20日の土曜日に聴いたバボラークのことなど。

世界的なホルンの名手ラデク・バボラーク率いるバボラークアンサンブルのコンサートに行っていた。

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会場は晴海アイランド・トリトンスクエア内にある第一生命ホール。

ホールは満席完売状態。若い女性客も多かった。


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自分の隣の学生らしき女性の手荷物は黒いケースに入ったホルン。
ホルンを吹いている人も多く来ているのだろう。


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曲はなんとモーツァルトのホルン協奏曲第5番、第6番。
他にライヒャとボウエンの作品。


モーツァルトのホルン協奏曲は第4番まで。

そのうち最晩年に作曲された第1番は2つの楽章しかない。

今回の第5番、第6番は、断片として残された変ホ長調のK.370bと
ホ長調のK.494を補筆したものをそれぞれ第1楽章としている。

それぞれ第2楽章と第3楽章は、モーツァルトの他の作品から引用編曲して3楽章の協奏曲としたもの。

なお第6番の第3楽章には、ホルンのためのロンド・コンチェルタンテK.371を使用。

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アンサンブルは弦楽四重奏にコントラバスが加わったもの。

ライヒャのオリジナルがホルン五重奏だがこれを六重奏で演奏していた。

ボウエンの作品はデニス・ブレインに献呈された曲。

20世紀に作曲された曲ながら、保守的な作風でディーリアスやエルガーに共通した渋さと清涼感がミックスされたような曲。

これら4曲を、柔らかな音色で弦楽器と溶け合いながら時にはソリスティック、時にはアンサンブルの一員として見事な演奏を聴かせてくれた。


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モーツァルトの2曲は、モーツァルトの作品とはいえ従来の4曲の協奏曲とは音楽とホルンの一体感が異なるように思う。

この日演奏されたモーツァルト自身が書いた未完の二つの楽章は、自分には実験的な手法を試みようとして当時のホルンの限界が見えて作曲を止めてしまったようにも思える曲。


他の曲(バセットクラリネットのためのアダージョや交響曲第19番、第22番など)を編曲して持ってきた楽章も、違和感とまではいかないが3楽章の協奏曲としてはモーツァルトの天才的な閃きが薄まっているような気がする。


さらに各曲でのバボラーク自身によるカデンツァの見事さが、曲の弱点を浮かび上がらせているようにも見える。

カデンツァでのバボラークの重音奏法はとにかく凄かった。

このバボラークの超絶技巧はライヒャでいかんなく発揮。

数多くの管楽器のための音楽を書いたライヒャの作品は、とかく表面的でどの曲も同じように聞こえがちだけれども、曲としてのインパクトはモーツァルトよりもこちらの方が上だった。



それにしてもバボラーク。

唖然とするような演奏の連続に、楽章間では会場内を恐ろしいほどの静寂が支配。

演奏を聴いているうちに、これほどのホルニストは世紀にひとりかふたり。
まさにデニス・ブレイン以来の歴史的な名手だと思った。


ここに来ていた観客の誰しもが思ったのではなかろうか。

アンコールはなんとヤナーチェクの「シンフォニエッタ」から第4楽章。

信じられないことだが、オケ原曲に出てくるチャイムに似た音がこの編成で
実際に聞こえてきて唖然。


それともそら耳だったのだろうか。

youtubeはバボラークアンサンブル

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2018年10月22日 (月)

ブロムシュテット、N響定期のハイドンとマーラー

朝の冷えが少しずつ深まり今日も爽やかな秋の空。

夕方見た富士の雪は昨日よりも薄れていた。

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先週金曜日の東京滞在の続きです。


フェルメール展のあとは代々木上原のそば処「山せみ」で昼食。

静かにショパンが店内に流れる東京でのお気に入りの店。


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代々木で所用を済ませ夕食はとらずにそのまま歩いてNHKホールへ。

開場は18時。

ホールには開場前に到着。
空が曇り始めて雨の気配。


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N響定期は3年前にノリントン指揮のティペット、シューベルトプロ以来。


今回は名誉指揮者のブロムシュテット。

ブロムシュテットの実演は初めてだ。

歴代のN響の名指揮者たちマタチッチ、スゥイトナー、サヴァリッシュらはいつでも聴けると思っているうちに皆聞き逃してしまった。

辛うじてホルスト・シュタインをバンベルク響との来日公演で聴けたくらい。

ブロムシュテットは御年91歳。
ここで聴いておかねば・・・・という気持ちが正直なところ。


できるだけ良い条件で聴こうと席は1階S席中央やや後方。



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プログラムは


・交響曲第104番ニ長調「ロンドン」    ;ハイドン
・交響曲第1番ニ短調  「巨人」      ;マーラー

標題付き交響曲の2曲。

いずれもかつて沼響で演奏した曲だ。

オケの配置はコントラバス下手対向配置。

ステージ上にはティンパニが3セット。

右端のセットはハイドン用のバロックティンパニ。

ひな壇上段の2セットはいずれもマーラーの二人の奏者用。


そしてブロムシュテットの登場。

とても90を超えているとは思えない。
テレビでお馴染みの矍鑠とした姿。

最初はハイドン。

第1楽章序奏に続く柔らかで気品にみちた主題では不覚にも涙が出てきた。
ピタリとピッチの合った極上の弦楽器の音。

今まで聴いてきたN響とは違う音が鳴っている。
第3楽章での絶妙なパウゼも神の域。

曲が終わり、前プロなのに盛大なブラボーと大きな拍手が鳴り止まらない。

そして休憩の後「巨人」。

ホルンはアシストを入れて8人、元N響団員の日高さん、山本さんの姿も見える。

フィナーレ最後のホルンの補強はトランペット、トロンボーン各1.

使用譜は最新のベーレンライター譜ではなく通常版。
したがって第3楽章冒頭のコントラバスはソロ。

演奏は、これほどの大きな編成になるとハイドンで聴かれたような均一な透明感のある響きは望めないものの大編成オケの醍醐味を満喫。

ブロムシュテットの指揮を見ていると体が非常に柔らかく、この柔軟な体から停滞感のない充実した音楽が流れていく。

聴いていて第3楽章の葬送行進曲が、ベートーヴェンの「第九」第4楽章で歓喜の主題が楽器が徐々に増えていく部分のパロディだということに気が付いた。

第4楽章も緻密にして雄大な出来だ。
若々しい青春の感情の爆発ではなく、真摯に音楽に向き合ったストイックなマーラー。

それにしても若い。

ブラボーと盛大な拍手に何度もステージに出てきてくれたブロムシュテットの誠実な姿は
孤高の修行僧のようにも見えた。

YoutubeはブロムシュテットとN響のマーラー、交響曲第9番

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2018年9月30日 (日)

高関健、静響のシベリウス

曇のち台風。

台風は衰えぬままに来襲。
高潮の時と重なるタイミングが伊勢湾台風以来だという。


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本日予定されていたさまざまなイベントは事前に中止。
JRも早々と運行取りやめを決定。

今夜予定の沼響の練習も昨晩のうちに中止に決めた。




昨日は静岡交響楽団第81回定期演奏会。

前から楽しみにしていた高関健指揮のシベリウス。


昨日も朝から雨。

演奏会に行くついでに市立図書館で開催中の「白隠展」を観に行く。

白隠の寺、松陰寺秘蔵の逸品をセレクトした展示。

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白隠がこの場所にいるかのような気迫のこもった作品の数々。

この空間全体に漂う尋常でない霊気。

あまりの迫力に圧倒されてしばし立ち竦む。


気分が高揚したところで沼津駅へ。

本日の会場は清水駅近くの清水マリナート


その前に清水港近くの食堂街で昼食。

あいにくの雨模様のために昼時なのに観光客は少ない。

観光バスは一台のみ、カッパを羽織った交通整理役のガードマンも暇そうだ。



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適度に混んでいる店に入り海鮮五色丼をオーダー1200円。

希望の食材を5種類セレクトして載せてくれるというもの。

それなりの水準だけれど、ヴォリューム、魚の鮮度も沼津港周辺の店の方が良いと思った。

適度に満足したところでホールに向かう。
徒歩で5分ほどの至近距離。



曲は

・歌劇「オベロン」序曲
・クラリネット協奏曲第2番 :以上ウェーバー

・曲不明のクラリネットアンコール(無伴奏) 

・交響曲第2番       :シベリウス
・悲しきワルツ(アンコール)

というもの。


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演奏は期待以上の出来だった。

高関健は、その当時の最新のエディションの楽譜を使った群馬交響楽団とのベートーヴェン交響曲全集録音が非常に良くて、その頃から贔屓の指揮者。


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静響は要所要所のパートに比較的著名なゲスト奏者を招いている。

今回のゲストコンマスは藤原浜雄氏。
オケの配置はコントラバスを舞台向かって左側の古典的な対向配置。



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高関健のきっちりとした見やすい棒。

棒を見ているだけで指揮者の言いたいことがよく判るほど。

オケは管楽器に幾分不満を感じる部分があったとはいえ概ね健闘していた。

序曲ではキッチリ整理されたアンサンブルで、古典的な均整のとれたすっきりとした演奏。


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コンチェルトはクラリネットの吉田誠が素晴らしいなソロを聴かせてくれた。

抜群のテクニック、弱音部の美しさも秀逸。

あたかもロッシーニのオペラを彷彿させるような初期ロマン派の名曲を
歌心豊かに楽器を鳴らしていく。

ここでの伴奏も実に見事。

あの棒ならばソリストもさぞや演奏し易かろう。

鳴り止まぬ拍手に応えてアンコールは無伴奏のクラリネットソロの曲。



ここでの超絶技巧にも会場からブラボーと大きな拍手がわき上がっていた。


そして後半のシベリウス。

この曲は自分でも実際に演奏し、既に数え切れないほどの実演や音盤を聴いている。

それでも今日の演奏は随所に新しい発見が感じられる非凡なものだった。

幾分速めのテンポで始まった第1楽章。
要所でブラスの咆哮がピシッと決まり、端正な中にも意表を突くようなロマンティックなテンポの変化。

予測不能な音楽の流れの中でなるほどなぁ!
と思う説得力のある解釈が次々と出てくる。


これからどのように音楽が展開していくのだろうかと、わくわくするような期待感。

中でも大きく壮大に歌いあげた第2楽章には感動した。

フィナーレではじわりじわりと盛り上げていきながらの輝かしい終結部最後のコラールのも感動的。

そして大きな拍手とブラボーの声。

アンコールは「悲しきワルツ」で熱くなった会場をクールダウン。


客席は半分ほどの寂しい入りだったけれども来場のお客さんたちは満足した様子。

7月に聴いた外山雄三のシューベルトも良かった。

高関健がミュージカルアドバイザーに就任してから、静響に客演する指揮者やソリストが豪華になってきた。

県内の数少ないプロオケとして、これからも正統派の音楽を聴かせていただきたいと思う。       

今回のサブコンミスは、沼響第20回定演でサン・サーンスのヴァイオリン協奏曲第3番を弾いて下さった大森潤子さん。

第20回定演は、演奏会当日に巨大台風がピンポイントで付近を直撃するという大変な演奏会だった。

大森さんの姿を見ているうちに、当時のことと今来襲しつつある台風がオーバーラップ。

Youtubeは高関健指揮の伊福部昭

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2018年7月25日 (水)

小柳ゆきとニューヨーク・シンフォニック・アンサンブル

夏の終わりに鳴き始めるツクツクホウシやヒグラシの声が裏山から聞こえている。

でもまだ7月、夏の終わりが見えてこない連日の酷暑。

今年は観測史上の最高温が出るほど尋常でない夏。

「大暑」の月曜からは、今まで声を潜めていたクマゼミが一斉に鳴き始めた。
昨年盛大に鳴いていたミンミンゼミの声はまだ聞こえない。


火曜日は一日休みを取ってリフォームの打ち合わせその他。

作業を進めていくうちに次々と不具合が見つかり結局大規模なものになってしまった。

リフォームと同時に掃除と片付けの1日。

20年近く開かずの棚を整理していたら、子どもたちが幼い頃遊んでいた玩具やゲームの類が次々と見つかった。

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子どもたちにはファミコン類は与えなかったので、出てきたのはオセロやコリントゲーム、カルタ、トランプの類などアナログ的なゲームの数々。

懐かしさに思わず手が止まる。


そして月曜の夜はニューヨーク・シンフォニック・アンサンブルのコンサート。


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このオケは8年前に修善寺で聴いている。


今回は実力派シンガーの小柳ゆきとの共演。

とはいえ彼女の出演は最後の部分の3曲のみ。


チラシでは出演者として地元長泉町で活動している「鮎壷太鼓」
の名も見える。18時30分開演。


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・トランペット協奏曲ニ長調   トレルリ
・アリア            バッハ
・ヴァイオリン協奏曲第4番   モーツァルト

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・交響曲第29番        モーツァルト

   指揮 高原守


実際にはオケの前に鮎壺太鼓13名による和太鼓。


バッハはカット。


休憩なしで交響曲まで通しで演奏され休憩後に小柳ゆきの登場。


和太鼓ークラシックーポップスという盛り沢山の内容だ。


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客層は招待らしき高校生多数。


他のお客さんも楽章ごとに拍手が入り必ずしもクラシックお目当てでも無さそう。


MCはプロらしき男女ふたり。


開演時間を15分ほど遅れて始まった。



最初の和太鼓は地元の有志のようだがなかなか本格的なもの。


半分プロのような雰囲気。



ニューヨーク・シンフォニック・アンサンブルはその都度編成される日本ツァー用室内オケと推察する。


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オーボエ2、フルート1、ホルン1、トランペット1


若い楽団員が主。

トランペット協奏曲のソロは楽団員の一人の女性奏者。

柔らかい音で音色は美しいけれどテクニックはいまひとつ。



続くヴァイオリン協奏曲のソロは日本人奏者。


正直なところ音程定まらず全曲通すのがやっとのありさま。
最後まで聴き通すのが辛いほどの水準だった。

バックのオケは無表情に黙々と伴奏を付けていた。


ここでトランペットソロを吹いた女性奏者が、フリューゲルホルンに持ち替えて2番ホルンのパートを吹いていたのには驚いた。(゚o゚)



交響曲はキビキビとしたテンポ運びでオーボエ奏者の健闘もありなかなか楽しめたものの、第2楽章の2本のホルンの動きの部分などフリューゲルホルンではかなりの違和感。



10分ほどの休憩の後小柳ゆきの登場。



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軽妙なトークを合間にドナ・サマーのカバーとヒット曲を含む3曲を披露。


実力派シンガーだけに会場を圧倒していた。



ヒット曲「あなたのキスを数えましょう ~ You were mine ~」の最初の部分で
伴奏と微妙なズレが生じ最初から歌い直すおまけ付き。


伴奏のオケは美しい響きを聴かせてくれたけれど、

おそらく歌との合わせのリハーサルは当日本番直前のみ。


今日の目玉は小柳ゆき、けれども3曲では少なすぎた。



もっと小柳ゆきの歌を聴きたかった。



ということで多少の物足りなさが残ったコンサート。



youtubeは紅白歌合戦での小柳ゆき

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2018年7月22日 (日)

ベルリンフィル弦楽五重奏団

今日も真夏日。
夕方に裏山から晩夏に鳴くツクツクホウシやヒグラシの声。

今年はペースが早いけれども夏はまだ始まったばかり。

昨日はベルリンフィル弦楽五重奏団のコンサートだった。

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今回の公演は臼井国際産業の主催公演。


岳父の友人からの招待で、家内と私、家内の両親と私の母、そして娘と娘の友人の総勢7名で行くことになった。

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会場近くまで行くとホール前の道路は大渋滞。


この団体の沼津公演は結成当初の2008年2011年、そして今回が3回目。


メンバーは以前とは多少の変動があり、中心的存在だったチェロのタチアナ・ヴァシリエヴァは現在ロイヤルコンセルトヘボウ管の首席チェロ奏者としての参加。





ベルリンフィル弦楽五重奏団

ルイス・フェリペ・コエーリョ(ヴァイオリン)
ロマーノ・トマシーニ(ヴァイオリン)
ヴォルフガング・ターリツ(ヴィオラ)
タチアナ・ヴァシリエヴァ(チェロ)
ヤーヌシュ・ヴィジク(コントラバス)



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・タルティーニ:ヴァイオリン・ソナタ ト短調「悪魔のトリル」

・レーガー:叙情的アンダンテ「愛の夢」
・ロッシーニ:弦楽のためのソナタ 第6番 ニ長調「テンペスタ」
・サン=サーンス:ハバネラ Op.83
・チャイコフスキー:弦楽セレナード ハ長調 Op.48


ヴァイオリン独奏曲を弦楽四重奏での伴奏が面白く、ピアノ伴奏では聴き取れない内声部の動きがよくわかったのが面白い。


サンサンーンスの「ハバネラ」で第1ヴァイオリンのルイス・フェリペ・コエーリョの会場全体を包みこむような優しく包み込む音色にはホロリときました。


さすがに超一流の演奏家たち。


ピッチがぴたりと決まった世界最高水準の完璧な演奏で、一緒に聴いていた音楽には全く素人の岳父も感嘆していた。



曲目は渋いものだったが、一流の演奏はどの曲を演奏しても万人に受け入れられることを実感。

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アンコールは3曲、曲名はわからぬが最初の2曲はポルカ系の曲、団員による曲名の紹介でヨゼフ・シュトラウスの名は聞きとれた。


3曲目は会場から団員から呼びかけられた女性がヴァイオリンとして参加してパーセルの曲を演奏していた。


どのような方かはわからない。主催者の関係の人なんだろうか。


本番前に地元でヴァイオリンを学ぶ子どもたちを集めて、ベルリンフィルのメンバーによる公開クリニックもあったようだ。



今はすっかり少なくなってしまった企業のメセナ活動。


ありがたいことです。



演奏会終了後は、皆で来月の法事の仕出しをお願いした「吟水」で食事。



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有田焼の大皿の飾れた部屋で厳選された食材、そして日本酒はお店特注の「吟水」。

 

店主に尋ねたところ県内の花の舞酒造製だという。


すっきりとした飲み口の良いお酒だった。


Youtubeはレーガーの抒情的アンダンテ

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2018年7月 3日 (火)

外山雄三、静岡交響楽団とのシューベルト

東海地方は未だ梅雨明けにならず明日はからしばらく雨の予報。

昨日から家のリフォームが始まったものの雨で予定が大幅に狂いそうな気配。

金曜にふと見かけた静響コンサートのチラシ。


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静岡交響楽団第79回定期演奏会

・序曲「マンフレッド」  シューマン

・組曲「道化師」     カバレフスキー


・交響曲第8番「ザ・グレート」  シューベルト

  外山雄三 指揮

      静岡市清水マリナート
      6月3日  14時開演

外山雄三は「管弦楽のためのラプソディー」の作曲者にしてN響正指揮者。
御年87才は日本人指揮者として現役最長老だと思う。

手持ちで何枚かの音盤はあれど今まで実演に接したことはなかった。



恐ろしいほど耳のよい指揮者だと言うことは聞いていた。

厳しいトレーニングで静響がどのような演奏をするのか興味深く、知人の静響関係者に当日券の有無を確認。



聞けば妥協のない非常に厳しい練習で、オケの状態も良いので是非本番を聴いてほしいという。



土曜日は11時57分沼津発の静岡行きに乗るつもりがタッチの差で乗り遅れた。

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次の電車が来るまでホームの立ち食い蕎麦で昼食。

下りホームの屋台は明治から続く老舗駅弁屋の「桃中軒」。


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黒めのつゆの出汁がほどよい加減。

清水に到着すると沼響元団員のチェロ弾きのTさんに合った。




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Tさんは第一回定期演奏会に自分と一緒に出演した古参の団員で、その後長いブランクがあったもの数年前に復活していた。

同じくチェロを弾いていた家内はチェロのことで大変お世話になっている。
レコードも大量にいただいている。



この度息子さんの住む茨城に転居することになり沼響を退団。

もうこれで静岡とは縁が切れてしまうのだという。

ホールのラウンジでドリンクしながらのしばし懐かしい話。



そして開演。


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外山さんは指揮台を使わない。


87才とは思えないしっかりとした足取りでステージに登場すると
いきなり長い指揮棒を一閃。


なんとなく唐突感はあるけれど、ホール内に豪然と響く引き締まった音。


今までの静響からは聞けなかった無駄のない凝縮した響きだ。


快適なテンポで緊張感に満ちた素晴らしいシューマンが鳴り響く。



カバレフスキーのような軽い曲も良い意味での職人技の光る快演。



休憩を挟んでのシューベルト冒頭のホルンは2本で吹かせていた。

こちらもステージに登場して足を止めたと同時に指揮棒をふりはじめた。

それでも2本のホルンがぴったり合っていたのが不思議。


今にして思えば外山さんがステージに足を踏み入れたその瞬間から、シューベルトへ指揮が始まっていたのだと思う。


速めのテンポでぐいぐいと引っ張っていく。

オケが必死に食らいついていくのがなんとも感動的だ。

繰り返しは全て励行しているけれど停滞感はない。

集中力と、ほどよい緊張感が全曲を支配。


関係者の話では耳の良さと厳しい練習が有名で、楽団員はかなり恐れていたとのこと。


練習は全曲を通すことはなく、要所要所を何度も繰り返す練習だったらしい。


アンコールはシューベルトのロザムンデ間奏曲。

オケを自由に歌わせてロマンティックで美しい演奏。


終わったあとの楽団員たちの指揮者を見つめる尊敬の眼差しが印象的だった。



次回は野平一郎指揮でフォーレのレクイエムをメインビゼーの交響曲などのフランスもの。

その次は高関健指揮でシベリウスの交響曲第2番などの魅力的なプログラムが続く。


プロオケとしては未だに発展途上のオケだけれども、このような演奏が毎回聴けるのであれば定期会員も良いかなと思った。



帰りの車中、Tさんと興奮覚めやらぬ中での立ちながらの音楽談義を小一時間。


転居先の茨城では、息子さんが所属するアマオケに入団するつもりだと言う。


Tさんお元気で、そしていろいろとありがとうございました。




youtubeは外山雄三指揮N響の「ラプソディー」。懐かしい顔ぶれです。

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